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保育士試験
過去問題
平成30年度(前期)

社会的養護 平成30年度(前期)

問1

次の文は、ある福祉に関係する施設の設立に携わった人物の説明である。その人物として正しいものを一つ選びなさい。

この人物は女学校の教頭であったが、明治 24 年に発生した濃尾地震の被災孤児のための施設、「孤女学院」を開設し、女学校を退職した。その後、入所児童の中に知的障害のある少女がいたことがきっかけとなり、渡米して知的障害児教育を学んだ。また孤児院を、知的障害児を対象とした施設に転換し、施設名称の変更を行った。

 

1 石井十次
2 石井亮一
3 留岡幸助
4 渋沢栄一
5 高木憲次
正解は2
1:× 石井十次は、明治期の慈善事業家で、1887(明治20)年に孤児のための岡山孤児院を創設した人物です。

2:〇 石井亮一は、明治時代から昭和時代初期にかけての心理学者・教育学者で、1891(明治24)年に日本で最初の知的障害児施設である滝乃川学園を開設し、知的障害児への教育と支援を積極的に行いました。

3:× 留岡幸助は、1899(明治32)年に東京巣鴨に感化院である家庭学校を設立し、少年の感化事業に尽力しました。1914(大正3)年には感化部と理想農村から成る「北海道家庭学校」を設立しました。

4:× 渋沢栄一は、数多くの会社の設立に関与したことから「日本資本主義の父」とよばれている人物です。他にも教育機関 ・社会公共事業の支援に尽力し、1872(明治5)年に日本初の肢体不自由児学校である光明学校を開設しました。

5 :×  高木憲次は、ドイツに留学、肢体不自由児施設の必要性を説き「整肢療護園」開設しました。
問2

次の文は、「児童養護施設運営指針」において示された社会的養護の原理の記述である。( A )~( D )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. ・ 家庭的養護と( A )化
  2. ・ ( B )の保障と自立支援
  3. ・ ( C )をめざした支援 ・ 家族との連携・協働
  4. ・ ( D )と連携アプローチ
  5. ・ ライフサイクルを見通した支援

 

(組み合わせ)
A B C D
1 個別 発達 回復 継続的支援
2 地域 養育 回復 緊急的支援
3 個別 発達 尊厳 緊急的支援
4 地域 養育 尊厳 継続的支援
5 個別 発達 尊厳 継続的支援
正解は1
 厚生労働省「児童養護施設運営指針」(平成24年3月)2「社会的養護の基本理念と原理」(2)「社会的養護の原理」における基本理念に関する内容であり、以下の通りとなります。
 
A:個別
B:発達
C:回復
D:継続的支援

①家庭的養護と個別化
②発達の保障と自立支援
③回復をめざした支援
④家族との連携・協働
⑤継続的支援と連携アプローチ
⑥ライフサイクルを見通した支援
問3

次の文は、平成 28 年6月に改正された「児童福祉法」に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 国・地方公共団体は、家庭における養育が困難あるいは適当でない児童について、社会性を身につけさせるために、家庭における養育環境よりも集団で生活をおくれる環境で養育することを優先するとした。
  2. B 都道府県(児童相談所)の業務として、里親の開拓から児童の自立支援までの一貫した里親支援を位置付けた。
  3. C 養子縁組里親を法定化するとともに、都道府県(児童相談所)の業務として、養子縁組に関する相談・支援を位置付けた。
  4. D 自立援助ホームを 20 歳になる前まで利用している大学等就学中の者について、22歳の年度末までの間、利用を継続できることとした。

 

(組み合わせ)
A B C D
1
2 × ×
3 × ×
4 ×
5 × × ×
正解は4
A:× 日本の社会的養護は施設養護よりも家庭養護のほうが子どもにとっては望ましいとし、家庭養護(主に里親委託)とあたりまえの生活の保障を推進しているため、記述の「集団で生活をおくれる環境で養育することを優先」は不適切です。

B:〇 里親制度の認知度の向上、個別の里親へのより細やかで積極的な支援を行うことを目的とし、改正により、都道府県(児童相談所)の業務として「里親の開拓から児童の自立支援までの一貫した里親支援」が明確に位置付けられました。

C:〇 養子縁組をはじめとする家庭養護の推進を図り、児童の健全な育成を支えることを目的とし、改正により、都道府県(児童相談所)の業務として、「養子縁組に関する相談・支援」が位置づけられました。

D:〇 改正により、就学している者が20歳で退所となると学業やその後の生活に悪影響を及ぼすため、「自立援助ホームについて22歳の年度末までの間にある大学等就学中の者を対象に追加する」とされました。
問4

次の文は、児童福祉施設における苦情への対応に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 児童福祉施設では、苦情の公正な解決を図るために、苦情の解決にあたり当該児童福祉施設の職員以外の者を関与させなければならないとされている。
  2. B 児童福祉施設は、苦情を受け付けるための窓口を設置する等の必要な措置を講じなければならないとされている。
  3. C 運営適正化委員会は、苦情の解決にあたり、利用者の処遇について不当な行為が行われているおそれがあると認めるときは、施設が所在する市町村長(政令指定都市の長は除く)に通知しなければならないとされている。
  4. D 児童福祉施設は、運営適正化委員会が行う「社会福祉法」の規定による調査に、できる限り協力しなければならないとされている。

 

(組み合わせ)
A B C D
1
2 ×
3 × ×
4 × ×
5 × × ×
正解は4
A:× 「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」第14条の3第2項に記されている通り、すべての児童福祉施設の職員以外が関与する規定はありません。また、苦情の解決にあたり第三者関与が求められている児童福祉施設は一部です。

B:〇 「同基準」第14条の3第1項「苦情への対応」より、児童福祉施設は、苦情を受け付けるための窓口を設置する等の必要な措置を講じなければならないとされています。

C:× 「社会福祉法」第86条に記されている通り「市町村長」ではなく「都道府県知事」です。

D:〇 「同基準」第14条の3第4項より、児童福祉施設は、運営適正化委員会が行う「社会福祉法」の規定による調査に、できる限り協力しなければならないとされています。
問5

次の文は、被措置児童等虐待の防止に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 「児童福祉法」において、被措置児童等への虐待行為には経済的虐待が含まれる。
  2. B 「児童福祉法」において、被措置児童等自身による虐待の被害の届出は規定されていない。
  3. C 児童養護施設の長は、児童を現に監護する者として保護者となることから、被措置児童への虐待行為を行った場合、それは「児童虐待の防止等に関する法律」に規定する児童虐待であるとともに、被措置児童等虐待に該当する。

 

(組み合わせ)
A B C
1
2 ×
3 ×
4 × ×
5 × ×
正解は5
A:× 被措置児童等虐待に関する規定は、「児童福祉法」第33条の10にあり、記述の「経済的虐待」は被措置児童等への虐待行為に含まれません。

B:× 「同法」第33条の12第3項に、被措置児童等自身による虐待被害の届出規定はあるため、不適切です。

C:〇 児童養護施設の長は、児童を現に監護する者として保護者となることから、被措置児童への虐待行為を行った場合、「児童虐待の防止等に関する法律」に規定する児童虐待であるとともに、被措置児童等虐待に該当するという記述は「児童福祉法」第33条の11に規定されています。
問6

次の文は、児童福祉施設に配置されている職員に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 心理療法担当職員は、虐待等による心的外傷のための心理療法を必要とする児童等や、夫等からの暴力による心的外傷等のため心理療法を必要とする母子に、遊戯療法やカウンセリング等の心理療法を実施する。
  2. B 個別対応職員は、虐待を受けた児童等の施設入所の増加に対応するため、被虐待児等の個別の対応が必要な児童への一対一の対応や、保護者への援助等を行う職員を配置し、虐待を受けた児童等への対応の充実を図る。
  3. C 里親支援専門相談員(里親支援ソーシャルワーカー)は、児童養護施設および乳児院に、地域の里親およびファミリーホームを支援する拠点としての機能をもたせ、児童相談所の里親担当職員、里親委託等推進員、里親会等と連携して、里親委託の推進および里親支援の充実を図る。

 

(組み合わせ)
A B C
1
2 ×
3 ×
4 × ×
5 × ×
正解は1
A:〇 心理療法担当職員は、「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」により、児童心理治療施設に配置義務があり、母子生活支援施設、児童養護施設、児童自立支援施設、児童心理治療施設は心理療法を行う必要があると認められる児童や保護者等が一定数(10人)以上いる場合は配置義務があります。心的外傷を負っている子どもや保護者に対して心理療法を施し、心理面のケアを行います。

B:〇 個別対応職員は、乳児院、母子生活支援施設、児童養護施設、児童心理治療施設、児童自立支援施設に配置義務があります。虐待を受けた児童、愛着障害のある児童などに対して、集団措置では対応しきれない個別のケースに対して、相談や援助などを行います。

C:〇 里親支援専門相談員は、里親支援を行う児童養護施設及び乳児院に配置され、①里親の新規開拓 ②里親候補者の週末里親等の調整 ③里親への研修 ④里親委託の推進 ⑤里親家庭への訪問及び電話相談 ⑥レスパイト・ケアの調整⑦里親サロンの運営 ⑧里親会の活動への参加勧奨及び活動支援 ⑨アフターケアとしての相談を行います。
問7

次の文は、ある児童福祉施設の内容に関する記述である。これらすべてに該当する施設種別として正しいものを一つ選びなさい。

  1. ・ 対象となる児童は、家庭環境、学校における交友関係その他の環境上の理由により社会生活への適応が困難となった児童である。
  2. ・ 医師、心理療法担当職員、児童指導員、保育士、看護師、個別対応職員、家庭支援専門相談員、栄養士を置かなければならないとされている。
  3. ・ 児童の家庭の状況に応じ、親子関係の再構築等が図られるように家庭環境の調整を行わなければならないとされている。

 

1 児童養護施設
2 児童自立支援施設
3 児童心理治療施設
4 児童発達支援センター
5 障害児入所施設
正解は3
1、2、4、5:×
3:〇

記述は、児童心理治療施設に関する内容です。
児童福祉法第43条の2に児童心理治療施設は「家庭環境、学校における交友関係その他の環境上の理由により社会生活への適応が困難となった児童を、短期間、入所させ~(略)」と規定されています。
また、記述の職員のうちの「心理療法担当職員」の配置義務について、心理治療を必要とする児童等の人数の規定なく配置する必要があるのは、児童心理治療施設のみです。
問8

次の文のうち、「乳児院運営指針」の一部として正しいものを○、誤ったものを ×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 日常の養育において「担当養育制」を行い、特別な配慮が必要な場合を除いて、基本的に入所から退所まで一貫した担当制とする。
  2. B 施設の備品である玩具、食器、戸棚などは措置費で購入しているため、入所児童には自分の所有物という認識を持たせず、共有のものとして利用させる。
  3. C 個々の乳幼児の発達状況や個性に配慮し、専門的視点から遊びの計画や玩具を用意し、遊びを通じた好奇心の育みや身体機能の発達を支援する。
  4. D 施設は集団での生活であり、自立を目指しているため、日課で決められた食事の時間内に残さず食べることができるように訓練する。

 

(組み合わせ)
A B C D
1
2 × ×
3 × ×
4 ×
5 × × ×
正解は3
A:〇 基本的に入所から退所まで一貫した担当制とする重要性については、「乳児院運営指針」第Ⅱ部「各論」1「養育・支援」(以下、運営指針)(1)「養育・支援の基本」に示されています。

B:× 「運営指針」(5)「発達段階に応じた支援」に記載のある通り、共有ではなく自他の認識を高め、自分の所有物を大切なものという考えを育むことを大切にしているので誤りです。

C:〇 「運営指針」(5)「発達段階に応じた支援」に、個々の乳幼児の発達状況や個性に配慮し楽しく遊べるように工夫すると示されています。

D:× 「運営指針」(2)「食生活」により、日課で決められた食事の時間内ではなく「乳幼児が自分で食べようとする意欲を育てられるように、おいしい食事をゆっくりと、くつろいで楽しい雰囲気で食べることができる環境づくりや配慮を行う」としています。
問9

次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】

児童養護施設に勤務するJ保育士は、K君(15 歳、男児)を担当して1か月である。親から身体的な虐待を受けた体験があるK君は、このところ自分より年下の子どもに暴言を吐いたり、学校でも友人とトラブルが絶えない状況である。

【設問】

J保育士のK君に対する対応として不適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。

 

  1. A K君の言動は、過去のトラウマ体験が原因であると判断してK君の行動を容認する。
  2. B K君の言動を家族との関係から捉えて考えてみる。
  3. C K君の対応を、愛着対象である自分にすべて任せてほしいと施設長に申し出る。
  4. D K君の強み(ストレングス)に注目して支援する。
  5. E K君の言動の理由について、施設と児童相談所とのケース会議の際にK君を担当している児童心理司とともに検討する。
(組み合わせ)
1 A B
2 A C
3 B D
4 C E
5 D E
正解は2
A:× 「児童養護施設運営指針」第Ⅱ部「各論」Ⅰ「養育・支援」(10)「行動上の問題及び問題状況への対応」では、心理職等と連携して対応にあたることが求められるとあり、専門家ではない保育士が過去のトラウマ体験が原因であると判断することは不適切です。

B:〇 家族との関係から捉えて考えてみることは適切です。

C:× 愛着対象である自分にすべて任せてほしいという発言は、同運営指針「子どもの特性等あらかじめ職員間で情報を共有化し、連携して対応する」に反するため不適切です。複数の専門家でのチームワークを大切に対応することが望ましいです。

D:〇 強み(ストレングス)に注目して支援することは、K君の課題解決につながる行動のため適切です。

E:〇 施設と児童相談所とのケース会議の際にK君を担当している児童心理司とともに検討することは、専門職と連携し色々な角度からK君を支援できるため適切です。
問10

次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】

Mちゃん(1歳2か月、女児)は母親と2人暮らしで、母親が夜、家を空けることが頻繁にあったため、半年前に児童相談所で一時保護された。児童相談所は母親による虐待(ネグレクト)と判断し、乳児院への措置が決定された。母親は、Mちゃんの入所後一度も面会に来なかったが、ある日突然施設を訪れ、Mちゃんを引き取りたいと乳児院に申し出た。

【設問】

この乳児院の家庭支援専門相談員が最初に行うべき対応として、最も適切な記述を一つ選びなさい。

 

1 虐待を理由に入所した子どもは、法律上、家庭に帰すことができないという規定があることを母親に伝える。
2 親権を有する母親の意思を尊重し、家庭引き取りの手続きを行う。
3 引き取りに関する話は、児童相談所の児童福祉司が担当すべき事柄であり、乳児院は関与してはいけないため、児童相談所に行くように勧める。
4 母娘2人での生活は困難と判断し、母子生活支援施設の利用を勧める。
5 母親が引き取りを希望する理由や母親の生活の状況について、母親の気持ちに寄り添いながら話を聴く。
正解は5
1:× 法律上、このような規定はありません。状況に応じて児童の支援とともに保護者支援等を行い、家族再統合に向けた支援を行う場合もあります。

2:× 家庭引き取りのためには、支援方針策定のためのアセスメント、再発防止や親子関係の再構築など家族再統合に向けた支援を行った上での段階的な支援が必要です。

3:× 児童相談所等と連携する上で、引き取り決定に必要な子どもの情報や子ども自身の意向等の把握は乳児院側の役割です。最善の利益追求のためにも関与は必要です。

4:× すぐに判断することはせず、状況の把握など段階的な支援が必要です。

5:〇 記述の通りであり、母親との信頼関係を築くためにも寄り添うことは重要です。
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