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保育士試験について

保育士試験に出てくる教育書 ペスタロッチ「隠者の夕暮れ」について

保育士試験に出てくる教育書 ペスタロッチ「隠者の夕暮れ」について

保育士試験で頻出の人物「ペスタロッチ」ですが、ルソーとは違い、保育士試験の問題以外でお目にかかったことがない、という方も多いのではないでしょうか。 「ペスタロッチ」は、本名「ヨハン・ハインリヒ・ペスタロッチ」と言い、スイスの教育実践家で、シュタンツ、イベルドン孤児院の学長を務めたことで知られています。 有名な著書に、「隠者の夕暮れ」「リーンハルトとゲルトルート」「シュタンツ便り」などがありますが、ここでは「ペスタロッチ」についてと、「隠者の夕暮れ」がどのような本であったかをご紹介いたします。

「民衆教育の父」ペスタロッチ

「民衆教育の父」とも称されるペスタロッチを最も端的に語るものとして、彼の墓碑に刻まれた言葉があげられます。

「ノイホーフにおいては貧しき者の救済者。

リーンハルトとゲルトルートの中では人民に説き教えし人。

シュタンツにおいては孤児の父。

ブルクドルフトミュンヒェンブーフゼーにおいては国民学校の創設者。

イヴェルドンにおいては人類の教育者。

人間!キリスト者!市民!すべてを他人のためにし、おのれにはなにものも。恵みあれ彼が名に」

ペスタロッチは大学時代にルソーの思想にふれ、農業経営と教育者の道を目指しますが、教育者として実際に活動するのは50代になったころです。
ペスタロッチが50代になった時、フランス革命がおこりました。フランス革命はペスタロッチが住んでいるスイスにも影響が波及し、革命で村を焼き討ちにされたり、さらには領主からの搾取によって農村は疲弊し、 貧困の極致にあった環境ではまともな教育を受けられる状態ではありませんでした。
ペスタロッチは、そんな環境にあった孤児や貧困の子供のための学校の設立と教育を施すことに残りの人生を捧げたのです。

ペスタロッチの教育理念

ペスタロッチの教育理念を表す言葉として以下の名言を残しています。

「玉座にあっても、木の葉の屋根の陰に住んでいても、すべて同じ人間である。」

これは「隠者の夕暮れ」の中の一説で、ペスタロッチの名言の中でも一番知られています。 前述したペスタロッチの生涯にもある通り、人は身分の上下に関わらず平等であり、人々が貧困から抜け出すには、教育が最も重要である、と説いています。

これとほぼ同義の考えを日本では福沢諭吉が説いていますが、福沢諭吉より100年以上前にペスタロッチはこの考え方を実践していたことになります。

また、ペスタロッチは現代の日本にも大きく影響している教育法を残しました。
それが、「メトーデ」と呼ばれる直感教授の方法を用いた教育法です。「メトーデ」は、子どもたちに知識を言葉によって教えるのではなく、実際に見て、触れて、感覚を通じて教えていくことで、知的教育(頭)・身体的教育(手)・道徳教育(心)の根本力を身に付けるとされています。
ペスタロッチの「メトーデ」はフレーベルやヘルバルトにも影響を与え、現代の小学校教育の基礎を作ることに繋がっていくのです。

「隠者の夕暮れ」に書かれている教育原則

上述した、「王座にあっても~」以外にも、 「家庭こそ人類のすべての自然的陶冶の基礎である」と説いており、「陶冶」とは、人の性質や能力を円満に育て上げることを指します。
つまり、家庭が子どもの人格形成の全ての基礎であるということです。

まず両親を通して教育が行われ、そこから徐々に学校や友人関係を通して社会生活が広がり、その生活そのものが人間を成長させること、 人間が幼い時から、しっかりとした家庭的な祝福を受けて生活しているところにのみ真の国民国家が存在し、家庭教育の深化と向上なくしては、どんな国民教育もあり得ない、 としています。

このようなペスタロッチの理論は200年以上たった現代でも“教育の本質”を教える金字塔として現代の教育に受け継がれているのです。

彼の教育観は全てが肯定できるものではありませんが、現在の幼児教育を築き上げた一人として、一度手に取ってみてはいかがでしょうか。
また、彼が影響をうけた「ルソー」との違いも比べてみると面白いかもしれませんね。

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