保育士資格を取得したい、保育士になりたい方を応援するサイト

050-3315-0577 【受付時間】12:00~18:00 (定休日:月曜・火曜)
※メールは24時間受付けております。

メイン メイン

保育士試験
過去問題
令和1年度(後期)

保育の心理学 令和1年度(後期)

問1

問1 次のA~Eのうち、「保育所保育指針」第2章「保育の内容」2「1歳以上3歳未満児の保育に関わるねらい及び内容」(2)「ねらい及び内容」エ「言葉」の一部として、正しい記述を○、誤った記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 親しみをもって日常の挨拶に応じる。
  2. B 生活の中で必要な言葉が分かり、使う。
  3. C いろいろな体験を通じてイメージや言葉を豊かにする。
  4. D 絵本や紙芝居を楽しみ、簡単な言葉を繰り返したり、模倣をしたりして遊ぶ。
  5. E 保育士等や友達の言葉や話に興味や関心をもって、聞いたり、話したりする。

 

(組み合わせ)
A B C D E
1
2 × ×
3 × ×
4 × × ×
5 × × ×
正解は3
A:〇 同指針③の文章です。

B:× 3歳以上の保育に関わる内容になっています。

C:× 3歳以上の保育に関わる内容になっています。

D:〇 同指針④の文章です。

E:〇 同指針⑦の文章です。

保育所保育指針の内容は出題率が高いので、暗記するほど覚えることが大切です。


保育所保育指針より抜粋

第2章 保育の内容
2 1歳以上3歳未満児の保育に関わるねらい及び内容
(2) ねらい及び内容
エ 言葉

経験したことや考えたことなどを自分なりの言葉で表現し、相手の話す言葉を聞こうとする意欲や態度を育て、言葉に対する感覚や言葉で表現する力を養う。

(ア) ねらい

① 言葉遊びや言葉で表現する楽しさを感じる。
② 人の言葉や話などを聞き、自分でも思ったことを伝えようとする。
③ 絵本や物語等に親しむとともに、言葉のやり取りを通じて身近な人と気持ちを通わせる。

(イ) 内容

① 保育士等の応答的な関わりや話しかけにより、自ら言葉を使おうとする。
② 生活に必要な簡単な言葉に気付き、聞き分ける。
③ 親しみをもって日常の挨拶に応じる。
④ 絵本や紙芝居を楽しみ、簡単な言葉を繰り返したり、模倣をしたりして遊ぶ。
⑤ 保育士等とごっこ遊びをする中で、言葉のやり取りを楽しむ。
⑥ 保育士等を仲立ちとして、生活や遊びの中で友達との言葉のやり取りを楽しむ。
⑦ 保育士等や友達の言葉や話に興味や関心をもって、聞いたり、話したりする。

(ウ) 内容の取扱い

上記の取扱いに当たっては、次の事項に留意する必要がある。

① 身近な人に親しみをもって接し、自分の感情などを伝え、それに相手が応答し、その言葉を聞くことを通して、次第に言葉が獲得されていくものであることを考慮して、楽しい雰囲気の中で保育士等との言葉のやり取りができるようにすること。

② 子どもが自分の思いを言葉で伝えるとともに、他の子どもの話などを聞くことを通して、次第に話を理解し、言葉による伝え合いができるようになるよう、気持ちや経験等の言語化を行うことを援助するなど、子ども同士の関わりの仲立ちを行うようにすること。

③ この時期は、片言から、二語文、ごっこ遊びでのやり取りができる程度へと、大きく言葉の習得が進む時期であることから、それぞれの子どもの発達の状況に応じて、遊びや関わりの工夫など、保育の内容を適切に展開することが必要であること。
問2

次の文において、ピアジェ(Piaget, J.)理論とその後の展開として( A )~( D )の用語が適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

ピアジェの理論に基づく(A 社会的構成主義)では、子どもが活動を通して知識を構成していくという能動性を重視する。主に物理的環境との相互作用を中心とする子ども個人の知的構成の理論である。発達の主体はあくまでも子ども自身である。子どもの内的な枠組みである(B シェマ)と環境が与える情報とのズレを解消することで認知発達が促される。これを(C 同化)と呼ぶ。
ある発達段階に到達した子どもは、物理的事象でも社会的事象でも、共通した思考が適応できるとされ、領域一般性と名付けられた。しかしその後、領域によって発達の様相が異なることが多くの研究から明らかになってきた。これは(D 領域特殊性)と呼ばれる。

 

 

(組み合わせ)
A B C D
1 ×
2 × ×
3 × ×
4 × × ×
5 × × ×

 

正解は4
A:× 社会的構成主義は、客観的かつ絶対的な物事の存在はなく、社会の中で行われるコミュニケーションが現実を作るという主張です。ピアジェの理論は、発生的認識論といわれています。

B:〇 シェマは、外界の認知における内的な枠組みのことをいいます。

C:× 正しくは、調節です。同化は、シェマを使って外界を取り入れようとすることをいいます。

D:× 領域特殊性は、一つの領域で獲得した知識・認知・思考スキル等が、他の領域では有効に働かない場合をいうため、「領域によって発達の様相が異なること」を指すものではありません。
問3

次の文は、ヒトの出生時の特徴についての記述である。( A )~( E )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

哺乳類は、生まれた時は未熟で自分の力で動きまわることのできない( A )のものと、生まれた時からすでに成熟していて自力で移動することのできる( B )の二つに分類することもできる。ヒトの場合は、胎児期から音声に反応して母親の声を聞き分けるなど、感覚や知覚の能力を有するが、運動能力が未発達な状態で生まれてくることから、( C )はこれを二次的( A )と呼び、( D )という考え方で説明した。つまり、人間は大脳の発達が著しいため、十分な成熟を待って出産することは体の大きさの問題から難しく、約( E )早く未熟な状態で生まれるといわれている。

 

【語群】
  • ア ローレンツ(Lorenz, K.)
  • イ 2年   
  • ウ 離巣性
  • エ 生理的早産
  • オ 就巣性
  • カ ポルトマン(Portmann, A.)
  • キ 放巣性
  • ク ハーロウ(Harlow, H.F.)
  • ケ 帰巣性  
  • コ 身体的早産
  • サ 1年

 

 

(組み合わせ)
A B C D E
1
2
3
4
5
正解は2
A-オ:就巣性
B-ウ:離巣性
C-カ:ポルトマン  
D-エ:生理的早産
E-サ:1年

哺乳類のうち、生まれた時に未熟であり自力で動き回ることのできないものを就巣性といいます。一方、生まれた時からすでに成熟しており自力で移動することのできるものを離巣性といいます。
ポルトマンは、ヒトは就巣性・離巣性のふたつの特徴を併せ持つことから、二次的就巣性と呼びました。人間は、母体から生まれることの可能な最大の大きさで出産しますが、脳の発達としては約1年分未熟な状態で生まれます。これを生理的早産といいます。
問4

次の記述に該当する理論として正しいものを一つ選びなさい。

ギブソン(Gibson, J.J.)が提唱した知覚理論であるが、より発展的に生態学的な立場から知覚の機能を論じている。それによれば、人は環境内にある情報を知覚し、それによって行動を調整していると考えている。例えば、いつも入り口が開いている部屋で保育をしていると、室外に出て行く子どもがみられるが、入り口を閉めておくと、室外へ出ていくことが少なくなる。このような子どもの行動は、環境によって適応的なものとなっている。

 

 

1 アニミズム論
2 生態学的システム論
3 自己実現論
4 アフォーダンス論
5 発生的認識論
正解は4
1.× アニミズム論とは、生物、無機質なものを問わず、人間以外のすべてのものにも魂があるという考え方です。人類学者のE・B・タイラーが著書『原始文化』の中で提唱しました。

2.× 生態学的システム論とは、人間の発達はその個人を取り巻く環境からの影響を受けるが、その環境は、さらにその背景にある環境要因の影響を受けるとする考え方です。ブロンフェンブレンナーが提唱しました。

3.× 自己実現論とは、人間には成長欲求があり、自己実現に向かうよう動機づけられており、その成長欲求は5段階に分類され階層を成す構造をもつ、とした考え方です。マズローが提唱しました。

4.〇 アフォーダンスとは、環境の意味や価値は、環境から受け取った情報に基づいて自身が見出すものではなく、環境自体がはたらきかけられるべき意味や価値を提供しているという考え方です。ギブソンが提唱しました。

5.× 発生的認識論とは、認知の発達には4つの段階があり、それぞれの段階において認知の枠組み(シェマ)があるという考え方です。ピアジェが提唱しました。
問5

次の文は、生活や遊びを通した学びに関する記述である。【Ⅰ群】の記述と、【Ⅱ群】の用語を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】
  1. A 相手の行動を観察し、その人の意図、期待、信念、願望などを理解するようになると、相手の行動を説明したり、予測したりするようになる。
  2. B 文化的に規定され、ステレオタイプ化された知識で、日常的なできごとを理解したり解釈したりできるようになる。
  3. C 内発的動機づけを構成する要素で、自分の知らないことに興味をもったり、興味をもったものを深く探究したりしようとする。
  4. D ある行動をすると、特定の環境変化が引き続いて生じることに気付いて、その行動を繰り返し行うようになる。
【Ⅱ群】
  • ア 帰属理論     
  • イ 心の理論   
  • ウ モニタリング  
  • エ スクリプト
  • オ 知的リアリズム  
  • カ 知的好奇心  
  • キ 観察学習    
  • ク オペラント学習

 

(組み合わせ)
A B C D
1
2
3
4
5

 

正解は5
A-イ
選択肢は「心の理論」についての解説。心の理論とは、他人の心の状態を推察し、他人の心に動きを理解・予測するシステムのことをいいます。

B-エ 
選択肢は「スクリプト」についての解説です。スクリプトとは、日常的な時間の流れに沿って生じうる状況や人の行為などに関する一連の知識のことをいいます。

C-カ 
選択肢は「知的好奇心」についての解説です。知的好奇心とは、知識や理解を深めたいという欲求のことをいいます。

D-ク 
選択肢は「オペラント学習」についての解説です。オペラント学習はオペラント条件づけともいい、ある行為に対し報酬や罰などを与えることにより、自発的にその行為をするように習慣づけることをいいます。
問6

次の乳児期の発達に関する記述のうち、下線部分が正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 新生児が、大人の話しかけに同期して自分の体を動かすクーイングと呼ばれる現象が報告されている。
  2. B 新生児が数人いる部屋で、一人が泣きだすと、他の新生児も泣きだすことがよくみられる。この現象は社会的参照と呼ばれる。
  3. C 乳児の身体に比して大きな頭、丸みをもった体つき、顔の中央よりやや下に位置する大きな目、といった身体的特徴は幼児図式と呼ばれ、養育行動を引き出す効果があると考えられている。
  4. D 乳児は特定の人との間にアタッチメント(愛着)を形成し、不安や恐れの感情が生じるとその人にしがみつく、あるいはくっついていようとする。

 

(組み合わせ)
A B C D
1 ×
2 × ×
3 ×
4 × ×
5 × × ×
正解は4
A:× 
正しくは、エントレインメントといい、新生児が大人の話しかけに同期して自分の体を動かす現象をいいます。クーイングとは喃語の前の段階における発声の事です。

B:× 
正しくは、情動伝染(情動感染)といい、新生児が数人いる部屋で一人が泣き出すと、他の新生児も泣き出す現象をいいます。社会的参照とは周りの人の表情や態度、反応を見て行動を決定することをいいます。

C:〇 
ローレンツ(Lorenz,K)は乳児の身体的特徴を幼児図式(ベビースキーマ)と呼び、養育行動を引き出す効果があると考えました。

D:〇 
ボウルビィ(Bowlby,J.)は乳児は特定の人との間にアタッチメント(愛着)を形成するという理論を提唱しました。
問7

次のA~Dのうち、学童期の発達についての記述として、適切なものを○、不適切なものを× とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 低学年では、具体的な事物については論理的思考ができるようになる。また、不特定多数の聞き手を意識して発言することが求められるようになる。
  2. B 中・高学年になると、特定の仲間と排他的ではない集団を作って行動することが増える。また、同時に仲間よりも大人からの承認を求めるという特徴がみられる。
  3. C 学校生活の中では、自己概念は現実的で複雑になるため、社会的比較をすることにより劣等感を抱いたり、自尊心が低下したりすることがある。
  4. D 学童期は、学年が上がるとともに記憶のための方略が多様化し、自分の思考を振り返るメタ認知能力が発達していく。

 

(組み合わせ)
A B C D
1 ×
2 ×
3 ×
4 × × ×
5 × × ×
正解は3
A.〇 
学童期の低学年は、自己中心的な思考から論理的な思考に移行していく時期であり、具体的な事物であれば論理的な思考が可能になります。また、学校生活において集団の中での発表という機会が増え、不特定多数の聞き手を意識して発言するようになり、ヴィゴツキーの提唱する「外言」が求められるようになります。

B.× 
選択肢の文章が不適切です。学童期の中・高学年になると、特定の仲間と排他的な集団を作って行動します。この集団をギャング・グループといいます。またこの時期は、大人よりも仲間からの承認を求めるという特徴がみられます。

C.〇 
社会的比較とは、自分を他者と比較することで、自分自身の考えや能力を評価しようとすることをいいます。

D.〇 
学年が上がるにつれ、論理的思考が発達するとともに、認知能力も発達していきます。
問8

次のA~Dのうち、幼児期の他児との関わりに関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 1歳児クラスでは、他児が物を使い始めると、それを見て自分も使いたくなり、物のやりとりや取り合いが生じる。
  2. B 幼児期を通して、物をめぐるいざこざは日常的に生じるが、その対応や解決の方略は年齢によって変容していく。
  3. C 幼児期を通して、他児たちが遊んでいる場面で、仲間に入れてもらうためには、「入れて」と言えることが必須である。
  4. D 5歳になると、遊びの目的を共有し、自分たちで工夫してルールのある遊びを楽しむ姿、より面白くなるようにルールを作り替える姿がみられるようになる。

 

(組み合わせ)
A B C D
1
2 ×
3 × ×
4 × × ×
5 × × × ×
正解は2
A.〇 
1歳児クラスの幼児は自己主張が強くなってくる時期で自分中心に考えており、自分が遊びたいおもちゃなどに対し、それを手に入れるために物のやりとりをしたり取り合いをしたりするようになります。

B.〇 
幼児期は選択肢Aの解説のように自己中心性の思考により物をめぐるいざこざは日常的に生じますが、成長につれて決まりなども理解できるようになってくるため、その対応や解決の方略は年齢によって変容していきます。

C.× 
「入れて」ということは必須ではなく、仲間と遊ぶために自分で工夫したり、保育士が仲介したりして適切に遊べるようになっていきます。

D.〇 
5歳になると、ルールや決まりを理解できるようになり、選択肢の文章のような状況で仲間と楽しく遊べるようになります。
問9

次の文において、集団への関わりとして( A )~( D )の語句が適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

レイヴとウェンガー(Lave, J. & Wenger, E.)は、(A 師弟制度)のように参加を通して学ぶことを(B 「伝統的参加学習」)と呼び、そのプロセスに多くの学びが発生する可能性があることを指摘した。
この論を踏まえて、幼児の集団への関わりについて解釈を試みると、保育所に途中入所してきた幼児は、その園では(C 新参者)であるが、活動や場にその子なりに参加する。少し離れたところから同じクラスの幼児たちの遊び方を観察したり、共同的行為のなかで自分にもできる(D 役割)を担ったりする中で、次第に園での過ごし方、生活や遊びの理解、そこでの人間関係など、多くのことを学んでいく。

 

 

(組み合わせ)
A B C D
1 ×
2 ×
3 × ×
4 × ×
5 × × ×
正解は4
A.× 不適切です。
徒弟制度を提唱したのは、ベルとランカスターです。ここでは「見学制度」「熟練者の模倣」などがふさわしいです。

B.× 不適切です。
正しくは「正統的周辺参加」です。正統的周辺参加とは、レイヴとウェンガーが提唱した理論です。あることを学習する際、初学者はあることの中心的なメンバーではなく周りから見ている新参者の立場でありますが、その初学者も正式なメンバーとしてとらえ、やがて見ている状況から事項を学習していき、最終的に中心的なメンバーに加われるようになる、というものです。

C.〇 適切です。

D.〇 適切です。
問10

次のA~Dのうち、保育における発達援助に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 小学校との連携では、遊びを主導的活動として展開する幼児期の生活と、学習を主導的活動として展開する児童期の教育とを、双方で内容的・方法的に工夫することによって接続を図る。
  2. B 保育所の生活の中で協同遊びの経験を積み重ねておくことは、小学校における協同的な学びにつながっていくものである。
  3. C 保育所保育を小学校教育への準備段階として捉えるのではなく、幼児期の教育と小学校の教育を相互に理解し、生かしあう視点をもつことが大切である。
  4. D 一人一人の子どもに「どのような」支援や配慮が必要となるかについて、保育所で今までに蓄積された情報を保育所幼児保育要録として小学校に送付することが「保育所保育指針」に記されている。

 

(組み合わせ)
A B C D
1 ×
2 ×
3 ×
4 × ×
5 × × ×
正解は1
A:〇 
保育所・幼稚園・認定こども園等と小学校が、双方で内容的・方法的に工夫することによって接続を図ります。

B:〇 
幼児期に協同的な活動の経験を積み重ねることが、幼児教育と小学校教育の滑らかな接続にもつながっていきます。

C:〇 
幼児期の教育と、小学校の教育を相互に理解し、生かしあう事が大切です。

D:× 
「保育所保育指針」第2章「保育の内容」4「保育の実施に関して留意すべき事項」(2)「小学校との連携」ウには「子どもの育ちを支えるための資料が保育所から小学校へ送付されるようにすること」としか記されていません。「子どもの育ちを支えるための資料」とは、具体的には保育所児童保育要録を指します。
問11

次のA~Dのうち、成人期・高齢期の特徴に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 成人期では、子どもの巣立ちや老親介護などを通して心理的変化に直面しやすく、時として人生の転機となり、アイデンティティの再構築がみられることがある。
  2. B 知能には、加齢の影響を受けやすいものと受けにくいものがあり、結晶性知能は成人期以降減衰するが流動性知能は高齢期でも低下しにくい。
  3. C 身体機能は、加齢に伴い程度の差はあるものの少しずつ低下する。聴覚では母音、低音域の音、ゆっくりしたテンポでの聞き取りづらさを感じる人が多くなる。
  4. D 高齢期には、加齢による変化に対処しながら自分の特徴を最大限に活かすなど、幸福に年齢を重ねることをサクセスフル・エイジングと呼ぶ。

 

(組み合わせ)
A B C D
1 ×
2 ×
3 × ×
4 × ×
5 × ×
正解は3
A:〇 
成人期には心身の変化や自己内外の変化の認識に伴い、アイデンティティ(自己同一性)の確立と拡散が交互に訪れ、アイデンティティの再構築が見られることがあります。

B:× 
知能には、加齢の影響を受けやすいものと受けにくいものがあります。過去の学習や経験を適用した判断を必要とする場面で機能する結晶性知能は高齢期でも低下しにくいですが、新たな場面で機能する流動性知能は成人期以降、比較的早く減衰するといわれています。

C:× 
聴覚では子音、高音域の音、早いテンポでの聞き取りづらさを感じる人が多くなります。

D:〇 
サクセスフル・エイジングとは、老いていく現実を受け入れ、社会生活にうまく適応し、豊かな老後を迎えていくことをいいます。
問12

次の1~5のうち、子どもの遊びと運動に関する記述として不適切なものを一つ選びなさい。

 

1 運動能力には、筋力や持久力などの運動体力と、視聴覚や筋運動感覚などの知覚を手がかりに運動をコントロールする能力がある。この運動コントロール能力が急激に発達するのは幼児期から児童期である。
2 幼児期は、走る、跳ぶ、登る、くぐるなど多様な動きをする遊びよりも、特定の動きを繰り返す運動の方が身体の発達に効果がある。
3 近年、地域や家庭において、戸外での遊びの面白さに気づかないまま、室内の遊びに偏りがちな子どもも少なくない。
4 保護者に運動習慣がある家庭の幼児は、そうでない家庭の幼児よりも戸外遊びを多く行っているという報告がみられる。
5 運動が得意な幼児は、普段一緒に遊ぶ仲間の数が多く、仲間関係が良好で、協調性が高いなど社会性が発達していることが多い。
正解は2
1.〇 
基本的な運動能力は幼児期に完成しますが、運動コントロール能力はその運動能力を踏まえて発達していきます。運動能力の完成を経て、運動コントロール能力は幼児期から児童期に急激に発達していくようになります。

2.× 
選択肢の文章が不適切です。幼児期は運動機能が発達し、運動能力を完成させる時期なので、それらの発達を促すために、多様な動きを経験する遊びが効果的です。

3.〇 
最近の事情を鑑みるに、放課後遊びの機会の減少、防犯意識の高まり、外で遊べる環境がない、家庭用ゲーム機の普及などがあり、屋外の遊びに偏りがちな子どもも少なくありません。

4.〇 
保護者に運動習慣があると、家族で屋外でレジャーやスポーツなどをする機会が通常の家庭より増えると予測されるため、必然的に幼児の戸外遊びの機会も増加すると思われます。

5.〇 
一般的な事例として、選択肢の文章のケースも考えられます。
問13

次の文は、感情と自己に関する記述である。( A )~( D )にあてはまる用語を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. ・ 子どもは遊びの中で、思うように自分を表現したり、自分の力でやり遂げたりできることに自信を持ち、( A )を感じるようになる。
  2. ・ 幼児は、ごっこ遊びを通してお母さんやヒーローのように、自分にはできないことができる人にあこがれ、( B )し、自分の中に取り込む。
  3. ・ 自分も使いたかった一つしかないおもちゃを貸してあげるといった( C )が起こるためには、仲間の考えや感情を理解し、相手と同じ感情を自分も共有することができることを必要とする。
  4. ・ 自分の世界を持ち始めると、自分がしていることやしたことを「見て、見て」と他者に訴えるようになる。他者の視線を自分に集めて( D )し、自己を拡張していく。
【語群】
  • ア 自己高揚   
  • イ 自己肯定感  
  • ウ 向社会的行動  
  • エ 自己顕示 
  • オ 他律的行動  
  • カ 自己制御感    
  • キ 社会化     
  • ク 同一視

 

 

(組み合わせ)
A B C D
1
2
3
4
5

 

正解は2
A:イ 自己肯定感は、自分は大切な存在だと感じる心の感覚をいいます。

B:ク 同一視は、他者が持っている優れた性質を取り入れ、自分自身の価値を高めていこうとする心の働きをいいます。

C:ウ 向社会的行動は、外的な報酬を期待することなく、他者のためになることをしようとする行為をいいます。

D:エ 自己顕示は、自分の存在を故意的に目立つようにすることをいいます。

オの他律的行動とは、大人や規則に従って行う行動のことをいいます。

カの自己制御感とは、自分自身でコントロールする感覚のことをいいます。

キの社会化とは、個人が所属する社会や集団のメンバーになっていく過程のことをいいます。
問14

次の文は、自己に関する記述である。【Ⅰ群】の記述と【Ⅱ群】の用語を結びつけた場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】
  1. A 幼児に気付かれないように鼻の頭に口紅をつけておく。その後その子どもに鏡を見せた時、子どもが鏡の像ではなく、自分の鼻を触るかどうかを基準として判断する。
  2. B 乳児が自分の手や足の指をしゃぶったり触ったりして得られる感覚は、物をしゃぶったり触ったりした時に生じる感覚とは異なることに気付く。
  3. C 青年は「自分は他者と違って自分である」という感覚と、「自分はいかに自分になってきたか」という感覚を、問い直す。
  4. D 「そうなりたい自分」と「そうである自分」とのズレや不一致の程度によって、その人の適応をあらわしているとされる。
【Ⅱ群】
  • ア 自己実現       
  • イ 自己認知       
  • ウ 身体的自己
  • エ 自己開示       
  • オ モラトリアム     
  • カ アイデンティティ 
  • キ 現実自己・理想自己  
  • ク 私的自己・公的自己

 

 

(組み合わせ)
A B C D
1
2
3
4
5

 

正解は4
A-イ 
自己認知とは、自分を自分だと認識することをいいます。選択肢の文章は、ルイスとブルックスガンが行ったルージュ・テストで、乳幼児の自己認識を調べる実験として行われました。

B-ウ 
身体的自己とは、自分の身体が自分のものであるという感覚をいいます。乳児は自身の身体をなめたり触ったりした感覚で、ほかのものをそうしたときと感覚が違うことに気づき、身体的自己の感覚を習得していきます。

C-カ 
青年期はアイデンティティを確立する時期です。この時期、自分自身で選択肢の文章のように自問自答を重ね、自己を確立していきます。これをエリクソンはアイデンティティ(自我同一性)の確立と呼びました。

D-キ 
人は、実際の自分である現実自己と、なりたい理想である理想自己があり、その2つの自己のズレや不一致の精度により、自己に対する適応が表れるとされています。
問15

次の【事例】を読んで、以下の【設問】に答えなさい。

【事例】

砂場で、一度に4個ずつケーキが作れる容器を使って遊んでいたG君(3歳、男児)。砂を容器に入れて、ベンチの上に引っくり返しては、ケーキの形ができることを繰り返し楽しんでいた。
保育士が「そろそろ給食だから、お片付けだよ。」と声をかけると、G君は「やだ、もっと作る。」と言った。そこで保育士は、「ケーキ、あと何個作ったらおしまいにできるかな。」と尋ねると、「あと、50 個。」と応えるG君。「じゃあ、急いで 50 個作ろう。」と保育士が言うと、急いで何度も繰り返した。そして、ケーキを保育士が食べる真似をして、「ごちそうさまでしたぁ。」と言って、ベンチの上の砂を落とした。再び、ケーキを作るG君。同様のやりとりを数回繰り返した後、G君は自ら使っていたケーキの容器をカゴにポンと戻した。

【設問】

次の文のうち、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

 

  1. A G君は、片付けに取り組む前に、自分の遊びの世界を受け止めてもらっていた。
  2. B 保育士は、子どもの気持ちに寄り添いながら、子どもが納得して片付けに取り組むよう援助した。
  3. C G君は、やりたいことを十分に実現して、主体的に片付けるという経験をした。
  4. D 保育士は、子どもが遊び続けることよりも、片付けを優先させていた。

 

(組み合わせ)
A B C D
1 ×
2 × ×
3 × ×
4 × ×
5 × ×
正解は1
A:〇 
G君は、片づけの前に、保育士に砂場でのケーキ作りを見てもらい、ケーキを食べる真似をしてもらったことから、遊びの世界を受け止めてもらっていたといえます。

B:〇 
保育士はG君の遊びに夢中になっている気持ちに寄り添いながら、納得して片付けに取り組めるようにケーキをあと何個作ったらおしまいにできるか尋ねました。

C:〇 
G君は、やりたいことを十分に実現することができたため、自分から容器を片付けることができたといえます。

D:× 
保育士は片づけよりも、G君の気持ちに寄り添うことを優先させています。
問16

次の【図】は、「家族と地域における子育てに関する意識調査」(平成 25 年 内閣府)の質問項目「地域で子育てを支えるために重要なこと」に対する一般成人(20 ~ 79 歳)の回答を示したものである。以下の【設問】に答えなさい。

 

【設問】

次の( A )~( E )のうち、【図】を説明する文として適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

地域で子育てを支えるために重要なこととしては、(A 「子どもの防犯のための声かけや登下校の見守りをする人がいること」)が全体として6割以上で最も多くあげられ、次いで(B 「子育てに関する悩みについて気軽に相談できる人や場があること」)となっている。
男女別にみると、女性が男性より多くあげているのは、差の大きい順に「子どもの防犯のための声かけや登下校の見守りをする人がいること」や(C 「不意の外出や親の帰りが遅くなった時などに子どもを預かる人や場があること」)等である。また、男性が女性より多くあげているのは、差の大きい順に(D 「子どもと一緒に遊ぶ人や場があること」)(E 「子どもにスポーツや勉強を教える人や場があること」)等である。

 

 

(組み合わせ)
A B C D E
1 ×
2 × ×
3 × ×
4 × ×
5 × × ×

 

正解は2
問題は、「家族と地域における子育てに関する意識調査」(平成 25 年 内閣府)からの出題です。問題の趣旨は、図から数値を正確に読み取ることです。

A.〇 
「子どもの防犯のために声かけや登下校の見守りをする人がいること」は全体の64.1%で回答の選択肢の中で1番多い回答割合です。

B.〇 
「子育てに関する悩みについて気軽に相談できる人や場があること」は全体の58.1%であり、回答の選択肢の中で2番目に多い回答割合です。

C.〇 
女性が男性より多くあげているのは「子どもの防犯のための声かけや登下校の見守りをする人がいること」「不意の外出や親の帰りが遅くなったときなどに子どもを預かる人や場があること」「子育てをする親同士で話しができる仲間づくりの場があること」などがあります。

D.E.× 
男性が女性より多くあげているのは、差の大きい順に「子どもにスポーツや勉強を教える人や場があること」「子どもと一緒に遊ぶ人や場があること」です。
問17

次の文は、親のうつ病についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 出産の可能性がある年齢の女性において、うつ病の発症率は2%以下である。
  2. B 親がうつ病の子どもは、そうでない子どもに比べて、気分障害やその他の精神的な問題や機能障害が少なくとも3倍以上生じやすくなる。
  3. C 低出生体重児の出生や、NICU 入室などによる長期の母子分離は、産後うつ病の危険因子ではない。
  4. D 父親のうつ病が、子どもの社会・情緒的発達に影響を与えるとの証拠や研究はない。

 

(組み合わせ)
A B C D
1
2 ×
3 × ×
4 × × ×
5 × × × ×
正解は4
A.× 
厚生労働省審議会資料「うつ病等精神疾患合併妊産婦の診療と支援について(岡井 崇)」によると、周産期の女性のうつ病発症率を10%~30%と公表しています。

B.〇 
文献などによると、うつ病の親の子どもは、うつ病ではない親の子どもに比べて、気分障害や不安障害、物質依存の発症リスクが約3倍高いといわれています。

C.× 
危機因子ではない、という記述が不適切です。長期の母子分離は、母親が罪悪感を持つきっかけとなり、それが産後うつ病を誘発する危険因子となりえます。

D.× 
選択肢の文章が不適切です。一例として内閣府資料「両親のマイナス要因が及ぼす子どもの行動や意識への影響―父母の生育歴と現在の心身状態に注目して―(茨城大学教育学部 教授 数井みゆき)」では、父親のうつ病(抑うつ的気分)と子どもの問題行動などについての調査研究を行っているなど、選択肢の文章のような証拠や研究があります。
問18

次の文は、夫婦間葛藤と離婚についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 夫婦間葛藤は、さまざまな領域に及ぶ子どもたちの情緒行動の問題と関連している。
  2. B 親が離婚した子どもは、していない子どもに比べて、行動の問題、学業不振、仲間関係の問題などを含むさまざまな否定的影響を経験するが、それらが成人まで持続することはまれである。
  3. C 夫婦間葛藤が激しい場合、離婚しても子どもの情緒的安定はあまり変化しないか、穏やかな改善がみられることが多い。
  4. D 母親との別居後に父親(反社会的でない父親)が、子どもにより多く関わると、子どもの社会・情緒的発達にネガティブな影響が生じる。

 

(組み合わせ)
A B C D
1
2 × ×
3 × ×
4 × ×
5 × × × ×
正解は3
A:〇 
夫婦間葛藤は、無気力や引きこもりという非社会的な行動など、子どもの情緒行動の問題と関連しています。

B:× 
親が離婚した子どもは、していない子どもに比べて、様々な否定的影響が多くみられるが、大学生や成人後にも見られることがあります。

C:〇 
離婚前に夫婦間葛藤がみられなかった場合は離婚が子どもに喪失感を強く与えますが、それが激しかった場合、離婚しても子どもの情緒的安定はあまり変化しないか、穏やかな改善がみられることが多いという研究結果があります。

D:× 
母親との別居後に父親(反社会的でない父親)の面会交流が多いほど、子どもの社会・情緒的発達にポジティブな影響が生じるといわれています。
問19

次のA~Dのうち、児童への心理的虐待に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 児童が大切にしているものを、親が傷つけたり捨てたりするとおどす。
  2. B 児童の前で父親が母親に暴力をふるう。
  3. C 児童に自分自身を傷つけるよう強要する。
  4. D 児童に他者の性的満足をもたらす行為に関わるよう強要する。

 

(組み合わせ)
A B C D
1 ×
2 ×
3 × ×
4 × × ×
5 × × ×
正解は1
A.〇 
心理的虐待に該当します。

B.〇 
心理的虐待に該当します。

C.〇 
心理的虐待に該当します。

D.× 
選択肢の文章は、性的虐待に該当します。
問20

次のA~Dのうち、心理・社会的逆境(貧困、両親間の葛藤、親との死別、戦争など)についての記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 収入のレベル及び社会の富裕層と貧困層の相違の程度は、いずれも精神的身体的健康と関係していると考えられている。
  2. B 持続的に食料確保が不安定な子どもは、そうでない子どもと比べて、問題行動、衝動性など反社会的行動をとる可能性が約2倍になると言われている。
  3. C 貧困は、親の養育の質を低めることを介して、子どもの心理・社会的発達に影響を与える可能性が高い。
  4. D 児童期に多数の心理・社会的逆境を経験した大人ほど、何も逆境体験がなかった場合と比較して、肺気腫、慢性気管支炎や心筋伷塞などの虚血性心疾患の罹患率が高くなると言われている。

 

(組み合わせ)
A B C D
1
2 × ×
3 × ×
4 × ×
5 × × × ×

 

正解は1
A:〇 
経済状況がよいほど、精神的・身体的に健康な生活を送るという研究結果があります。

B:〇 
小児期に頻繁に飢餓を経験した者は、著しく大きな衝動性、自制心の低さ、対人的暴力の問題を持ちます。

C:〇 
貧困は、親の養育の質を低め、子どもの心理・社会的発達に影響を与える可能性が高いといわれています。

D:〇 
虚血性心疾患の罹患率は、ストレスが大きい経験をするほど高くなるという研究結果があります。
横浜ランドマークタワーで造形と言語の集中・直前講座を開催

押さえておきたい重要ゴロ300選

パスワード※半角英数