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保育士試験
過去問題
平成30年度(後期)

保育原理 平成30年度(後期)

問1

次の文は、「保育所保育指針」(厚生労働省告示第 117 号平成 29 年3月 31 日)第1章「総則」の(4)「保育の環境」の一部である。( A )〜( E )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. ・ 子ども自らが環境に関わり、( A )的に活動し、様々な経験を積んでいくことができるよう配慮すること。
  2. ・ 子どもの活動が豊かに展開されるよう、保育所の設備や環境を整え、保育所の( B )的環境や安全の確保などに努めること。
  3. ・ 保育室は、温かな親しみとくつろぎの場となるとともに、( C )活動できる場となるように配慮すること。
  4. ・ 子どもが( D )と関わる力を育てていくため、子ども自らが( E )の子どもや大人と関わっていくことができる環境を整えること。

 

【語群】
  • ア 人   
  • イ 物   
  • ウ 積極   
  • エ 自発  
  • オ 生き生きと
  • カ 周囲  
  • キ 保健  
  • ク 一人で  
  • ケ 地域  
  • コ 異年齢

 

(組み合わせ)
A B C D E
1
2
3
4
5
正解は4
「保育所保育指針」(厚生労働省告示第 117 号平成 29 年3月 31 日)第1章「総則」の(4)「保育の環境」より

・ 子ども自らが環境に関わり、( エ 自発)的に活動し、様々な経験を積んでいくことができるよう配慮すること。

・ 子どもの活動が豊かに展開されるよう、保育所の設備や環境を整え、保育所の( キ 保健 )的環境や安全の確保などに努めること。

・ 保育室は、温かな親しみとくつろぎの場となるとともに、( オ 生き生きと )活動できる場となるように配慮すること。

・ 子どもが( ア 人)と関わる力を育てていくため、子ども自らが( カ 周囲 )の子どもや大人と関わっていくことができる環境を整えること。
問2

次の文は、「保育所保育指針」(厚生労働省告示第 117 号平成 29 年3月 31 日)に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 第1章「総則」には、「養護に関する基本的事項」が記載されている。
  2. B 第1章「総則」には、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」が記載されている。
  3. C 第2章「保育の内容」には、就学前の子どもの発達過程が8区分で記載されている。
  4. D 第3章「健康及び安全」には、「食育の推進」が記載されている。
  5. E 第4章「子育て支援」には、「保育所を利用している保護者に対する子育て支援」の項目として3項目記載されており、それらは「保護者との相互理解」、「保護者の状況に配慮した個別の支援」、「不適切な養育等が疑われる家庭への支援」である。

 

(組み合わせ)
A B C D E
1 × ×
2 ×
3 × ×
4 × × ×
5 × × ×
正解は2
A:〇 「保育所保育指針」の改定後、「新指針」第1章「総則」の「養護に関する基本的事項」として記載されています。

B:〇 同改定後、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」が「幼児教育を行う施設として共有すべき事項」(2)に新たに示されました。

C:× 改訂前は、第2章「子どもの発達」に就学前の子どもの発達過程が8区分で記載されていたが、改定後は記載されなくなりました。

D:〇 「食育の推進」は、改定後も記載されています。

E:〇 記述の通りです。


保育所保育指針より抜粋

第1章 総則
2 養護に関する基本的事項
(1) 養護の理念
保育における養護とは、子どもの生命の保持及び情緒の安定を図るために保育士等が行う援助や関わりであり、保育所における保育は、養護及び教育を一体的に行うことをその特性とするものである。保育所における保育全体を通じて、養護に関するねらい及び内容を踏まえた保育が展開されなければならない。

4 幼児教育を行う施設として共有すべき事項
(2) 幼児期の終わりまでに育ってほしい姿
次に示す「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」は、第2章に示すねらい及び内容に基づく保育活動全体を通して資質・能力が育まれている子どもの小学校就学時の具体的な姿であり、保育士等が指導を行う際に考慮するものである。


第3章 健康及び安全
2 食育の推進
(1) 保育所の特性を生かした食育
(2) 食育の環境の整備等


第4章 子育て支援
2 保育所を利用している保護者に対する子育て支援

(1) 保護者との相互理解
(2) 保護者の状況に配慮した個別の支援
(3) 不適切な養育等が疑われる家庭への支援
問3

次の文は、「保育所保育指針」(厚生労働省告示第 117 号平成 29 年3月 31 日)第1章「総則」の3(1)「全体的な計画の作成」の一部である。( A )〜( E )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. ・ 保育所は、(中略)保育の目標を達成するために、各保育所の保育の方針や目標に基づき、子どもの発達過程を踏まえて、保育の内容が組織的・計画的に構成され、保育所の( A )を通して、( B )に展開されるよう、( C )を作成しなければならない。
  2. ・ ( C )は、保育所保育の全体像を包括的に示すものとし、これに基づく( D )、保健計画、食育計画等を通じて、各保育所が( E )して保育できるよう、作成されなければならない。

 

(組み合わせ)
A B C D E
1 生活の全体 総合的 全体的な計画 指導計画 創意工夫
2 教育活動 緻密 全体的な計画 人的配置 安心
3 教育活動 緻密 全体的な計画 指導計画 安心
4 生活の全体 総合的 保育課程 人的配置 創意工夫
5 生活の全体 総合的 保育課程 指導計画 創意工夫
正解は1
「保育所保育指針」第1章「総則」3「保育の計画及び評価」の(1)「全体的な計画の作成」により、以下の順となります。

A:生活の全体
B:総合的
C:全体的な計画
D:指導計画
E:創意工夫

平成30年4月の「保育所保育指針」の改正により、保育所保育指針における「保育課程の編成」については、「全体的な計画の作成」に変更されました。
「全体的な計画の作成」とは、「保育所保育指針解説」によると、「(略)入所から就学に至る在籍期間の全体にわたって、保育の目標を達成するために、どのような道筋をたどり、養護と教育が一体となった保育を進めていくのかを示すものである。」と記載されています。


保育所保育指針より抜粋

第1章 総則
3 保育の計画及び評価
(1) 全体的な計画の作成

ア 保育所は、1の(2)に示した保育の目標を達成するために、各保育所の保育の方針や目標に基づき、子どもの発達過程を踏まえて、保育の内容が組織的・計画的に構成され、保育所の生活の全体を通して、総合的に展開されるよう、全体的な計画を作成しなければならない。

イ 全体的な計画は、子どもや家庭の状況、地域の実態、保育時間などを考慮し、子どもの育ちに関する長期的見通しをもって適切に作成されなければならない。

ウ 全体的な計画は、保育所保育の全体像を包括的に示すものとし、これに基づく指導計画、保健計画、食育計画等を通じて、各保育所が創意工夫して保育できるよう、作成されなければならない。
問4

次の【Ⅰ群】は、ある保育所の園だよりに示された保育の目標である。「保育所保育指針」(厚生労働省告示第 117 号平成 29 年3月 31 日)第2章「保育の内容」に照らし、【Ⅰ群】の記述と【Ⅱ群】の項目を結び付けた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】
  1. A ・保育所の生活の仕方を知り、自分たちで生活の場を整えながら見通しをもって行動する。
    ・友達のよさに気付き、一緒に活動する楽しさを味わう。
  2. B ・一人一人の生活のリズムに応じて、安心して十分に午睡をする。
    ・生活や遊びの中で、身近な人の存在に気付き、親しみの気持ちを表す。
  3. C ・身の回りを清潔に保つ心地よさを感じ、その習慣が少しずつ身に付く。
    ・保育者に助けられながら、他の子どもとの関わり方を少しずつ身に付ける。
【Ⅱ群】
  1. ア 乳児保育に関わるねらい及び内容
  2. イ 1歳以上3歳未満児の保育に関わるねらい及び内容
  3. ウ 3歳以上児の保育に関するねらい及び内容

 

(組み合わせ)
A B C
1
2
3
4
5
正解は4
「保育所保育指針」(厚生労働省告示第 117 号平成 29 年3月 31 日)第2章「保育の内容」

A ウ:3歳以上児の保育に関するねらい及び内容
・「同指針」3 3歳以上児の保育に関するねらい及び内容(2) ねらい及び内容 ア 健康(イ)内容⑧
・「同指針」3 3歳以上児の保育に関するねらい及び内容(2) ねらい及び内容 イ 人間関係(イ)内容⑦

B ア:乳児保育に関わるねらい及び内容
・「同指針」1 乳児保育に関わるねらい及び内容 (2) ねらい及び内容ア 健やかに伸び伸びと育つ(イ)内容④
・「同指針」1 乳児保育に関わるねらい及び内容 (2) ねらい及び内容イ 身近な人と気持ちが通じ合う(イ)内容③

C イ:1歳以上3歳未満児の保育に関わるねらい及び内容
・「同指針」2 1歳以上3歳未満児の保育に関わるねらい及び内容(2) ねらい及び内容 ア 健康(イ)内容⑤
・「同指針」2 1歳以上3歳未満児の保育に関わるねらい及び内容(2) ねらい及び内容 イ 人間関係(イ)内容④
問5

次の文は、「保育所保育指針」についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 1965(昭和 40)年の「保育所保育指針」では、保育の内容の区分において「6か月未満児」が設けられた。
  2. B 1965(昭和 40)年に「保育所保育指針」が出された後、1990(平成2)年に最初の改訂がなされた。
  3. C 1990(平成2)年の改訂において、初めて、子育て支援に関連する章が設けられた。
  4. D 2008(平成 20)年の改定において、初めて、厚生労働大臣の告示となった。
  5. E 2017(平成 29)年の改定において、職員の資質向上について、初めて、「キャリアパス」の言葉が用いられた。

 

(組み合わせ)
A B C D E
1 ×
2 × ×
3 × × ×
4 × ×
5 × ×
正解は5
A:× 「保育所保育指針」が策定された1965(昭和40)年時の最も年少の区分は、「1歳3か月未満」です。

B:◯ 前年の1989(平成元)年に「幼稚園教育要領」が改訂、それに準ずる形で翌年の1990(平成2)年の「保育所保育指針」改定において、保育の内容が5領域に変更されました。

C:× 地域子育て支援の役割が明記されたのは、1999(平成11)年の第2次改定のことです。

D:〇 2008(平成 20)の改定で厚生労働省の告示になったことにより、法的拘束力を持つようになりました。

E:〇 記載の通りです。
問6

次の保育所での【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】

4歳児クラスでは友達との遊びが楽しくなり、あちらこちらで「○○ちゃん、遊ぼう」と誘い合う声が聞かれる。その中で、L君は「ぼくだけ遊んでくれない」と担当保育士に言う。担当保育士がL君の話を聴くと、何度も頼んだけれどもMちゃんとNちゃんの仲間に入れなかったようである。Mちゃんにも話を聴くと、「Nちゃんと遊ぶ約束をしたから、L君とは遊べない」と担当保育士に強い口調で言う。担当保育士は、しばらくL君のやりたい遊びにつき合った。
その後、担当保育士はL君やMちゃんへの自分の対応を振り返った。

 

【設問】

「保育所保育指針」(厚生労働省告示第 117 号平成 29 年3月 31 日)に照らし、この場面でのL君やMちゃんへの担当保育士の対応に関する振り返りとして適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

 

  1. A みんなで遊ぶことが大切だから、MちゃんがL君を入れてあげるまで、Mちゃんに働きかけるべきだったのではないか。
  2. B しばらくL君のやりたい遊びにつき合ったことは、L君の仲間に入れてもらえなかった気持ちを受け止めることにつながったのではないか。
  3. C L君やMちゃんへの対応について、主任保育士や同僚の保育士に相談して意見を聴いてみてはどうか。
  4. D L君とMちゃんの話を個別に聴き取るだけではなく、お互いの気持ちに気付けるよう仲立ちしていくことも必要なのではないか。
  5. E 今後は、違った友達との関わりや遊ぶ友達が広がる機会になるよう、活動内容や取り組むメンバーを工夫し配慮することが必要なのではないか。

 

(組み合わせ)
A B C D E
1 ×
2 × ×
3 × × ×
4 ×
5 × × ×
正解は4
A:× L君を入れてあげるまでMちゃんに働きかけるのは不適切です。環境構成を変えるなど、保育士が一方的に要請するのではなく、MちゃんがL君と遊びたいと思えるような工夫をし、Mちゃん自身の選択ができるように配慮することが大切です。

B:〇 担当保育士の対応はL君の思いを受け止めていることから、適切です。保育士は、子どもの主体としての思いや願いを受け止めること「保育所保育指針」に示されています。

C:〇 保育所保育は、職員間での連携を図りながら支援していくことが「保育所保育指針」に示されています。

D:〇 保育士が各々の気持ちを理解し、仲立ちとなって相手の気持ちを代弁することは、適切です。4歳児は、相手の気持ちに気付きはじめる頃です。しかし、それはまだ十分とはいえません。

E:〇 活動内容や取り組むメンバーを工夫し配慮することは、適切です。子どもは、多くの友達などと触れ合い、多くの経験を積み重ねることで共感や思いやりを持てるようになります。


第1章 総則
1 保育所保育に関する基本原則

(3) 保育の方法
ア 一人一人の子どもの状況や家庭及び地域社会での生活の実態を把握するとともに、子どもが安心感と信頼感をもって活動できるよう、子どもの主体としての思いや願いを受け止めること。

イ 子どもの生活のリズムを大切にし、健康、安全で情緒の安定した生活ができる環境や、自己を十分に発揮できる環境を整えること。

ウ 子どもの発達について理解し、一人一人の発達過程に応じて保育すること。その際、子どもの個人差に十分配慮すること。

エ 子ども相互の関係づくりや互いに尊重する心を大切にし、集団における活動を効果あるものにするよう援助すること。

オ 子どもが自発的・意欲的に関われるような環境を構成し、子どもの主体的な活動や子ども相互の関わりを大切にすること。特に、乳幼児期にふさわしい体験が得られるように、生活や遊びを通して総合的に保育すること。

カ 一人一人の保護者の状況やその意向を理解、受容し、それぞれの親子関係や家庭生活等に配慮しながら、様々な機会をとらえ、適切に援助すること。
問7

次の【Ⅰ群】の記述と【Ⅱ群】の人名を結び付けた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】
  1. A 東京女子師範学校附属幼稚園の創設時の主任保姆として保姆たちの指導にあたり、日本の幼稚園教育の基礎を築いた。
  2. B わが国で最初の託児所を私塾「新潟静修学校」内につくり、貧しい子どもたちを幼い兄弟の子守りから解放し、勉学の道を開いた。
  3. C 華族女学校附属幼稚園に勤めていたが、貧しい子どもたちを対象とする幼児教育の必要性を感じ、二葉幼稚園を設立した。
  4. D 岡山孤児院の創設者で、家族舎制度と里親制度の導入などさまざまな保護教育体制を整備するなどわが国の児童福祉事業に尽力した。
【Ⅱ群】
  1. ア 倉橋惣三
  2. イ 石井十次
  3. ウ 赤沢鍾美
  4. エ 野口幽香
  5. オ 松野クララ

 

(組み合わせ)
A B C D
1
2
3
4
5
正解は5
A:オ 松野クララ 明治時代の幼児教育家です。フレーベル設立の保母学校で学びます。1876(明治9)年に来日後、女子師範付属幼稚園の首席保母となり、フレーベル理論を保母たちに教えながら実践しました。

B:ウ 赤沢鍾美(あつとみ) 昭和時代前期の教育者です。新潟市の小学校で教師をするかたわら、「新潟静修学校」を設立しました。そこに併設された託児所は後に「守孤扶独幼稚児保護会」に改称し、日本初の保育所とされています。

C:エ 野口幽香 明治~昭和時代の幼児教育者です。1900(明治33年)年に森島峰と日本最初の貧民のための保育所二葉幼稚園を創設し、1922(大正11)年には母の家(母子寮)を付設しました。

D:イ 石井十次 明治期の慈善事業家です。1887(明治20)年に岡山孤児院を設立し、岡山孤児院十二則を示しました。その功績から「児童福祉の父」と呼ばれています。
問8

次の文は、「保育所保育指針」(厚生労働省告示第 117 号平成 29 年3月 31 日)第2章「保育の内容」の4(2)「小学校との連携」の一部である。( A )〜( D )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

保育所保育において育まれた( A )を踏まえ、小学校教育が円滑に行われるよう、小学校教師との意見交換や合同の( B )の機会などを設け、(中略)「幼児期の終わりまでに育って欲しい姿」を( C )するなど連携を図り、保育所保育と小学校教育との円滑な( D )を図るよう努めること。

【語群】
  • ア 資質・能力  
  • イ 心情・意欲・態度  
  • ウ 確認  
  • エ 研修  
  • オ 研究     
  • カ 共有      
  • キ 接続  
  • ク 協働

 

(組み合わせ)
A B C D
1
2
3
4
5
正解は2
「保育所保育指針」(厚生労働省告示第 117 号平成 29 年3月 31 日)第2章「保育の内容」の4(2)「小学校との連携」より、以下の通りです。

保育所保育において育まれた( A ア 資質・能力 )を踏まえ、小学校教育が円滑に行われるよう、小学校教師との意見交換や合同の( B オ 研究  )の機会などを設け、(中略)「幼児期の終わりまでに育って欲しい姿」を( C カ 共有 )するなど連携を図り、保育所保育と小学校教育との円滑な( D キ 接続 )を図るよう努めること。
問9

次の文は、わが国の保育の歴史に関する記述である。( A )〜( D )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

大正時代は、子どもの個性や自発性を尊重する考え方が広まった時代である。たとえば、( A )の律動遊戯や( B )の自由画運動などが幼児の表現活動に新風を吹き込んだ。芸術家たちによる児童文化の創造も活発な展開をみせた。童話と童謡の月刊雑誌『赤い鳥』が( C )によって創刊され、『おとぎの世界』、『コドモノクニ』などがこれに続いた。『赤い鳥』の創刊に参加した( D )は、『あめふり』、『からたちの花』などの童謡を作詞した。こうした活動は、保育の世界に豊かな文化財をもたらしただけでなく、純真無垢な子どもという子ども像を広範に広めることとなった。

 

 

(組み合わせ)
A B C D
1 土川五郎 竹久夢二 鈴木三重吉 北原白秋
2 東基吉 竹久夢二 西条八十 山田耕筰
3 東基吉 山本鼎 鈴木三重吉 山田耕筰
4 土川五郎 山本鼎 鈴木三重吉 北原白秋
5 土川五郎 山本鼎 西条八十 山田耕筰
正解は4
A:土川五郎は、テンポの良い歌曲の動作を振り付けた「律動遊戯」や童謡などに動作を取り入れた「律動的表情遊戯」を考案しました。宣教師よりフォークダンスを習ったことを基盤として、幼児期にふさわしい遊戯の創作を目指しました。

B:山本鼎(やまもとかなえ)は、画家の才能を発揮し5年間フランス留学を経験しました。その後、長野県で自由画教育と農民美術の運動を進めた人物です。

C: 鈴木三重吉は、1918(大正7)年に児童文芸雑誌『赤い鳥』を創刊し、児童文学の発展に尽力しました。『赤い鳥』には、芥川龍之介の「蜘蛛の糸」をはじめ、北原白秋らの童謡、新美南吉、有島武郎らの児童文学の名作が掲載されました。

D:北原白秋は、日本の近代を代表とする詩人で、記述の他に「赤い鳥小鳥」など、数多くの優れた童謡を作り、童謡の新生面を開いただけでなく、以降の口語的、歌謡的な詩風に強い影響を与えました。
問10

次の文は、「児童福祉法」及び「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」(昭和 23 年厚生省令第 63 号)についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」では、児童福祉施設において、入所している者に食事を提供するときは、その献立は、できる限り、変化に富み、入所している者の健全な発育に必要な栄養量を含有するものでなければならないとされている。
  2. B 「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」では、児童福祉施設においては、避難及び消火に対する訓練を、少なくとも6か月に1回は行わなければならないとされている。
  3. C 「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」では、保育所には、保育士、嘱託医及び栄養士を置かなければならないと定められている。
  4. D 「児童福祉法」では、保育士の資格を持たない人でも、子育ての経験があれば保育士の名称を用いて保育の仕事をすることが認められている。
  5. E 「児童福祉法」では、乳児又は満2歳に満たない幼児を入所させる保育所には、乳児室又はほふく室、医務室、調理室、屋外遊戯場を設けることとされている。

 

(組み合わせ)
A B C D E
1 ×
2 × × ×
3 × × × ×
4 × ×
5 × × ×
正解は3
A:〇 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準第11条② 参照

B:× 児童福祉施設では、避難及び消火に対する訓練を6ヶ月1回ではなく、少なくとも毎月1回行わなければならない。同基準第6条② 参照

C:× 栄養士の配置は、規定されていない。保育所には、保育士、嘱託医及び調理師を置かなければならない。同基準第33条① 参照

D:× 保育士は、名称独占資格であるため、保育士の資格を持たない者は保育士の名称を用いることはできない。「児童福祉法」第18条の23 参照

E:× 屋外遊技場は規定されていない。乳児室又はほふく室、医務室、調理室及び便所である。屋外遊技場は「満2歳以上の幼児を入所させる保育所」に必要である。同基準第32条①一、五 参照
問11

次の文は、保育所に勤める保育士のWさんが、養護と教育の一体的な保育を心がけて行っていることである。「保育所保育指針」(厚生労働省告示第 117 号平成 29 年3月 31 日)に照らし、不適切な記述を一つ選びなさい。

 

1 Wさんは、子どもを一人の人間として尊重し、その生命を守り、情緒の安定を図りつつ、乳幼児期にふさわしい経験が積み重ねられていくよう丁寧に援助している。
2 Wさんは、子どもへの細やかで応答的な関わりのもと、子どもが安心感や信頼感の得られる生活の中で、身近な環境への興味や関心を高め、活動を広げていくように心がけている。
3 Wさんは、子どもが安心して自分の思いや力を発揮できる環境を心がけ、子どもが遊びなど自発的な活動を通して、体験的に様々な学びを積み重ねていけるようにしている。
4 Wさんは、保育所の生活の中では、子どもの年齢に応じて養護の時間と子どもの教育の時間をバランスよく配置し、子どもの一日の生活の中でそれぞれの内容が統合されるよう配慮している。
5 Wさんは、子どもが自分との信頼関係を拠りどころとしながら、日々の生活の中で主体性や生きることへの意欲を育んでいることを自ら常に心に留めて子どもと関わっている。

 

正解は4
1:〇 「保育所保育指針」第1章「総則」1「保育所保育に関する基本原則」(2)「保育の目標」ア(ア)に、「十分に養護の行き届いた環境の下に、くつろいだ雰囲気の中で子どもの様々な欲求を満たし、生命の保持及び情緒の安定を図ること。」また、(3)保育の方法 オ「子どもが自発的・意欲的に関われるような環境を構成し、子どもの主体的な活動や子ども相互の関わりを大切にすること。特に、乳幼児期にふさわしい体験が得られるように、生活や遊びを通して総合的に保育すること。」と記載しています。

2:〇 「同指針」第1章「総則」1「保育所保育に関する基本原則」(3)「保育の方法」ア「 一人一人の子どもの状況や家庭及び地域社会での生活の実態を把握するとともに、子どもが安心感と信頼感をもって活動できるよう、子どもの主体としての思いや願いを受け止めること。」と記載しています。

3:〇 「同指針」第1章「総則」1「保育所保育に関する基本原則」(4)「保育の環境」アに、「子ども自らが環境に関わり、自発的に活動し、様々な経験を積んでいくことができるよう配慮すること。」としています。

4:× 養護と教育を一体的に行うことが重要であり、一日の生活の中でそれぞれの内容を統合することは、養護と教育を一体的に行っているとは言えないため、不適切です。

5:〇 「同指針」第1章「総則」2「 養護に関する基本事項」(2)「養護に関わるねらい及び内容」イ「情緒の安定」内容③ に、「保育士等との信頼関係を基盤に、一人一人の子どもが主体的に活動し、自発性や探索意欲などを高めるとともに、自分への自信を持つことができるよう成長の過程を見守り、適切に働きかける」としています。


保育所保育指針より抜粋
第1章 総則
1 保育所保育に関する基本原則
(2) 保育の目標
(ア) 十分に養護の行き届いた環境の下に、くつろいだ雰囲気の中で子どもの様々な欲求を満たし、生命の保持及び情緒の安定を図ること。

(3) 保育の方法
ア 一人一人の子どもの状況や家庭及び地域社会での生活の実態を把握するとともに、子どもが安心感と信頼感をもって活動できるよう、子どもの主体としての思いや願いを受け止めること。
オ 子どもが自発的・意欲的に関われるような環境を構成し、子どもの主体的な活動や子ども相互の関わりを大切にすること。特に、乳幼児期にふさわしい体験が得られるように、生活や遊びを通して総合的に保育すること。

(4) 保育の環境
ア 子ども自らが環境に関わり、自発的に活動し、様々な経験を積んでいくことができるよう配慮すること。

2 養護に関する基本的事項
(2) 養護に関わるねらい及び内容
イ 情緒の安定
③ 保育士等との信頼関係を基盤に、一人一人の子どもが主体的に活動し、自発性や探索意欲などを高めるとともに、自分への自信をもつことができるよう成長の過程を見守り、適切に働きかける。
問12

次の文は、「保育所保育指針」(厚生労働省告示第 117 号平成 29 年3月 31 日)第2章「保育の内容」の2「1歳以上3歳未満児の保育に関わるねらい及び内容」(1)「基本的事項」の一部である。

この時期においては、歩き始めから、歩く、走る、跳ぶなどへと、基本的な運動機能が次第に発達し、排泄の自立のための身体的機能も整うようになる。つまむ、めくるなどの指先の機能も発達し、食事、衣類の着脱なども、保育士等の援助の下で自分で行うようになる。発声も明瞭になり、語彙も増加し、自分の意思や欲求を言葉で表出できるようになる。

【設問】

「基本的事項」に照らし、この時期の保育のねらいとして適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

 

  1. A 健康、安全な生活に必要な習慣に気付き、自分でしてみようとする気持ちが育つ。
  2. B 言葉遊びや言葉で表現する楽しさを感じる。
  3. C 自分の体を十分に動かし、様々な動きをしようとする。
  4. D 見る、聞く、触るなどの経験を通して、感覚の動きを豊かにする。
  5. E 保育所の生活を楽しみ、自分の力で行動することの充実感を味わう。

 

(組み合わせ)
A B C D E
1
2 ×
3 × × ×
4 × × ×
5 × × × ×

 

正解は2
A:〇 「保育所保育指針」第2章「保育の内容」2「1歳以上3歳未満児の保育に関わるねらい及び内容」(2)ア「健康」(ア)ねらい③に、「健康、安全な生活に必要な習慣に気付き、自分でしてみようとする気持ちが育つ。」と記載があります。

B:〇 「同指針」エ「言葉」(ア)「ねらい」①「言葉遊びや言葉で表現する楽しさを感じる。」と記載があります。

C:〇 「同指針」ア「健康」(ア)「ねらい」②「自分の体を十分に動かし、様々な動きをしようとする。」と記載があります。

D:〇 「同指針」ウ「環境」(ア)「ねらい」③「見る、聞く、触るなどの経験を通して、感覚の働きを豊かにする。」と記載があります。

E:× 「3歳以上児の保育に関するねらい及び内容」(2)イ「人間関係」(ア)「ねらい」①「保育所の生活を楽しみ、自分の力で行動することの充実感を味わう。」と記載があるため、不適切です。


保育所保育指針より抜粋

第2章 保育の内容
2 1歳以上3歳未満児の保育に関わるねらい及び内容
ア 健康
(ア) ねらい
① 明るく伸び伸びと生活し、自分から体を動かすことを楽しむ。
② 自分の体を十分に動かし、様々な動きをしようとする。
③ 健康、安全な生活に必要な習慣に気付き、自分でしてみようとする気持ちが育つ。

イ 人間関係
(ア) ねらい
① 保育所の生活を楽しみ、自分の力で行動することの充実感を味わう。
② 身近な人と親しみ、関わりを深め、工夫したり、協力したりして一緒に活動する楽しさを味わい、愛情や信頼感をもつ。
③ 社会生活における望ましい習慣や態度を身に付ける。

ウ 環境
(ア) ねらい
① 身近な環境に親しみ、触れ合う中で、様々なものに興味や関心をもつ。
② 様々なものに関わる中で、発見を楽しんだり、考えたりしようとする。
③ 見る、聞く、触るなどの経験を通して、感覚の働きを豊かにする。

エ 言葉
(ア) ねらい
① 言葉遊びや言葉で表現する楽しさを感じる。
② 人の言葉や話などを聞き、自分でも思ったことを伝えようとする。
③ 絵本や物語等に親しむとともに、言葉のやり取りを通じて身近な人と気持ちを通わせる。


問13

次の文は、「保育所保育指針」(厚生労働省告示第 117 号平成 29 年3月 31 日)第2章「保育の内容」の3「3歳以上児の保育に関するねらい及び内容」(1)「基本的事項」の一部である。( A )〜( E )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

この時期においては、( A )の発達により、基本的な動作が一通りできるようになるとともに、基本的な生活習慣もほぼ自立できるようになる。理解する( B )が急激に増加し、( C )や関心も高まってくる。仲間と遊び、仲間の中の一人という自覚が生じ、集団的な遊びや( D )な活動も見られるようになる。これらの発達の特徴を踏まえて、この時期の保育においては、個の成長と( E )の充実が図られるようにしなければならない。

 

(組み合わせ)
A B C D E
1 運動機能 語彙数 知的興味 協同的 集団としての活動
2 認知機能 語彙数 知的興味 個人的 遊び
3 運動機能 語彙数 仲間遊び 協同的 集団としての活動
4 認知機能 能力 仲間遊び 個人的 集団としての活動
5 運動機能 能力 仲間遊び 協同的 遊び
正解は1
「保育所保育指針」(厚生労働省告示第 117 号平成 29 年3月 31 日)第2章「保育の内容」の3「3歳以上児の保育に関するねらい及び内容」(1)「基本的事項」

この時期においては、( A運動機能 )の発達により、基本的な動作が一通りできるようになるとともに、基本的な生活習慣もほぼ自立できるようになる。理解する( B 語彙数 )が急激に増加し、( C 知的興味 )や関心も高まってくる。仲間と遊び、仲間の中の一人という自覚が生じ、集団的な遊びや( D 協同的 )な活動も見られるようになる。これらの発達の特徴を踏まえて、この時期の保育においては、個の成長と( 集団としての活動 )の充実が図られるようにしなければならない。


保育所保育指針より抜粋
第2章 保育の内容
3 3歳以上児の保育に関するねらい及び内容
(1) 基本的事項

ア この時期においては、運動機能の発達により、基本的な動作が一通りできるようになるとともに、基本的な生活習慣もほぼ自立できるようになる。理解する語彙数が急激に増加し、知的興味や関心も高まってくる。仲間と遊び、仲間の中の一人という自覚が生じ、集団的な遊びや協同的な活動も見られるようになる。これらの発達の特徴を踏まえて、この時期の保育においては、個の成長と集団としての活動の充実が図られるようにしなければならない。

イ 本項においては、この時期の発達の特徴を踏まえ、保育の「ねらい」及び「内容」について、心身の健康に関する領域「健康」、人との関わりに関する領域「人間関係」、身近な環境との関わりに関する領域「環境」、言葉の獲得に関する領域「言葉」及び感性と表現に関する領域「表現」としてまとめ、示している。

ウ 本項の各領域において示す保育の内容は、第1章の2に示された養護における「生命の保持」及び「情緒の安定」に関わる保育の内容と、一体となって展開されるものであることに留意が必要である。
問14

次の文は、「保育所保育指針」(厚生労働省告示第 117 号平成 29 年3月 31 日)第2章「保育の内容」の4「保育の実施に関して留意すべき事項」の一部である。( A )〜( E )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. ・ 子どもの心身の発達及び( A )の実態などの( B )を踏まえるとともに、一人一人の子どもの気持ちを受け止め、援助すること。
  2. ・ 子どもの健康は、( C )な育ちとともに、( D )、豊かな感性の育ちとがあいまってもたらされることに留意すること。
  3. ・ 子どもが自ら周囲に働きかけ、( E )しつつ自分の力で行う活動を見守りながら、適切に援助すること。

 

(組み合わせ)
A B C D E
1 遊び 経験の違い 生理的・身体的 自発性や共同性 自己充実
2 活動 個人差 主体的・意欲的 自主性や社会性 試行錯誤
3 遊び 個人差 生理的・身体的 自発性や共同性 自己充実
4 活動 経験の違い 主体的・意欲的 自発性や共同性 試行錯誤
5 活動 個人差 生理的・身体的 自主性や社会性 試行錯誤
正解は5
設問は「保育所保育指針」第2章「保育の内容」4「保育の実施に関して留意すべき事項」(1)「保育全般に関わる配慮事項」ア~ウに関する内容であり、以下のとおりです。

・ 子どもの心身の発達及び( A:活動 )の実態などの( B:個人差 )を踏まえるとともに、一人一人の子どもの気持ちを受け止め、援助すること。

・ 子どもの健康は、( C:生理的・身体的 )な育ちとともに、( D:自主性や社会性 )、豊かな感性の育ちとがあいまってもたらされることに留意すること。

・ 子どもが自ら周囲に働きかけ、( E:試行錯誤 )しつつ自分の力で行う活動を見守りながら、適切に援助すること。


保育所保育指針より抜粋

第2章 保育の内容
4 保育の実施に関して留意すべき事項
(1) 保育全般に関わる配慮事項

ア 子どもの心身の発達及び活動の実態などの個人差を踏まえるとともに、一人一人の子どもの気持ちを受け止め、援助すること。

イ 子どもの健康は、生理的・身体的な育ちとともに、自主性や社会性、豊かな感性の育ちとがあいまってもたらされることに留意すること。

ウ 子どもが自ら周囲に働きかけ、試行錯誤しつつ自分の力で行う活動を見守りながら、適切に援助すること。

エ 子どもの入所時の保育に当たっては、できるだけ個別的に対応し、子どもが安定感を得て、次第に保育所の生活になじんでいくようにするとともに、既に入所している子どもに不安や動揺を与えないようにすること。

オ 子どもの国籍や文化の違いを認め、互いに尊重する心を育てるようにすること。

カ 子どもの性差や個人差にも留意しつつ、性別などによる固定的な意識を植え付けることがないようにすること。
問15

次の保育所での【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】

J君は2歳児クラスに進級し、3歳になったばかりである。担当保育士の交替や新しい友達が加わるなどの環境の変化があったが、朝の登園でも落ち着いて母親と保育室に入ってくる。保育室や園庭でも好きな遊びを見つけて遊んでいる。そして、最近は排泄についても意欲的な姿が見られている。少し前まではトイレに誘ってみても「Jちゃん、すわらないの!」とトイレに近づこうとしなかったが、最近はトイレに座り、トイレでうまく排泄できることが増えてきた。うまくできたときに、担当保育士が認めると、J君も満足そうな表情を見せる。
J君は保育所でも家庭でも紙おむつを使っている。J君の母親から、家庭でトイレット・トレーニングを進めるために何かに取り組んでいるといった話はこれまでのところ特にない。担当保育士は、この機会にJ君の紙おむつを布のパンツに切り替えていきたいと思い、母親と話をすることにした。

 

【設問】

担当保育士のJ君の母親への話の内容として適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

 

  1. A J君の保育所での排泄に変化が出てきたことを伝え、家庭でもトイレに誘うなど働きかけてみてはどうかと伝える。
  2. B 保育所では紙おむつをはずし、布のパンツを使っていきたいことを伝える。
  3. C J君のトイレット・トレーニングを、まずは家庭から進めてくださいと伝える。
  4. D クラスの他児の多くが布のパンツに切り替えていることを伝え、家庭で積極的に取り組むように伝える。
  5. E 布のパンツに替えて失敗すると濡れて着替えが必要になるので、しばらくはズボンなどの着替えを多めに用意するようにお願いする。

 

(組み合わせ)
A B C D E
1 ×
2 × ×
3 × × ×
4 × ×
5 × × ×
正解は2
A:◯  J君の保育園の様子を母親と共有することで、家庭でも前向きにトイレット・トレーニングに取り組むことができるような働きかけです。

B:◯  J君の保トイレット・トレーニングの成果を伝え、保護者の同意を得ようとしているため、適切です。

C:×  家庭でのトイレット・トレーニングを保護者に命令するような言い方であり、不適切である。トイレット・トレーニングは保護者の意向を伺いながら、保育所と保護者共同して進めていくのが望ましいと思われます。

D: ×  保育は一人ひとりの発達過程を踏まえた上で、個別に展開するものであるため、他児と比較して支援することは適切ではありません。
またこのような伝え方をすることで保護者の不安をあおることにもつながるため、不適切です。

E:◯  トイレット・トレーニングにおける見通しに基づいた伝え方であり、保護者の同意を得ようとしているため、適切です。
問16

次の文は、コメニウス(Comenius, J.A.)についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 現在のチェコの中央部、モラヴィアの生まれで、大学で学んだのち、ボヘミア同胞教団の牧師となった。
  2. B ルソーの思想に共鳴し、『隠者の夕暮』(1780 年)、『リーンハルトとゲルトルート』(1787 年)などを著した。
  3. C 主著である『大教授学』(1657 年)では、あらゆる人が学べる学校として統一学校構想が述べられ、6歳くらいまでの乳幼児を対象とする学校は「母親学校」として構想された。
  4. D 『世界図絵』(1658 年)は世界初の絵入り教科書といわれ、その後の絵本や教科書に影響を与えた。

 

(組み合わせ)
A B C D
1 ×
2 ×
3 ×
4 × ×
5 × × ×
正解は3
A:〇 記述の通りです。

B:× 記述はペスタロッチの業績です。 

C:〇 主著である『大教授学』(1657 年)では、6歳くらいまでの乳幼児を対象とする学校は「母親学校」として構想されました。 あらゆる人が学べる学校として統一学校構想が述べられました。

D:〇 『世界図絵』(1658 年)は世界初の絵入り教科書といわれています。その後の絵本や教科書に影響を与えました。
問17

次の保育所での【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】

5歳児クラスでは、誕生日を迎えた子どもの保護者も一緒に誕生会に参加する。誕生日を迎えた子どもは自分の保護者が保育所に来てくれるその日をとても楽しみに待っている。また、クラス全体の前に出て自分が好きなものや将来の夢などを話し、友達が聞いてくれるのを楽しみにしている。K児は知的な遅れを伴う重度のダウン症で、4歳になってようやく座ることができるようになった。まだ自分で立って歩いたり会話したりすることは難しい。みんなの前で話すことが困難なK児の誕生会の日がやってきた。

 

【設問】

「保育所保育指針」(厚生労働省告示第 117 号平成 29 年3月 31 日)第1章「総則」に照らし、K児やクラスの子どもたちへの担当保育士の対応として不適切な記述を一つ選びなさい。

 

 

1 担当保育士は、K児の保育所での普段の様子や、好きなものや遊びについて話した。
2 担当保育士は、事前に母親からK児の家庭での様子や最近の変化などについて聴き取っておき、K児の代わりに話した。
3 みんなの前で話すことがK児には困難なので、そのような場面はあえて作らず、さりげなく次のプログラムに移って誕生会を終えた。
4 担当保育士は、K児を後ろから抱きかかえる母親と一緒に立ち、K児の気持ちを母親が代弁してクラスのみんなに伝えた。
5 担当保育士がK児を膝の上に抱きかかえると、クラスの友達が次々とK児について知っていることを話し出し、担当保育士はそれを見守った。
正解は3
1:〇 「保育所保育指針」第1章「総則」3「保育の計画及び評価」(2)「指導計画の作成」キ「障害のある子どもの保育については、一人一人の子どもの発達過程や障害の状態を把握し、適切な環境の下で、障害のある子どもが他の子どもとの生活を通して共に成長できるよう、指導計画の中に位置付けること。また、子どもの状況に応じた保育を実施する観点から、家庭や関係機関と連携した支援のための計画を個別に作成するなど適切な対応を図ること。」の記載に沿った対応です。 

2:〇 「同指針」第4章「子育て支援」2「保育所を利用している保護者に対する子育て支援」(2)「保護者の状況に配慮した個別の支援」イ「子どもに障害や発達上の課題が見られる場合には、市町村や関係機関と連携及び協力を図りつつ、保護者に対する個別の支援を行うよう努めること。」の記載に沿った対応です。 

3:× K児が他の子どもと同じような動作ができないとしても、保育者や母親のサポート次第で、誕生会で主役となる経験を作ることができます。そのような環境づくりへの配慮が必要です。

4:〇 「同指針」第1章「総則」3「保育の計画及び評価」(3)「指導計画の展開」ウ「子どもの主体的な活動を促すためには、保育士等が多様な関わりを持つことが重要であることを踏まえ、子どもの情緒の安定や発達に必要な豊かな体験が得られるよう援助すること」の記載に沿った対応です。 

5:〇 「同指針」第1章「総則」1「保育所保育に関する基本原則」(3)「保育の方法」エ「子ども相互の関係づくりや互いに尊重する心を大切にし、集団における活動を効果あるものにするよう援助すること。」の記載に沿った」対応です。
問18

次の文は、「保育所保育指針」(厚生労働省告示第 117 号平成 29 年3月 31 日)第3章「健康及び安全」の4「災害への備え」に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 「災害への備え」に関する内容は「施設・設備等の安全確保」、「災害発生時の対応体制及び避難への備え」、「地域の関係機関等との連携」の全3項目で構成されている。
  2. B 災害の発生時に、保護者等への連絡及び子どもの引渡しを円滑に行うため、日頃から保護者との密接な連携に努め、連絡体制や引渡し方法等について確認をしておくこと。
  3. C 避難訓練は、少なくとも6か月に1回定期的に実施するなど、必要な対応を図ること。
  4. D 防火設備、避難経路等の安全性が確保されるよう、定期的にこれらの安全点検を行うこと。
  5. E 避難訓練については、地域の関係機関や保護者との連携の下に行うなど工夫すること。

 

(組み合わせ)
A B C D E
1 ×
2 ×
3 ×
4 × × × ×
5 × × × ×

 

正解は2
「保育所保育指針」(厚生労働省告示第 117 号平成 29 年3月 31 日)第3章「健康及び安全」4「災害への備え」に関する内容です。

A:〇 記述のとおりであり、「災害への備え」は平成29年の改正により内容が改められ、「同指針」(1)「施設・設備等の安全確保」、(2)「災害発生時の対応体制及び避難への備え」、(3)「地域の関係機関等との連携」の3項目で構成されています。

B:〇 記述のとおりであり、「同指針」(2) ウ「災害の発生時に、保護者等への連絡及び子どもの引渡しを円滑に行うため、日頃から保護者との密接な連携に努め、連絡体制や引渡し方法等について確認をしておくこと。」と記載があります。

C:× 「同指針」(2)イによると、「定期的に避難訓練を実施するなど、必要な対応を図ること」とあります。また、「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」第6条第2項に、避難訓練は少なくとも月1回は行わなくてはならないとの記載があります。

D:〇 記述のとおりであり、「同指針」(1)アによると、「防火設備、避難経路等の安全性が確保されるよう、定期的にこれらの安全点検を行うこと。」と記載があります。

E:〇 記述のとおりであり、「同指針」(3)ア によると、「市町村の支援の下に、地域の関係機関との日常的な連携を図り、必要な協力が得られるよう努めること。」また、イ 「避難訓練については、地域の関係機関や保護者との連携の下に行うなど工夫すること。」と記載があります。


保育所保育指針より抜粋
第3章 健康及び安全
4 災害への備え

(1) 施設・設備等の安全確保

ア 防火設備、避難経路等の安全性が確保されるよう、定期的にこれらの安全点検を行うこと。
イ 備品、遊具等の配置、保管を適切に行い、日頃から、安全環境の整備に努めること。

(2) 災害発生時の対応体制及び避難への備え

ア 火災や地震などの災害の発生に備え、緊急時の対応の具体的内容及び手順、職員の役割分担、避難訓練計画等に関するマニュアルを作成すること。
イ 定期的に避難訓練を実施するなど、必要な対応を図ること。
ウ 災害の発生時に、保護者等への連絡及び子どもの引渡しを円滑に行うため、日頃から保護者との密接な連携に努め、連絡体制や引渡し方法等について確認をしておくこと。

(3) 地域の関係機関等との連携

ア 市町村の支援の下に、地域の関係機関との日常的な連携を図り、必要な協力が得られるよう努めること。
イ 避難訓練については、地域の関係機関や保護者との連携の下に行うなど工夫すること。

問19

次の文は、「保育所保育指針」(厚生労働省告示第 117 号平成 29 年3月 31 日)第5章「職員の資質向上」の(1)「保育所職員に求められる専門性」の一部である。( A )〜( E )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

子どもの最善の利益を考慮し、( A )に配慮した保育を行うためには、職員一人一人の( B )、人間性並びに保育所職員としての職務及び責任の理解と自覚が基盤となる。
各職員は、( C )に基づく課題等を踏まえ、保育所内外の( D )等を通じて、保育士・看護師・調理員・栄養士等、それぞれの職務内容に応じた専門性を高めるため、必要な知識及び( E )の修得、維持及び向上に努めなければならない。

 

 

(組み合わせ)
A B C D E
1 人権 倫理観 自己評価 研修 技能
2 環境 責任感  省察 研究 技術
3 人権 責任感  自己評価 研究 技術
4 人権 倫理観 自己評価 研修 技術
5 環境 倫理観 省察 研修 技能
正解は4
「保育所保育指針」(厚生労働省告示第 117 号平成 29 年3月 31 日)第5章「職員の資質向上」の(1)「保育所職員に求められる専門性」より、以下の通りである。

子どもの最善の利益を考慮し、( A 人権 )に配慮した保育を行うためには、職員一人一人の( B 倫理観 )、人間性並びに保育所職員としての職務及び責任の理解と自覚が基盤となる。
各職員は、( C 自己評価 )に基づく課題等を踏まえ、保育所内外の( D 研修 )等を通じて、保育士・看護師・調理員・栄養士等、それぞれの職務内容に応じた専門性を高めるため、必要な知識及び( E 技術 )の修得、維持及び向上に努めなければならない。
問20

次の文は、日本の保育の現状と課題に関する記述である。(a)〜(d)の下線部分が正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. ・ わが国にとって、保育の受け皿を増やし、待機児童を解消することは重要政策となっている。平成 25 年4月から (a)「待機児童解消加速化プラン」 に基づいて取組を進めた結果、保育の受け皿は、平成 25 〜 27 年度の3年間で約 31 万人分増えた。
  2. ・ 保育を必要とする子どもの人数も増えたことにより、待機児童数は2万人を超える水準で推移しているが、その約7割を占めているのは(b)3歳児以上である。
  3. ・ 平成 28 年度から始められた (c)企業主導型保育事業は、仕事と子育てとの両立を支援することを目的とした事業として、待機児童解消策の一つに位置づけられている。
  4. ・ 厚生労働省は、平成 29 年6月に (d)「子育て安心プラン」 を発表し、さまざまな施策を通じてさらに全国の待機児童解消に取り組むとしている。

 

(組み合わせ)
a b c d
1 ×
2 × ×
3 × × ×
4 ×
5 × × ×
正解は1
a:◯  「待機児童解消加速化プラン」は、2013(平成25)年度から2017(平成29)年度末までの5年間で約50万人分の保育の受け皿確保を目標に、自治体が行う保育の整備などの取り組みに対して行われた施策です。施策の結果、企業主導型保育事業による保育の受け皿拡大と合わせて、約53.5万人の保育の受け皿を確保し、目標達成となりました。

b:×  2017年までは2万人を超える水準で推移していたが、2019(平成31)年4月時点では16,772人で、前年比3,123人の減少となりました。年齢別では0~2歳児が全体の87.9%を占め低年齢児の割合が圧倒的に高くなっています。

c:◯  「企業主導型保育事業」は、2016(平成28)年度に内閣府が開始した企業向けの助成制度です。企業が自社の従業員の働き方に応じて、多様で柔軟な保育サービスを提供でき、また地域の子どもを受け入れることにより、施設運営の安定化を図り、地域貢献を行うことを目的としています。

d:◯  「子育て安心プラン」は、待機児童の解消を目指し、女性の就業率の上昇を踏まえた保育の受け皿整備を進めるために策定されました。6つの支援パッケージとして、①保育の受け皿の拡大、②保育人材の確保、③保護者への「寄り添う支援」の普及促進、④保育の質の確保、⑤持続可能な保育制度の確立、⑥保育と連携した働き方改革が掲げられています。
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