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こどものワクチンについて
こどものワクチンについて

赤ちゃんが産まれたら、生後2か月頃から予防接種を受ける必要があります。その数は大変多く、中には4回接種しなくてはならないものや、終了時には中高生というものも。インフルエンザは毎年接種する必要があります。そのため、初めて赤ちゃんを育てる保護者はとても驚きます。その予防接種で使用するのが「ワクチン」です。
◆定期予防接種はA類とB類に分かれている
2020年現在、定期接種は必ず受けなければならないA類が10種、有料で任意、努力義務のないB類が4種、全部で14種あります。
A類は公費で助成されます。B類は有料ですが、自治体によっては公費で助成されることもあります。
公費で助成されるA類は、感染すると重症化したり死に至ったりする重大な病気とされています。そのため集団で予防する必要があると認められたもの。
各予防接種には推奨機関があり、その期間内であれば無料で接種できます。
有料のB類は、基本的に感染すると重症化する恐れのある子どもが対象ですが、ほとんどの子どもが接種すると言われています。
↓NPO法人 VPD(ワクチンで防げる病気)を知って子どもを守ろうの会 予防接種スケジュール表↓
※ロタウイルスは2020年より定期化されました。

◆ワクチンには2種類ある
①生ワクチン:感染症の原因となる細菌やウイルスの病原性を弱めたもの
②不活化ワクチン:細菌やウイルスを殺して必要な成分だけを取り出したもの
ワクチンを注射などで体内に取り入れると、その病原体を攻撃するために「抗体」という免疫物質が生成されます。
こうして抗体を体内に保持しておけば、もしその病原体が入ってきても、増殖を抑えることができます。そうすれば、重症化を防ぐことができます。
ワクチンで防げる病気のことをVPDと言います。最近は赤ちゃんの予防接種をスケジューリングしてくれる携帯アプリも登場しています。
おすすめアプリ「予防接種スケジューラー」
GooglePlay→https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.knowvpd.android.vcscheduler&hl=ja
◆ワクチンと予防接種の歴史
予防接種が法律化されたのは戦後の1948年です。当時は今は廃止された腸チフスやペストもありました。
海外から軍人が引き揚げてきた時に、さまざまな感染症も一緒に運んできました。戦後で衛生管理が不十分だった状況もあり、たくさんの感染症が流行りました。
世界の歴史を見ても、天然痘やペストが大流行して人々が大勢亡くなったことがありました。
2020年3月現在、新型コロナウイルスが猛威を振るい、ワクチンと薬の開発が急がれています。
外部と隔離された生活を送っているアマゾンの原住民が先進国の人々と交流するようになったとたん、感染症にかかる人が続出したそうです。
◆定期接種→任意接種に切り替わったものも
毎年型を少しづつ変えて流行するインフルエンザ。かつて学校で集団接種が行われていた時代もありました。しかし重大な副反応が現われた子どもの家族が国を訴え、国が敗訴したことがあり、今では任意接種になっています。
小6から高1の女子が接種対象のHPV-子宮頸がん(ヒトパビローマウイルス)。2010年に公費で接種できるようになりました。しかし、重大な副反応の報告が相次いだため、わずか3年で任意接種に切り替わりました。
日本産婦人科学会及び関連団体は、接種を推奨しています。
このようにワクチン接種と副反応は切っても切れない関係があります。副反応の中には腫れや痛み、発熱で収まるものもあれば、障害が残るような重大なものもあります。
予防接種の対象となっている病気にかかるとどのような症状が出るか、そのリスクと副反応のリスク双方を考慮した上で、接種するかどうか判断する必要があります。
◆初期の妊婦に感染すると大変!成人男性の風疹の予防接種が急がれる
1962年~1978年生まれの男性は「風疹の予防接種の抜け落ち世代」と言われています。 妊娠初期の女性が風疹に感染すると、おなかの赤ちゃんに障害が現われることが分かっており、周りに移さないためにも接種が急がれます。 中には子どもの頃に風疹にかかって抗体を持っている男性もいます。各自治体は、まず抗体検査をし、抗体がない男性は無料で予防接種ができるクーポンを配布中です。
◆これでもまだまだ欧米より少ない予防接種
「ワクチンギャップ」という言葉があります。これは、日本は欧米に比べてまだまだ予防接種の種類が少ないことを揶揄した言い方。 近年はだいぶギャップは縮まってきました。今後は効果が期待できるまで接種回数を増やすことや、おたふくかぜの定期化などが検討されています。