保育所保育指針 令和1年度(後期)
令和1年度(後期)保育実習理論
問1
次の文は、「保育所保育指針」第2章「保育の内容」3「3歳以上児の保育に関するねらい及び内容」(2)「ねらい及び内容」オ「表現」(ウ)「内容の取扱い」の一部である。( A )~( D )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
子どもの自己表現は( A )な形で行われることが多いので、保育士等はそのような表現を( B )し、子ども自身の表現しようとする( C )を受け止めて、子どもが生活の中で子どもらしい( D )な表現を楽しむことができるようにすること。
(組み合わせ)
A | B | C | D | |
1 | 自由 | 受容 | アイデア | 様々 |
2 | 素朴 | 受容 | 意欲 | 様々 |
3 | 自由 | 推奨 | 意欲 | 適切 |
4 | 素朴 | 推奨 | アイデア | 様々 |
5 | 素朴 | 推奨 | 意欲 | 適切 |
正解は2
問2
次の文は、「保育所保育指針」の第1章及び第2章の一部である。文中の( )の中に「遊び」という言葉を入れたとき、正しい記述となるものを○、誤った記述となるものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- A 保育所は、その目的を達成するために、保育に関する専門性を有する職員が、家庭との緊密な連携の下に、子どもの状況や発達過程を踏まえ、保育所における( )を通して、養護及び教育を一体的に行うことを特性としている。
- B 子どもが自発的・意欲的に関われるような環境を構成し、子どもの主体的な活動や子ども相互の関わりを大切にすること。特に、乳幼児期にふさわしい体験が得られるように、生活や( )を通して総合的に保育すること。
- C 障害のある子どもの保育については、一人一人の子どもの発達過程や障害の状態を把握し、適切な環境の下で、障害のある子どもが他の子どもとの( )を通して共に成長できるよう、指導計画の中に位置付けること。
- D 幼児期において自然のもつ意味は大きく、自然の大きさ、美しさ、不思議さなどに直接触れる( )を通して、子どもの心が安らぎ、豊かな感情、好奇心、思考力、表現力の基礎が培われることを踏まえ、子どもが自然との関わりを深めることができるよう工夫すること。
(組み合わせ)
A | B | C | D | |
1 | 〇 | × | 〇 | × |
2 | 〇 | × | × | 〇 |
3 | × | 〇 | 〇 | × |
4 | × | 〇 | × | × |
5 | × | × | 〇 | 〇 |
正解は4
A.× 「保育所は、その目的を達成するために、保育に関する専門性を有する職員が、家庭との緊密な連携の下に、子どもの状況や発達過程を踏まえ、保育所における(環境)を通して、養護及び教育を一体的に行うことを特性としている。」は、「保育所保育指針」第1章「総則」(以下「指針1章」)1「保育所保育に関する基本原則」(1)保育所の役割」イの文章です。
B.〇 「子どもが自発的・意欲的に関われるような環境を構成し、子どもの主体的な活動や子ども相互の関わりを大切にすること。特に、乳幼児期にふさわしい体験が得られるように、生活や(遊び)を通して総合的に保育すること。」は、「指針1章」1「保育所保育に関する基本原則」(3)「保育の方法」オの文章です。
C.× 「障害のある子どもの保育については、一人一人の子どもの発達過程や障害の状態を把握し、適切な環境の下で、障害のある子どもが他の子どもとの(生活)を通して共に成長できるよう、指導計画の中に位置付けること。」は、「指針1章」3「保育の計画及び評価」(2)「指導計画の作成」キの文章です。
D.× 「幼児期において自然のもつ意味は大きく、自然の大きさ、美しさ、不思議さなどに直接触れる(体験)を通して、子どもの心が安らぎ、豊かな感情、好奇心、思考力、表現力の基礎が培われることを踏まえ、子どもが自然との関わりを深めることができるよう工夫すること。」は、「保育所保育指針」第2章「保育の内容」3「3歳以上児の保育に関するねらい及び内容」(2)「ねらい及び内容」ウ「環境」(ウ)「内容の取扱い」②の文章です。
B.〇 「子どもが自発的・意欲的に関われるような環境を構成し、子どもの主体的な活動や子ども相互の関わりを大切にすること。特に、乳幼児期にふさわしい体験が得られるように、生活や(遊び)を通して総合的に保育すること。」は、「指針1章」1「保育所保育に関する基本原則」(3)「保育の方法」オの文章です。
C.× 「障害のある子どもの保育については、一人一人の子どもの発達過程や障害の状態を把握し、適切な環境の下で、障害のある子どもが他の子どもとの(生活)を通して共に成長できるよう、指導計画の中に位置付けること。」は、「指針1章」3「保育の計画及び評価」(2)「指導計画の作成」キの文章です。
D.× 「幼児期において自然のもつ意味は大きく、自然の大きさ、美しさ、不思議さなどに直接触れる(体験)を通して、子どもの心が安らぎ、豊かな感情、好奇心、思考力、表現力の基礎が培われることを踏まえ、子どもが自然との関わりを深めることができるよう工夫すること。」は、「保育所保育指針」第2章「保育の内容」3「3歳以上児の保育に関するねらい及び内容」(2)「ねらい及び内容」ウ「環境」(ウ)「内容の取扱い」②の文章です。
問3
次の文のうち、「保育所保育指針」の第4章「子育て支援」2「保育所を利用している保護者に対する子育て支援」の一部として、( a )~( d )の下線部分が、正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
保護者の就労と子育ての(a 両立等)を支援するため、保護者の(b 多様化)した保育の需要に応じ、病児保育事業など多様な事業を実施する場合には、保護者の状況に配慮するとともに、子どもの(c 主体性)が尊重されるよう努め、子どもの生活の(d 特殊性)を考慮すること。
(組み合わせ)
a | b | c | d | |
1 | 〇 | 〇 | 〇 | × |
2 | 〇 | 〇 | × | 〇 |
3 | 〇 | 〇 | × | × |
4 | × | × | 〇 | 〇 |
5 | × | × | 〇 | × |
正解は3
問題は、「保育所保育指針」第4章「子育て支援」2「保育所を利用している保護者に対する子育て支援」(2)「保護者の状況に配慮した個別の支援」アの文章です。
保護者の就労と子育ての(a 〇両立等)を支援するため、保護者の(b 〇多様化)した保育の需要に応じ、病児保育事業など多様な事業を実施する場合には、保護者の状況に配慮するとともに、子どもの(c ×主体性→〇福祉)が尊重されるよう努め、子どもの生活の(d ×特殊性→〇連続性)を考慮すること。
保護者の就労と子育ての(a 〇両立等)を支援するため、保護者の(b 〇多様化)した保育の需要に応じ、病児保育事業など多様な事業を実施する場合には、保護者の状況に配慮するとともに、子どもの(c ×主体性→〇福祉)が尊重されるよう努め、子どもの生活の(d ×特殊性→〇連続性)を考慮すること。
問4
次の文は、「保育所保育指針」第1章「総則」4「幼児教育を行う施設として共有すべき事項」(2)「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」の一部である。( A )・( B )にあてはまる記述をア~エから選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- ・ 身近な環境に主体的に関わり様々な活動を楽しむ中で、しなければならないことを自覚し、( A )
- ・ 友達と様々な体験を重ねる中で、してよいことや悪いことが分かり、( B )
- ア 自分の力で行うために考えたり、工夫したりしながら、諦めずにやり遂げることで達成感を味わい、自信をもって行動するようになる。
- イ 相手の気持ちを考えて関わり、自分が役に立つ喜びを感じ、地域に親しみをもつようになる。
- ウ 自分の行動を振り返ったり、友達の気持ちに共感したりし、相手の立場に立って行動するようになる。
- エ 共通の目的の実現に向けて、考えたり、工夫したり、協力したりし、充実感をもってやり遂げるようになる。
(組み合わせ)
A | B | |
1 | ア | イ |
2 | ア | ウ |
3 | イ | ウ |
4 | イ | エ |
5 | ウ | エ |
正解は2
A:ア
記述は、「保育所保育指針」第1章「総則」4「幼児教育を行う施設として共有すべき事項」(2)「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」イ「自立心」の文章です。
B:ウ
記述は、同エ「道徳性・規範意識の芽生え」の文章です。
保育所保育指針より抜粋
第1章 総則
4 幼児教育を行う施設として共有すべき事項
(2) 幼児期の終わりまでに育ってほしい姿
次に示す「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」は、第2章に示すねらい及び内容に基づく保育活動全体を通して資質・能力が育まれている子どもの小学校就学時の具体的な姿であり、保育士等が指導を行う際に考慮するものである。
ア 健康な心と体
保育所の生活の中で、充実感をもって自分のやりたいことに向かって心と体を十分に働かせ、見通しをもって行動し、自ら健康で安全な生活をつくり出すようになる。
イ 自立心
身近な環境に主体的に関わり様々な活動を楽しむ中で、しなければならないことを自覚し、自分の力で行うために考えたり、工夫したりしながら、諦めずにやり遂げることで達成感を味わい、自信をもって行動するようになる。
ウ 協同性
友達と関わる中で、互いの思いや考えなどを共有し、共通の目的の実現に向けて、考えたり、工夫したり、協力したりし、充実感をもってやり遂げるようになる。
エ 道徳性・規範意識の芽生え
友達と様々な体験を重ねる中で、してよいことや悪いことが分かり、自分の行動を振り返ったり、友達の気持ちに共感したりし、相手の立場に立って行動するようになる。また、きまりを守る必要性が分かり、自分の気持ちを調整し、友達と折り合いを付けながら、きまりをつくったり、守ったりするようになる。
オ 社会生活との関わり
家族を大切にしようとする気持ちをもつとともに、地域の身近な人と触れ合う中で、人との様々な関わり方に気付き、相手の気持ちを考えて関わり、自分が役に立つ喜びを感じ、地域に親しみをもつようになる。また、保育所内外の様々な環境に関わる中で、遊びや生活に必要な情報を取り入れ、情報に基づき判断したり、情報を伝え合ったり、活用したりするなど、情報を役立てながら活動するようになるとともに、公共の施設を大切に利用するなどして、社会とのつながりなどを意識するようになる。
カ 思考力の芽生え
身近な事象に積極的に関わる中で、物の性質や仕組みなどを感じ取ったり、気付いたりし、考えたり、予想したり、工夫したりするなど、多様な関わりを楽しむようになる。また、友達の様々な考えに触れる中で、自分と異なる考えがあることに気付き、自ら判断したり、考え直したりするなど、新しい考えを生み出す喜びを味わいながら、自分の考えをよりよいものにするようになる。
キ 自然との関わり・生命尊重
自然に触れて感動する体験を通して、自然の変化などを感じ取り、好奇心や探究心をもって考え言葉などで表現しながら、身近な事象への関心が高まるとともに、自然への愛情や畏敬の念をもつようになる。また、身近な動植物に心を動かされる中で、生命の不思議さや尊さに気付き、身近な動植物への接し方を考え、命あるものとしていたわり、大切にする気持ちをもって関わるようになる。
ク 数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚
遊びや生活の中で、数量や図形、標識や文字などに親しむ体験を重ねたり、標識や文字の役割に気付いたりし、自らの必要感に基づきこれらを活用し、興味や関心、感覚をもつようになる。
ケ 言葉による伝え合い
保育士等や友達と心を通わせる中で、絵本や物語などに親しみながら、豊かな言葉や表現を身に付け、経験したことや考えたことなどを言葉で伝えたり、相手の話を注意して聞いたりし、言葉による伝え合いを楽しむようになる。
コ 豊かな感性と表現
心を動かす出来事などに触れ感性を働かせる中で、様々な素材の特徴や表現の仕方などに気付き、感じたことや考えたことを自分で表現したり、友達同士で表現する過程を楽しんだりし、表現する喜びを味わい、意欲をもつようになる。
記述は、「保育所保育指針」第1章「総則」4「幼児教育を行う施設として共有すべき事項」(2)「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」イ「自立心」の文章です。
B:ウ
記述は、同エ「道徳性・規範意識の芽生え」の文章です。
保育所保育指針より抜粋
第1章 総則
4 幼児教育を行う施設として共有すべき事項
(2) 幼児期の終わりまでに育ってほしい姿
次に示す「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」は、第2章に示すねらい及び内容に基づく保育活動全体を通して資質・能力が育まれている子どもの小学校就学時の具体的な姿であり、保育士等が指導を行う際に考慮するものである。
ア 健康な心と体
保育所の生活の中で、充実感をもって自分のやりたいことに向かって心と体を十分に働かせ、見通しをもって行動し、自ら健康で安全な生活をつくり出すようになる。
イ 自立心
身近な環境に主体的に関わり様々な活動を楽しむ中で、しなければならないことを自覚し、自分の力で行うために考えたり、工夫したりしながら、諦めずにやり遂げることで達成感を味わい、自信をもって行動するようになる。
ウ 協同性
友達と関わる中で、互いの思いや考えなどを共有し、共通の目的の実現に向けて、考えたり、工夫したり、協力したりし、充実感をもってやり遂げるようになる。
エ 道徳性・規範意識の芽生え
友達と様々な体験を重ねる中で、してよいことや悪いことが分かり、自分の行動を振り返ったり、友達の気持ちに共感したりし、相手の立場に立って行動するようになる。また、きまりを守る必要性が分かり、自分の気持ちを調整し、友達と折り合いを付けながら、きまりをつくったり、守ったりするようになる。
オ 社会生活との関わり
家族を大切にしようとする気持ちをもつとともに、地域の身近な人と触れ合う中で、人との様々な関わり方に気付き、相手の気持ちを考えて関わり、自分が役に立つ喜びを感じ、地域に親しみをもつようになる。また、保育所内外の様々な環境に関わる中で、遊びや生活に必要な情報を取り入れ、情報に基づき判断したり、情報を伝え合ったり、活用したりするなど、情報を役立てながら活動するようになるとともに、公共の施設を大切に利用するなどして、社会とのつながりなどを意識するようになる。
カ 思考力の芽生え
身近な事象に積極的に関わる中で、物の性質や仕組みなどを感じ取ったり、気付いたりし、考えたり、予想したり、工夫したりするなど、多様な関わりを楽しむようになる。また、友達の様々な考えに触れる中で、自分と異なる考えがあることに気付き、自ら判断したり、考え直したりするなど、新しい考えを生み出す喜びを味わいながら、自分の考えをよりよいものにするようになる。
キ 自然との関わり・生命尊重
自然に触れて感動する体験を通して、自然の変化などを感じ取り、好奇心や探究心をもって考え言葉などで表現しながら、身近な事象への関心が高まるとともに、自然への愛情や畏敬の念をもつようになる。また、身近な動植物に心を動かされる中で、生命の不思議さや尊さに気付き、身近な動植物への接し方を考え、命あるものとしていたわり、大切にする気持ちをもって関わるようになる。
ク 数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚
遊びや生活の中で、数量や図形、標識や文字などに親しむ体験を重ねたり、標識や文字の役割に気付いたりし、自らの必要感に基づきこれらを活用し、興味や関心、感覚をもつようになる。
ケ 言葉による伝え合い
保育士等や友達と心を通わせる中で、絵本や物語などに親しみながら、豊かな言葉や表現を身に付け、経験したことや考えたことなどを言葉で伝えたり、相手の話を注意して聞いたりし、言葉による伝え合いを楽しむようになる。
コ 豊かな感性と表現
心を動かす出来事などに触れ感性を働かせる中で、様々な素材の特徴や表現の仕方などに気付き、感じたことや考えたことを自分で表現したり、友達同士で表現する過程を楽しんだりし、表現する喜びを味わい、意欲をもつようになる。
問5
次のA~Dのうち、「保育所保育指針」に記載されている「保育士等」に含まれる保育所職員として、あてはまるものを○、あてはまらないものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
次のA~Dのうち、「保育所保育指針」に記載されている「保育士等」に含まれる保育所職員として、あてはまるものを○、あてはまらないものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- A 施設長
- B 看護師
- C 調理員
- D 栄養士
(組み合わせ)
A | B | C | D | |
1 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
2 | 〇 | 〇 | × | × |
3 | 〇 | × | 〇 | 〇 |
4 | × | 〇 | × | 〇 |
5 | × | × | × | × |
正解は1
A~D全てにあてはまります。「保育所保育指針」第1章「総則」1「保育所保育に関する基本原則」(1)「保育所の役割」イの【専門性を有する職員による保育】では、「保育所保育指針及び本解説において は、保育に携わる全ての保育所職員(施設長・保育士・看護師・調理員 ・栄養士等)を「保育士等」としている。」としています。
子どもの自己表現は(A 素朴)な形で行われることが多いので、保育士等はそのような表現を(B 受容)し、子ども自身の表現しようとする(C 意欲)を受け止めて、子どもが生活の中で子どもらしい(D 様々)な表現を楽しむことができるようにすること。
保育所保育指針より抜粋
第2章 保育の内容
3 3歳以上児の保育に関するねらい及び内容
(2) ねらい及び内容
オ 表現
(ウ) 内容の取扱い
① 豊かな感性は、身近な環境と十分に関わる中で美しいもの、優れたもの、心を動かす出来事などに出会い、そこから得た感動を他の子どもや保育士等と共有し、様々に表現することなどを通して養われるようにすること。その際、風の音や雨の音、身近にある草や花の形や色など自然の中にある音、形、色などに気付くようにすること。
② 子どもの自己表現は素朴な形で行われることが多いので、保育士等はそのような表現を受容し、子ども自身の表現しようとする意欲を受け止めて、子どもが生活の中で子どもらしい様々な表現を楽しむことができるようにすること。
③ 生活経験や発達に応じ、自ら様々な表現を楽しみ、表現する意欲を十分に発揮させることができるように、遊具や用具などを整えたり、様々な素材や表現の仕方に親しんだり、他の子どもの表現に触れられるよう配慮したりし、表現する過程を大切にして自己表現を楽しめるように工夫すること。