保育サービスの種類
乳児院
乳児院
乳児院とは
事情があって親と一緒に生活ができない状況下にある乳幼児を養育をする児童福祉施設です。短期・長期に対応します。
1歳未満の乳幼児を養育する乳児院に対し、1歳以上の子どもを養育するのが児童養護施設です。
0歳児の間に親子の問題が解決され退所することができれば親が養育をしますが、一旦親元に帰ったとしても何らかの事情で再入所するケースもあります。
乳幼児の生活の全てをサポート。退所後のアフターケアも行う
保育園やベビーシッターなどは子どもの生活の一部をサポートする施設やサービスです。これに対し、乳児院は生活の全てをサポートします。保護者の代わりとして手厚く養育することが求められます。
さまざまな資格を持った職員たちと連携している
乳児院では様々な資格を持った職員たちが日々連携しながら乳幼児の養育をサポートしています。
保育士や看護師のほか、管理栄養士、理学療法士、医師、児童指導員などもいて、乳幼児の基本的な生活を支えつつ、病気や障害を持った子どもや虐待やネグレストの被害にあった子どもの養育を行っています。
乳児院や児童養護施設と似ている施設や事業
●里親:通常の親権を持たない間柄の児童を養育する保護者のことを言います。里親になるには審査基準があり、クリアした人だけが里親になれます。
近年では民間の斡旋業者が増え、里親は増える傾向にありますが、委託率は自治体によってバラバラです。里親希望者に対し実際に里親になれるのが1割程度の自治体もあれば5割を超える自治体もあります。
●小規模住居型児童養育事業(ファミリーホーム):平成21年度に新たに創設された制度です。養育者の住居において児童5〜6人の養育を行い、里親型グループホームとも言われています。児童同士の相互関係を活かしながら基本的な生活習慣を確立させ、豊かな人間性や社会性を養います。
乳児院に子どもを預ける理由はさまざま
一時預かりに多く利用されており、理由で最も多いのは父母の就労や入院。ショートステイ(短期入所生活支援)やトワイライトステイ(夜間保育または夜間養護)という制度を利用する方も多いです。このような乳幼児は一時預かりの後、父母の元に帰り、そのまま父母のもとで暮らす子が多いです。
一方、入所の理由で最も多いのが父または母の精神疾患、次いで育児放棄や養育拒否や虐待など。保育園や幼稚園に通っているお子さんとはかなり事情が異なります。このようなお子さんは一時預かりの後もサポートが必要になるケースも多いです。
親のサポートも欠かせない状況
育児放棄や養育拒否や虐待などの場合、親元に帰っても乳幼児が安全に暮らせるとは限らないケースもあります。そのため親のサポートも欠かせません。自宅を訪ねて聞き取り調査をしたり、保護者を対象にしたカウンセリングや育児指導等を行ったりしています。
東京都では、乳児院に長期に預けられた乳幼児のうち、約60%は各家庭に帰りますが、約25%は児童養護施設に引き取られます。そして約15%は里親に引き取られている、と言われています。
保護者のように子どもにとって必要な存在である乳児院
0歳児の保護者の代わりを担う乳児院。人格形成の土台ができ上がる大切な乳幼児期の子どもに必要とされる保育士は、非常に大変な仕事であることは言うまでもありません。ですが、日々子どもの成長を見られるやりがいのある仕事であると同時に、自分の存在意義を感じられる仕事でもあります。