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保育士試験
過去問題
令和1年度(後期)

子どもの保健 令和1年度(後期)

問1

次のA~Cは、子どもの生活と環境に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を× とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A かぜの流行時には、十分に暖かく過ごせるよう、部屋を閉め切って過ごさせるのがよい。
  2. B 保護者の意識や経済力によって、子どもの身体活動量の二極化の傾向が現れている。
  3. C 幼児の睡眠に関する統計によると、低年齢児の方が年長児に比べて、就寝時刻が遅い傾向がある。

 

(組み合わせ)
A B C
1
2 ×
3 ×
4 × ×
5 × × ×
正解は3
A.× 
部屋を閉め切って、という記述が不適切。かぜの流行時には窓や扉を定期的に開け、換気します。

B.〇 
保護者が運動を好み、経済力が高い場合には、たとえばスイミングや体操教室、サッカー、野球、テニスなどのスポーツ教室等に子どもを通わせることで、子どもの身体活動量は高くなる傾向があります。また、保護者が運動を好まず、経済力が低い場合には、子どもをそのような教室等に通わせる機会が少なくなるため、子どもの身体活動量が低くなる傾向があります。

C.〇 
「幼児健康度に関する継続的比較研究 平成22年度 総括・分担研究報告書」(平成23年3月)によると、「10時以降に就寝する児の割合について昭和55年値、平成2年値、平成12年値と今回を比べると、1歳6ヶ月児で25%→38%→55%→30%、2歳児29%→41%→59%→35%、3歳児22%→36%→52%→31%、4歳児13%→23%→39%→26%、5-6歳児10%→17%→40%→25%と平成12年までは増加していたが、今回は減少傾向であった。」としており、低年齢児のほうが年長児に比べて、就寝時刻が遅い傾向です。
問2

次の文は、熱中症予防についての記述である。適切な記述を一つ選びなさい。

 

1 熱中症予防には、気温、湿度、日射・輻射、気流を加味した暑さ指数が参考になる。
2 熱中症は子どもでは起こりにくい。
3 熱中症は室内では起こらない。
4 喉が乾いてから水分補給をすると、熱中症予防の効果がある。
5 水の中では汗をかかないため、プール遊びで熱中症は起こらない。
正解は1
1:〇 
暑さ指数(WBGT:湿球黒球温度)とは、人体と外気との熱収支(熱のやり取り)に着目した指標で、湿度、気温、日射、輻射(ふくしゃ)、気流など周辺の熱環境を取り入れた指標です。

2:× 
体温調節機能が十分でない子どもや高齢者、障害者は、熱中症を起こしやすいです。

3:× 
熱中症は、高温多湿な環境に長時間いることで体温調節がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態です。屋外で活動しているときだけではなく、高温多湿な室内でも発症します。エアコンや扇風機を使用し、室温を調整します。

4:× 
喉の渇きを感じる前にも、こまめに水分や塩分を補給し、熱中症を予防します。

5:× 
プールなど水遊びの時も汗をかいており、熱中症になることがあります。こまめに水分補給をしたり、午前の涼しい時間帯にプールに入り予防します。屋内のプールでは気温や湿度の調整をします。
問3

次のA~Dは、「教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン【事故防止のための取組み】~施設・事業者向け~」(平成 28 年3月 厚生労働省)に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A このガイドラインを参考に事故防止、事故発生時の対応を行うのは、「施設・事業者」のみでなく、「地方自治体」も含まれる。
  2. B 事業所内保育事業については、ガイドラインの対象としていない。
  3. C 病児保育事業については、ガイドラインの対象としていない。
  4. D ガイドラインにおける「死亡事故」には、乳幼児突然死症候群(SIDS)や死因不明とされた事例も含まれる。

 

(組み合わせ)
A B C D
1 ×
2 × ×
3 × ×
4 × × ×
5 × × × ×
正解は2
問題は、「教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン【事故防止のための取組み】~施設・事業者向け~」(平成 28 年3月)(以下「ガイドライン」)に関する記述です。

A.〇 
「ガイドライン」の「はじめに」では、「平成 27 年 4 月に施行された子ども・子育て支援新制度においては、「特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準」(平成 26 年内閣府令第 39 号) 第 32 条第 1 項第 1 号及び第 50 条の規定において、特定教育・保育施設及び特定地域 型保育事業者は、事故が発生した場合の対応等が記載された事故発生防止のための指 針を整備することとされています。 これを踏まえ、特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業、さらには認可外保育 施設・事業も含め、施設・事業者、地方自治体が、それぞれの実情に応じて体制整備 や教育・保育等を実施していくに当たって参考としていくものとして、このガイドラ インを作成しました。ガイドラインに書かれている内容は、技術的な助言に相当する ものです。 各施設・事業者、地方自治体においては、このガイドラインを参考として、それぞれの実情に応じて、具体的な指針等を策定し、教育・保育等を実施することが必要です。」としています。

B.× 
「ガイドライン」の「はじめに」「(注1)」では、「このガイドラインが念頭に置いている対象施設・事業は、特定教育・保育施設(確認を 受けた認定こども園、幼稚園、保育所)、特定地域型保育事業(小規模保育、家庭的保育、居宅訪問型保育、事業所内保育)、地域子ども・子育て支援事業(子どもを預かる事業に限る。一時預かり事業、延長保育事業、病児保育事業)、認可外保育施設及び認可外の居宅訪問型保 育事業です。」としています。事業所内保育事業もガイドラインの対象とされています。

C.× 
病児保育事業もガイドラインの対象とされています。選択肢Bの解説を参照。

D.〇 
「ガイドライン」の「はじめに」「(注2)」では「このガイドラインにおける「死亡事故等の重大事故」とは、死亡事故(SIDS(Sudden Infant Death Syndrome:乳幼児突然死症候群)や死因不明とされた事例も含む。)に加え、都道府 県又は市町村において検証が必要と判断した事例(例えば、意識不明等)のことをいいます。」としています。
問4

次のA~Eは、「教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン【事故防止のための取組み】~施設・事業者向け~」(平成 28 年3月 厚生労働省)を基にした事故防止の取り組みである。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 乳幼児の食事は、子どもの口の大きさに合った量を、飲み込んだことを確認しながら与えた。
  2. B 園児がすべって転倒する恐れがあるような床面の水濡れや汚れがないかを確認した。
  3. C プールの監視中に同僚と行事の内容について話し合った。
  4. D 乳児の昼寝には、やわらかい布団を用意し、ぬいぐるみを抱かせた。
  5. E 不審者の侵入や、子どもの飛び出しがないよう、園庭の出入り口を施錠した。

 

(組み合わせ)
A B C D E
1 × ×
2 × ×
3 × ×
4 × ×
5 × ×

 

正解は2
問題は、「教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン【事故防止のための取組み】~施設・事業者向け~」(平成 28 年3月 厚生労働省)(以下「ガイドライン」)からの出題です。

A. 〇 
「ガイドライン」1「事故の発生防止(予防)のための取組み」(1)「安全な教育・保育環境を確保するための配慮点等」①「重大事故が発生しやすい場面ごとの注意事項について」ウ「誤嚥(食事中)」Point「食事の介助をする際に注意すべきポイント」では、「子どもの口に合った量で与える(一回で多くの量を詰めすぎない)。」としています。

B.〇 
「ガイドライン」「(参考例)」「<参考例3-2-②> 保育中の安全管理について」「安全保育(三鷹市作成)」P26~28の2「保育環境」(1)「安全な環境」ア「室内の安全」④ 「床面」では、「水濡れ等滑って転ぶ危険がないか、汚れていないかを確認し清潔を保つ。」としています。

C.× 
「ガイドライン」1「事故の発生防止(予防)のための取組み」(1)「安全な教育・保育環境を確保するための配慮点等」①「重大事故が発生しやすい場面ごとの注意事項について」イ「プール活動・水遊び」Point「プール活動・水遊びの際に注意すべきポイント」では、「監視者は監視に専念する。」としています。プールの監視中は事故を未然に防止するため、話し合いをしてはなりません。

D.× 
「ガイドライン」1「事故の発生防止(予防)のための取組み」(1)「安全な教育・保育環境を確保するための配慮点等」①「重大事故が発生しやすい場面ごとの注意事項について」ア「睡眠中」Point「窒息リスクの除去の方法」では、「やわらかい布団やぬいぐるみ等を使用しない。」としています。

E.〇 
「ガイドライン」「(参考例)」「<参考例3-2-②> 保育中の安全管理について」「安全保育(三鷹市作成)」P26~28の2「保育環境」(1)「安全な環境」ウ「園庭」④では、「不審者の侵入や子どもの飛び出しに注意し、出入り口を施錠し管理する。」としています。
問5

次のA~Dは、子どもの身体発育とその評価に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 乳幼児身体発育調査における身長の計測は、2歳未満の乳幼児では仰向けに寝た状態で、2歳以上の幼児では立った状態で行われる。
  2. B 胸囲はその大小によっていろいろな病気を発見することができる重要な指標である。
  3. C 乳幼児のカウプ指数は、「体重 g/(身長 cm)2 ×10」で計算される。
  4. D 乳児の体重は、健康状態に問題がなければ、出生後少しずつ増加し減少することはない。

 

(組み合わせ)
A B C D
1
2 × ×
3 × ×
4 × ×
5 × ×
正解は2
A.〇 
「乳幼児身体発育評価マニュアル(平成23年度厚生労働科学研究費補助金(成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業))(平成24年3月)」(以下「マニュアル」)3「乳幼児の身体計測について」2「乳幼児の身体計測の方法」④「身長の計測」では、「身長計測の場合、2歳未満の場合と2歳以上とでは計測方法が異なるので注意しま しょう。」とし、2歳未満の乳幼児の場合は、「全裸にした児を仰向けにして身長計の台板上にねかせます。」、2歳以上の幼児の場合は、「全裸か又はパンツ1枚にして、学童用または普通の身長計を用いて尺柱を背に 直立させて計測し、1mm単位まで読みとります。」としています。

B.× 
胸囲、という記述が不適切です。「マニュアル」4「乳児期の身体発育の評価」2「乳児期の身体発育の評価」③「乳幼児身体発育曲線(パーセンタイル曲線)を用いた身長・頭囲の評価」では、「身長と頭囲も乳幼児の発育の評価では重要です。低栄養の影響は体重→身長→頭囲 の順で現れますので、身長の伸びが緩やかになってきたら低身長をきたす疾患に罹患 していないか、摂取する栄養量をどう増やすか、検討する必要があります。 頭囲の発育は中枢神経系の発育を反映すると考えられますので、月齢あるいは年齢 相応の発達が得られているかどうかにも留意する必要があります。小頭症や頭蓋骨早 期癒合などの先天異常が気付かれていない場合もありますので、出生した時点の頭囲 の計測値が正常範囲にあったかどうかも併せて母子健康手帳で確認しておくと良いで しょう。」としています。

C.〇 記述の通りです。

D.× 
減少することはない、という記述が不適切です。幼児の体重は、健康状態に問題がなくても、生後3~4日たつと、出生時体重の5~10%くらい減少(生理的体重減少)するが、哺乳量の増加にともない生後7~10日ほどでもとに戻ります。体重が減少する理由は、摂取する哺乳量よりも胎便、尿、不感蒸泄(発汗以外の、皮膚や呼気から蒸散する水分の量)が多いためです。
問6

次の文は、子どもによくみられる疾病に関する記述である。適切な記述を一つ選びなさい。

 

1 流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)は、ムンプスウイルスが原因であるが、耳下腺の腫脹、痛み、発熱が主な症状である。合併症はなく、軽症で治癒する。
2 ポリオは、ポリオ菌によって起こり、脊髄の神経細胞が障害を受けて運動麻痺を起こす。
3 突発性発しんは、ヒトヘルペスウイルス6、7型が原因で主に乳児にみられる。高熱が3~4日続き、解熱とともに全身に淡紅色の細かい発しんが出現する。
4 風しんは、風しんウイルスによって起こり、症状は麻しんに似ているがより重症化しやすい。
5 結核は、結核菌が経口感染することによって起こる。乳幼児では発症しても軽症である。
正解は3
1.× 
合併症ではなく、軽症で治癒する、という記述が不適切です。「保育所における感染症対策ガイドライン(2018 年改訂版)」別添1「具体的な感染症と主な対策(特に注意すべき感染症)」1「医師が意見書を記入することが考えられる感染症」(以下「ガイドライン」)(5)「流行性耳下腺 じ か せ ん 炎(おたふくかぜ、ムンプス)」の「症状・特徴」では「主な症状は、発熱と唾液腺(耳下腺じかせん・顎下がっか腺せん・舌下ぜっか腺せん)の腫脹ちょう・疼とう痛である。」としています。

2.× 
ポリオ菌、という記述が不適切です。ポリオの病原体は、ポリオウイルスです。

3.〇 
「ガイドライン」(21)「突発性発しん」の「病原体」は「ヒトヘルペスウイルス6B、ヒトヘルペスウイルス7」です。また、「症状・特徴」は「生後6か月~2歳によくみられる。3日間程度の高熱の後、解熱するとともに紅斑 が出現し、数日で消えてなくなるという特徴がある。比較的軽症の疾患であり、自然経過で治癒するが、熱性けいれん、脳炎・脳症、肝 炎等を合併することがある。 ヒトヘルペスウイルス7の初感染でも突発性発しんの特徴がみられることがある が、この場合は生後2~4歳頃に多いとされている。」とあります。

4.× 
より重症化しやすい、という記述が不適切です。「ガイドライン」(3)「風しん」の「予防・治療方法」では、「風しんは通常軽症であり、自然経過で治癒するが、先天性風しん症候群に注意する必要がある。」とあります。

5.× 
選択肢の文章が不適切です。「ガイドライン」(6)「結核」「感染経路」では、「主な感染経路は空気感染である。」とあります。また、「症状・特徴」では、「全身に影響を及ぼす感染症だが、特に肺に病変が生じることが多い。主な症状は、 慢性的な発熱(微熱)、咳 せき 、疲れやすさ、食欲不振、顔色の悪さ等である。 症状が進行し、菌が血液を介して全身に散布されると、呼吸困難、チアノーゼ等が みられるようになることがある。また、結核性髄 ずい 膜炎を併発すると、高熱、頭痛、嘔 おう 吐、意識障害、けいれん等がみられる。」とあります。乳幼児が発症した場合、軽症であるとはいえません。
問7

次のA~Eは、保育所での子どもの健康に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 子どもの体調不良時には、保護者から預かった市販薬を飲ませる。
  2. B 慢性疾患児の受け入れには、主治医、嘱託医、療育機関、保護者等との連携を十分に保つ。
  3. C 子どもがけいれんを起こした場合は、横向きに寝かせて衣類を緩め、けいれんの持続時間を測る。
  4. D 子どもがぜんそく発作を起こしたので、布団の上に仰向けにして寝かせた。
  5. E 障害のある子どもに対しては、バリア・フリーやユニバーサル・デザインの発想を大切にする。

 

(組み合わせ)
A B C D E
1 × ×
2 × ×
3 × ×
4 × ×
5 × ×
正解は4
A:× 
子どもの体調不良時には、バイタルサインなどの一般状態を把握し早期に対応し、適切な処置を行います。原則として、保育所では薬を与えません。その子どもの状態等に応じて、保護者に連絡するとともに、適宜、嘱託医屋子どものかかりつけ医等と相談し、適切な処置を行います。

B:〇 
慢性疾患時の受け入れには、入所時に子どもや保護者の不安を取り除く面談をし、主治医、医療機関などからの治療経過、配慮、注意事項を確認し、協力・連携して対応します。

C:〇 
けいれんとは、全身の筋肉や、体の一部分の筋肉が不随意に収縮、弛緩などを繰り返すことをいいます。けいれん発作時は、吐物で窒息しないように横向きに寝かせ、衣類を緩めて呼吸を楽にさせます。発作の種類、発作の経過、一般状態(意識状態やバイタルサイン)を観察し、安全を確保します。

D:× 
子どもがぜんそくの発作を起こした歳は、背中をさすったり、上体を起こしたり、側臥位などで楽な姿勢をとらせ、苦痛を和らげます。喉の乾燥を防ぐため、水分を摂取し、加湿します。

E:〇 
障害のある子どもを受け入れるにあたっては、必要な支援を行うことができる体制づくりや関係機関との連携、障害のある子どものニーズに合わせた支援や対応が求められます。バリア・フリー(生活に障害となる物理的な障壁をなくす)やユニバーサル・デザイン(使いやすいデザイン)などは、障害のある子どもが少しでも生活しやすくなるための工夫となっています。
問8

次の1~5は、子どもに何らかの症状があるときのケアについて述べたものである。適切なものを一つ選びなさい。

 

1 せきがあるときは、安静になるように、仰向けで寝かせる。
2 下痢のときは、便の量や回数が多く、おしりがただれやすいので、排便のたびに石けんで充分に洗うのがよい。
3 けいれんを起こす子どもでは、よく眠れるように、部屋を暗くし部屋に誰も入らないようにする。
4 熱があるときは、寝ていて汗をかいても、静かに寝かせておくのがよい。
5 乳児では、表情がわかるくらいの明るさにして寝かせる。
正解は5
1:× 
せきは喉頭、気管、気管支などの分泌物、異物を排除するために反射的に起こる反応です。上体を起こし、楽な姿勢をとらせ呼吸を整えます。

2:× 
下痢とは、液状あるいは液状に近い便を繰り返し排泄することをいいます。下痢のときは肛門部がただれやすいので優しく拭き、清潔にします。排便のたびに石けんで洗いすぎると皮膚のバリア機能が低下し、悪化しやすいので注意です。

3:× 
けいれんを起こす子どもでは、刺激を避けて静かに休ませ、観察できるように少し暗くし、そばで必ず見守ります。

4:× 
発熱時は、汗をかいたら汗を拭きとり、乾燥した衣服に着替えさせます。

5:〇 
乳児では、表情がわかるくらいの明るさで寝かせ、定期的に体位や呼吸状態を観察します。
問9

次の文は、嘔吐した子どもの対応に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A うがいは、嘔吐を誘発させるので、うがいができる子どもの場合でも、うがいをさせない。
  2. B 一度嘔吐した後は、様子を見る必要はない。
  3. C 何をきっかけに吐いたのか(せきで吐いたか、吐き気があったか等)を確認する。
  4. D 寝かせる場合には、嘔吐物が気管に入らないように体を仰向けにして寝かせる。

 

(組み合わせ)
A B C D
1 ×
2 × ×
3 × ×
4 × ×
5 × × ×
正解は5
A:× 
嘔吐(おうと)とは、胃の内容物を食道、口腔を経て速やかに外に排出しようとする反射運動のことをいいます。嘔吐時の対応は、うがいをさせて口の中の吐物を取り除き、口腔内をきれいにします。

B:× 
乳幼児は胃の入り口の筋肉の発達が未熟なため、一度嘔吐した場合でも、さらに嘔吐を繰り返す場合があります。誤嚥による窒息防ぐため、そばに付き添い、様子を見ます。

C:〇 
子どもの嘔吐の原因は、発達段階によっても原因が異なります。哺乳後の嘔吐、激しい咳での嘔吐、腹痛・下痢を伴う嘔吐など、何が原因で吐いたのかをよく観察します。

D:× 
寝かせる場合は、吐物による窒息を防ぐため、顔を横に向け安静にします。
問10

次のA~Eは、子どものアレルギーに関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 学童より0、1、2歳児の方が食物アレルギー児は多い。
  2. B 給食での食物除去は完全除去や部分除去など、段階的に細かく行う。
  3. C 生活管理指導表は、アレルギー疾患と診断された園児が保育所の生活において特別な配慮や管理が必要となった場合に限って作成する。
  4. D アレルギー体質の子どもは、年齢によって様々な症状を起こすが、最初に起こりやすい症状はぜんそくである。
  5. E アトピー性皮膚炎の子どもの皮膚のバリア機能は低下している。

 

(組み合わせ)
A B C D E
1 × × ×
2 × ×
3 × × ×
4 × ×
5 × ×

 

正解は2
A:〇 
学童より、0,1,2歳児のほうが食物アレルギーが多く、年齢とともに減少します。「保育所における食物アレルギーに関する全国調査」(平成21年日本保育園保険協議会)によると、食物アレルギー有病率は保育所では 4.9%と高率で、3歳以下では小学生の2倍、1歳では3倍以上となっています。

B:× 
給食での食物除去については、安全性確保のため、原因食物の完全除去対応(提供するかしないか)が原則です。(「学校給食における食物アレルギー対応指針」[平成27年文部科学省])

C:〇 
健康診断や保護者からの申し出によりアレルギー疾患を持つ子どもを把握し、保護者へ生活管理指導表を配布し、主治医、アレルギー専門医に記載してもらいます。これを基に、保育所での生活や食事の具体的な取り組みについて、施設長や嘱託医、看護師、栄養士、調理師等と保護者が協議して対応を決め、その内容を職員全体で共有します。

D:× 
最初に出るアレルギー症状は、アトピー性皮膚炎や食物アレルギーが多いです。遺伝的にアレルギーになりやすい素質(アトピー素因)のある人が年齢によって様々な症状を起こすことをアレルギーマーチといいます。

E:〇 
アトピー性皮膚炎の子どもは皮膚が乾燥しやすく、皮膚を守るバリア機能が低下しています。そのため、様々な刺激物質が皮膚から侵入し、炎症などのアレルギー反応を起こしやすい特徴があります。
問11

次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】

自閉スペクトラム症と診断されているM君(4歳、男児)。保育所の朝の集会でみんなで歌を歌うときに両手で耳を塞ぎ、不快な表情を見せ、席を離れて外へ飛び出してしまうことがある。泣いている子がそばにいるとその子を叩いて、何回注意しても繰り返してしまう。

 

【設問】

M君への対応として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

 

 

  1. A 耳栓やイヤーマフを使用して、不快な音が届きにくいようにする。
  2. B 歌を歌うスケジュールがわかるように絵や写真を使って、M君が見通しを持てるようにする。
  3. C 耳を塞いで不快そうにしているときには、静かな環境に移動させる。
  4. D 叩くことはよくないと、更に注意を繰り返す。

 

(組み合わせ)
A B C D
1
2 ×
3 × ×
4 × × ×
5 × × × ×

 

正解は2
世界保健機関(WHO)の定めた国際疾病分類(ICD)では、アスペルガー症候群などとともに広汎性発達障害というカテゴリーで、自閉症という診断が位置づけられています。テキスト「子ども保健」においても「自閉症」という障害名を使用しているのは、「発達障害者支援」などの法律や文部科学省でも使用されている為です。しかし、2013年に刊行された「DSM-5」(アメリカ精神学会の精神疾患・統計マニュアルの第5版)では、自閉症という障害名は廃止され、自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害の障害名に統合されています。自閉症スペクトラム症には、①コミュニケーションの難しさ、②対人関係の難しさ、③独特なこだわり(新しい環境に慣れにくく、ちょっとした変化に敏感に反応してしまうため、混乱し嫌がって泣いたり、パニックを起こしたりします。刺激に対して敏感に反応する。)という特徴があります。また、【事例】の文章から、自閉スペクトラム症のM君には、聴覚に過敏さがあることが分かります。M君への対応としては、合理的配慮が必要であると考えます。

A.〇 
聴覚に過敏さがあるため、耳栓やイヤーマフを使用して、不快な音が届きにくいようにすることは適切です。

B.〇 
言葉だけで伝えても十分に理解できないため、視覚的な指示(絵、写真、ジェスチャー、記号)を多く加えてM君が見通しを持てるようにすることは適切です。

C.〇 
耳をふさいで不快そうにしているのは、音の刺激に対して敏感に反応し、本人にとってはとても苦痛であるためで、静かな環境に移動させることは適切です。

D.× 
否定的な表現で繰り返しても理解しにくいため、肯定的な言い方で具体的に伝えるようにします。
問12

次のA~Eのうち、発達障害に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A ひとりの子どもに自閉スペクトラム症と注意欠如・多動症が同時に診断されることはない。
  2. B 全ての子どもの1%ほどに発達障害があると考えられる。
  3. C 医師の診断を待って支援を開始するべきである。
  4. D 発達障害のある子どもに対しても、定型発達児と支援を同一にすることが望ましい。
  5. E 養育者の育て方によって、社会的な適応状態は変化しない。

 

(組み合わせ)
A B C D E
1
2 ×
3 × ×
4 × × ×
5 × × × × ×
正解は5
A.× 
同時に診断されることはない、という記述が不適切です。発達障害では、障害が1つではなく、いくつもの領域にわたって発達の遅れやゆがみが現れる場合があるため、ひとりの子どもに自閉スペクトラム症と注意欠如・多動症が同時に診断されることがあります。

B.× 
1%ほど、という記述が不適切です。発達障害があると考えられる子どもの割合は、もっと多いといわれています。たとえば、「通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査」(平成24年 文部科学省)では、公立の小・中学校の通常の学級においては、学習面または行動面において著しい困難を示す児童生徒が6.5%(推定値)程度の割合で在籍していることが明らかになっています。

C.× 
医師の診断を待って、という記述が不適切です。発達障害のある子どもへの支援は早期であるほど、コミュニケーションの発達を促し、適応力を伸ばすことが期待できます。医師の診断の機会が得られない場合でも、早期の支援を逃してしまうことがないようにします。

D.× 
定型発達障害と支援を同一にすることが望ましい、という記述が不適切です。障害のある子どもに対しては、定型発達児よりもさらに丁寧な支援が必要であると考えられます。

E.× 
社会的な適応状態は変化しない、という記述が不適切です。養育者の育て方によってコミュニケーションの発達を促し、適応力を伸ばすことができれば社会的な適応状態は変化していきます。
問13

次のA~Dのうち、反応性愛着障害および脱抑制型対人交流障害についての記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A この2つの障害は、重度の社会的・心理的ネグレクト(里親を転々とするなどを含む)がなく、身体的虐待のみがある場合にも起こりうる。
  2. B 反応性愛着障害を持つ子どもの行動上の特徴は、見知らぬ人を含む誰にでも見境なく接近し、接触する無差別的社交性である。
  3. C 反応性愛着障害を持つ子どものほとんどが、特定の養育者に愛着していることが明確である。
  4. D 脱抑制型対人交流障害は、環境が改善すればその症状はほとんど消失する。

 

(組み合わせ)
A B C D
1
2 × ×
3 × ×
4 × ×
5 × × × ×
正解は5
A:× 
愛着障害は反応性と脱抑制性に分けられ、重度な社会的・心理的ネグレクトや、身体的・心理的虐待、不適切な養育環境に置かれた子どもに多く見られます。

B:× 
記述は、反応性愛着障害ではなく、脱抑制型対人交流障害の特徴です。脱抑制型対人交流障害は、相手とすぐ親しくなれるが、適切な距離を保てず、相手から敬遠されてしまう事があります。

C:× 
反応性愛着障害では、養育者に虐待されたことなどにより、警戒心を持ち、甘えたいのに素直に感情を表現できない傾向があります。そのほとんどが特定の養育者に愛着を示しているとはいえません。

D:× 
不適切な養育に関係して生じており、適切な養育環境に置かれてもすぐに改善しない場合もあります。
問14

次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】

小学校入学を控えたN保育所の6歳男児。早産、低出生体重児として経膣分娩にて出生したが、乳幼児期健康診査で発育及び発達の遅れは指摘されなかった。幼児期から、自宅でも公園に遊びに行っても走り回ることが多く、道路への飛び出しや迷子になることがたびたびあった。保育所では友人は多く、鬼ごっこが好きであったが、保育士の話をじっと座って聞くことが難しく、遊具を使う順番を守れないため、繰り返し注意を受けることが多い。

 

 

【設問】

次のA~Eのうち、男児が小学校入学後に生じることが多いと考えられる行動上の問題について、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

 

 

  1. A 授業中に他の児童に話しかけてしまう。
  2. B 興味を持つことに著しい偏りがある。
  3. C 教師の質問が終わる前に答えてしまう。
  4. D 時間割が急に変更されるとパニックにおちいる。
  5. E 頻繁に宿題や学校への提出物を忘れたり、文房具をなくしたりする。

 

 

(組み合わせ)
A B C D E
1 × ×
2 × ×
3 × ×
4 × ×
5 × × ×

 

正解は3
【事例】の文章から、N保育所の男児には、注意欠陥多動障害(ADHD)(注意欠陥・多動症)が疑われます。注意欠陥多動性障害(ADHD)には、①不注意(気が散りやすく、一つのことを集中して見たり、考えたり、行うことが難しく、注意力に欠けます。人の話を聞いてないことも多く、不注意による軽率な規則違反をおかしやすい傾向があります。危険なことでも平気でやったり、事故にあったりしやすい為、注意が必要です。また、初対面の大人に対しても警戒しないため、誰に対してもなれなれしい態度をとったします。)②多動性(極端に落ち着きがなく、常に身体のどこかを動かしています。授業中などは席に座っていられずに、平気で立って歩いてしまう事も少なくありません。)③衝動性(せっかちで、結果を考えずに反射的に行動してしまう傾向があります。衝動的な行動なので、他の人に合わせることはできず、たとえば順番が待てずに割り込んだり、授業中でも大声で話し始めたり、人のじゃまをすることが多いです。)

A.〇 不注意、衝動性があります。

B.× 興味を持つことに著しい偏り(独特なこだわり)があるのは、自閉スペクトラム症の特徴の一つです。

C.〇 不注意、衝動性があります。

D.× 時間割が急に変更されるとパニックにおちいるのは、自閉スペクトラム症の特徴の一つです。

E.〇 不注意であるといえます。
問15

子どもの反抗について、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 反抗は子どもが心理的自立を図る過程で生じる一過的な現象である。
  2. B 反抗が嘘言という形をとることがあるが、これは正常発達内のことなので特別の配慮を要しない。
  3. C 反抗がみられない子どもは、後になって精神的な問題を起こしやすい。
  4. D 反抗が通常の成長にみられる程度や期間を超えると、反抗挑発症(反抗挑戦性障害)と呼ばれる。

 

(組み合わせ)
A B C D
1 ×
2 ×
3 × ×
4 ×
5 × × ×
正解は3
反抗とは、大人のいうことを聞かなくなることで、子どもが発達段階で自我に目覚めでくることによって、大人のいうことを聞かなくなることは正常な状態である。一般に1歳半~2歳、6歳前後、13~15歳頃に反抗期があり、反抗は一過的な現象です。

A.〇 

B.× 
特別の配慮を要しない、という記述が不適切です。幼児の場合は、現実と空想の区別がつかずつくり話が混じることがあるため、大人が嘘だと決めつけて否定することは避けなければなりません。また、自己防衛のために嘘をつくことが習慣化しないように、「嘘をつくことはいけないことだ」とゆっくり説明していくなどの配慮が必要です。

C.× 
反抗がみられる子ども、みられない子どもも、後になって精神的な問題を起こしやすいとはいえません。

D.〇 
DSM-5によると反抗挑発症(反抗挑戦性障害)は、怒りっぽく、易怒的な気分、口論好き、挑発的な行動、または執念探さなどの情緒・行動上の様式が少なくとも6か月間は持続するとしています。大人に対する反抗や挑発は、定型発達の子どもにもある程度みられるものですが、症状の持続期間と頻度が、その子どもの年齢や性別などで標準とされるものを超える場合には、反抗挑発症(反抗挑戦性障害)が疑われます。
問16

次の文は、「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」(平成 23 年3月 厚生労働省)の一部である。( A )~( E )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. ・アレルギーという言葉自体は一般用語として広まっているが、その理解は曖昧である。アレルギー疾患を分かりやすい言葉に置き換えて言えば、本来なら反応しなくてもよい無害なものに対する( A )な( B )反応と捉えることができる。( B)反応は本来、体の中を外敵から守る働きである。体の外には細菌やカビ、ウイルスなどの「( C )」がたくさんいるので、放っておくと体の中に入ってきて病気を起こしてしまうが、それに対して体を守る働きの重要なものが( B )反応である。
  2. ・ところがアレルギー疾患で問題になるのはダニの糞やダニが死んだ後の粉、つまり生き物としては悪さをしないものへの反応である。それが人間の体の粘膜に付く、または入ってくると、本来、( D )なのにも関わらず、アレルギーの人はそれに対して( A )な( B )反応を起こして、逆に体に( E )な状態になってしまう、即ちアレルギー反応を起こす。

 

(組み合わせ)
A B C D E
1 精密 免疫 抗原 無害 不利益
2 精密 生体 無害 余分
3 過剰 生体 抗原 非病原体 不利益
4 過剰 免疫 無害 不利益
5 精密 免疫 非病原体 余分
正解は4
A 過剰
B 免疫
C 敵
D 無害
E 不利益

アレルギー疾患を有する子どもは年々増加傾向にあり、保育所での具体的な対応方法や取り組みをまとめたものが「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」です。保育所職員、保護者、関係機関が連携をして、共通理解することが重要です。主なアレルギー疾患には、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、アナフィラキシーなどがある。子どもの場合、アレルギー疾患をいくつか合併していることが多いです。
問17

次のうち、日本において小児が接種可能な定期接種の種類として適切な組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A BCG、麻しん・風しん混合(MR)、水痘
  2. B 流行性耳下腺炎、ロタウイルス、水痘
  3. C インフルエンザ、肺炎球菌(13 価結合型)、B型肝炎
  4. D インフルエンザ菌b型(Hib)感染症、不活化ポリオ(IPV)、日本脳炎

 

(組み合わせ)
1 A B
2 A C
3 A D
4 B C
5 C D
正解は3
A:〇 記述の通りです。

B:× 流行性耳下腺炎、ロタウイルスは、任意接種です。

C:× インフルエンザは、任意接種です。

D:〇 記述の通りです。

定期接種は、国から接種が積極的に勧奨されているもので、公費負担です。これには、BCG、水痘、MR(M:麻しん、R:風しん)などの生ワクチンと、DPT-IPV(D:ジフテリア、P:百日咳、T:破傷風、IPV:不活化ポリオ)、Hib感染症、B型肝炎、肺炎球菌感染症、日本脳炎などの不活化ワクチン・トキソイドがあります。
なお、任意の予防接種は接種は本人、保護者の意思に任され、費用は自己負担です。流行性耳下腺炎、ロタウイルス(経口接種)などの生ワクチンと、インフルエンザ(65歳以上の高齢者などを除く)などの不活化ワクチンがあります。
※ロタウイルスワクチンは、令和2年10月1日から定期接種となっています。
問18

次のうち、「保育所における感染症対策ガイドライン(2018 年改訂版)」(2018(平成 30)年 厚生労働省)にある保育所での接触感染対策の考え方に関する記述の一部として、適切な記述を一つ選びなさい。

 

1 接触によって体の表面に病原体が付着しただけで感染は成立します。
2 遊具を直接なめるなどの例外もありますが、多くの場合は病原体の付着した手で口、鼻又は眼をさわることによって、体内に病原体が侵入して感染が成立します。
3 タオルの共用はすすめません。感染性胃腸炎が保育所内で発生している期間中のみ、ペーパータオルを使用することが推奨されます。
4 固形石けんは、液体石けんと比較して、子どもの手に密着し、泡立ちやすいので使用します。
5 健康な皮膚は強固なバリアとして機能することから、皮膚に傷等がある場合は、その部位を早く乾燥させるために、傷を覆わずにおくことが対策の一つとなります。
正解は2
1:× 
病原体が体の表面に付着しただけでは、感染は成立しません。感染とは、病原微生物(細菌やウイルス、真菌など)が、ヒトの体内に侵入して増え始める状態のことをいいます。なお感染経路は、病原体が人に伝わり、広まる経路のことをいいます。接触感染のほか、飛沫感染、空気感染、経口感染、血液感染などがあります。

2:〇 
病原体の付着した手で口、鼻または目を触ることによって感染することを接触感染といい、ノロウイルス、ロタウイルス、インフルエンザなどが該当します。

3:× 
タオルの共有は、絶対にしません。ペーパータオルの常用が理想だが、困難な場合でも、感染症胃腸炎が発生している場合は、ペーパータオルの使用が推奨されます。

4:× 
固形石けんは、1回ずつ個別に使用できる液体せっけんと比較して、保管時に不潔になりやすいです。

5:× 
病原体が傷口に触れて感染する可能性があるため、ガーゼや絆創膏などで傷口をしっかり覆う必要があります。
問19

乳幼児が長時間にわたり集団で生活する保育所では感染症対策に留意が必要である。次のA~Eの記述のうち、感染症対策として適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 感染症で欠席した園児が再び登園して差し支えないかどうかの判断は、保護者が行うのが望ましい。
  2. B 飛沫感染は、感染者の飛沫が飛び散る範囲である周囲2メートルで起こりやすい。
  3. C 感染者は症状がなくても感染源となりうる。
  4. D 皮膚に傷があるときは、皮膚のバリア機能が働かずそこから感染が起こる場合がある。
  5. E 感染症が発生し、感染者が 10 名以上になったので、近くの医療機関に報告し指示を求めた。

 

(組み合わせ)
A B C D E
1 × ×
2 × ×
3 × ×
4 × ×
5 × ×
正解は4
A.× 
保護者が行うのが望ましい、という記述が不適切です。「保育所における感染症対策ガイドライン(2018年改訂版)」(2018(平成30)年厚生労働省)(以下「ガイド」)3「感染症の疑い時・発生時の対応」(3)「罹り患した子どもが登園する際の対応 」では、「子どもの病状が回復し、保育所における集団生活に支障がないと医師により判断 されたことを、保護者を通じて確認した上で、登園を再開することが重要である。」としています。

B.〇 
「ガイド」2「感染症の予防」(1)「感染予防」イ)「感染経路別対策」①「飛沫感染」では、「感染している人が咳 せき やくしゃみ、会話をした際に、病原体が含まれた小さな水滴(飛沫) が口から飛び、これを近くにいる人が吸い込むことで感染します。飛沫が飛び散る範囲は1~2mです。」としています。

C.〇 
「ガイド」2「感染症の予防」(1)「感染予防」ア) 「感染源対策」では、「感染源となり得る感染者は「患者」と認識されている者だけではなく、他の子ど もや職員の中にも「患者」と認識されないまま存在しています。このことを常に意識 して感染症対策を実施することが重要である。」としています。

D.〇 記述の通りです。

E.× 
近くの医療機関に、という記述が不適切です。「ガイド」4「感染症対策の実施体制」(3)「関係機関との連携」(感染症発生時の報告)では、「以下のような場合、施設長には、市区町村に対して感染症又は食中毒が疑われる者等の 人数、症状、対応状況等を迅速に報告するとともに、保健所に報告して指示を求めるなど の措置を講ずることが求められます。①同一の感染症若しくは食中毒による又はそれらによると疑われる死亡者又は重篤患 者が1週間以内に2名(※)以上発生した場合 ②同一の感染症若しくは食中毒の患者又はそれらが疑われる者が 10 名以上又は全利 用者の半数以上発生した場合 ③上記①及び②に該当しない場合であっても、通常の発生動向を上回る感染症等の発生が疑われ、特に施設長が報告を必要と認めた場合 ※ 麻しん、風しんに関しては、1名でも発生した場合」としています。
問20

次の文は、日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール(2018 年8月1日版)に示されている記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A おたふくかぜワクチンは、生後 12 か月から行う定期接種である。
  2. B B型肝炎ワクチンの定期接種(ユニバーサルワクチン)は、出生直後に開始し合計3回接種する。
  3. C 肺炎球菌(PCV13)ワクチンは、合計4回接種する。
  4. D ロタウイルスワクチンには1価のものと5価のものとがある。
  5. E インフルエンザ菌b型(Hib)ワクチンは、生後2か月から接種する。

 

(組み合わせ)
A B C D E
1 ×
2 × × ×
3 ×
4 × ×
5 × × × ×
正解は4
A:× 
おたふくかぜワクチンは任意接種であり、生後12か月(1歳0か月)を過ぎたら接種可能です。

B:× 
B型肝炎ワクチンは、標準的な摂取方法では、出生直後からではなく、生後2か月から開始し、3か月、7~8か月の生後1歳に至るまでの間に3回接種します。2016(平成28)年から、定期接種となりました。

C:〇 
肺炎球菌ワクチンは定期接種であり、接種回数は初回を接種する月齢により異なる。生後2~6か月までに初回接種をすれば合計4回となります。

D:〇 
ロタウイルスワクチンには、1価と5価があります。任意の経口ワクチンで、生後6週間から接種でき、1価は2回、5価は3回接種します。

E:〇 
インフルエンザ菌b型(Hib)ワクチンは、生後2~6か月までに初回接種し、合計4回接種する。2013(平成25)年から定期接種となりました。
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