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保育士試験について

保育士試験に出てくる教育書 フレーベル「人間の教育」について

保育士試験に出てくる教育書 フレーベル「人間の教育」について

保育士試験で頻出の人物「フレーベル」。フレーベルは保育士試験に関わっていない方でもどこかで聞いたような…?あ、おもちゃ屋さん?と、思い当たる方もいらっしゃるかもしれません。 そう、幼児教育関連の教育玩具や絵本を出版していることで有名なフレーベル館は、彼の名前に由来してつけられています。特に「アンパンマン」オリジナル製品を数多くプロデュースしていることでも有名です。 そんな幼児教育関連の会社に命名されるほどの「フレーベル」とはどんな人物だったのか、また彼の著作である「人間の教育」とはどのような本だったかについてご紹介いたします。

「幼児教育の父」フレーベル

フレーベルを語るには、「キンダーガーデン(キンダーガルテン)」の存在は欠かせません。「キンダーガーデン」とは幼稚園のことで、フレーベルは世界で初めて幼稚園を設立したことで知られています。 「幼児教育の父」と呼ばれるフレーベルですが、最初から教育の道を志していたわけではありませんでした。大学卒業後に建築家を目指してドイツに職探しに行ったフレーベルでしたが、職探しは上手くいきませんでした。 失意のフレーベルに友人が声をかけ、師範学校の校長であったアントン・グルーナーを紹介し、彼の勧めでフランクフルト・アム・マインの模範学校の教師になりました。 教師を天職と強く感じたフレーベルは、1805年にペスタロッチを訪ね、彼の教育観と思想に強く影響を受け、模範学校を辞めたあと、1808年から2年間ペスタロッチのもとに滞在し、彼の思想を学びます。

その後、1811年にゲッティンゲン大学、その翌年にベルリン大学に入学し、そこで鉱物学や物理学について学びました。ここで学んだことが後に有名な教育遊具「恩物」に影響を与えることになります。 大学在学中にナポレオンの侵攻があったため、義勇軍の一員として参戦しますが、そこで生涯フレーベルを支えることになる、二人の友人と出会います。

戦争終結後、フレーベルはベルリン大学を辞めて、本格的な教育実践に着手します。
1839年ブランケンブルクに創設した「幼児、児童のための作業教育所」は、6歳以下の幼児を約40人集めた「遊びと作業の教育所」を付設されました。
この遊びと作業の教育所は「幼稚園」へと改名され、これが世界で初めての幼稚園が誕生となったのです。

フレーベルの教育はドイツ全土に広がっていき、幼稚園の設立と同時に先生の育成にも力を入れたため、幼稚園で指導する先生も次第に女性の専門職としてみなされるようになりました。
このまま順調にいくと思われた矢先、フレーベルがプロテスタントであることを警戒したプロイセン政府によって、「幼稚園は子供を無神論に導き、子供に社会主義を吹き込む」ものとして、幼稚園の禁止令が出されてしまいます。

失意のうちに生涯を閉じたフレーベルでしたが、その考えは現在の幼児教育に引き継がれ、生き続けています。

フレーベルの教育理念

フレーベルの教育理念を表す言葉として以下の名言を残しています。

「さあ、わたしたちの子どもに生きようではないか!」

この言葉には、 「子どもの発達段階に即した子どもらしい生活を大切に」、「大人が子どもの視点に立って、子どもと共に社会を作っていこう」という二つの意味が込められているとされています。

フレーベルによれば、幼児の心の中にある新性をどのように伸ばしていくか、子どもは全てを持っているが、発展の途上であり、大人はそれを引きだす手伝いをするのみと考えました。 そのために彼は、幼児期の教育内容は、1.遊びを中心にすること 2.植物を育てることの2つを提唱し、早期教育を否定したのです。

1.の遊びを中心にすることで開発されたのが「恩物」です。
幼児が遊びを通して自然界の仕組みを理解し、自発的な遊びと学びを助けるための教育遊具として、20種類の「恩物」を考案、制作しました。
「恩物」のうち10種類は色のついた球や立方体などの形の玩具で、のちに「積み木」として多くの幼稚園や教育の場で使われることになります。

また、2.の植物を育てることが重要と考えたフレーベルは、植物を育てることで自然を観察し、自然に関わることを推奨したため、幼稚園の園庭に、花壇や菜園、砂場などを必ず設置すべきとしました。 これが現在の園庭に遊具や砂場、花壇がある幼稚園の姿となったのです。

「フレーベルの教育理論書「人間の教育」

フレーベルの著書「人間の教育」の冒頭で、 すべてのものに神から授かった「神性」があり、それが人間の本質だとしています。それゆえ人間は何の妨げもないときには 善であると主張しました。

全ての子どもを「善」ととらえるため、

「教育とは、子どもの中に宿る善性をゆがめることなく助けることであるので、 受動的、追随的でなければならず、決して命令的、規則的、干渉的であってはならない。」

「母親よ、父親よ、子どもの遊戯を養い育てよ。保護せよ。 子どもが自主性に選んだ遊戯の中に将来の内面的な生活がある。」

と記しています。

いずれも、保護者が子どもに対して命令や干渉するのではなく、子どもを自主的に遊ばせることによって子どもの可能性が引き出されると考えたのです。

フレーベルは

「子供は5歳までに、その一生涯のすべてを学び終えるものである」

という名言を残しています。現在では幼児教育の研究において、「人間の脳は6歳までに90%完成する」ということが明らかにされていますが、 フレーベルは当時から子どもの教育を通して、警鐘を鳴らし続けていたのですね。

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