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保育士試験
過去問題
令和1年度(前期)

保育原理 令和1年度(前期)

問1

次の文は、保育所における保育に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 保育所は、保育所における環境を通して、養護及び教育を一体的に行うことを特性としている。
  2. B 保育における養護とは、子どもの生命の保持と情緒の安定を図るために主として看護師が行う治療や処置である。
  3. C 保育における養護とは、そのための一定の時間を設けて、そこで行う援助や関わりである。
  4. D 保育における養護とは、子どもの生命の保持と情緒の安定を図るために保護者に対する指導を行うことである。
  5. E 保育所では、保育全体を通じて、養護に関するねらいや内容を踏まえた保育が展開されなければならない。

 

(組み合わせ)
A B C D E
1 ×
2 × ×
3 × × ×
4 × × × ×
5 × ×
正解は3
A:◯ 「保育所保育指針」第1章「総則」1「保育所保育に関する基本原則」(1)「保育の役割」イに「保育所は、(中略)子どもの状況や発達過程を踏まえ、保育所における環境を通して、養護及び教育を一体的に行うことを特性としている」という記述があります。

B:× 「看護師」ではなく「保育士等」です。同2「養護に関する基本的事項」(1)「養護の理念」に、保育における養護について「子どもの生命の保持及び情緒の安定を図るために保育士等が行う援助や関わりであり」とあります。

C:× 「一定の時間」ではなく、「保育所における保育全体を通じて、養護に関するねらい及び内容を踏まえた保育が展開されなければならない」(同(1)「養護の理念」)。

D:× 「保育における養護とは、子どもの生命の保持及び情緒の安定を図るために保育士等が行う援助や関わり」である(同(1)養護の理念)。

E:◯ 同(1)「養護の理念」により、適切と判断できます。
乳幼児期の発達の特性を踏まえて、養護と教育が一体的に展開されるという視点は、保育所保育の特性として、非常に重要です。また保育の内容が豊かに繰り広げられていくためには、保育士等が子どもの心を受け止め、応答的なやり取りを重ねながら、子どもの育ちを見通し、援助していくことが大切です。
問2

次の文は、「保育所保育指針」第1章「総則」の(2)「保育の目標」の一部である。( A )~( E )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. ・ 十分に( A )の行き届いた環境の下に、くつろいだ雰囲気の中で子どもの様々な欲求を満たし、生命の保持及び情緒の安定を図ること。
  2. ・ ( B )、( C )など生活に必要な基本的な習慣や態度を養い、心身の( B )の基礎を培うこと。
  3. ・ 生命、自然及び( D )の事象についての興味や関心を育て、それらに対する豊かな( E ) や思考力の芽生えを培うこと。

 

(組み合わせ)
A B C D E
1 養護 健康 安全 社会 心情
2 配慮 運動 食事 科学 感性
3 養護 運動 安全 科学 感性
4 配慮 健康 食事 社会 心情
5 養護 健康 食事 科学 心情
正解は1
・十分に( A 養護 )の行き届いた環境の下に、くつろいだ雰囲気の中で子どもの様々な欲求を満たし、生命の保持及び情緒の安定を図ること。
・ ( B 健康 )、( C 安全 )など生活に必要な基本的な習慣や態度を養い、心身の( B 健康 )の基礎を培うこと。
・ 生命、自然及び( D 社会 )の事象についての興味や関心を育て、それらに対する豊かな( E 心情 )や思考力の芽生えを培うこと。
「保育所保育指針」第1章「総則」の(2)「保育の目標」参照。


保育所保育指針より抜粋

第1章 総則
(2) 保育の目標

(ア) 十分に養護の行き届いた環境の下に、くつろいだ雰囲気の中で子どもの様々な欲求を満たし、生命の保持及び情緒の安定を図ること。

(イ) 健康、安全など生活に必要な基本的な習慣や態度を養い、心身の健康の基礎を培うこと。

(ウ) 人との関わりの中で、人に対する愛情と信頼感、そして人権を大切にする心を育てるとともに、自主、自立及び協調の態度を養い、道徳性の芽生えを培うこと。

(エ) 生命、自然及び社会の事象についての興味や関心を育て、それらに対する豊かな心情や思考力の芽生えを培うこと。

(オ) 生活の中で、言葉への興味や関心を育て、話したり、聞いたり、相手の話を理解しようとするなど、言葉の豊かさを養うこと。

(カ) 様々な体験を通して、豊かな感性や表現力を育み、創造性の芽生えを培うこと。
問3

次の文は、「保育所保育指針」第1章「総則」の3「保育の計画及び評価」に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1.  A 保育士等は、保育の計画や保育の記録を通して、自らの保育実践を振り返り、自己評価することを通して、その専門性の向上や保育実践の改善に努めなければならない。
  2. B 保育士等は、指導計画に示された「ねらい」が達成できたかどうかを把握し、子どもの活動内容の結果を最重視して計画の改善に努めなければならない。
  3. C 保育士等が保育の過程を記録するときには、ねらいや環境の設定などに焦点を当てるのではなく、子どもに焦点を当てて記録し、保育内容の見直しを図るよう留意しなければならない。
  4. D 保育士等は、保育の自己評価を個別に行うだけでなく、保育を見合ったり話し合ったりするなど保育士等間で行うことも重要である。

 

(組み合わせ)
A B C D
1 ×
2 × ×
3 × ×
4 × ×
5 × ×
正解は3
A:〇 このような保育の過程が継続的に繰り返されていくことによって、日々の保育の改善が図られます。

B:× 子どもの活動内容やその結果を最重視するのではなく、子どもの心の育ちや意欲、取り組む過程などにも十分配慮するよう留意することが大切です。

C:× 子どもとともに、ねらいや環境の設定などにも焦点を当て、保育内容の見直しを図るように留意しなければなりません。

D:〇 保育士等が率直に話し合う中で、自分では意識していなかったよいところや特色、課題などに気づいたり、子どもについての新たな見方を取り入れる取り組みが、専門性の向上につながっていきます。


保育所保育指針より抜粋
第1章 総則

3 保育の計画及び評価
ア 保育士等の自己評価
(ア) 保育士等は、保育の計画や保育の記録を通して、自らの保育実践を振り返り、自己評価することを通して、その専門性の向上や保育実践の改善に努めなければならない。
問4

次の文は、「保育所保育指針」第2章「保育の内容」における「ねらい」の一部である。1歳以上3歳未満児の保育に関わるねらいとして、正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 自分の体を十分に動かし、進んで運動しようとする。
  2. B 保育所の生活を楽しみ、自分の力で行動することの充実感を味わう。
  3. C 様々なものに関わる中で、発見を楽しんだり、考えたりしようとする。
  4. D 人の言葉や話などを聞き、自分でも思ったことを伝えようとする。
  5. E いろいろなものの美しさなどに対する豊かな感性をもつ。

 

(組み合わせ)
A B C D E
1 × ×
2 × ×
3 × ×
4 × × ×
5 × × × ×
正解は4
A:× 記述は、3歳以上児のねらいです。(「保育所保育指針」第2章「保育の内容」3「3歳以上児の保育に関するねらい及び内容」(2)「ねらい及び内容」ア「健康」(ア)「ねらい」②)1歳以上3歳未満児のねらいには、「自分の体を十分に動かし、様々な動きをしようとする」とある(同2「1歳以上3歳未満児の保育に関するねらい及び内容」(2)ア(ア)②)

B:× 記述は、3歳以上児のねらいです。(同3(2)イ「人間関係」(ア)①)1歳以上3歳未満児のねらいには、「保育所での生活を楽しみ、身近な人と関わる心地よさを感じる」とあります。(同2(2)イ(ア)①)

C:〇 同2(2)ウ「環境」(ア)②として適切です。周囲の様々な環境に好奇心をもって関わり、自分なりにいろいろな方法や視点から探求することで、子どもはさらに興味や関心の幅を広げていきます。

D:〇 記述は、同2(2)エ「言葉」(ア)②として適切です。保育士等に話を聞いてもらったり、話のおもしろさに触れたりして、様々な語彙や表現に出会っていきます。

E:× これは3歳以上児のねらいです。(同3(2)オ「表現」(ア)①)1歳以上3歳未満児のねらいには、「生活や遊びの様々な体験を通して、イメージや感性が豊かになる」と示されています。(同2(2)オ(ア)③)


保育所保育指針より抜粋
第2章 保育の内容

2 1歳以上3歳未満児の保育に関わるねらい及び内容
(2) ねらい及び内容

ア 健康
(ア) ねらい
① 明るく伸び伸びと生活し、自分から体を動かすことを楽しむ。
② 自分の体を十分に動かし、様々な動きをしようとする。
③ 健康、安全な生活に必要な習慣に気付き、自分でしてみようとする気持ちが育つ。

イ 人間関係
① 保育所での生活を楽しみ、身近な人と関わる心地よさを感じる。
② 周囲の子ども等への興味や関心が高まり、関わりをもとうとする。
③ 保育所の生活の仕方に慣れ、きまりの大切さに気付く。

ウ 環境
① 身近な環境に親しみ、触れ合う中で、様々なものに興味や関心をもつ。
② 様々なものに関わる中で、発見を楽しんだり、考えたりしようとする。
③ 見る、聞く、触るなどの経験を通して、感覚の働きを豊かにする。

エ 言葉
(ア) ねらい
① 言葉遊びや言葉で表現する楽しさを感じる。
② 人の言葉や話などを聞き、自分でも思ったことを伝えようとする。
③ 絵本や物語等に親しむとともに、言葉のやり取りを通じて身近な人と気持ちを通わせる。

オ 表現
(ア) ねらい
① 身体の諸感覚の経験を豊かにし、様々な感覚を味わう。
② 感じたことや考えたことなどを自分なりに表現しようとする。
③ 生活や遊びの様々な体験を通して、イメージや感性が豊かになる。


3 3歳以上児の保育に関するねらい及び内容
(2) ねらい及び内容

ア 健康
(ア) ねらい
① 明るく伸び伸びと行動し、充実感を味わう。
② 自分の体を十分に動かし、進んで運動しようとする。
③ 健康、安全な生活に必要な習慣や態度を身に付け、見通しをもって行動する。

イ 人間関係
(ア) ねらい
① 保育所の生活を楽しみ、自分の力で行動することの充実感を味わう。
② 身近な人と親しみ、関わりを深め、工夫したり、協力したりして一緒に活動する楽しさを味わい、愛情や信頼感をもつ。
③ 社会生活における望ましい習慣や態度を身に付ける。

ウ 環境
(ア) ねらい
① 身近な環境に親しみ、自然と触れ合う中で様々な事象に興味や関心をもつ。
② 身近な環境に自分から関わり、発見を楽しんだり、考えたりし、それを生活に取り入れようとする。
③ 身近な事象を見たり、考えたり、扱ったりする中で、物の性質や数量、文字などに対する感覚を豊かにする。

エ 言葉
(ア) ねらい
① 自分の気持ちを言葉で表現する楽しさを味わう。
② 人の言葉や話などをよく聞き、自分の経験したことや考えたことを話し、伝え合う喜びを味わう。
③ 日常生活に必要な言葉が分かるようになるとともに、絵本や物語などに親しみ、言葉に対する感覚を豊かにし、保育士等や友達と心を通わせる。

オ 表現
(ア) ねらい
① いろいろなものの美しさなどに対する豊かな感性をもつ。
② 感じたことや考えたことを自分なりに表現して楽しむ。
③ 生活の中でイメージを豊かにし、様々な表現を楽しむ。
問5

次の文は、「保育所保育指針」第4章「子育て支援」の2「保育所を利用している保護者に対する子育て支援」の一部である。( A )~( E )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

・ 保育の( A )に対する保護者の積極的な参加は、保護者の( B )を自ら実践する力の向上に寄与することから、これを促すこと。

・ 保護者の就労と子育ての両立等を支援するため、保護者の多様化した保育の需要に応じ、( C )事業など多様な事業を実施する場合には、保護者の状況に配慮するとともに、子どもの( D )が尊重されるよう努め、子どもの( E )を考慮すること。

 

(組み合わせ)
A B C D E
1 活動 子育て 病児保育 福祉 生活の連続性
2 活動 子育て 病児保育 最善の利益 心身の状態
3 活動 教育 休日保育 最善の利益 生活の連続性
4 行事 教育 休日保育 最善の利益 心身の状態
5 行事 子育て 休日保育 福祉 生活の連続性

 

正解は1
「保育所保育指針」第4章「子育て支援」2「保育所を利用している保護者に対する子育て支援」(1)「保護者との相互理解」イと、同(2)「保護者の状況に配慮した個別の支援」アにより、以下の通りです。

A:活動

B:子育て

C:病児保育

D:福祉

E:生活の連続性

保育所における保護者に対する子育て支援は、子どもの最善の利益を念頭に置きながら、保育と密接に関連して展開されることを理解しなければなりません。


保育所保育指針より抜粋
第4章 子育て支援
2 保育所を利用している保護者に対する子育て支援

(1) 保護者との相互理解
ア 日常の保育に関連した様々な機会を活用し子どもの日々の様子の伝達や収集、保育所保育の意図の説明などを通じて、保護者との相互理解を図るよう努めること。
イ 保育の活動に対する保護者の積極的な参加は、保護者の子育てを自ら実践する力の向上に寄与することから、これを促すこと。

(2) 保護者の状況に配慮した個別の支援
ア 保護者の就労と子育ての両立等を支援するため、保護者の多様化した保育の需要に応じ、病児保育事業など多様な事業を実施する場合には、保護者の状況に配慮するとともに、子どもの福祉が尊重されるよう努め、子どもの生活の連続性を考慮すること。
イ 子どもに障害や発達上の課題が見られる場合には、市町村や関係機関と連携及び協力を図りつつ、保護者に対する個別の支援を行うよう努めること。
ウ 外国籍家庭など、特別な配慮を必要とする家庭の場合には、状況等に応じて個別の支援を行うよう努めること。
問6

次の【Ⅰ群】の記述と、【Ⅱ群】の事項を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】
  1. A 豊田芙雄は、日本初の保姆となり、松野クララとともにフレーベル主義の保育を展開した。
  2. B 赤沢鍾美によって設立された私塾で、託児施設が設置されていた。
  3. C 橋詰良一は、露天保育を提唱し、自然の中で子どもたちを自由に遊ばせるために、自動車で郊外に連れ出して保育を行った。
  4. D 野口幽香と森島峰(美根)が寄付を募り、1900 年に設立した施設で、貧しい家庭の子どもたちを対象にフレーベルの精神を基本とする保育を行った。
【Ⅱ群】
  1. ア 二葉幼稚園
  2. イ 子守学校
  3. ウ 家なき幼稚園
  4. エ 新潟静修学校
  5. オ 東京女子師範学校附属幼稚園

 

(組み合わせ)
A B C D
1
2
3
4
5
正解は5
A オ 豊田芙雄は東京女子師範学校附属幼稚園で日本初の保姆になりました。

B エ 赤沢鍾美・仲子夫妻は日本初の託児所である新潟静修学校を創設しました。後の守孤扶独幼稚児保護会です。

C ウ 橋詰良一は1922(大正11)年、園舎を持たず、野外で行う保育を特徴とする家なき幼稚園を創設しました。

D ア 野口幽香と森島峰は1900(明治33)年、二葉幼稚園(後の二葉保育園)を創設しました。
問7

次の文は、ルソー(Rousseau, J.-J.)についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 『人間不平等起源論』(1755 年)や『社会契約論』(1762 年)を著した。
  2. B 『エミール』(1762 年)では、人間は、自然、事物、人間という3種類の先生によって教育されるとし、これら3者のうちで人間の力ではどうすることもできないのは「自然の教育」であるため、優れた教育のためには「人間の教育」と「事物の教育」を「自然の教育」に合わせなければならないと主張した。
  3. C 『エミール』(1762 年)では、人間の心は、その誕生の段階において、いかなる観念や原理も書き込まれていないまっさらな白紙の状態にあるとし、そのため教育が与える影響が大きいと主張した。
  4. D 『エミール』(1762 年)の中で示された、「美徳や真理を教えることではなく、心を不徳から、精神を誤謬(ごびゅう)からまもる」教育の考え方は「消極教育」と呼ばれ、子どもの内発的な力を重視する教育の源流となった考え方である。

 

(組み合わせ)
A B C D
1
2 ×
3 × ×
4 × × ×
5 × × ×
正解は2
A:〇 『人間不平等起源論』(1755年)、『社会契約論』(1762年)はルソーの著作物です。

B:〇 『エミール』(1762年)は、ある家庭教師がエミールという男児を誕生から結婚まで導く架空の物語で、ルソーの教育観が示された著作物です。子どもの発達段階に応じた教育を示したことから、ルソーは、「子どもの発見者」と呼ばれました。

C:× 記述は、ロック(Lock,J.)の業績です。ロックは、「人間は白紙の状態で生まれてくる。その白紙に文字を書き込むのがある」とし、白紙説を唱えました。

D:〇 「消極教育」は、大人が直接教え込むことを否定し、子どもが自ら必要な体験を積むことができるよう環境を整えるなど、間接的に援助する教育法です。
問8

次の【Ⅰ群】の記述と、【Ⅱ群】の人名を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】
  1. A スイスの心理学者で、子どもと大人の思考構造の違いを研究し、子どもの思考の特徴として、自己中心性に基づく見方や考え方をあげた。
  2. B アメリカの哲学者、教育思想家で、主著『学校と社会』(1899 年)において、子どもを中心とする教育への変革の必要性をコペルニクスにたとえて主張した。
  3. C アメリカの婦人宣教師で、神戸の頌栄(しょうえい)幼稚園、頌栄保姆伝習所の創立者となり、フレーベル保育理論の普及に力を注いだ。
  4. D アメリカの進歩主義的保育を代表する指導者で、形式化したフレーベル主義を批判し、のちに自身の名前が付けられる大型積み木を考案した。
【Ⅱ群】
  1. ア ピアジェ(Piaget, J.)
  2. イ デューイ(Dewey, J.)
  3. ウ ハウ(Howe, A.L.)
  4. エ ヒル(Hill, P.S.)
  5. オ エリクソン(Erikson, E.H.)

 

(組み合わせ)
A B C D
1
2
3
4
5
正解は1
A:ア ピアジェは、幼児の自己中心性について、あらゆるものに生命があると考える「アニミズム」や、あらゆるものがこの世に実在すると考える「実在論」、あらゆるものを人間がすべて作ったと考える「人工論」といった傾向があることを示しました。

B:イ デューイは、教育学は化学や物理学と並ぶ一つの実験科学であるとし、1896年にシカゴ大学に実験学校を設置しました。その教育報告としてまとめられたものが『学校と社会』です。

C:ウ ハウは、キリスト教主義幼稚園の設立を望んだ摂津第一公会(現・日本基督教団神戸教会)の婦人たちの要請によりアメリカから派遣され、1889(明治22)年に頌栄幼稚園及び頌栄保姆伝習所を設立しました。

D:エ ヒルは、デューイの影響を受け、アメリカ進歩主義的保育を説いた研究者の一人で、幼児教育プログラムの改善・向上に尽力した人物です。Ⅱ群オのエリクソンは、心理社会的発達理論において人の発達を8つの段階に区分し、それぞれの段階で遂行されるべき発達課題があると説いた人物です。
問9

次の保育所での1歳児クラスの【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】

Kちゃんは登園の際、いつも大人の手のひらほどの小さな白いあひるのぬいぐるみを持っている。母親は家を出るときに、「保育園にはおうちの物は持って行ってはだめなんだよ。あひるさんはおうちにおいていこう。」とKちゃんに伝えている。だが、Kちゃんは受け入れられない。 登園して支度が終わり、母親が保育室を出るときになっても、Kちゃんは手に持つぬいぐるみを離すことはできない。母親が無理にぬいぐるみを離そうとすると、Kちゃんは大泣きしてしまう。結局Kちゃんは、ぬいぐるみをそのまま保育室に持ち込む日が続く。食事や遊びの際、ぬいぐるみを離せそうなときは、保育士がエプロンのポケットに預かることもあるが、預かろうとすると頑なに首を振り、そのまま手に持って過ごしている日もある。

【設問】

「保育所保育指針」第1章「総則」、第2章「保育の内容」に照らし、保育士のKちゃんへの対応として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

 

  1. A クラスの他児は、家から玩具などを持ってきていない。不平等になるため、今後は朝の登園の際にぬいぐるみは必ず保育士が預かり、Kちゃんが求めても降園まで渡さないようにする。
  2. B Kちゃんの母親に、家を出るときにぬいぐるみを持たせないようにお願いする。
  3. C Kちゃんがぬいぐるみを持つことで安心するのであれば、Kちゃんのぬいぐるみを持っていたい気持ちを受け入れる。
  4. D 今すぐにKちゃんからぬいぐるみを離すのではなく、ぬいぐるみがなくても楽しく遊んで過ごせるように努めていく。
  5. E 園のルールとしておうちの物は持ってきてはいけないことを、Kちゃんがわかるまで繰り返し言葉で伝える。

 

(組み合わせ)
A B C D E
1 × ×
2 × × ×
3 × ×
4 × ×
5 × × ×
正解は5
A:× 他児と比較することなく、子どもの個別性を尊重しつつ、一人ひとりの状況に応じた対応をすることが求められます。他児に対して、不平等だからと、子どもの意志に反し保育士がぬいぐるみを預かるのは不適切です。

B:× 母親も家を出る前には、Kちゃんにぬいぐるみを持って行ってはいけない、と言い聞かせていることを汲み取り、困っている母親と一緒に対応を考えることが求められます。母親一方にお願いをするのは不適切です。

C:〇 保育士が子どもの気持ちを尊重し、受け止めることによって、こどもは安心感や信頼感をもって活動できるようになるため、適切な対応です。

D:〇 子どもの育ちの姿はさまざまです。保育士はまずそれを受け止め、子どもの主体性を尊重しながら家庭から持ち込まれる愛用品以外の対象に興味が広がるよう、対応していくことが重要です。

E:× ぬいぐるみを保育園に持ってこなくても安心できるような、Kちゃん本人が納得できる対応が求められます。ルールを一方的に押しつけようとするのは不適切です。
問10

次の保育所での【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】

1歳児クラスの担当保育士が、最近の子どもたちの食事の様子について話をしている。その中で、特にH児について担当のX保育士(以下X)が悩みを語り、Z保育士(以下Z)が一緒に考えている。

 

  1. X:Hちゃんの野菜嫌いは相当です。先日も、野菜を食べるのを嫌がって大泣きしました。その時は椅子からどうしても降りるといって食事を一時中断したほどです。食事中に室内を歩き回って、テーブルに戻ってきてまた一口食べる、というような状況もあります。食事だけでなく自分が嫌なことに対しては激しく怒ったり泣いたりします。
  2. Z:たしか、ご両親は外国籍の方だったわね。家ではどんな食事をしているのかしら。お迎えの時にでも様子を聞いてみたらどうかしら。
  3. X:はい。この間食事についてお話ししたところ、家ではスープや茹で卵を食べることが多いようです。スープはレトルトのようで、歯ごたえのあるものはほとんど食べさせていないようでした。「野菜はどうですか?」と聞いてみたら「スープの中に入っているから大丈夫」と言っていました。少しずついろいろなものを食べさせるようにと伝えてはいるのですが、なかなかうまくいきません。
  4. Z:それぞれの国の子育て文化も違うから、よく聞いてみて、これからどう関わったらよいか考え ていきましょう。
【設問】

H児やその保護者への保育所の対応として、「保育所保育指針」第1章「総則」の1「保育所保育に関する基本原則」(3)「保育の方法」、第2章「保育の内容」4「保育の実施に関して留意すべき事項」、第3章「健康及び安全」の2「食育の推進」に照らし、適切な記述を○、不適切な記述を× とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

 

  1. A H児の保護者は、1歳児にふさわしい食事について理解できていない。そこで、このままでは栄養や味覚が偏り食事のマナーも身につかないことを理解してもらう必要があるため、家庭での食事のとり方や内容について、繰り返し粘り強く説得する。
  2. B H児は日本語の理解が十分でないために、保育所生活に対して不安があるのかもしれない。そこで食事についてだけでなく、生活全体をもう一度見直し、H児が安心した生活を送れるようにすることから始める。
  3. C 現状ではH児の食事に時間がかかることを前提として、食事の開始時間を考え、担当保育士が余裕をもって食事に関われるように保育士同士が協力し合って柔軟な体制を整える。
  4. D H児の食事の内容やマナーについて、日本での考え方を一方的に押し付けないためにも、両親の母国ではどのようなことが一般に行われ考えられているのか、ゆっくり時間をとって話を聞く。

 

(組み合わせ)
A B C D
1 × ×
2 × ×
3 ×
4 × ×
5 × ×
正解は3
A:× 外国籍家庭などの特別な配慮を必要とする家庭の場合には、状況に応じて個別の支援に努めることとされています。言葉や食事の違いから社会的困難を抱えていることを想定し、丁寧な対応が求められます。食事のマナー等を理解してもらうまで強く説得するのは不適切です。

B:〇 子どもが慣れない場所できちんと摂食できるようになるには、安心感をもちながら落ち着いて過ごせるよう、配慮の行き届いた環境を整えることが重要です。食事以前に、生活全体を見直し、H児が安心した生活を送れるようにする対応は適切です。

C:〇 子どもは、心身の状態や発達の面で環境からの影響を特に受けやすい時期であることから、柔軟な対応が求められます。余裕をもってH児にかかわることができる体制を整える対応は、適切です。

D:〇 保育士は、自らの感性や価値観を振り返りながら子どもや家庭の多様性を十分に認識し、それらを積極的に認め、互いに尊重し合える雰囲気を作り出すこととに努めることが求められます。H児の国の文化を理解し、尊重するために、保護者から話を聞く対応は、適切です。


保育所保育指針より抜粋
第1章 総則
1 保育所保育に関する基本原則
(3) 保育の方法
保育の目標を達成するために、保育士等は、次の事項に留意して保育しなければならない。
ア 一人一人の子どもの状況や家庭及び地域社会での生活の実態を把握するとともに、子どもが安心感と信頼感をもって活動できるよう、子どもの主体としての思いや願いを受け止めること。
イ 子どもの生活のリズムを大切にし、健康、安全で情緒の安定した生活ができる環境や、自己を十分に発揮できる環境を整えること。
ウ 子どもの発達について理解し、一人一人の発達過程に応じて保育すること。その際、子どもの個人差に十分配慮すること。
エ 子ども相互の関係づくりや互いに尊重する心を大切にし、集団における活動を効果あるものにするよう援助すること。
オ 子どもが自発的・意欲的に関われるような環境を構成し、子どもの主体的な活動や子ども相互の関わりを大切にすること。特に、乳幼児期にふさわしい体験が得られるように、生活や遊びを通して総合的に保育すること。
カ 一人一人の保護者の状況やその意向を理解、受容し、それぞれの親子関係や家庭生活等に配慮しながら、様々な機会をとらえ、適切に援助すること。

第2章 保育の内容
4 保育の実施に関して留意すべき事項
(1) 保育全般に関わる配慮事項
ア 子どもの心身の発達及び活動の実態などの個人差を踏まえるとともに、一人一人の子どもの気持ちを受け止め、援助すること。
イ 子どもの健康は、生理的・身体的な育ちとともに、自主性や社会性、豊かな感性の育ちとがあいまってもたらされることに留意すること。
ウ 子どもが自ら周囲に働きかけ、試行錯誤しつつ自分の力で行う活動を見守りながら、適切に援助すること。
エ 子どもの入所時の保育に当たっては、できるだけ個別的に対応し、子どもが安定感を得て、次第に保育所の生活になじんでいくようにするとともに、既に入所している子どもに不安や動揺を与えないようにすること。
オ 子どもの国籍や文化の違いを認め、互いに尊重する心を育てるようにすること。
カ 子どもの性差や個人差にも留意しつつ、性別などによる固定的な意識を植え付けることがないようにすること。

(2) 小学校との連携
ア 保育所においては、保育所保育が、小学校以降の生活や学習の基盤の育成につながることに配慮し、幼児期にふさわしい生活を通じて、創造的な思考や主体的な生活態度などの基礎を培うようにすること。
イ 保育所保育において育まれた資質・能力を踏まえ、小学校教育が円滑に行われるよう、小学校教師との意見交換や合同の研究の機会などを設け、第1章の4の(2)に示す「幼児期の終わりまでに育って欲しい姿」を共有するなど連携を図り、保育所保育と小学校教育との円滑な接続を図るよう努めること。
ウ 子どもに関する情報共有に関して、保育所に入所している子どもの就学に際し、市町村の支援の下に、子どもの育ちを支えるための資料が保育所から小学校へ送付されるようにすること。

(3) 家庭及び地域社会との連携
子どもの生活の連続性を踏まえ、家庭及び地域社会と連携して保育が展開されるよう配慮すること。その際、家庭や地域の機関及び団体の協力を得て、地域の自然、高齢者や異年齢の子ども等を含む人材、行事、施設等の地域の資源を積極的に活用し、豊かな生活体験をはじめ保育内容の充実が図られるよう配慮すること。

第3章 健康及び安全
2 食育の推進
(1) 保育所の特性を生かした食育
ア 保育所における食育は、健康な生活の基本としての「食を営む力」の育成に向け、その基礎を培うことを目標とすること。
イ 子どもが生活と遊びの中で、意欲をもって食に関わる体験を積み重ね、食べることを楽しみ、食事を楽しみ合う子どもに成長していくことを期待するものであること。
ウ 乳幼児期にふさわしい食生活が展開され、適切な援助が行われるよう、食事の提供を含む食育計画を全体的な計画に基づいて作成し、その評価及び改善に努めること。栄養士が配置されている場合は、専門性を生かした対応を図ること。

(2) 食育の環境の整備等
ア 子どもが自らの感覚や体験を通して、自然の恵みとしての食材や食の循環・環境への意識、調理する人への感謝の気持ちが育つように、子どもと調理員等との関わりや、調理室など食に関わる保育環境に配慮すること。
イ 保護者や地域の多様な関係者との連携及び協働の下で、食に関する取組が進められること。また、市町村の支援の下に、地域の関係機関等との日常的な連携を図り、必要な協力が得られるよう努めること。
ウ 体調不良、食物アレルギー、障害のある子どもなど、一人一人の子どもの心身の状態等に応じ、嘱託医、かかりつけ医等の指示や協力の下に適切に対応すること。栄養士が配置されている場合は、専門性を生かした対応を図ること。
問11

次の表は、「保育所保育指針」第1章「総則」の2「養護に関する基本的事項」(2)「養護に関わるねらい及び内容」の一部である。( A )~( E )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【語群】
  • ア 健康増進
  • イ 安心感
  • ウ 主体
  • エ 肯定
  • オ 活発
  • カ 人
  • キ 安全
  • ク 成長発達
  • ケ 安定感
  • コ 受容

 

(組み合わせ)
A B C D E
1
2
3
4
5

 

 

正解は4
「保育所保育指針」第1章「総則」2「養護に関する基本的事項」(2)「養護に関わるねらい及び内容」ア「生命の保持」(ア)「ねらい」②、④また同イ「情緒の安定」(ア)「ねらい」①、③より、以下の通りです。

Aーキ:安全

Bーア:健康増進

Cーケ:安定感

Dーウ:主体

Eーエ:肯定

「養護に関わるねらい及び内容」は、同1「保育所保育に関する基本原則」(2)「保育の目標」ア(ア)の「十分に養護の行き届いた環境の下に、くつろいだ雰囲気の中で子どもの様々な欲求を満たし、生命の保持及び情緒の安定を図ること」を具体化したものです。


保育所保育指針より抜粋
第1章 総則
2 養護に関する基本的事項
(2) 養護に関わるねらい及び内容

ア 生命の保持
(ア) ねらい
① 一人一人の子どもが、快適に生活できるようにする。
② 一人一人の子どもが、健康で安全に過ごせるようにする。
③ 一人一人の子どもの生理的欲求が、十分に満たされるようにする。
④ 一人一人の子どもの健康増進が、積極的に図られるようにする。

イ 情緒の安定
(ア) ねらい
① 一人一人の子どもが、安定感をもって過ごせるようにする。
② 一人一人の子どもが、自分の気持ちを安心して表すことができるようにする。
③ 一人一人の子どもが、周囲から主体として受け止められ、主体として育ち、自分を肯定する気持ちが育まれていくようにする。
④ 一人一人の子どもがくつろいで共に過ごし、心身の疲れが癒されるようにする。
問12

次の文は、「保育所保育指針」第1章「総則」の3「保育の計画及び評価」(4)「保育内容等の評価」の一部である。( A )∼( E )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. ・ 保育所は、保育の( A )を図るため、保育の計画の展開や保育士等の自己評価を踏まえ、当該保育所の( B )等について、自ら評価を行い、その結果を( C )するよう努めなければならない。
  2. ・ 保育所が自己評価を行うに当たっては、( D )や保育所の実態に即して、適切に評価の観点や項目等を設定し、全職員による( E )をもって取り組むよう留意すること。

 

(組み合わせ)
A B C D E
1 質の向上 保育の内容 公表 地域の実情 共通理解
2 質の向上 保育の実践 公表 地域の実情 協働性
3 内容の改善 保育の実践 報告 地域の実情 協働性
4 内容の改善 保育の内容 報告 保護者の意見 共通理解
5 内容の改善 保育の内容 公表 保護者の意見 協働性
正解は1
・保育所は、保育の(A質の向上)を図るため、保育の計画の展開や保育士等の自己評価を踏まえ、当該保育所の(B保育の内容)等について、自ら評価を行い、その結果を(C公表)するよう努めなければならない。

・保育所が自己評価を行うに当たっては、(D地域の実情)や保育所の実態に即して、適切に評価の観点や項目等を設定し、全職員による(E共通理解)をもって取り組むよう留意すること。

「保育所保育指針」第1章「総則」の3「保育の計画及び評価」(4)「保育内容等の評価」 参照


保育所保育指針より抜粋
第1章 総則
3 保育の計画及び評価
(4) 保育内容等の評価

ア 保育士等の自己評価
(ア) 保育士等は、保育の計画や保育の記録を通して、自らの保育実践を振り返り、自己評価することを通して、その専門性の向上や保育実践の改善に努めなければならない。
(イ) 保育士等による自己評価に当たっては、子どもの活動内容やその結果だけでなく、子どもの心の育ちや意欲、取り組む過程などにも十分配慮するよう留意すること。
(ウ) 保育士等は、自己評価における自らの保育実践の振り返りや職員相互の話し合い等を通じて、専門性の向上及び保育の質の向上のための課題を明確にするとともに、保育所全体の保育の内容に関する認識を深めること。

イ 保育所の自己評価
(ア) 保育所は、保育の質の向上を図るため、保育の計画の展開や保育士等の自己評価を踏まえ、当該保育所の保育の内容等について、自ら評価を行い、その結果を公表するよう努めなければならない。
(イ) 保育所が自己評価を行うに当たっては、地域の実情や保育所の実態に即して、適切に評価の観点や項目等を設定し、全職員による共通理解をもって取り組むよう留意すること。
(ウ) 設備運営基準第36条の趣旨を踏まえ、保育の内容等の評価に関し、保護者及び地域住民等の意見を聴くことが望ましいこと。
問13

次の文は、「保育所保育指針」第2章「保育の内容」に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 第2章「保育の内容」には、「ねらい」「内容」「内容の取扱い」が記載されている。
  2. B 「乳児保育に関わるねらい及び内容」は、五つの領域ではなく、身体的発達に関する視点、社会的発達に関する視点の二つの視点で示されている。
  3. C 「1歳以上3歳未満児の保育に関わるねらい及び内容」は、五つの領域で示されている。
  4. D 「1歳以上3歳未満児の保育に関わるねらい及び内容」における「ねらい」「内容」の記載は、 「3歳以上児の保育に関するねらい及び内容」における「ねらい」「内容」と同一である。
  5. E 第2章「保育の内容」には、「基本的事項」が記載されており、そこでは、それぞれの時期における発達的特徴が記載されている。

 

(組み合わせ)
A B C D E
1 ×
2 ×
3 × ×
4 × ×
5 × × × ×
正解は3
A:〇 第2章「保育の内容」は、「乳児」「1歳以上3歳未満児」「3歳以上児」に区分されて示され、それぞれに「ねらい」「内容」「内容の取扱い」のほか、「基本的事項」「配慮事項」も記載されています。

B:× 正しくは、身体的発達に関する視点、社会的発達に関する視点に加え、精神的発達に関する視点の3つの視点である。(①身体的発達に関する視点「健やかに伸び伸びと育つ」 ②社会的発達に関する視点「身近な人と気持ちが通じ合う」 ③精神的発達に関する視点「身近なものと関わり感性が育つ」

C:〇 「1歳以上3歳未満児」において示されている5領域とは、「健康」「人間関係」「環境」「言葉」「表現」です。

D:× 「1歳以上3歳未満児」と「3歳以上児」は、5領域(「健康」「人間関係」「環境」「言葉」「表現」)は共通していますが、各領域の「ねらい」「内容」の記載は、各時期の発達に沿ったものとなっており、同一ではありません。

E:〇 各時期の発達の特徴や道筋等を示したものが「基本的事項」で、就学前の子どもの発達過程を「乳児」「1歳以上3歳未満児」「3歳以上児」の3つに区分して述べています。
問14

次の文は、「保育所保育指針」第2章「保育の内容」の3「3歳以上児の保育に関するねらい及び内容」の一部である。( A )~( D )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

子どもが、( A )の中で周囲の環境と関わり、次第に周囲の世界に好奇心を抱き、その意味や操作 の仕方に関心をもち、( B )の法則性に気付き、自分なりに考えることができるようになる( C )を大切にすること。また、他の子どもの( D )などに触れて新しい( D )を生み出す喜びや楽しさを味わい、自分の( D )をよりよいものにしようとする気持ちが育つようにすること。

 

(組み合わせ)
A B C D
1 生活 自然 活動 表現
2 遊び 自然 活動 考え
3 生活 自然 過程 表現
4 遊び 物事 過程 表現
5 遊び 物事 過程 考え
正解は5
「保育所保育指針」第2章「保育の内容」3「3歳以上児の保育に関するねらい及び内容」(2)「ねらい及び内容」ウ「環境」(ウ)「内容の取扱い」①より、以下の通りとなります。

A 遊び

B 物事

C 過程

D 考え

子どもは周囲の環境から特定の事柄を学ぼうと思って関わるのではなく、純粋に楽しんだり、何かを知りたいという気持ちから関わります。そのため、保育士は子どもが自分から環境に関わる姿を大切にするとともに、場や物の配置を工夫したり、いっしょにやってみたりして、子どもが互いの考えに触れることができるような環境を構成することが大切です。


保育所保育指針より抜粋
第2章 保育の内容
3 3歳以上児の保育に関するねらい及び内容
(2) ねらい及び内容
ウ 環境

(ウ) 内容の取扱い
① 子どもが、遊びの中で周囲の環境と関わり、次第に周囲の世界に好奇心を抱き、その意味や操作の仕方に関心をもち、物事の法則性に気付き、自分なりに考えることができるようになる過程を大切にすること。また、他の子どもの考えなどに触れて新しい考えを生み出す喜びや楽しさを味わい、自分の考えをよりよいものにしようとする気持ちが育つようにすること。
問15

次の文は、「保育所保育指針」第2章「保育の内容」の4「保育の実施に関して留意すべき事項」(2)「小学校との連携」の一部である。次の文の(a)~(d)の下線部分が正しい記述を○、誤った記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

・ 保育所においては、保育所保育が、小学校以降の生活や学習の基盤の育成につながることに配慮し、幼児期に (a)育ってほしい姿を通じて、(b)創造的な思考(c)主体的な生活態度などの基礎を培うようにすること。

・ 子どもに関する( d)情報共有に関して、保育所に入所している子どもの就学に際し、市町村の支援の下に、子どもの育ちを支えるための資料が保育所から小学校へ送付されるようにすること。

 

(組み合わせ)
a b c d
1 ×
2 × ×
3 ×
4 × × ×
5 × × ×
正解は3
「保育所保育指針」第2章「保育の内容」4「保育の実施に関して留意すべき事項」(2)「小学校との連携」ア、ウより、以下の通りとなります。

a:× 正しくは、「ふさわしい生活」です。

b:〇 記述の通りです。

c:〇 記述の通りです。

d:〇 記述の通りです。

「小1プログラム」というような問題も取りざたされているが、子どもの発達や学びは連続しており、保育所から小学校への移行を円滑にすることで回避できる問題です。
しかし、それは保育所が小学校教育の先取りをすることではありません。保育所での遊びを中心に子どもの生活が充実し、様々な環境に主体的に関わり、その過程を通じて友達や保育士等との関わりを豊かにしていきます。このような保育所保育の目的を明確にし、生活を通じて生きる力の基盤を育むことによって、小学校との接続をより確かなものとしていきます。


保育所保育指針より抜粋
第2章 保育の内容
4 保育の実施に関して留意すべき事項
(2) 小学校との連携

ア 保育所においては、保育所保育が、小学校以降の生活や学習の基盤の育成につながることに配慮し、幼児期にふさわしい生活を通じて、創造的な思考や主体的な生活態度などの基礎を培うようにすること。

イ 保育所保育において育まれた資質・能力を踏まえ、小学校教育が円滑に行われるよう、小学校教師との意見交換や合同の研究の機会などを設け、第1章の4の(2)に示す「幼児期の終わりまでに育って欲しい姿」を共有するなど連携を図り、保育所保育と小学校教育との円滑な接続を図るよう努めること。

ウ 子どもに関する情報共有に関して、保育所に入所している子どもの就学に際し、市町村の支援の下に、子どもの育ちを支えるための資料が保育所から小学校へ送付されるようにすること。
問16

次の文は、「保育所保育指針」第2章「保育の内容」の4「保育の実施に関して留意すべき事項」の一部である。( A )~( E )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

・ 子どもの( A )の保育に当たっては、できるだけ( B )に対応し、子どもが安定感を得て、次第に保育所の( C )になじんでいくようにするとともに、既に入所している子どもに不安や動揺を与えないようにすること。

・ 子どもの( D )の違いを認め、互いに尊重する心を育てるようにすること。

・ 子どもの( E )や個人差にも留意しつつ、性別などによる固定的な意識を植え付けることがないようにすること。

 

(組み合わせ)
A B C D E
1 入所時 応答的 生活 国籍や文化 性格
2 移行期 個別的 環境 伝統や習慣 性格
3 入所時 応答的 環境 国籍や文化 性差
4 入所時 個別的 生活 国籍や文化 性差
5 移行期 応答的 環境 伝統や習慣 性格
正解は4
・ 子どもの( A:入所時 )の保育に当たっては、できるだけ( B:個別的 )に対応し、子どもが安定感を得て、次第に保育所の( C:生活 )になじんでいくようにするとともに、既に入所している子どもに不安や動揺を与えないようにすること。
・ 子どもの( D:国籍や文化 )の違いを認め、互いに尊重する心を育てるようにすること。
・ 子どもの( E:性差 )や個人差にも留意しつつ、性別などによる固定的な意識を植え付けることがないようにすること。


保育所保育指針より抜粋
第2章 保育の内容
4 保育の実施に関して留意すべき事項
(1) 保育全般に関わる配慮事項

ア 子どもの心身の発達及び活動の実態などの個人差を踏まえるとともに、一人一人の子どもの気持ちを受け止め、援助すること。

イ 子どもの健康は、生理的・身体的な育ちとともに、自主性や社会性、豊かな感性の育ちとがあいまってもたらされることに留意すること。

ウ 子どもが自ら周囲に働きかけ、試行錯誤しつつ自分の力で行う活動を見守りながら、適切に援助すること。

エ 子どもの入所時の保育に当たっては、できるだけ個別的に対応し、子どもが安定感を得て、次第に保育所の生活になじんでいくようにするとともに、既に入所している子どもに不安や動揺を与えないようにすること。

オ 子どもの国籍や文化の違いを認め、互いに尊重する心を育てるようにすること。

カ 子どもの性差や個人差にも留意しつつ、性別などによる固定的な意識を植え付けることがないようにすること。
問17

次の文は、「保育所保育指針」第5章「職員の資質向上」の一部である。( A )~( E )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

保育所においては、保育の内容等に関する( A )等を通じて把握した、保育の質の向上に向けた課題に( B )対応するため、( C )の改善や保育士等の役割分担の見直し等に取り組むとともに、それぞれの( D )や職務内容等に応じて、各職員が必要な知識及び( E )を身につけられるよう努めなければならない。

 

(組み合わせ)
A B C D E
1 自己評価 柔軟に 保育内容 能力 技能
2 研修 組織的に 保育方法 職位 技術
3 自己評価 組織的に 保育方法 職位 技術
4 研修 柔軟に 保育内容 能力 技術
5 自己評価 組織的に 保育内容 職位 技能
正解は5
保育所においては、保育の内容等に関する( A 自己評価 )等を通じて把握した、保育の質の向上に向けた課題に( B 組織的に )対応するため、( C 保育内容 )の改善や保育士等の役割分担の見直し等に取り組むとともに、それぞれの( D 職位 )や職務内容等に応じて、各職員が必要な知識及び( E 技能 )を身につけられるよう努めなければならない。
「保育所保育指針」第5章「職員の資質向上」参照。


保育所保育指針より抜粋

第5章 職員の資質向上
1 職員の資質向上に関する基本的事項

(1) 保育所職員に求められる専門性
子どもの最善の利益を考慮し、人権に配慮した保育を行うためには、職員一人一人の倫理観、人間性並びに保育所職員としての職務及び責任の理解と自覚が基盤となる。
各職員は、自己評価に基づく課題等を踏まえ、保育所内外の研修等を通じて、保育士・看護師・調理員・栄養士等、それぞれの職務内容に応じた専門性を高めるため、必要な知識及び技術の修得、維持及び向上に努めなければならない。

(2) 保育の質の向上に向けた組織的な取組
保育所においては、保育の内容等に関する自己評価等を通じて把握した、保育の質の向上に向けた課題に組織的に対応するため、保育内容の改善や保育士等の役割分担の見直し等に取り組むとともに、それぞれの職位や職務内容等に応じて、各職員が必要な知識及び技能を身につけられるよう努めなければならない。
問18

次の保育所での【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】

4月に入所してきた5歳児クラスのY児は、製作遊びや絵を描くことに戸惑いや自信のなさがみられる。Y児は入所当初から着替えなどが自分一人でできないので、保護者には生活習慣面の自立が課題であることを話していた。しかし、母親は「Yちゃん、こう言うのよ」「Yちゃん、次はこうするのよ」などY児の判断と行動を先回りする傾向があった。Y児は母親と離れた保育所の生活で、保育士や友だちの援助のもとに少しずつ自分で自分のことができるようになり、課題活動に取り組もうとする意欲も出てきた。 ある朝、空き箱製作のためにY児は家から空き箱をたくさん持ってきた。担当保育士は感謝し、Y児に大・中・小の大きさ別にして段ボール箱に入れるように伝えた。Y児は分類を始めたが、大きい箱か小さい箱か自分で決められず何度も保育士に聞きにくる。段ボール箱が一杯になりあふれそうになると、Y児はどうしてよいかわからず戸惑っていた。その様子を見ていた母親は、急いで保育室に入ってY児の代わりに自分で分類作業をし始めた。

【設問】

「保育所保育指針」第1章「総則」の1「保育所保育に関する基本原則」、第4章「子育て支援」に照らし、保育士の対応として適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

 

  1. A 入所するまで家庭でどのような生活を送ってきたのか、なぜ母親が先回りをするような接し方をするのかを理解しながら、子どもが自分で自分のことをしようとすることの大切さなど、保育所が育てようとしている内容について母親に伝える。
  2. B 母親に「もう5歳なのだから、手伝ってはいけません。手伝っているといつまでも自立できません」と厳しく伝え、すぐに保育室から出るように促す。
  3. C Y児に対して「もう5歳なのだから、手伝ってもらってはいけない」ことを知らせ、Y児自身が母親に対して「手伝わないでほしい」と言わなければならないと伝える。
  4. D 箱を自ら分類しようとする母親にさりげなく話しかけてその場から離し、Y児が戸惑いながらも自分で分類しようとする姿に目を向け、一緒にそのことを待ち、喜びあうようにする。
  5. E 保育士も母親の分類作業に参加しながら、Y児を誘い、Y児が自分で分類し始める姿に母親が気付くようにしていく。

 

(組み合わせ)
A B C D E
1 × ×
2 × ×
3 × ×
4 × × ×
5 × × ×
正解は3
A:〇 子どもの育歴や母親の行動を理解することは、子どもの育ちを支えるために欠かせません。母親を理解しようとしたうえで、子どもの保育において保育所の育てようとしている内容を伝え、理解を得るよう努める対応は適切です。

B:× 自分で考えて行動するという経験が自立するうえで大切である、ということを丁寧に伝え、母親に見守ってもらうような対応が必要であります。
一方的に、母親の行為を制止する対応は不適切です。

C:× 保育士が「手伝ってもらってはいけない」と言うのではなく、Y児自身が、自分でやるべきことであると気づくことができるような対応が必要です。また、保育士は、子どもの代弁者であることから、Y児に母親に「手伝わないでほしい」と伝えさせるのは不適切です。

D:〇 Y児が自分の力で分類する状況を作り、母親にY児の実践を見せることで、母親はY児に対する気づきや発見が得られます。また、母親と保育士が共に喜ぶことは、Y児の自信につながるため適切な対応です。

E:〇 Y児の意欲の芽生えに気付くことにより、自らの子育てに自信が持てるようになります。母親の行動を制することなく、気づきを与える環境設定は適切な対応です。
問19

次のA~Dの条約や宣言を年代順に並べた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。ただし、いずれも国際連盟または国際連合による総会での採択の年代順とする。

  1. A 児童の権利に関するジュネーブ宣言
  2. B 児童の権利に関する条約
  3. C 児童権利宣言
  4. D 世界人権宣言

 

(組み合わせ)
1 A→C→D→B
2 A→D→C→B
3 B→D→A→C
4 D→A→B→C
5 D→C→A→B

 

正解は2
以下により、これらを年代順に並べると、「A→D→C→B」となります。

A 「児童の権利に関するジュネーブ宣言」は、1924年、第一次世界大で多くの子どもが命を失ったことへの反省として、国際連盟で採択されました。前文と5つの条文からなります。

B 「児童の権利に関する条約」は、1989年の国連総会において採択され、日本は1994年に批准しました。18歳未満のすべての人の保護と基本的人権を国際的に保障、推進しており、「生きる権利」「育つ権利」「守られる権利」「参加する権利」の4つの柱からなります。

C 児童権利宣言は、1959年の国際総会で採択されました。子どもの人権を守るための宣言で、世界児童人権宣言、児童の権利に関する宣言ともいいます。国連憲章と世界人権宣言に基づくもので、前文と10か条から成ります。

D 世界人権宣言は、1948年の国連総会で採択された、人権及び自由を尊重し確保するために、「すべての人民とすべての国とが達成すべき共通の基準」を宣言しました。
問20

次の表は、認定こども園の数の推移を示したものである。この表の説明として不適切な記述を一つ選びなさい。

 

 

1 認定こども園の数は年々増加しており、平成 29 年4月の認定こども園の数は、平成 23 年4月の数の6倍以上に増加している。
2 認定こども園の数が前年と比較して最も増加したのは、平成 28 年4月である。
3 認定こども園の数は、公立よりも私立が多く、平成 29 年4月では、私立が公立の5倍近くになっている。
4 認定こども園の類型別の数では、幼保連携型が最も多く、幼稚園型、保育所型、地方裁量型と続く。
5 認定こども園の類型別の数では、幼保連携型が毎年の増加数が最も著しい。
正解は2
1:〇 記述通りです。平成30年4月の認定こども園の数は、6,160か所です。

2:× 平成27年4月です。認定こども園は、2006(平成18)年に制度化されたが、手続きの煩雑さなどから、設置数は伸び悩みました。しかし2015(平成27)年に始まった子ども・子育て支援新制度で、手続きが内閣府で一元化されると、急速に普及が進みました。

3:〇 記述通りです。

4:〇 記述通りです。

5:〇 記述通りです。
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