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保育士試験
過去問題
平成30年度(前期)

保育実習理論 平成30年度(前期)

問1

次の曲の伴奏部分として【Ⅰ群】の小節にふさわしい伴奏を【Ⅱ群】から選んだ場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

楽譜:著作権の関係により公表できません。

 

(組み合わせ)
A B C D
1
2
3
4
5
正解は4
曲は、基本的にⅠ(主和音)から始まります。したがって、次の2点に沿って考えると良いでしょう。①Ⅰ(主和音)を判断し、1小節目の和音を絞り込みます。②メロディーの各拍の音からその小節の和音を判断します。
設問の曲は、調号が何もついていないため、候補になるのはハ長調かイ長調となります。もしイ長調であった場合、音階(ラ・シ・ド・レ・ミ・ファ・ソ)の7番目の音であるソはソ#である必要があります。しかし、曲中ではソに#はついていないので、この曲はハ長調と判断できます。ハ長調の主要三和音は、Ⅰ(主和音):ドミソ、Ⅳ:ファラド、Ⅴ:ソシレ、Ⅴ7:ソシレファとなります。

A:イ 1小節目は、基本的にⅠ(主和音)で始まるため、ア、イ、ウのうち、ドミソに含まれる音で構成されているイが適切です。

B:ウ 3小節目は、メロディーに含まれている音がレドシであるため、ラとドが多く含まれているⅣ(下属和音)と判断します。したがって、ファラドに含まれている音で構成されているウが適切です。

C:ア 7小節目は、メロディーに含まれている音がレドシであり、ドはレからシに移行するなかでの経過音とよばれる音です。レとシが含まれている和音はⅤ、Ⅴ7です。ア~ウのうち、Ⅴ、Ⅴ7の根音であるソが含まれているのはアです。

D:イ 8小節目は、ドのみです。Ⅴ、Ⅴ7は次にⅣに進むことができない和音であり、8小節目のドは、ドミソの和音のドということになるため、イが適切です。
問2

次のA~Dの音楽用語の意味を【語群】から選んだ場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A poco a poco
  2. B dolce
  3. C arpeggio
  4. D D.S.
【語群】
  • ア たくさん
  • イ 少しずつ
  • ウ みんなで
  • エ やわらかく
  • オ 和音を通常下から順次に奏する
  • カ 和音をまとめて強く奏する
  • キ セーニョに戻る
  • ク はじめに戻る

 

(組み合わせ)
A B C D
1
2
3
4
5
正解は5
A:イ poco a poco(ポコアポコ)は「少しずつ」 です。
B:エ dolce(ドルチェ)は「やわらかく」 です。
C:オ arpeggio(アルペジオ)は「和音を通常下から順次に奏する」 です。
D:キ D.S.(ダルセーニョ)は「セーニョに戻る」です。

ア molto(モルト) は「たくさん」です。
ウ tutti(トゥッティ)は「みんなで」です。
カ ストローク(ギター奏法)は「和音をまとめて強く奏する」です。
ク D.C.(ダ・カーポ)は「はじめに戻る」です。
問3

次のコードネームにあてはまる鍵盤の位置として正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1.       ア    イ    ウ
  2. C7 :  ⑥⑩⑰  ⑥⑩⑯  ⑬⑰⑱
  3. Fm :  ④⑥⑪  ⑥⑪⑭  ⑪⑮⑲
  4. G♭ :  ④⑦⑫  ⑫⑰⑳  ⑪⑬⑲
  5. Faug :  ③⑥⑪  ⑦⑪⑮  ⑫⑮⑲

(組み合わせ)
C7 Fm G♭ Faug
1
2
3
4
5
正解は3
コード(和音)の名前をアルファベットと数字で表した記号のことをコードネームといいます。大文字のアルファベットは和音の根音を、小文字と数字は和音の種類を示しています。設問のコードネームの構成音は、以下の通りです。

C₇(シー・セブン):イ(ド・ミ・シ♭) C(ド)を根音として長3度上のミと短7度上のシ♭で構成されているセブンスの和音です。

Fm(エフ・マイナー):イ(ド・ファ・ラ♭) F(ファ)を根音として短3度上のラ♭と完全5度上のドで構成されています。

G♭(ジー・フラット):ア(シ♭・レ♭・ソ♭) G♭(ソ♭)を根音として長3度上のシ♭、完全5度上のレ♭で構成されています。

Faug(エフ・オーグメント):イ(ド♯・ファ・ラ) F(ファ)を根音として長3度上のラ、増5度上のド♯で構成されています。
問4

次の曲を4歳児クラスで歌ってみたところ、高い音が歌いにくそうであった。そこで長2度下の調に移調することにした。その場合、A、B、Cの音は、伴盤の①から⑳のどこを弾くか、正しい組み合わせを一つ選びなさい。

鍵盤図:著作権の関係により公表できません。

 

 

(組み合わせ)
A B C
1
2
3
4
5
正解は2
設問は、長2度下に楽譜に示された鍵盤位置を移調するものです。この楽譜の曲はト長調の「ハッピーバースデートゥーユー」です。

A:⑥ 楽譜Aの音はレであるため、長2度下はドとなります。

B:⑩ 楽譜Bの音はファ♯であるため、長2度下はミとなります。

C:⑯ 楽譜Cの音はドであるため、長2度下はシ♭となります。(短2度のシを導き出さないように注意しましょう。)
問5

問4の楽譜を長2度下に移調した場合の調号として正しいものを一つ選びなさい。

 

1
2
3
4
5
正解は2
移調前の曲は、#が1つという点からト長調であり、主音はソです。ソの長2度下はファであることから、長2度下の調はヘ長調と判断できます。
ヘ長調の調号は、♭が1つです。調号は#・♭ともに、一番右についている調号から調名を読み取ります。♭の調号位置は音階の第4音(階名ファ)で、#の調号位置は音階の第7音(階名シ)です。
問6

次の文のうち、適切な記述を○、不適切な記述を × とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 團伊玖磨作曲の「ぞうさん」は、まど・みちおの作詞である。
  2. B 能は、歌舞伎など日本の伝統芸能の源流をなすものである。
  3. C ハーモニカは、リード楽器である。
  4. D ニ長調の階名「ミ」は、音名「ヘ」である。

 

(組み合わせ)
A B C D
1 ×
2 × ×
3 × ×
4 × ×
5 × × ×
正解は1
A:◯ 「ぞうさん」以外に、まど・みちおの代表作には「やぎさんゆうびん」「ふしぎなポケット」などがあります。

B:◯ 能は、舞・謡・囃子の三要素から成り立っていて、江戸時代までは猿楽と呼ばれていました。

C:◯ ハーモニカは、鍵盤ハーモニカや、アコーディオンなどと同じでリード楽器のうちのフリーリードと呼ばれる種類です。

D:× 階名ミは主音から長3度上の位置になります。したがって、ニ長調の階名「ミ」は音名「嬰へ」となります。
問7

次の文は、「保育所保育指針」第3章「保育の内容」のオ「表現」のねらいである。( A )~( C )にあてはまる語句の組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

  1. ① いろいろな物の美しさなどに対する( A )感性を持つ。
  2. ② 感じたことや考えたことを( B )表現して楽しむ。
  3. ③ ( C )イメージを豊かにし、様々な表現を楽しむ。

 

(組み合わせ)
A B C
1 豊かな 適切に 自分なりに
2 豊かな 生活の中で 自分なりに
3 豊かな 自分なりに 生活の中で
4 大らかな 適切に 生活の中で
5 大らかな 自分なりに 生活の中で
正解は3
「保育所保育指針」(平成20年3月28日施行)第3章「保育の内容」のオ「表現」より以下のとおりです。

A:豊かな
B:自分なりに
C:生活の中で

① いろいろな物の美しさなどに対する( A:豊かな )感性を持つ。
② 感じたことや考えたことを( B:自分なりに )表現して楽しむ。
③ ( C:生活の中で )イメージを豊かにし、様々な表現を楽しむ。


※前指針(平成20年施行)第3章「保育の内容」1「保育のねらい及び内容」(2)「教育に関わるねらい及び内容」オ「表現」は、現指針(平成30年施行)第2章「保育の内容」3「3歳上児の保育に関するねらい及び内容」オ「表現」に記されています。

保育所保育指針より抜粋

第2章 保育の内容
3 3歳以上児の保育に関するねらい及び内容
オ 表現
感じたことや考えたことを自分なりに表現することを通して、豊かな感性や表現する力を養い、創造性を豊かにする。
(ア) ねらい
① いろいろなものの美しさなどに対する豊かな感性をもつ。
② 感じたことや考えたことを自分なりに表現して楽しむ。
③ 生活の中でイメージを豊かにし、様々な表現を楽しむ。
問8

次の文は、幼児期の描画に関する記述である。不適切な記述を一つ選びなさい。

 

1 「スクリブル」は、運動感覚的な楽しさに基づいて描かれることが多い。
2 「頭足人」表現は、頭と足だけでなく、人物の全体的なイメージに基づいて描かれている。
3 「マンダラ」図形は、アジア地域の子ども達のみに出現する。
4 「基底線」は、地面や空などの空間的な関係を表している。
5 「展開図法」は、見えている現実ではなく、知っている事実を表す知的リアリズムと呼ばれることもある。
正解は3
1:〇 スクリブルとは殴り書きのことで、子どもが運動的に手を動かして描く動作を楽しむ行動です。

2:〇 頭足人とは頭から直接手足が生えたように描写された子ども特有の絵ではありますが、胴体などの位置は各子ども毎の認識によって異なり、全体的な人間の体をイメージして描かれていることに違いはありません。

3:× マンダラ図形はアジアのマンダラをもとにしたものでありますが、マンダラ図形自体を描くことはアジアの子どもに限りません。

4:〇 基底線とは地面や空などが区別がつくように描画された線をいいます。

5:〇 子どもの絵は写実的に見たままを描くだけではなく自身のイメージや知っていることを盛り込んで描かれることが多いです。
問9

次の(  )にあてはまる記述として、正しいものを一つ選びなさい。

色彩は、有彩色と無彩色に分けることができる。無彩色とは、(  )である。

 

1 明度のみあるもの
2 彩度のみあるもの
3 色相のみあるもの
4 明度と色相があるもの
5 彩度と色相があるもの
正解は1
色は、無彩色と有彩色に分けることができます。無彩色は黒、白、灰色のみです。有彩色は赤、緑、黄などです。また、色には色相、彩度、明度という3つの属性があります。色味のことを色相、その色味の鮮やかさのことを彩度、色の明るさのことを明度といいます。有彩色には色相、彩度、明度があり、無彩色には色相と彩度がなく、明度のみがあります。
問10

次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】

M保育所の5歳児クラスで、N保育士はマーブリング技法による模様づくりを計画しました。できあがったマーブリング模様を、いろいろな遊びや工作に利用したいと考えています。

マーブリングを始めるにあたり、保育所には次の材料や用具がありました。

  • 和紙
  • 画用紙
  • バット
  • 小麦粉
  • クレヨン
  • 墨汁
  • 色鉛筆
  • 洗面器
  • 紙皿
  • 雑巾
  • 筆洗
  • 新聞紙
  • バケツ
  • のり
  • ダンボール
【設問】

次のうち、マーブリングの模様づくりに必要なものとして、最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。

 

 

1 筆洗 のり 色鉛筆 画用紙 バット
2 クレヨン バケツ のり 雑巾 ダンボール
3 墨汁 紙皿 和紙 新聞紙 小麦粉
4 バット 墨汁 和紙 新聞紙
5 洗面器 新聞紙 クレヨン 画用紙

 

正解は4
バットなどにはった水に墨汁や専用の絵の具をたらして水面に模様をあらわし、紙(和紙などの吸水性の優れた紙)をその水面に浸して模様をうつしとる技法をマーブリングといいます。模様をうつしとった後の紙の余分な水分を吸い取ったり、水面の不要な墨汁や絵具を取り除いたりするのに新聞紙が適しています。
問11

次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】

新任のP保育士と主任のQ保育士は、図の道具について二人で話をしています。

 

  1. Q:これは、( A )といって、金釘をしっかりと打つのに適した道具です。
  2. P:頭の部分には、丸い面と平らな面がありますね。
  3. Q:金釘の打ち始めは、( B )の柄を持って、( C )で打つとよいですよ。
  4. P:( D )で打ち始めると金釘が曲がり易いからですね。
  5. Q:金釘の打ち終わりには、( E )を使いましょう。
  6. P:( E )の形ですと、木に打ち痕が残りにくく、深く打ち込めますね。
【設問】

( A )~( E )にあてはまる語句の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。

 

(組み合わせ)
A B C D E
1 げんのう 頭に近い方 平らな面 丸い面 丸い面
2 げんのう  頭に遠い方 丸い面 平らな面 平らな面
3 いもづち  頭に遠い方 平らな面 丸い面 平らな面
4 きづち 頭に近い方 丸い面 平らな面 丸い面
5 きづち  頭に遠い方 平らな面 丸い面 丸い面
正解は1
A:げんのう
B:頭に近い方
C:平らな面
D:丸い面
E:丸い面

A:げんのうは釘を打つための金づちです。きづちは打ち付ける部分が木製のため釘を打つのには適していません。いもづちは金づちの一種だが釘ではなく鉄板加工などに使用します。

B:釘が固定されるまでの打ちはじめは頭に近い部分を持ったほうがコントロールしやすく、釘も曲がらずに打ちやすい作りとなっています。

C:打ちはじめは平らな面で釘を打った方が曲がりにくいです。

D:丸い面では釘頭をとらえにくく曲がってしまうことがあります。

E:打ち終わりを丸い面で打つのは気に打ち跡が残りにくくなるためです。
問12

次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】

R保育所にはどんぐりなど、木の実のなる木が多くあり、毎年秋になると木の実を拾って、「やじろべえ」を作って遊んでいます。

【設問】

次の図のうち、「やじろべえ」としてバランスがとれるものを○、とれないものを × とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

 

 

(組み合わせ)
A B C D
1 ×
2 × ×
3 ×
4 × ×
5 × ×
正解は4
やじろべえがバランスを保つために、重心を支点よりも下にする必要があります。つまり、「重りとなる木の実」のほうが「台と針金が接している点」よりも下にあればよいということです。その結果、A・Dはバランスをとることができます。しかし、B・Cはバランスをとることができません。
問13

乳児に対する絵本の読み聞かせを想定した場合、オノマトペの面白さを描いた絵本として正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 『じゃあじゃあびりびり』まついのりこ(作・絵)
  2. B 『がたん ごとん がたん ごとん』安西水丸(作)
  3. C 『きつねのよめいり』松谷みよ子(作)、瀬川康男(絵)
  4. D 『ちいさいおうち』バージニア・リー・バートン(Burton, V. L.)(作・絵)、石井桃子(訳)

 

(組み合わせ)
1 A B
2 A C
3 B C
4 B D
5 C D
正解は1
擬音語(擬声語)や、擬態語のことをオノマトペといいます。擬音語は、「ワンワン(犬の鳴き声)」や「ポッポー(機関車の汽笛)」などがあります。擬態語は、人や動物の声、ものの音などを疑似的にあらわしたもので、擬態語は、人や物事の状態・様子を語としてあらわしたもので、「ランラン(目が輝く様子)」や「ズッシリ(ものが重い様子)」などがあります。オノマトペを活かした絵本は、言葉や物語をまだ理解できない乳児からでも楽しむことができます。A〜Dの絵本のなかで、オノマトペの面白さを描いた絵本は、A『じゃあじゃあびりびり』とB『がたん ごとん がたん ごとん』です。
問14

次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】

実習生Sさんは、保育所で実習を行っている。給食の時間、Kちゃん(4歳、女児)は、Lちゃん(4歳、女児)に「一緒に給食を食べよう」と言って、Lちゃんの隣の席に移動した。その時、すかさずTちゃん(4歳、女児)が「だめ!Lちゃんは私と一緒に食べるの!」と、とても強い口調で言った。Kちゃんはその言葉を聞いて泣いてしまった。

【設問】

3人の子どもの様子をそばで見ていた実習生Sさんの対応として、不適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。

 

  1. A 泣いているKちゃんを受け止めて、「一緒に食べたかったんだよね」とKちゃんに言う。
  2. B 「Lちゃんと約束していたのかな?」などと、Tちゃんの話を聴く。
  3. C 「KちゃんもLちゃんと一緒に食べたいみたいよ」と、Kちゃんの気持ちに気づけるように、Tちゃんに声を掛ける。
  4. D 給食の時間が短くなるのを避けるために、Lちゃんに、KちゃんとTちゃんのどちらと一緒に食べるかを早く決めるように言う。
  5. E いざこざを収めるため、KちゃんとTちゃんに、「ごめんね」とお互いに謝らせる。

 

(組み合わせ)
1 A B
2 A D
3 B E
4 C D
5 D E
正解は5
A:〇 Kちゃんの気持ちを知り、第一にケアをすること、またそのうえでTちゃんやLちゃんに事情を聞き、子どもの立場に立ち気持ちを受け止めることは重要です。

B:〇 Tちゃんにどうしてそのような言動を行ったのかを聞くことは適切です。

C:〇 TちゃんにKちゃんの気持ちを考えさせ、他人の気持ちを理解するように促すことは適切です。

D:× 各子どもの気持ちを考えずに時間を第一に考えるのは不適切です。

E:× その場を収めるために謝らせるということは不適切です。
問15

次の文のうち、保育所における乳児への関わりとして、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 特定の保育士との関係性ではなく、多数の保育士との相互作用により、乳児が人への信頼感を形成できるようにする。
  2. B 目覚めている時には十分に関わることが大切であるが、眠い時に眠り、自ら目覚めるようにしながら、乳児が徐々に睡眠と覚醒のリズムを整えられるようにする。
  3. C 養護的な援助が中心となるが、乳児が探索活動などの自発的な活動を行えるように援助する。

 

(組み合わせ)
A B C
1
2 ×
3 × ×
4 ×
5 × ×
正解は4
A:× 乳児においては、現指針(平成30年施行)第2章「保育の内容」1「乳児保育に関わるねらい及び内容」(3)「保育の実施に関わる配慮事項」イの記述に、「一人一人のこともの生育歴の違いに留意しつつ、欲求を適切に満たし、特定の保育士が応答的に関わるように努めること」とあり、特定の保育士との関係性が重要です。

B:◯ 乳児は、次第に発達過程に応じた生活リズムを整えていきます。現指針第1章「総則」2「養護に関する基本的事項」(2)「用語に関わるねらい及び内容」ア「生命の保持」(イ)「内容」③の記述に、「清潔で安全な環境を整え、適切な援助や応答的な関わりを通して子どもの生理的欲求を満たしていく。また、家庭と協力しながら、子どもの発達過程等になど応じた適切な生活のリズムがつくられていくようにする」とあり、清潔で安全な環境づくり、乳児の生理的欲求を満たすことが大切です。

C:◯ 同イ「情緒の安定」(イ)「内容」③の記述に、「保育士等との信頼関係を基盤に、一人一人の子どもが主体的に活動し、自発性や探索意欲などを高めるとともに、自分への自信を持つことができるよう成長の過程を見守り、適切に働きかける」とあり、乳児が探索活動などの自発的な活動を行えるように援助します。


保育所保育指針より抜粋

第1章 総則
2 養護に関する基本的事項
(2) 養護に関わるねらい及び内容

ア 生命の保持
(ア) ねらい
① 一人一人の子どもが、快適に生活できるようにする。
② 一人一人の子どもが、健康で安全に過ごせるようにする。
③ 一人一人の子どもの生理的欲求が、十分に満たされるようにする。
④ 一人一人の子どもの健康増進が、積極的に図られるようにする。

(イ) 内容
① 一人一人の子どもの平常の健康状態や発育及び発達状態を的確に把握し、異常を感じる場合は、速やかに適切に対応する。
② 家庭との連携を密にし、嘱託医等との連携を図りながら、子どもの疾病や事故防止に関する認識を深め、保健的で安全な保育環境の維持及び向上に努める。
③ 清潔で安全な環境を整え、適切な援助や応答的な関わりを通して子どもの生理的欲求を満たしていく。また、家庭と協力しながら、子どもの発達過程等に応じた適切な生活のリズムがつくられていくようにする。
④ 子どもの発達過程等に応じて、適度な運動と休息を取ることができるようにする。また、食事、排 泄 、衣類の着脱、身の回りを清潔にすることなどについて、子どもが意欲的に生活できるよう適切に援助する。

イ 情緒の安定
(ア) ねらい
① 一人一人の子どもが、安定感をもって過ごせるようにする。
② 一人一人の子どもが、自分の気持ちを安心して表すことができるようにする。
③ 一人一人の子どもが、周囲から主体として受け止められ、主体として育ち、自分を肯定する気持ちが育まれていくようにする。
④ 一人一人の子どもがくつろいで共に過ごし、心身の疲れが癒されるようにする。

(イ) 内容
① 一人一人の子どもの置かれている状態や発達過程などを的確に把握し、子どもの欲求を適切に満たしながら、応答的な触れ合いや言葉がけを行う。
② 一人一人の子どもの気持ちを受容し、共感しながら、子どもとの継続的な信頼関係を築いていく。
③ 保育士等との信頼関係を基盤に、一人一人の子どもが主体的に活動し、自発性や探索意欲などを高めるとともに、自分への自信をもつことができるよう成長の過程を見守り、適切に働きかける。
④ 一人一人の子どもの生活のリズム、発達過程、保育時間などに応じて、活動内容のバランスや調和を図りながら、適切な食事や休息が取れるようにする。


第2章 保育の内容
1 乳児保育に関わるねらい及び内容
(3) 保育の実施に関わる配慮事項
ア 乳児は疾病への抵抗力が弱く、心身の機能の未熟さに伴う疾病の発生が多いことから、一人一人の発育及び発達状態や健康状態についての適切な判断に基づく保健的な対応を行うこと。
イ 一人一人の子どもの生育歴の違いに留意しつつ、欲求を適切に満たし、特定の保育士が応答的に関わるように努めること。
ウ 乳児保育に関わる職員間の連携や嘱託医との連携を図り、第3章に示す事項を踏まえ、適切に対応すること。栄養士及び看護師等が配置されている場合は、その専門性を生かした対応を図ること。
エ 保護者との信頼関係を築きながら保育を進めるとともに、保護者からの相談に応じ、保護者への支援に努めていくこと。
オ 担当の保育士が替わる場合には、子どものそれまでの生育歴や発達過程に留意し、職員間で協力して対応すること。
問16

次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】

保育所に勤務している保育士Yさんは、保育所の自己評価を具体的に展開していく方法のうち、「保育所における自己評価ガイドライン」(厚生労働省、平成 21 年3月)に示されている「既存の評価項目を利用して振り返る方法」について考えている。

【設問】

次の文のうち、既存の評価項目を利用して振り返る際の効果や留意事項について、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

 

  1. A 保育士が個々に評価をし、職員間で相互にすり合わせていく過程で、自らの保育実践とその保育所のあり方をより客観的に振り返る視点が涵養される。
  2. B 保育士が評価項目に沿って自身の保育実践を振り返り、記述するので、保育所全体の取り組みに関する評価には寄与しない。
  3. C 既存の評価項目を使用するため、各園が評価をする上で弊害はない。
  4. D 評価項目の日常的な見直しや、評価の根拠となった事例等を語り合うことなどが必要である。

 

(組み合わせ)
A B C D
1 ×
2 ×
3 × ×
4 × ×
5 × ×
正解は3
「保育所における自己評価ガイドライン」3「自己評価の展開」(2)「自己評価の具体的展開」C「既存の評価項目を利用して振り返る方法」を参照します。

A:◯ 保育実践についての認識等を職員同士ですり合わせ、整理することで、保育所の自己評価につなげていく方法です。

B:× 「保育士等が、保育所全体の取組に目を向けてより包括的な評価が可能になります」とあり、保育士自身による保育実践の振り返りが、保育所の自己評価につながります。

C:× 「評価項目だけを取り出して点検するのではなく、保育所における自己評価の全体像をとらえていきます。」とあるため弊害も危惧されます。

D:◯ 評価の根拠となった事例等を語り合うことなどの評価項目の見直しは必要です。
問17

次の文は、幼児期の文字の読み書きに対する保育士の関わりについての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 文字に対する一人一人の興味・関心を捉え、子どもの学びたいという思いに応じる。
  2. B 鏡文字を書いた場合は、正確に書けるまで練習させる。
  3. C 文字が読めないことや書けないことで劣等感を抱かせないようにする。
  4. D 子どもにとって、読み誤りやすい文字や書き誤りやすい文字があることを理解しておく。

 

(組み合わせ)
A B C D
1
2 × ×
3 ×
4 × ×
5 × × ×
正解は3
A:◯ 記述の通りであり、子どもの学びたいという思いを大切にするために、文字に対する子どもの興味・関心をしっかりとらえる必要があります。

B:×  正確に書けるまで練習させるのではなく、子どもが楽しみながら、遊びを通して自発的に文字を習得していくことが大切です。

C:◯ 記述の通りであり、劣等感を抱かせないために大切なのは、子どものチャレンジ精神を育てることと、自己表現ができる環境を整えることです。

D: ◯ 記述の通りであり、子ども一人ひとりの発達過程を十分に把握し、子どもにとって、まちがいやすい文字があることを理解しておくことが大切です。
問18

次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】

大学生Wさんは、保育実習の授業において実習記録を書くことを学んだ。実習記録は、保育所での実習期間中は毎回記入し、それを翌日、保育所の実習指導者へ提出することになっている。

【設問】

次の文のうち、実習記録について、最も不適切な記述を一つ選びなさい。

 

 

1 実習の課題(目標)を意識して、実習記録を書く。
2 実習記録は、実習指導者にもわかりやすく理解しやすいように記述する。
3 実習を通して学んだことや反省したことを記録し、次の日の実習に生かす。
4 実習記録を提出する際には、事前に誤字脱字がないかを家族や友人に確認してもらう。
5 子どもの個人名などの記載方法は、実習指導者に確認を取った上で、イニシャルにするなど慎重に取り扱う。
正解は4
1:〇 実習の課題(目標)を意識し、実習内容を記録することは復習にもなります。

2:〇 実習記録は自分だけでなく実習指導者の保育士も目を通すものであるためわかりやすく記入します。

3:〇 保育に限らず、体験したことを次回に生かし行動することはとても重要です。

4:× 実習記録には保育園の子どもたちの様子が詳しく書かれているため個人情報の保護の観点から関係者以外に見せてはいけません。

5:〇 実習記録は保育園の関係者のみが目にすることのできるものであるが、内容に関しても子どもの名前はイニシャルにするなど個人情報には十分に配慮します。
問19

次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】

児童養護施設で保育士をしているIさんは、担当しているF君(7歳、男児)が、職員が不在の時に限って年下の子どもに威圧的な態度をとることについて主任保育士に助言を求めた。主任保育士からは、F君の威圧的な態度の背景について情報を収集し、分析するよう指示を受けた。

【設問】

次のうち、主任保育士のIさんに対する指示内容を示す相談援助の専門用語として最も適切なものを一つ選びなさい。

 

 

1 インテーク
2 アセスメント
3 プランニング
4 インターベンション
5 モニタリング
正解は2
1:× インテークは、最初の面接のことである。

2:◯ アセスメントは、対象者の現状をとらえることである。様々な情報を収集して分析する必要があり、これに沿って対象者の支援を考える。

3:× プランニングは、目標に向かうための援助計画を策定することである。対象者の現状における課題を見出し、目標を作成する必要がある。

4: × インターベンションは、課題解決や目標に向かって、対象者に介入してくこと。

5:× モニタリングは、必要に応じた支援の見直しにつなげるために、対象者の目標に対する現状及び支援の把握を行う中間評価のことである。
問20

次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】

障害児入所施設で実習をしているGさんは、入所しているHさん(15 歳、男児、重度の知的障害と肢体不自由あり)とのかかわりを実習記録にまとめていた。以下がその記述の一部である。

Hさんは言葉を発することができず、職員とのコミュニケーションは表情やちょっとした身体の動きによって行っているようだった。私もHさんとコミュニケーションをとろうと、散歩の際に「今日は暖かいですね」と話しかけたが、Hさんの表情の変化を捉えることができずに戸惑い、何を話しかけたらよいかわからなかったため、その後は施設に戻るまで無言のまま車椅子を押した。

【設問】

次の文のうち、実習記録において、専門性向上の観点からGさんがHさんとのかかわりを省察する記述内容として、適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。

 

  1. A Hさんは話しかけられることで何かを感じているだろうから、表情の変化を読み取れなかったとしても、コミュニケーションに工夫をすることが必要だった。
  2. B Hさんは私の声かけに不快になり、無視をしたのだから、黙って車椅子を押したことはHさんに不快感を与えず、良かったと考えた。
  3. C Hさんから拒否されたのではないかという恐れがあったため、Hさんに話し続けることができなかったと考えた。
  4. D 他者とのコミュニケーションが困難な利用者とかかわることは、私には無理な取り組みであった。

 

(組み合わせ)
1 A B
2 A C
3 B C
4 B D
5 C D
正解は2
A:◯ コミュニケーションに工夫をして関わり、気持ちを理解しようとすることが大切である。

B:× 黙って車椅子を押した自身の関わりを良かったと結論づけることは、不適切である。Hさんが声かけに不快になり、無視をしたというのは一方的な解釈である。

C :◯ 自身の内面を分析することは、次の実戦に生かすことができる。事例のように、Hさんに話し続けることができなかった自身の行為について振り返りをすることは大切なことである。

D:× 自分自身で無理な取り組みだと省察してしまうと、次に繋げることができないため不適切である。自分なりにどうすれば良かったのか考えて取り組むことが大切である。
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