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保育士試験
過去問題
平成30年度(前期)

子どもの保健 平成30年度(前期)

問1

次の文は、平成 28 年 10 月1日現在、日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュールに関する記述である。適切な記述を一つ選びなさい。

 

1 インフルエンザ菌b型(ヒブ)ワクチンは、生後 12 か月以降に初回接種をする。
2 4種混合ワクチン(DPT-IPV)は、生後6か月以降に初回接種をする。
3 任意接種であるロタウイルスワクチンは、生後2か月から接種する。
4 BCG ワクチンは、アメリカ合衆国と同様にわが国でも任意接種であり、生後 12 か月以降に接種する。
5 ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンは、女児を対象として幼児期に2回接種する。
正解は3
1:× インフルエンザ菌b型(ヒブ)ワクチンの初回接種は、生後2か月から6か月までとされているため、生後12か月以降は不適切です。

2:× 4種混合(不活化ポリオワクチン+3種混合ワクチン)ワクチンの初回接種は、生後3ヵ月以降のため生後6か月以降は不適切です。

3:〇 ロタウイルスワクチンの初回接種は、14週6日までとなるため生後2か月以降の記述は適切です。

4:× BCGワクチンの接種できる期間は、生後5か月から8か月までとされているため、生後12か月以降は不適切です。

5:× ヒトパピローマウイルスのワクチンは、12~16歳の女子を対象としているため、幼児期に2回接種は不適切です。
問2

次の文は、「保育所保育指針」第3章「保育の内容」の(1)「養護に関わるねらい及び内容」の一部である。( A )~( D )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. ・ 一人一人の子どもが、快適に( A )できるようにする。
  2. ・ 一人一人の子どもが、健康で( B )に過ごせるようにする。
  3. ・ 一人一人の子どもの( C )欲求が、十分に満たされるようにする。
  4. ・ 一人一人の子どもの( D )増進が、積極的に図られるようにする。

 

(組み合わせ)
A B C D
1 生活 安全 身体的 健康
2 生存 活動的 生理的 体力
3 生活 活動的 身体的 健康
4 生活 安全 生理的 健康
5 生存 活動的 身体的 体力
正解は4
平成30年に保育所保育指針が改定され、前指針第3章「保育の内容」の(1)「養護に関わるねらい及び内容」は、現指針第1章「総則」の2「養護に関する基本的事項の(2)養護に関わるねらい及び内容」に変更となりました。

記述は、「保育所保育指針」第1章「総則」の2「養護に関する基本的事項の(2)養護に関わるねらい及び内容」のア「生命の保持」(ア)ねらいに記されている通りです。

・一人一人の子どもが、快適に( A:生活  )できるようにする。
・一人一人の子どもが、健康で( B:安全  )に過ごせるようにする。
・一人一人の子どもの( C:生理的  )欲求が、十分に満たされるようにする。
・一人一人の子どもの( D:健康  )増進が、積極的に図られるようにする。


保育所保育指針より抜粋
(2) 養護に関わるねらい及び内容
ア 生命の保持
(ア) ねらい
① 一人一人の子どもが、快適に生活できるようにする。
② 一人一人の子どもが、健康で安全に過ごせるようにする。
③ 一人一人の子どもの生理的欲求が、十分に満たされるようにする。
④ 一人一人の子どもの健康増進が、積極的に図られるようにする。
問3

次の文は、子どもによく見られる症状に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 発熱とは、通常の体温(平熱)より高い状態をいうが、多くの場合平熱よりも 1.0℃ 以上高い場合をいう。
  2. B 嘔吐とは、胃の内容物が勢いよく口から吐き出されることである。
  3. C 下痢とは、泥状あるいは水様の便が出ることをいい、多くの場合食欲はある。
  4. D けいれんとは、全身の筋肉が発作的に収縮することをいう。

 

(組み合わせ)
A B C D
1 × ×
2 ×
3 × ×
4 × ×
5 × ×
正解は1
A:〇 37.5℃以上の発熱が目安とするが、それぞれの子どもの平熱よりも1.0℃以上高い場合も発熱とみなします。子どもの体温は36.0~37.4℃が正常範囲内であるため、子どもの平熱を知り、個別に判断することが重要です。

B:〇 嘔吐の時はうがいをさせて安静にし、脱水症状が起きないように気を付けます。体を横向きに寝かせ嘔吐物が気管に入らないようにします。

C:× 下痢になると、脱水症状になりやすいので、水分は少量に分け取らせる必要があります。また、食欲がなくなる場合が多いです。

D:× けいれんは、意識がある場合、ない場合のどちらもあります。なお、全身または体の一部の筋肉が意志とは関係なく発作的に収縮することをいいます。子どもで最も多いけいれんは、発生時体温が急に上昇する際にみられる熱性けいれんです。
問4

次の文は、「2012年改訂版 保育所における感染症対策ガイドライン」(厚生労働省)の一部である。( A )~( D )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

ウイルスや細菌などの( A )が宿主(人や動物など)の体内に侵入し、発育又は増殖することを「( B )」といい、その結果、何らかの臨床症状が現れた状態を「( C )」といいます。( A )が体内に侵入してから症状が現れるまでにはある一定の期間があり、これを「( D )」といいます。( D )は( A )によって異なり、乳幼児がかかりやすい( C )の( D )を知っておくことが必要です。

 

(組み合わせ)
A B C D
1 感染源 感染 感染症 孵卵期間
2 病原体 感染 発症 潜伏期間
3 病原体 感染症 発症 潜伏期間
4 感染源 感染症 発症 孵卵期間
5 病原体 感染 感染症 潜伏期間
正解は5
A:病原体
B:感染
C:感染症
D:潜伏期間

ウイルスや細菌などの( A:病原体  )が宿主(人や動物など)の体内に侵入し、発育又は増殖することを「( B:感染  )」といい、その結果、何らかの臨床症状が現れた状態を「( C:感染症  )」といいます。( A:病原体 )が体内に侵入してから症状が現れるまでにはある一定の期間があり、これを「( D:潜伏期間 )」といいます。( D:潜伏期間 )は( A:病原体 )によって異なり、乳幼児がかかりやすい( C:感染症  )の( D:潜伏期間 )を知っておくことが必要です。

同ガイドラインより、感染症が発生するためには、以下の三つの要因が必要であるとされています。
・病原体を排出する「感染源」
・病原体が人、動物等に伝播する(伝わり、広まる)ための「感染経路」
・病原体に対する「感受性」が存在する人、動物等の宿主
問5

次の文は、幼児の肥満に関する記述である。不適切な記述を一つ選びなさい。

 

1 肥満の判定に用いる肥満度(%)は、幼児の体重と標準体重から導き出す。
2 カウプ指数は、「体重」と「身長の2乗」の値を用いて導き出す。
3 食べすぎと運動不足は、肥満の主な要因となる。
4 肥満の解消に重要なのは、カロリー摂取制限によって体重を減らすことである。
5 親の肥満傾向は、子どもの肥満に影響すると考えられている。
正解は4
1:〇 幼児の肥満度の計算式は【肥満度=(実測体重-標準体重)÷ 標準体重×100(%)】となるため、記述は適切です。

2:〇 カウプ指数の計算式は【体重(kg) ÷ 身長(m)2】となるため、記述は適切です。

3:〇 肥満になる原因は、食事やおやつなどの過剰摂取、運動不足となるため記述は適切です。

4:× 肥満の解消について重要なのは、食事の時間や量の調整、スポーツなどの運動であるため、記述は不適切です。

5:〇 親の体型が子供に影響すると考えられていることから、肥満に対しても同等であるため記述は適切です。
問6

次の文は、身体障害や知的障害がある子どもとその対応に関する記述である。
( A )~( C )にあてはまる語句の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。

障害のある子どもへの対応としては、能力のいかんにかかわらずできるだけ多くの人が利用可能となるような( A )の発想を大切にする。今できることの少しだけ上の目標設定を行い( B )で徐々に生活能力を向上させていき、適切な( C )も心がける。

 

(組み合わせ)
A B C
1 リハビリテーション バリアフリー 環境設定
2 リハビリテーション スモールステップ 栄養指導
3 ユニバーサルデザイン スモールステップ 栄養指導
4 ユニバーサルデザイン バリアフリー 環境設定
5 ユニバーサルデザイン スモールステップ 環境設定
正解は5
A:ユニバーサルデザイン

B:スモールステップ

C:環境設定

障害のある子どもへの対応としては、能力のいかんにかかわらずできるだけ多くの人が利用可能となるような( A:ユニバーサルデザイン )の発想を大切にする。今できることの少しだけ上の目標設定を行い( B:スモールステップ )で徐々に生活能力を向上させていき、適切な( C:環境設定 )も心がける。
問7

次の文は、保健に関わる専門用語の説明である。適切な記述を一つ選びなさい。

 

1 「トキソプラズマ」とは、ワクチンの一種で、病原体がもつ毒素を処理して、毒素を無害化したものである。
2 「グロブリン」とは、心臓に作用して血圧を上げ、気管支を広げる作用のあるホルモンである。
3 「バイタルサイン」とは、窒息を起こした時に、両手を交差させてのど元をつかむような動作のことである。
4 「ハイムリック法」とは、傷病者の搬送方法の一つである。
5 「トリソミー」とは、染色体異常である染色体が一本多い場合をいう。
正解は5
1:× トキソプラズマとは、豚・牛などの哺乳類や鳥類などの体内に寄生し、原虫と呼ばれる微生物です。動物の排せつ物や土の中などに存在し、人にも感染します。記述は、トキソイドについてです。

2:× グロブリン(免疫グロブリン)は、血液や体液中にあり、抗体としての機能と構造を持つ蛋白質の総称であり、IgG、IgA、IgM、IgD、IgEの5クラスに分かれます。

3:× バイタルサインとは、人間の生命活動における重要な指標であり、「脈拍」「呼吸」「体温」「血圧」の4項目がバイタルサインの基本です。

4:× ハイムリック法(上腹部圧迫法)とは、外因性異物によって窒息の恐れがある患者を救命する応急処置であるが、乳児に対しては行ってはなりません。

5:〇 記述のとおりであり、ダウン症候群のほとんどは21トリソミー(21番染色体が3本ある状態)です。
問8

次の文は、感染症とその予防に関する記述である。適切な記述を一つ選びなさい。

 

1 母親がウイルスによる感染症にかかっている場合、母乳を介して必ず子どもに感染する。
2 幼児がインフルエンザで高熱を出すと、意識障害になりやすい。
3 B型肝炎は、出産時に母親から子どもに感染することがある。
4 4種混合ワクチンは、インフルエンザの流行時期には接種を避けなければならない。
5 免疫グロブリンの IgA は、胎盤を通過する。
正解は3
1:× 母親から子どもに感染する場合もあるが、必ずでは無いため記述は不適切です。

2:× インフルエンザの高熱が原因で、5分以上の痙攣や意識障害の症状が現れている場合「インフルエンザ脳症」を引き起こしている可能性が高いため、記述は不適切です。

3:〇 記述の通りです。

4:× インフルエンザが流行する時期関係なく、4種混合ワクチンは接種可能なため記述は不適切です。

5:× 胎盤を通過するのは、体中の血液や組織液に存在する免疫グロブリンIgGのため、記述は不適切です。
問9

次の文は、子どものアレルギーに関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 離乳食の早期開始が食物アレルギーの原因になるため、離乳の開始は標準より遅くするのがよい。
  2. B 乳児期にアナフィラキシーが起きた場合、次の検査までは、原因と思われる物質の摂取は避ける。
  3. C アレルギーの血液検査で陽性が判明した食物を食べると、必ず食物アレルギー症状が見られる。
  4. D アトピー素因があると、日常生活で接する可能性のある抗原に対して、IgE 抗体をつくりやすい。

 

(組み合わせ)
A B C D
1 × ×
2 × ×
3 × ×
4 × × ×
5 × ×
正解は3
A:× 早期開始により、食物アレルギーの原因となることはないため、食物アレルギー予防のためといって、離乳食の開始を遅らせる必要はありません。

B:〇 乳児期にアナフィラキシーが起きた場合は、原因となる食物は医師の診断によって確定され治療が行われるが、医者による検査を受ける前から、原因と思われる食物の摂取は避けます。

C:× 血液検査や皮膚テストが陽性でも、食物アレルギーによる症状が出ない場合もあります。アレルギーの血液検査で陽性と判明しても、それがアレルギーの原因とは必ずしも言えません。

D:〇 アトピー素因とは、IgE抗体(免疫グロブリンの一つであり、抗原によりヒスタミン放出するなどのアレルギー反応を引き起こすもの)を産生しやすい素因のことをいいます。また、家族歴・既往歴(気管支喘息、アレルギー性鼻炎・結膜炎、アトピー性皮膚炎のうちいずれか、あるいは複数の疾患)がある場合です。
問10

次の文は、子どもの生活リズム等に関する記述である。適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A コルチゾールは早朝に分泌が多くなり、血圧の維持や血糖の代謝にかかわる。
  2. B 多くの子どもの起床就寝時刻は、平日と休日の間で差はない。
  3. C メラトニンは昼間分泌され、身体活動の活発性に関与する。
  4. D 成長ホルモンは、主にレム睡眠の時に分泌される。
  5. E 近年わが国では、子どもの外遊びの時間が減っているといわれている。

 

1 A B
2 A E
3 B C
4 C D
5 D E
正解は2
A:〇 記述の通りであり、コルチゾールとは、 副腎皮質から分泌されるステロイドホルモンの1つで、生体にとって必須のホルモンです。

B:× 「21世紀出生児縦断調査」より、休日は平日よりも起床時間・就寝時間ともに遅くなり、睡眠時間が長いことが示されています。

C:× メラトニンは、脳内の松果体において生合成されるホルモンであり、夜間に分泌されます。覚醒と睡眠を切り替え、自然な眠りを誘う作用があることから「睡眠ホルモン」と呼ばれています。

D:× 成長ホルモンは、主に眠りの深いノンレム睡眠時に下垂体から分泌されるものです。

E:〇 記述の通りであり、子どもの生活スタイルの変化が大きく影響しています。また、3つの「間」(時間・空間・仲間)の消失も影響しているとされています。
問11

次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】

母親と二人暮らしの4歳の女児が、母親の体調不良を理由に保育所に登園しない日が続くようになった。母親と面接したところ、表情は精彩を欠き、小声でうつむき加減の応対であった。気分が落ち込んで意欲がなくなり、外出が億劫となり、家事もできなくなっていると言う。また、夜間床についても何度も目を覚まし、食欲も落ちて体重も減少したと言う。「子どもや保育所に迷惑をかけて申し訳ない」と涙ぐむ。

【設問】

この母親に対する保育士の対応に関する以下の記述で、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

 

  1. A 母親に協力できる親戚や支援者がいるかどうかを確認する。
  2. B 「気持ちの問題なので、頑張りましょう」と励ます。
  3. C 積極的に趣味に打ち込むように勧める。
  4. D 医療機関への受診を提案する。
  5. E 保健所や子育て支援機関への相談を提案する。

 

(組み合わせ)
A B C D E
1 ×
2 ×
3 ×
4 × ×
5 × ×
正解は4
事例の内容から、母親にはうつ症状が疑われます。

A:〇 うつの症状が発症している場合、協力者の存在は必要不可欠のため母子家庭であるなら親戚や支援者に協力してもらうよう必要があります。

B:× うつ状態の可能性がある場合、励ましの言葉や叱咤激励は適切な判断では無いため、記述は不適切です。母親の気持ちを受け止めることが大切です。

C:× 落ち込んでいる状態で何か趣味に打ち込むことは困難です。そのため、記述は不適切です。

D:〇 母親自体がうつの症状の認識をしている場合は、専門の医療を受けることを提案することが望ましいです。しかし症状の認識がなく受け入れない場合は、嘱託医等に相談する必要があります。

E:〇 公的機関である保健所や子育て支援機関には、知識が豊富なスタッフが在中しています。相談をして、母親の負担を減らす方法を提案してもらうことが好ましいです。
問12

次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】

6歳の女児。周産期に問題はなく、発育発達で異常を指摘されたことはない。保育所での適応も問題はなかった。2か月前頃から、砂場で遊んだ後などに「汚れが落ちない」と言って頻繁に手を洗うようになった。また、母親や保育士に何回も執拗に手が汚れていないかと確認するようになった。母親や保育士が「手はきれいになっているよ」と答えても、本児は「手が汚れている」と納得せず、手を洗うことを繰り返すため、手荒れがひどくなった。

【設問】

この事例で最も疑われる精神医学的問題を一つ選びなさい。

 

1 身体表現性障害
2 広汎性発達障害
3 全般性不安障害
4 強迫性障害
5 統合失調症
正解は4
1:× 身体表現性障害とは、ストレスが原因となって身体症状にあらわれます。身体の異常があるにもかかわらず、内科等で検査しても異常が見つからない場合等原因を説明できません。

2:× 広汎性発達障害(PDD)とは、自閉症、アスペルガー症候群、レット障害など特定不能の広汎性発達障害を含むものの総称です。

3:× 全般性不安障害(GAD)は不安神経症とも呼ばれ、不安が原因として起こります。うつ病などとは異なり、全般性不安障害には特徴的な症状が存在しません。

4:〇 強迫性障害(OCD)とは、自分の意思に反して、不合理な考えやイメージが頭に繰り返し浮かんできて、それを振り払おうと同じ行動を繰り返してしまいます。症状としては、抑えようとしても抑えられない強迫観念と、それによる不安を打ち消すために無意味な行為を繰り返す強迫行為があります。事例のような行為は、手洗恐怖とよばれる強迫性障害の1つです。

5:× 統合失調症は、幻覚や妄想という症状が特徴としてあります。それに伴って、人々と交流しながら家庭や社会で生活を営む機能が障害を受け(生活の障害)、「感覚・思考・行動が病気のために歪んでいる」ことを自分で振り返って考えることが難しくなりやすい(病識の障害)、という特徴を併せもっています。
問13

次の文は、知的障害についての記述である。適切な記述を一つ選びなさい。

 

1 知的障害の評価は、知能指数のみで定義される。
2 知的障害は、女児のほうが男児より多い。
3 知的障害の原因に、胎児性アルコール症候群は含まれない。
4 軽度の知的障害においても、ほとんど原因となる要因が明確である。
5 知的障害は、自閉性障害の代表的な併存症である。
正解は5
1:× 知的障害(精神遅滞)は、精神発達全体が遅れていることです。知能指数が絶対的な基準ではなく、知能と適応行動により総合的に判断します。なお、知能検査での判定の目安は知能指数70未満です。

2:× 知的障害は、女児よりも男児に多く(1.5対1)、有病率は約1%前後です。

3:× 胎児性アルコール症候群とは、非遺伝性の精神発達遅滞の1つであり、妊娠中の飲酒により、胎児の脳に障害が発生するものです。

4:× 重度の知的障害は染色体や遺伝子の要因、脳疾患など原因が特定できるものが多いのに対し、軽度の知的障害では原因が特定できないものが多いです。

5:〇 カナー症候群などの低機能自閉症は知能指数がおおむね70未満で、軽度から重度の知的障害を伴っています。しかし、アスペルガー症候群などが含まれる高機能自閉症には知能指数が70以上で知的障害を伴いません。
問14

次の精神医学的問題のうち、5歳の時点で診断が可能なものを○、そうでないものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 統合失調症
  2. B 分離不安障害
  3. C 反応性愛着障害
  4. D 反社会性パーソナリティ障害

 

(組み合わせ)
A B C D
1 × ×
2 ×
3 × ×
4 × ×
5 × × ×
正解は3
A:× 統合失調症は、青年期前の小児期に発症することは滅多にないため、5歳の時点での診断は難しいです。

B:◯ 分離不安障害とは、自宅や愛着を持っている人物から離れることに対して持続的に強い不安が生じる状態をいいます。

C:◯ 反応性愛着障害は、5歳未満に発症し、抑制型と脱抑制型に分けられ、小児の対人関係のパターンが持続的に異常を示すことが特徴です。

D:× 反社会性パーソナリティ障害とは、社会の規範を破り、他人を欺いたりいじめたりすることに罪悪感を抱かない障害です。診断をするには少なくとも18歳以上であり、15歳以前に問題行動やいくつかの素行症の症状が出現していることが要件です。
問15

次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】

保育所に通う5歳の男児。周産期に問題はなく、発育発達で異常を指摘されたことはない。食欲は旺盛で、普段は 20 時過ぎに就寝し、朝は6時頃に起床している。母親から、 2か月程前から夜中に叫ぶことがあると相談を受けた。頻度は週2~3回で、22 時前後に、急激に両目を見開いて、恐怖の叫び声をあげることが数分間続く状態であった。心配した母親が安心させようと抱きしめても叫び続けた。朝起床後に母親が尋ねても、叫び声をあげたことは覚えておらず、日中の行動には問題はない。

【設問】

次のうち、この子どもで疑われる精神医学的問題として適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

 

  1. A 症状はパニック発作で、治療は認知行動療法が有効である。
  2. B 小児に多く、成人では頻度が少ない。
  3. C 頻脈、呼吸促迫、発汗、瞳孔散大などの自律神経徴候がみられる。
  4. D 悪化する要因として日常生活上のストレスや、睡眠リズムの乱れがある。
  5. E 脳波検査で、特有の異常波がみられる。

 

(組み合わせ)
A B C D E
1 × ×
2 × ×
3 × ×
4 × ×
5 × ×
正解は3
発育発達、日中の行動等に異常はなく、夜間になると叫び声をあげ、起床後本人は覚えていないことから、夜驚症(睡眠時驚愕症)の可能性があり、3歳~6歳の子どもに多く見られる症状です。

A:× 夜驚症の症状は、眠ってから1~3時間にあらわれ、目を見開き泣き叫ぶが、呼びかけても反応しないのが特徴であり、長くても10~15分でおさまるため、保護者が様子を見守ることで、次第に落ち着きます。

B:◯ 夜驚症は、主に脳の成長過程で起こるとされており、子どもによくみられる睡眠障害の一つです。成人でも頻度は少ないが稀にみられます。

C:◯ パニックになっていることから、頻脈、呼吸促迫、発汗、瞳孔散大などの自律神経徴候がみられることもあります。

D:◯ 悪化する要因として、感情の刺激やストレス、睡眠リズムの乱れなどがあります。

E:× 脳波検査では異常波はなく、特別な治療も必要ないとされています。
問16

次の文は、「2012 年改訂版 保育所における感染症対策ガイドライン」(厚生労働省)における感染症に罹患した子どもの出席停止の日数の数え方に関する記述である。
(a)~(c)の下線部が正しいものを○、誤ったものを × とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. ・ 日数の数え方は、(a)その現象が見られた日を第1日とする。
  2. ・ 「解熱した後3日を経過するまで」の場合、例えば、解熱を確認した日が月曜日であった場合には、(b)月曜、火曜、水曜の3日間を休み、木曜日から登園許可ということになる。
  3. ・ インフルエンザにおいて「発症した後5日」の場合の「発症」とは、(c)全身倦怠感が現れたことを指す。

 

(組み合わせ)
a b c
1
2 ×
3 ×
4 ×
5 × × ×
正解は5
「2012年改訂版 保育所における感染症対策ガイドライン」に記されている通り、解答は以下となります。

a:× その現象がみられた日は期間に算定せず、その翌日を第1日とします。
b:× 「解熱した後3日を経過するまで」とは、その日は期間には算定せず、火曜日を1日目とし、水曜日(2日目)、木曜日(3日目)の3日間を休み、金曜日から登園許可(出席可能)ということです。
c:× 「全身倦怠感が現れたこと」は不適切です。インフルエンザにおいての「発症」とは、「発熱」を指します。

※同ガイドラインは、2018年に改定版が出ていますが、出席停止の日数の数え方に関しては変更はありません。
問17

次の文のうち、「放課後児童クラブ運営指針」(平成 27 年 厚生労働省)における「衛生管理及び安全対策」の一部として正しいものを○、誤ったものを × とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 手洗いやうがいを励行するなど、日常の衛生管理に努める。
  2. B 必要な医薬品その他の医療品を備えるとともに、それらの管理を適正に行い、適切に使用する。
  3. C 施設設備やおやつ等の衛生管理を徹底し、食中毒の発生を防止する。
  4. D 感染症の発生や疑いがある場合は、必要に応じて市町村、保健所等に連絡し、必要な措置を講じて二次感染を防ぐ。

 

(組み合わせ)
A B C D
1
2 × ×
3 × ×
4 × ×
5 × × × ×
正解は1
平成24年に改正児童福祉法に基づき策定された、「放課後児童クラブ運営指針」第6章2「衛生管理及び安全対策」に関する内容であり、以下の通りとなります。

A:〇 記述の通りです。

B:〇 記述の通りです。

C:〇 記述の通りです。

D:〇 記述の通りです。
問18

次の文は、睡眠中の乳児における「窒息リスクの除去の方法」についての記述である。不適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 乳児にうつぶせ寝の習慣がある場合は、仰向けに寝かせる必要はない。
  2. B 定期的に子どもの呼吸・体位、睡眠状態を点検する。
  3. C 睡眠中は、乳児を一人にしないこととされている。
  4. D 乳児の窒息リスクの除去は、睡眠中にのみ行う。

 

1 A B
2 A D
3 B C
4 B D
5 C D
正解は2
A:× 寝返りができるようになる生後6ヶ月までは、うつぶせ寝で窒息してしまうケースもあるので注意が必要です。

B:〇 睡眠中の子どもの呼吸、体位、睡眠状態を確認することは大切です。

C:〇 乳児の睡眠中は、何か異常が起きた場合にも迅速に対応できるよう一人にしないことが重要です。

D:× おもちゃの誤飲や長いひもなども乳児の窒息の原因になりうるため、睡眠中のみではありません。
問19

次の文は、予防接種を受ける時期に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 生ワクチンの接種後、別の種類のワクチンを受ける場合は、21 日(3週間)以内に接種する必要がある。
  2. B 不活化ワクチンの接種後は、中6日以上(1週間)空ける必要があることとされている。
  3. C 医師が特に必要と認めた場合は、複数のワクチンを同時に接種することが可能である。
  4. D 同じワクチンを複数回接種する場合は、免疫を獲得するために一番効果的な時期が標準的な接種間隔として定められているため、それをふまえて接種スケジュールを立てる必要がある。

 

(組み合わせ)
A B C D
1
2 × ×
3 × ×
4 ×
5 × ×
正解は4
A:× 生ワクチンを接種した後、別の種類のワクチンを接種する場合には、中27日以上(4週間)空けなければなりません。

B:〇 不活化ワクチンを接種した後、別のワクチンを接種する場合には、中6日以上(1週間)空けなければなりません。

C:〇 複数の予防接種を同時に同一の対象者に行う同時接種が可能です。しかし、医師が必要と認めた場合に限ります。

D:〇 1回目の接種を受けた後、抗体の量が徐々に低下するため、同じワクチンを複数回接種する必要があります。追加接種を行い、1回目の接種でできた抗体を少しずつかさ上げしていくことをブースター効果といいます。したがって、接種スケジュールをしっかりと立てる必要があります。
問20

次の文は、「保育所保育指針」第5章「健康及び安全」の2「環境及び衛生管理並びに安全管理」の一部である。( A )~( D )の語句が正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. (1) 環境及び衛生管理
  2. ア 施設の温度、湿度、換気、(A 抗菌)、(B 防音)などの環境を常に適切な状態 に保持するとともに、施設内外の設備、用具等の衛生管理に努めること。
  3. (中略)
  4. (2)事故防止及び安全対策
  5. ア 保育中の事故防止のために、子どもの(C 健康)の状態等を踏まえつつ、保育所内外の安全点検に努め、安全対策のために職員の(D 共同作業)や体制作りを図るとともに、家庭や地域の諸機関の協力の下に安全指導を行うこと。

 

(組み合わせ)
A B C D
1 ×
2 ×
3 × ×
4 × ×
5 × × × ×
正解は5
平成30年に保育所保育指針が改定され、前指針第5章「健康及び安全」2「環境及び衛生管理並びに安全管理」は、現指針第3章「健康及び安全」3「環境及び衛生管理並びに安全管理」に変更となりました。

A:× 採光
B:× 音
C:× 心身
D:× 共通理解

※Dに関して、現指針では「職員」は「全職員」へ変更されているので注意しましょう。


保育所保育指針より抜粋

第3章 健康及び安全
3 環境及び衛生管理並びに安全管理

(1) 環境及び衛生管理
ア 施設の温度、湿度、換気、採光、音などの環境を常に適切な状態に保持するとともに、施設内外の設備及び用具等の衛生管理に努めること。
イ 施設内外の適切な環境の維持に努めるとともに、子ども及び全職員が清潔を保つようにすること。また、職員は衛生知識の向上に努めること。

(2) 事故防止及び安全対策
ア 保育中の事故防止のために、子どもの心身の状態等を踏まえつつ、施設内外の安全点検に努め、安全対策のために全職員の共通理解や体制づくりを図るとともに、家庭や地域の関係機関の協力の下に安全指導を行うこと。
イ 事故防止の取組を行う際には、特に、睡眠中、プール活動・水遊び中、食事中等の場面では重大事故が発生しやすいことを踏まえ、子どもの主体的な活動を大切にしつつ、施設内外の環境の配慮や指導の工夫を行うなど、必要な対策を講じること。
ウ 保育中の事故の発生に備え、施設内外の危険箇所の点検や訓練を実施するとともに、外部からの不審者等の侵入防止のための措置や訓練など不測の事態に備えて必要な対応を行うこと。また、子どもの精神保健面における対応に留意すること。
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