本日も引き続き【保育原理】について、問6から問10について、回答と解説をしていきます。
【保育原理】では、保育の世界の歴史と日本の歴史がそれぞれ出題されています。
日本と欧米など複合問題などの出題も増加しています。
問6
次の文は、「子ども・子育て支援新制度」に関する記述である。適切な記述を一つ選 びなさい。
1 「子ども・子育て支援新制度」は、2012(平成 24)年より施行された。
2 「子ども・子育て支援新制度」では、保育所、幼稚園、認定こども園を通じた共通の給 付(施設型給付)と、小規模保育等への給付(家庭型保育給付)が創設された。
3 2019(平成 31)年度4月の段階で、全ての私立幼稚園は「子ども・子育て支援新制度」 に移行している。
4 「子ども・子育て支援法」により、「子ども・子育て会議」が設置された。
5 「幼児教育・保育の無償化」の対象には、「企業主導型保育施設」を利用する家庭は含 まれていない。
回答 4
解説
1 × 2015年より施行
2 × 認定こども園、幼稚園、保育所を通じた共通の給付(「施設型給付」) 及び小規模保育等 への給付(「地域型保育給付」)
3 × 無認可などは含まれない。
4 その通りです。有識者、地方公共団体、事業主代表・労働者代表、子育て当事者、子育て支援当事者等(子ども・子育て支援に関する事業に従事する者)が、子育て支援の政策プロセスなどに参画・関与することができる仕組みとして、国に子ども・子育て会議を設置。
5 × 対象となる施設・事業幼稚園、保育所、認定こども園に加え、地域型保育も同様に無償化の対象となる。
問7
次の文を「保育所保育指針」第1章「総則」の3「保育の計画及び評価」(2)「指導
計画の作成」の記述の一部として完成させる場合、( A )~( C )の語句が正し
いものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
障害のある子どもの保育については、一人一人の子どもの(A診断名)や障害の状態を
把握し、適切な(B環境)の下で、障害のある子どもが他の子どもとの生活を通して
共に成長できるよう、指導計画の中に位置付けること。また、子どもの状況に応じた
保育 を実施する観点から、家庭や関係機関と連携した支援のための計画を(C詳細)
に作成 するなど適切な対応を図ること。
(組み合わせ)
A B C
1 ○ ○ ×
2 ○ × ○
3 ○ × ×
4 × ○ ○
5 × ○ ×
回答 5
解説
保育所保育指針 「保育所保育指針」第1章「総則」の3「保育の計画及び評価」(2)「指 導計画の作成」参照。
A × 障害のある子どもの保育については、一人一人の子どもの発達過程や障害の状態を把握する事が大切です。
B その通りです。
C × 子どもの状況に応じた保育を実施する観点から、家庭や関係機関と連携した支援のための計画を個別に作成する事が大切です。
問8
次の文は、地域の保護者等に対する子育て支援に関する記述である。適切な記述を ○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 「児童福祉法」第 48 条の4には、「保育所は、当該保育所が主として利用される地域 の住民に対してその行う保育に関し情報の提供を行い、並びにその行う保育に支障がない限りにおいて、乳児、幼児等の保育に関する相談に応じ、及び助言を行うよう努めなければならない。」と記されている。
B 地域における子育て支援に当たっては、保育所の特性を生かして行うことが重要である。例えば、食事や排泄などの基本的生活習慣の自立に関することや、遊びや玩具、遊具の使い方、子どもとの適切な関わり方などについて、一人一人の子どもや保護者の状況に応じて、具体的に助言したり、行動見本を実践的に提示したりすることなどが挙げられる。
C 「児童福祉法」第6条の3において、一時預かり事業とは、「保育を必要とする乳児又は幼児であって、満3歳未満のものについて、当該保育を必要とする乳児又は幼児を保育することを目的とする施設において保育を行う事業」と記されている。
D 「保育所保育指針」第4章「子育て支援」3「地域の保護者等に対する子育て支援」には、「地域の要保護児童への対応など、地域の子どもを巡る諸課題に対し、要保護児童 対策地域協議会など関係機関等と連携及び協力して取り組むよう努めること。」と記されている。
(組み合わせ)
A B C D
1 ○ ○ × ○
2 ○ × ○ ○
3 ○ × ○ ×
4 × ○ ○ ×
5 × ○ × ○
回答 1
解説
A その通りです。
B その通りです。
C ×です。「一時預かり事業」とは、主として保育所、幼稚園、認定こども園等に通っていない、又は在籍していない乳幼児を対象とします。
D その通りです。
問9
次の【Ⅰ群】の日本の保育施設の歴史に関する記述と【Ⅱ群】の最も関連の深い人名を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
【Ⅰ群】
A 季節託児所・農繁期託児所は、農繁期、漁期など保護者が農業漁業などで多忙な 時期にのみ乳幼児を預かり、保育を実施した臨時の保育施設である。1890(明治 23)年に鳥取県に開かれたものが最も古いとされている。
B 子守学校は、学制発布後、子守のために学校に通えない農村や貧困家庭の女子を対象にした、子守をしながら小学校教育を受けられる施設のことをいう。『子守 教育法』の著者が 1883(明治 16)年に茨城県に開設したのが始まりとされている。
C 二葉幼稚園(保育園)は、1900(明治 33)年、2人のクリスチャンにより東京 市麹町区下六番町に設立された保育施設である。開園時は「二葉幼稚園」の名称が 使用された。付近の貧困家庭の幼児を入園させ、良い環境で教育することを目的 とした。1915(大正4)年「二葉保育園」と改称した。
D 東京女子師範学校附属幼稚園は、1876(明治9)年、日本で最初の官立幼稚園と して開設された。初代監事(園長)には関信三が就任した。
【Ⅱ群】
ア 野口幽香 イ 松野クララ ウ 筧雄平 エ 渡辺嘉重
(組み合わせ)
A B C D
1 ウ イ エ ア
2 ウ エ ア イ
3 ウ エ イ ア
4 エ イ ウ ア
5 エ ウ イ ア
回答 2
解説
A 1890年に筧雄平が鳥取県に開いたものが最も古い。昭和に入って全国に普及し,第2次世界大戦中はされた。 1953年以来国庫補助により季節ごとに設置されてきたが,農・漁業労働の合理化,多角当局の奨励もあって全国に2万ヵ所以上も開設経営の普及により繁閑の差が少くなったことや,また農村の兼業化が一般化して主婦が農業労働の主体となるために,「保育に欠ける」子供が多くなり,母体保護への対応とも相まって常設の保育所になりました。
B 1883年(明治16年) 茨城県猿島郡小山村に、渡辺嘉重が日本最初の子守学校を開き、彼は子守りを命じられた少女たちが連れてきた幼い子たちも保育教育を行いました。
C 二葉保育園は、1900年(明治33)に華族女学校付属幼稚園に勤務していた野口幽香と森島美根によって設立されました。
D 東京女子師範学校附属幼稚園の最初の主席保母として松野クララが務めた。ドイツの養成所で学んできたフレーベルの理論や保育内容の実際をほぼ舘に直接教え、後には東京女子師範学校の保母練習科の生徒たちにも教授した。また当時珍しかったピアノを弾いて一緒に子どもたちと遊戯を楽しんだ保育者の第一号です。
問 10
次の文は、保育に貢献した諸外国の人物に関する記述である。( A )~( D )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
・( A )は、イタリアの医師・教育思想家である。1896(明治 29)年、ローマ大学 で女性として初めて医学を修め、医師となる。障害児治療教育の先駆者イタールとセガ ンに影響を受け障害児教育に携わった。1907(明治 40)年、ローマに創設された「子ど もの家」の保育で成果を収め、世界的に知られることとなった。
・( B )の教育論の代表作『エミール』は、孤児の少年エミールを家庭教師「私」 が育て上げるフィクションである。( B )は本書において、人間を本源的に善である とし、子どもを前理性的、前道徳的存在として尊重する消極的教育を最善のものとした。
・( C )は、スイスの教育家であり、初等教育の父、民衆教育の父とも呼ばれる。 孤児のための教育、民衆のための教育に人生をささげた。( C )は、母性愛に基づく 宗教・道徳的な教育を人間性の育成の基礎として位置づけ、教育における家庭的な環境 と家族的な人間関係を重視した。著書に『隠者の夕暮』などがある。 ( D )は、第二次世界大戦後、GHQ/SCAP (連合国軍最高司令官総司 令部)内に設けられた下部組織、CIE(民間情報教育局)教育課の初等教育係官と して、戦後日本の教育改革に携わった。戦後保育内容の基準となる『保育要領-幼児 教育の手びき-』(1948(昭和 23)年)の枠組みを提示するなど、その作成過程にお いて中心的な役割を果たした。
【語群】
ア ハウ(Howe, A.L.) イ ヘファナン(Heffernan, H.) ウ ぺスタロッチ(Pestalozzi, J.H.) エ ルソー(Rousseau, J.-J.) オ シュタイナー(Steiner, R.) カ ブルーナー(Bruner, J.S.) キ モンテッソーリ(Montessori, M.)ク マラグッツィ(Malaguzzi, L.)
(組み合わせ)
A B C D
1 キ エ ウ イ
2 キ エ オ ア
3 キ カ ウ イ
4 ク エ オ ア
5 ク カ オ イ
回答 1
解説
A モンテッソーリ(Montessori, M.)1870年8月31日 – 1952年5月6日)は、イタリアの医学博士、幼児教育者、科学者、フェミニスト。モンテッソーリ教育法の開発者として知られています。
B ルソー(Rousseau, J.-J.)(1712年6月28日 – 1778年7月2日)は、フランス語圏ジュネーヴ共和国に生まれ、主にフランスで活躍した哲学者、政治哲学者、作曲家です。
C ぺスタロッチ(Pestalozzi, J.H.)(1746年1月12日 – 1827年2月17日)は、スイスの教育実践家、シュタンツ、イベルドン孤児院の学長。フランス革命後の混乱の中で、スイスの片田舎で孤児や貧民の子などの教育に従事し、活躍の舞台として、スイス各地にまたがるノイホーフ、シュタンツ、イフェルドン、ブルクドルフなどが有名です。
D ヘファナン(Heffernan, H.)(1896年-1987年)「保育要領 ー幼児教育の手引き」は、ヘファナンの指導、助言のもとで作成された。子どもの発達に即した直接的経験、創造的活動を重視。自由な遊びを基調とした内容、保育所も教育的でなければならないと主張しています。
いかがしたか。
サンライズ保育士資格取得スクールでは8/29に勉強会を開催します。
ご自宅からオンライン(ZOOM)で受講もできます。
開催日:8/29(日)10:00-12:00
「保育所保育指針を制する者は保育士試験を制す」
詳しくはこちら
https://www.sunrise-school.jp/studygroup/
ご参加、お待ちしています。