保育の専門学校、養成学校に通わずに独学やスクール、通信教育などで保育士を目指す人は保育士資格試験に合格しなければいけません。
2008年には全国の平均合格率が10%ほどでしたが、ここ10年の合格率は約20%です。
人によっては難しいと感じないかもしれませんが、他の看護師など国家資格と比べると合格率は低く、難しいイメージです。
どうして保育士資格の取得は難しいのでしょうか。
合格率約20%
上記の通り保育士資格試験の合格率は約20%です。
5人に1人が合格する、1クラス40人と考えて8人が合格すると考えるとこの合格率は高いでしょうか、低いでしょうか。
子どもたちの命を守り育てるためのスキルがあるかを確認するための試験なので、難しくて当然といえば当然です。
保育士試験には合格者の定員がなく、合格ラインギリギリの60点でも合格なので満点を目指す必要はありません。
9科目を一度ですべて合格する必要もありませんし、年に2回行われ、幼稚園教諭免許の有資格者特例措置があるなどキャリアアップのための受験でも資格取得のチャンスは増えています。
国が保育士を増やしたいと考えているので、勉強をするための補助金も国や自治体が負担してくれます。
全国平均の合格率は低いですが、効率的な勉強方法と合格ラインをクリアするポイントを抑えておけば合格できるのです。
保育士の資格取得が難しい理由とは
保育士資格試験の仕組みを確認するとどうして難しく感じるかが見えてきます。
筆記だけでなく実技も合格する必要がある
保育士資格試験は筆記と実技試験の両方に合格する必要があります。
筆記試験に合格したら、実技試験の受験が可能です。
筆記試験はマークシート方式ですが、実技試験はもちろんマークシートではありません。
保育現場で必要になる実践的な技術が求められるのです。
「音楽表現に関する技術」「造形表現に関する技術」「言語表現に関する技術」の3分野から2分野を選択して受験します。
歌や楽器が苦手な人は音楽以外、絵が苦手な人は造形以外、試験管を子どもに見立ててお話するなんてムリという方は言語以外と、ご自身の得意分野を選んでチャレンジしましょう。
技術も知識も保育士として働くには欠かせないものなのです。
筆記試験だけで9科目ある
筆記試験はマークシート形式で、9科目あり、1科目につき10~20問の設問が用意されています。
「教育原理」および「社会的養護」は各分野50点満点で設定されており、各30点以上で合格です。
上記の通り9科目とも合格しなければ実技試験に進めません。
とはいえ、一発合格をどうしても目指したいというわけでなければ一度合格した科目は3年間再受験が免除されるため、今回難しかった場合も6割とれなかった科目だけ受験すればよいのです。
保育士として必要な知識をバランス良く浅く広く網羅して勉強する必要があります。
問題は苦手科目を得意科目の特典でカバーするということができないこと。
すべての科目で60点以上必須なので、効率よく勉強ができない場合は難易度が高いと感じるでしょう。
自分のペースで合格を目指そう
保育士資格試験は合格率は高くありませんが、出題する側は合格を妨害したいわけではありません。
筆記試験であれば、子育て経験や子どもに関わるお仕事の経験がある方は「これは知っている」「これならわかる」という内容が意外と多いものです。
生活に直結したような内容、日本国憲法に関する内容と幅広いですが、決して難しい試験ではありません。
片手間で余裕で合格できるかというと難しいですが、独学が不安な方は保育士資格取得に特化した講座の受講をオススメします。
苦手を補ったり、前回の試験で6割得点できなかった科目だけ受けたりも可能なのでぜひチェックしてみてください。
スタートは早ければ早いほど有利。
4月と10月の年2回実施される試験ですが、地域限定試験が実施される自治体もあります。
ご自身が一番受けやすい時期の試験を選びましょう。