保育士試験
過去問題
令和5年度(前期)
保育の心理学 令和5年度(前期)
問1
次のうち、発達についての考え方に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- A ゲゼル(Gesell, A.L.)は、一卵性双生児の階段登りの実験の結果から、発達は基本的に神経系の成熟によって規定されるとした。
- B ワトソン(Watson, J.B.)は、成育初期に与えられたある種の経験が、後年の生理的・心理的な発達に消しがたい行動を形成させる期間として、臨界期の存在を明らかにした。
- C 学習の成立にとって必要な個体の発達的素地、心身の準備性のことをレジリエンスという。
- D 発達段階とは、ある時期の心身の機能や構造が前後と異なるというような量的な変化を想定して区切ったものである。
(組み合わせ)
A | B | C | D | |
1 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
2 | 〇 | 〇 | × | × |
3 | 〇 | × | × | × |
4 | × | 〇 | 〇 | 〇 |
5 | × | × | × | 〇 |
正解は3
問2
次のうち、子どもの発達と環境に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- A シュテルン(Stern, W.)は、発達における社会的・文化的環境の影響を重視しており、発達は環境のもつ社会、文化、歴史的な側面が個人との相互作用によって個人の中に取り入れられる過程であるとした。
- B ブロンフェンブレンナー(Bronfenbrenner, U.)は、子どもを取り巻く社会的環境のうち、父親と母親との関係(夫婦関係)や親と学校の先生との関係など、相互の影響関係をエクソシステムとした。
- C ジェンセン(Jensen, A.R.)は、個々の特性が表れるのに必要な環境的要因には、特性ごとに固有な最低限度(閾値)があるとした。
- D ギブソン(Gibson, J.J.)は、環境の意味や価値は、人間の心の動きによって与えられるのではなく、環境が人間に提供するものであるとした。
(組み合わせ)
A | B | C | D | |
1 | ○ | ○ | × | × |
2 | ○ | × | ○ | × |
3 | × | ○ | ○ | ○ |
4 | × | ○ | × | × |
5 | × | × | ○ | ○ |
正解は5
A 不適切です。問題文はウィゴスキーの理論についての説明です。シュテルンは輻輳説について提唱しました。
B 不適切です。エクソシステムではなくメゾシステム の関係です。
C 適切です。
D 適切です。
B 不適切です。エクソシステムではなくメゾシステム の関係です。
C 適切です。
D 適切です。
問3
次のA~Cの記述について、子どもの姿に関連する用語の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- A タオルを掴むことに慣れた子どもが、ボールを上手く掴めず、何度か働きかけるうちに手を大きく開いて掴むようになる。
- B お店屋さんごっこという共通の目的に向かって、お客さんと店員に分かれてそれぞれの役割を果たしながら一緒に遊ぶ。
- C 保育者が「りんご」「みかん」「いちご」が描かれた絵本のページを見せながら、「りんごはどれ?」と聞いた時に、子どもがりんごの絵を指さす。
(組み合わせ)
A | B | C | |
1 | 調節 | 協同遊び | 応答の指さし |
2 | 同化 | 連合遊び | 叙述の指さし |
3 | 調節 | 協同遊び | 叙述の指さし |
4 | 同化 | 協同遊び | 応答の指さし |
5 | 調節 | 連合遊び | 応答の指さし |
正解は1
A 調節:対象を見た時に、既存の枠組みに合わせて自己の認識を変えることをいいます。
B 協同遊び:ルールや役割を決めて複数人で遊びます。おおよそ5歳ごろからできるようになります。
C 応答の指さし:大人からの質問に対しそのものを指して答える行動のことです。
B 協同遊び:ルールや役割を決めて複数人で遊びます。おおよそ5歳ごろからできるようになります。
C 応答の指さし:大人からの質問に対しそのものを指して答える行動のことです。
問4
次のうち、エリクソン(Erikson, E.H.)の心理・社会的発達段階説に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- A それぞれの発達段階の時期の中心的な発達課題は、漸成的で決まった順序がないと考えた。
- B どの発達段階でも、肯定的な経験をすることが理想なのではなく、否定的な経験を上回って肯定的な経験をすることが発達課題の克服となると考えた。
- C フロイト(Freud, S.)の精神・性的発達段階に、身体的な側面を加え、人生を8つの階層でとらえた。
- D 乳児期の心理社会的危機は「自律 対 恥・疑念」であると考えた。
(組み合わせ)
A | B | C | D | |
1 | 〇 | 〇 | × | × |
2 | 〇 | × | 〇 | × |
3 | 〇 | × | × | 〇 |
4 | × | 〇 | × | × |
5 | × | × | 〇 | 〇 |
正解は4
A 不適切です。それぞれの発達課題は、漸成的で決まった順序で進みます。
B 適切です。
C 不適切です。フロイトの8つの階層には身体的な側面は含ませません。
D 不適切です。これは1~3 歳の心理社会的危機の説明です。乳児期は「基本的信頼感」対 「不信」です
B 適切です。
C 不適切です。フロイトの8つの階層には身体的な側面は含ませません。
D 不適切です。これは1~3 歳の心理社会的危機の説明です。乳児期は「基本的信頼感」対 「不信」です
問5
次のうち、乳幼児における言語の発達に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- A 2か月頃から、機嫌のよい時に、喉の奥からやわらかい発声をすることをクーイングという。
- B 6か月以降の乳児期後半に、「バババ」「マママ」のような子音と母音の連続である規準喃語を発するようになる。
- C 1歳頃になると、初めて意味のある言葉を発するようになるが、これをジャーゴンという。
- D 1歳半頃には、ものの名前を尋ねるようになるが、これを第二質問期という。
(組み合わせ)
A | B | C | D | |
1 | 〇 | 〇 | × | × |
2 | 〇 | × | 〇 | × |
3 | 〇 | × | × | 〇 |
4 | × | 〇 | 〇 | × |
5 | × | × | 〇 | 〇 |
正解は1
A 適切です。
B 適切です。
C 不適切です。 ジャーゴンは喃語に近い無意味な言語のことです。選択肢は初語についての説明なので不適切です。
D 不適切です。 1歳半頃~は第一質問期、3歳頃~が第二質問期です。
B 適切です。
C 不適切です。 ジャーゴンは喃語に近い無意味な言語のことです。選択肢は初語についての説明なので不適切です。
D 不適切です。 1歳半頃~は第一質問期、3歳頃~が第二質問期です。
問6
次のうち、心の理論に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- A 心の理論とは、他者の行動からその背後にある心的状態を推測し、その次の行動を予測するための理論である。
- B 誤信念課題は、他者が現実とは異なり誤った信念を有していることが理解できるかについて調べる課題である。
- C 誤信念課題の正答の経緯をみると、3歳頃までは正答できず、4、5歳頃に正答できるようになる。
- D 心の理論とは、他者の心がわかる行動心理学を利用した読心術のようなことを意味している。
(組み合わせ)
A | B | C | D | |
1 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
2 | 〇 | 〇 | 〇 | × |
3 | 〇 | × | 〇 | × |
4 | × | 〇 | × | 〇 |
5 | × | × | 〇 | 〇 |
正解は2
A 適切です。
B 適切です。
C 適切です。
D 不適切です。「心の理論」とは他者の心の状態や動きを推測する心の機能のことです。
B 適切です。
C 適切です。
D 不適切です。「心の理論」とは他者の心の状態や動きを推測する心の機能のことです。
問7
次のうち、学習のメカニズムに関する【Ⅰ群】の記述と【Ⅱ群】の用語を結びつけた場合の正 しい組み合わせを一つ選びなさい。
【Ⅰ群】
- A 学習の目標となる反応を増大させるための条件づけの手続きである。
- B 生得的な反射を基礎にする刺激と反応の新たな連合の習得である。
- C ある行動を引き起こし、その行動を持続させ、一定の方向に導くプロセスである。
- D 課題をスモール・ステップに分割し、学習者が自分のペースで自発的に学習する方法である。
【Ⅱ群】
- ア 古典的条件づけ
- イ 動機づけ
- ウ プログラム学習
- エ 道具的条件づけ
- オ 強化
- カ 発見学習
(組み合わせ)
A | B | C | D | |
1 | ア | エ | イ | ウ |
2 | ア | エ | ウ | カ |
3 | オ | ア | イ | ウ |
4 | オ | ア | イ | カ |
5 | オ | ア | ウ | カ |
正解は3
A オ 強化
条件づけ学習の際に、刺激と反応の結びつきが強まる働きのこと。
B ア 古典的条件づけ
レスポント条件づけともいいます。刺激により誘発される反応です。梅干しを見ると唾液に出てくるといった反応が起こることです。
C イ 動機づけ
動機づけとは、行動を始発させ、目標に向かって維持・調整する過程・機能のことです。
D ウ プログラム学習
スキナーの理論でスモール・ステップとは課題を比較的容易ないくつかの段階に分けて、子どもの達成を容易にすることです。
条件づけ学習の際に、刺激と反応の結びつきが強まる働きのこと。
B ア 古典的条件づけ
レスポント条件づけともいいます。刺激により誘発される反応です。梅干しを見ると唾液に出てくるといった反応が起こることです。
C イ 動機づけ
動機づけとは、行動を始発させ、目標に向かって維持・調整する過程・機能のことです。
D ウ プログラム学習
スキナーの理論でスモール・ステップとは課題を比較的容易ないくつかの段階に分けて、子どもの達成を容易にすることです。
問8
次のA~Dの学習に関する記述について、関連する用語の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- A 他者の行動とその結果を観察するだけで学習は成立する。
- B 問題を取り巻く状況全体を把握して構造を理解し、見通しをもつことにより問題を解決する。
- C ある学習をしたことがその後の別の学習に影響する。
- D 大人の子どもに対する期待が子どもの学習に影響を与える。
(組み合わせ)
A | B | C | D | |
1 | モデリング | 試行錯誤 | 学習曲線 | ハロー効果 |
2 | モニタリング | 試行錯誤 | 学習曲線 | ハロー効果 |
3 | モニタリング | 洞察 | 学習曲線 | ピグマリオン効果 |
4 | モデリング | 洞察 | 学習の転移 | ハロー効果 |
5 | モデリング | 洞察 | 学習の転移 | ピグマリオン効果 |
正解は5
A モデリング
他者の行動を模倣することです。バンデューラが提唱しました。
B 洞察
ケーラーのチンパンジー実験が有名です。鋭い観察力で物事を見通し問題を解決します。
C 学習の転移
過去に習得した知識や経験を、別の領域で応用させる技術のこと。
D ピグマリオン効果
他者からの期待を受けて、その期待に沿った成果を出すことができるという心理効果のこと。
・学習曲線
学習の時間を横軸、学習の成果(成績)を縦軸として、その関係性をグラフで表現したもの。
・ハロー効果
ある対象を評価するときに、目立ちやすい特徴に引きずられて他の特徴についての評価が歪められる現象のこと。
良い印象→肯定的 悪い印象→否定的 どちらの方向にも働きます。
他者の行動を模倣することです。バンデューラが提唱しました。
B 洞察
ケーラーのチンパンジー実験が有名です。鋭い観察力で物事を見通し問題を解決します。
C 学習の転移
過去に習得した知識や経験を、別の領域で応用させる技術のこと。
D ピグマリオン効果
他者からの期待を受けて、その期待に沿った成果を出すことができるという心理効果のこと。
・学習曲線
学習の時間を横軸、学習の成果(成績)を縦軸として、その関係性をグラフで表現したもの。
・ハロー効果
ある対象を評価するときに、目立ちやすい特徴に引きずられて他の特徴についての評価が歪められる現象のこと。
良い印象→肯定的 悪い印象→否定的 どちらの方向にも働きます。
問9
次の文は、幼児期から学童期に関する記述である。( A )~( D )にあてはまる用語を【語群】から選択した場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。
子どもたちが最初に出会う移行は、家庭生活から幼児期の集団参加が始まる時期である。子どもが経験する2つ目の移行は、幼児期から学童期への移行であり、日本では小学校の入学が大きな節目となる。認知発達において、6~7歳前後にピアジェ(Piaget, J.)のいう( A )から次の発達段階に移行する。この時期には、自己中心性をぬけだし( B )が可能となり、子どもは具体物の助けを借りながら論理的に一貫性を持った思考ができるようになり、( C )が成立する。
言語でも語彙や発音、文法の基本的言語システムを獲得し、話し言葉は一通りの完成をみる。小学校の入学頃までに、長音や拗音などの特殊音節の( D )が可能となり、書き言葉の基盤ができあがる。この時期には、仲間関係にも発展がみられ、大人が介在しないで、子ども同士で遊んだり活動したりできるようになる。
【語群】
- ア 具体的操作期
- イ 前操作期
- ウ 帰納的推理
- エ 保存の概念
- オ 構音や調音
- カ 音韻の分解や抽出
- キ 脱中心化
- ク 互恵的視点
(組み合わせ)
A | B | C | D | |
1 | ア | キ | ウ | オ |
2 | ア | ク | エ | オ |
3 | イ | キ | ウ | カ |
4 | イ | キ | エ | カ |
5 | イ | ク | ウ | オ |
正解は4
子どもたちが最初に出会う移行は、家庭生活から幼児期の集 団参加が始まる時期である。子どもが経験する2つ目の移行 は、幼児期から学童期への移行であり、日本では小学校の入学 が大きな節目となる。認知発達において、6~7歳前後にピア ジェ(Piaget, J.)のいう( A イ 前操作期 )から次の発 達段階に移行する。
この時期には、自己中心性をぬけだし ( B キ 脱中心化 )が可能となり、子どもは具体物の助 けを借りながら論理的に一貫性を持った思考ができるようにな り、( C エ 保存の概念 )が成立する。
言語でも語彙や発音、文法の基本的言語システムを獲得し、 話し言葉は一通りの完成をみる。小学校の入学頃までに、長音 や拗音などの特殊音節の( D カ 音韻の分解や抽出 )が 可能となり、書き言葉の基盤ができあがる。この時期には、仲 間関係にも発展がみられ、大人が介在しないで、子ども同士で 遊んだり活動したりできるようになる。
この時期には、自己中心性をぬけだし ( B キ 脱中心化 )が可能となり、子どもは具体物の助 けを借りながら論理的に一貫性を持った思考ができるようにな り、( C エ 保存の概念 )が成立する。
言語でも語彙や発音、文法の基本的言語システムを獲得し、 話し言葉は一通りの完成をみる。小学校の入学頃までに、長音 や拗音などの特殊音節の( D カ 音韻の分解や抽出 )が 可能となり、書き言葉の基盤ができあがる。この時期には、仲 間関係にも発展がみられ、大人が介在しないで、子ども同士で 遊んだり活動したりできるようになる。
問10
次のうち、学童期以降における学校の適応に関する記述として、適切なものを○、不適切な ものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- A いじめは、学年が上がるにしたがって、相手を無視する、相手を孤立させるよう周囲に働きかけるなど、直接相手に身体的危害を加えるわけではない関係性攻撃がみられるようになる。
- B いじめを関係性の病理と位置づけると、いじめは、被害者と加害者という単純な構図ではなく、いじめをはやしたてる観衆、いじめの状況を知っていても黙って何も行動を起こさない傍観者を加えて、四層構造のダイナミクスとみなされる。
- C 文部科学省は、不登校を「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しない、あるいはしたくともできない状況にあたるために年間 90 日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」と定義している。
- D 不登校の背景には、学校での対人関係、家庭での虐待、貧困の問題、発達障害傾向などが根底にある可能性も指摘されている。
(組み合わせ)
A | B | C | D | |
1 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
2 | 〇 | 〇 | 〇 | × |
3 | 〇 | 〇 | × | 〇 |
4 | × | 〇 | 〇 | × |
5 | × | × | 〇 | 〇 |
正解は3
A 適切です。
B 適切です。
C 不適切です。 文科省の不登校の定義 によると「不登校児童生徒」とは「何らかの心理的、情緒的、身体的あ るいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくと もできない状況にあるために年間 30 日以上欠席した者のうち、 病気や経済的な理由による者を除いたもの」 とされている。
D 適切です。
B 適切です。
C 不適切です。 文科省の不登校の定義 によると「不登校児童生徒」とは「何らかの心理的、情緒的、身体的あ るいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくと もできない状況にあるために年間 30 日以上欠席した者のうち、 病気や経済的な理由による者を除いたもの」 とされている。
D 適切です。
問11
次の文は、高齢期に関する記述である。( A )~( D )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
高齢になると生理的予備能力が低下し、ストレスに対する脆弱性が亢進して( A )を引き起こしやすくなり、この状態をフレイルという。フレイルは病気を意味するのではなく、老化の過程で生じる「( B )や健康を失いやすい状態」で、①体重減少、②筋力低下、③疲労感、④歩行速度の低下、⑤身体活動の低下のうち、3つ以上が該当する場合をいう。その予防が( C )の延伸にかかわるという。健康、生存、生活満足感の3つが結合した状態を( D )という。
(組み合わせ)
A | B | C | D | |
1 | 欲求不満 | 社会機能 | 健康寿命 | アイデンティティ・ステイタス |
2 | 欲求不満 | 自立機能 | 平均寿命 | サクセスフル・エイジング |
3 | 欲求不満 | 社会機能 | 健康寿命 | サクセスフル・エイジング |
4 | 不健康 | 社会機能 | 平均寿命 | アイデンティティ・ステイタス |
5 | 不健康 | 自立機能 | 健康寿命 | サクセスフル・エイジング |
正解は5
高齢になると生理的予備能力が低下し、ストレスに対する脆 弱性が亢進して( A 不健康 )を引き起こしやすくなり、 この状態をフレイルという。フレイルは病気を意味するのでは なく、老化の過程で生じる「( B 自立機能 )や健康を失い やすい状態」で、1体重減少、2筋力低下、3疲労感、4歩行 速度の低下、5身体活動の低下のうち、3つ以上が該当する場 合をいう。その予防が( C 健康寿命 )の延伸にかかわる という。健康、生存、生活満足感の3つが結合した状態を ( D サクセスフル・エイジング )という。
・フレイル
加齢とともに運動機能や認知機能等が低下し、生活機能が障害され、心身の脆弱性が出現した状態であるが、適切な介入・支援により、生活機能の維持向上が可能な状態のことです。
・健康寿命
健康上の問題で日常生活が制限されることなく 生活できる期間のことです。
・フレイル
加齢とともに運動機能や認知機能等が低下し、生活機能が障害され、心身の脆弱性が出現した状態であるが、適切な介入・支援により、生活機能の維持向上が可能な状態のことです。
・健康寿命
健康上の問題で日常生活が制限されることなく 生活できる期間のことです。
問12
次のうち、「令和3年版男女共同参画白書」(内閣府)における男性の育児に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- A 6歳未満の子どもを持つ夫の家事・育児関連時間は、「共働き世帯の夫」、「夫有業・妻無業世帯の夫」のいずれも、2006(平成 18)年以降は増加傾向にある。
- B 6歳未満の子どもを持つ夫の家事・育児関連時間は、2016(平成 28)年には「共働き世帯の夫」、「夫有業・妻無業世帯の夫」のいずれも過去最高となり、妻と同水準となっている。
- C 「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方(性別役割分担意識)は、2019(令和元)年の調査では、男女ともに反対する者の割合が賛成する者の割合を下回っている。
- D 2019(令和元)年における男性の育児休業取得率は、民間企業、国家公務員、地方公務員で、近年上昇しているものの、依然として低水準にある。
(組み合わせ)
A | B | C | D | |
1 | 〇 | 〇 | × | × |
2 | 〇 | × | 〇 | × |
3 | 〇 | × | × | 〇 |
4 | × | 〇 | 〇 | 〇 |
5 | × | 〇 | × | 〇 |
正解は3
A 適切です。
B 不適切です。2016年は共に過去最高だが、妻と同水準にななんていない。
C 不適切です。直近の令和元(2019)年の調査では,反対する者の割合 が女性で 63.4%,男性で 55.7%となっている。
D 適切です。
B 不適切です。2016年は共に過去最高だが、妻と同水準にななんていない。
C 不適切です。直近の令和元(2019)年の調査では,反対する者の割合 が女性で 63.4%,男性で 55.7%となっている。
D 適切です。
問13
次のうち、ひとり親世帯に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。ただし、ここでいう「子ども」とは、20 歳未満で未婚の者とする。
- A 「結婚と家族をめぐる基礎データ」(令和4年3月 内閣府男女共同参画局)によると、「子どものいる離婚件数」は、「子どものいない離婚件数」よりも少ない。
- B 「ひとり親家庭の現状と支援施策について」(令和2年 11 月 厚生労働省子ども家庭局家庭福祉課)によると、近年ひとり親世帯は増加傾向にあり、ひとり親世帯になった理由は、母子世帯、父子世帯ともに「離婚」が最も多い。
- C 「平成 28 年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」(厚生労働省)によると、父子世帯は、母子世帯に比べると、年収が高いものの、子どものいる全世帯の年間収入よりは低い。
- D 「平成 28 年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」(厚生労働省)によると、ひとり親世帯の子どもについての悩みは、母子世帯、父子世帯ともに、「しつけ」が最も多く、次いで「教育・進学」となっている。
(組み合わせ)
A | B | C | D | |
1 | 〇 | 〇 | × | 〇 |
2 | 〇 | × | 〇 | × |
3 | × | 〇 | 〇 | 〇 |
4 | × | 〇 | 〇 | × |
5 | × | × | × | 〇 |
正解は4
A 不適切です。「子どものいる離婚件数」は、「子どものいない離婚件数」よりも多い。
B 適切です。
C 適切です。
D 不適切です。ひとり親世帯の子どもについての悩みは、「教育・進学」が母子世帯、父子世帯ともに一番多い。
B 適切です。
C 適切です。
D 不適切です。ひとり親世帯の子どもについての悩みは、「教育・進学」が母子世帯、父子世帯ともに一番多い。
問14
次のうち、育児不安を感じる保護者に対する理解と支援に関する記述として、適切なものの組み合わせを一つ選びなさい。
- A マタニティ・ブルーズの時期を過ぎても、不安、自信の低下、いらだちを訴える母親は少なくないが、産後の生理的現象が長引いているだけで、母親を取り巻く周囲の環境との関係は考慮しなくてもよい。
- B 育児不安の内容にかかわらず、保育所の機能や専門性を生かし、保育所の保護者支援はその保育所のみで対応する。
- C 育児不安を持つことが不適切な子育てというわけではなく、抱える育児不安の深刻度や緊急度、あるいはどのような経過や背景があるかに焦点をあてて考えるようにする。
- D 保護者の育児態度が子どもへ影響するだけではなく、子どもの気質によって保護者も影響を受けるという相互作用で親子関係は成り立っていく。
(組み合わせ)
1 | A | B |
2 | A | C |
3 | B | C |
4 | B | D |
5 | C | D |
正解は5
A 不適切です。
マタニティブルーが3週間以上続く場合には、産前うつ、産後うつの可能性があります。周りの環境や支援が大切です。
B 不適切です。
市町村はじめ、地域や関連機関との連携して支援していく必要があります。
C 適切です。
D 適切です。
マタニティブルーが3週間以上続く場合には、産前うつ、産後うつの可能性があります。周りの環境や支援が大切です。
B 不適切です。
市町村はじめ、地域や関連機関との連携して支援していく必要があります。
C 適切です。
D 適切です。
問15
次のうち、保育所における、外国籍家庭や外国にルーツをもつ家庭の状況への理解と支援に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- A 外国人の親は、言語が異なることでコミュニケーションが上手く取れない場合、孤立し、孤独感をもつことがあるため、送迎時などに丁寧に関わり、問題を把握する必要がある。
- B 外国人であることや外見の違いから子どもがいじめられるのではないか、複数の文化的背景を持つ中で子どもはどのような性格になっていくか、子どもの文化的アイデンティティはどうなるか不安を抱く親もいる。
- C 日本の文化や習慣に子どもや保護者が早く慣れるよう、特別な個別の支援を行う必要はない。
- D 必要に応じて、園だよりや連絡帳の文章の漢字に読み仮名をつけたり、日常でも平易な単語や短い文章で表現するように工夫を行う。
(組み合わせ)
A | B | C | D | |
1 | 〇 | 〇 | 〇 | × |
2 | 〇 | 〇 | × | 〇 |
3 | 〇 | × | 〇 | × |
4 | × | 〇 | × | 〇 |
5 | × | × | × | 〇 |
正解は2
A 適切です。
B 適切です。
C 不適切です。
必要に応じて個別の支援をしていくことが必要です。
D 適切です。
B 適切です。
C 不適切です。
必要に応じて個別の支援をしていくことが必要です。
D 適切です。
問16
次のうち、日本の家族・家庭に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- A 「2019 年 国民生活基礎調査」(厚生労働省)によると、1世帯あたりの平均構成人数は減少傾向にあり、三世代世帯は減少し、単独世帯は増加している。
- B 「2019 年 国民生活基礎調査」(厚生労働省)によると、近年は核家族世帯のうち、「夫婦と未婚の子のみの世帯」は減少している。
- C 家族の定義は、情緒面での満足といった安らぎや癒しを求めるものから、血縁や婚姻などによるつながりを重視するものへと変化してきた。
- D 日本の高齢者の社会的ネットワークの特徴は、家族、親族、子どもが中心的な位置を占めているが、今後は家族・親族関係だけに頼らない、関係性を相対化できる社会的な広がりを持つことが必要である。
(組み合わせ)
A | B | C | D | |
1 | 〇 | 〇 | × | 〇 |
2 | 〇 | × | 〇 | 〇 |
3 | 〇 | × | × | × |
4 | × | 〇 | × | 〇 |
5 | × | × | 〇 | × |
正解は1
A 適切です。
B 適切です。
C 不適切です。
現在では必ずしも婚姻関係にとらわれない、むしろ情緒や関係性が重要視されるようになっています。
D 適切です。
B 適切です。
C 不適切です。
現在では必ずしも婚姻関係にとらわれない、むしろ情緒や関係性が重要視されるようになっています。
D 適切です。
問17
次のうち、児童虐待に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- A 発達障害は、虐待を受ける危険因子の一つである。
- B 被虐待体験は、社会・情緒的問題を生むが、脳に器質的・機能的な影響を与えない。
- C 被虐待体験は、心的外傷とはなり得ない。
- D 児童虐待の通告義務は、守秘義務より優先される。
(組み合わせ)
A | B | C | D | |
1 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
2 | 〇 | × | × | 〇 |
3 | × | 〇 | 〇 | × |
4 | × | × | 〇 | 〇 |
5 | × | × | × | × |
正解は2
A 適切です。
B 不適切です。被虐待経験は、社会・情緒的問題だけでなく、脳に器質的・機能的な影響を与えます。
C 不適切です。被虐待経験は、心的外傷となりえます。被虐待児童の症状としてPTSD(心的外傷後ストレス障害)が見られることも多いです。
D 適切です。
B 不適切です。被虐待経験は、社会・情緒的問題だけでなく、脳に器質的・機能的な影響を与えます。
C 不適切です。被虐待経験は、心的外傷となりえます。被虐待児童の症状としてPTSD(心的外傷後ストレス障害)が見られることも多いです。
D 適切です。
問18
次のうち、災害後における子どもの反応に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- A 子どもの心の問題は、災害直後よりも、ある程度時間が経過し、日常生活が軌道にのり始めた頃に顕在化し始めることが多い。
- B 幼児期・学童期の子どもでは、退行、分離不安、不安定な感情表出、身体症状など様々な形で表現される。例えば「災害ごっこ」を繰り返すなど、遊びで被災体験を表出することがある。
- C 学童期以降の子どもでは、基本的な信頼感の喪失や周囲からの疎外感、日常生活の変化などが要因となって孤立を深めたり、逆に安心感を過度に求めて特定の友人関係に固執したりすることがある。
- D 思春期の子どもでは、抽象的概念の理解が進み、生き残った罪悪感や、何もできなかった無力感、後悔など複雑な感情を抱くことがある。
(組み合わせ)
A | B | C | D | |
1 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
2 | 〇 | 〇 | × | × |
3 | 〇 | × | × | 〇 |
4 | × | 〇 | × | × |
5 | × | × | 〇 | 〇 |
正解は1
A 適切です。
B 適切です。
C 適切です。
D 適切です。
B 適切です。
C 適切です。
D 適切です。
問19
次の文は、保育の中でみられる子どもの姿についての記述である。A~Dを説明する用語を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- A まだ文字を読めない子どもが、お気に入りの絵本を見ながらまるで文字が読めるかのようにふるまう。
- B 子どもに「お散歩に行こう」と声をかけると、帽子を取りに行き、靴を履こうとする。
- C 自分が遊んでいる遊具に他児が近づいてくると、「今、私が遊んでいるからだめ」と言う。
- D 3歳児が砂を入れた容器を差し出して「アイスクリーム食べて」と言った時に、保育士が「冷凍庫に入れてあとで食べるよ」と応じると、急に真顔になり、「本当は食べちゃダメなんだよ」とわざわざ言う。
【語群】
- ア ナラティブ
- イ いやいや期
- ウ プレリテラシー
- エ メタコミュニケーション
- オ 自己主張
- カ リテラシー
- キ 二次的ことば
- ク スクリプト
(組み合わせ)
A | B | C | D | |
1 | ウ | ア | イ | キ |
2 | ウ | ク | オ | エ |
3 | ウ | ク | オ | キ |
4 | カ | ア | イ | エ |
5 | カ | ク | オ | キ |
正解は2
A ウ プレリテラシー
あたかも読み書き能力を有しているかのようにふるまう行動のことです。
B ク スクリプト
C オ 自己主張
D エ メタコミュニケーション
相手や場面、状況を意識してコミュ ニケーションをとることです。
あたかも読み書き能力を有しているかのようにふるまう行動のことです。
B ク スクリプト
C オ 自己主張
D エ メタコミュニケーション
相手や場面、状況を意識してコミュ ニケーションをとることです。
問20
次のうち、アタッチメント(愛着)についての記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- A ボウルビィ(Bowlby, J.)によれば、アタッチメント(愛着)の発達には4つの段階があり、分離不安や人見知りがみられるのは最終段階である。
- B 子どもが周囲のものや人に自ら関わろうとして上手くいかない時、愛着関係のある保育士の存在は、子どもにとっての安全基地となる。
- C エインズワース(Ainsworth, M.D.S.)はアタッチメント(愛着)の個人差を調べるために、ストレンジ・シチュエーション法を考案した。
- D 表象能力の発達によって、愛着対象に物理的に近接しなくても、そのイメージを心の拠り所として利用できるようになり、安心感を得られるようになる。
(組み合わせ)
A | B | C | D | |
1 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
2 | 〇 | 〇 | × | 〇 |
3 | 〇 | × | × | 〇 |
4 | × | 〇 | 〇 | 〇 |
5 | × | × | 〇 | × |
正解は4
A 不適切です。
分離不安や人見知りがみられるのは最終段階ではなく第3段階です。
B 適切です。
C 適切です。
D 適切です。
分離不安や人見知りがみられるのは最終段階ではなく第3段階です。
B 適切です。
C 適切です。
D 適切です。
B 不適切です。ワトソンは学習環境が整えば子どもは理想的な発達をすると考え、環境説を提唱しました。
C 不適切です。レディネスについての記述です。
D 不適切です。量的な変化を想定したものではなく、質的な変化の区切りです。