性別違和の園児の存在を自治体がアウティング(公表)し、訴えられたニュースをご存知でしょうか。
「一度死んで女になりたい」「ママが間違えて産んだ。ママが悪い」と口にし、周囲からのいじめや理解のなさによるストレスで円形脱毛症にまでなった6歳児。
SDGsやLGBTQなど多様性や平等性を訴える社会にありながら、保育の現場は男女の性差がハッキリしています。
これから保育士になる方、保育士としてスキルアップしていきたい方は無意識の性差別への気付きが必要です。
まずは気づくこと
男女別が無意識に刷り込まれていることに保育者として気づき、多様性を認めること、子どもたちが自分らしく過ごすことができる環境を整えることが大切になります。
個人のマーク
園には個人を識別するマークを子どもたちに付与しています。
大体男の子は青や緑の背景に車や電車、飛行機、くまやライオン、カブトムシ。
女の子は赤やピンクの背景にリボンやハート、ちょうちょやうさぎ、さくらんぼにケーキ。
上靴も同様に青や水色、赤やピンクで男女別になっていることが多いのではないでしょうか。
水遊び用の紙おむつ、トイレトレーニング用パンツも男女に別れているものが主流です。
制作物
例えばお雛様で制作をした場合、お内裏様の顔に男の子の写真、お雛様の顔に女の子の写真を意識せずに貼っていませんか?
同様に七夕の制作、父の日、母の日などはジェンダーレスを考えるのが難しいものです。
しかし、子どもたちがその位置に写真を貼ることを選んでいるわけではありません。
保護者の子育て観
そこに違和感を感じたことはありますか?最近では保護者の方がお子さんの好きな色を選んでいる場合もあり、保護者の意識の変化がみられます。
しかし、保育園側が「男の子なんだから泣かないよ」「女の子なんだから足を閉じて」などジェンダーを意識した声掛けをしていることも事実です。とはいえ「男らしく」「女らしく」育てたいという想いをもつ保護者の考えも尊重される子育て観であることは否めません。
性別や障がい、国籍や民族など多様な子どもたちの個性、背景をひっくるめた環境を提供できるのが理想と言えるでしょう。
子どもたちと意識すること
小さな子どもと思いがちですが、前述したとおり、園児が性別違和でいじめにあっています。
子ども自身も自分自身の性別に違和感を感じ、自分の意志を通すことを行っています。
そこでの園の対応や自治体の対応によって大きな事態を招くことになりました。
年中さん、年長さんがしっかりと多様性を理解することは難しいのかもしれませんが、さまざまな多様性について子どもたちに伝えていくことも大切です。
青は男の子、赤は女の子の色など決めつけず、多様性を認めることを促して、その上で自分らしく行きていくためにはどうしたらいいのかを考えていきましょう。
年長さんはすぐに選択することが訪れます。
好きなランドセルの色を選んだときにどう思われるか、保育者は園児と保護者の考え方に寄り添った返答が求められるでしょう。