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オンラインでの会話では心は通じ合わない?脳研究者が警鐘

2022年02月12日 ニュース

新型コロナウイルスが猛威を奮ってから約2年、オンラインでのやり取りが増え、対面でもマスクをして会話をすることが普通となりました。
コミュニケーションのありかたが大きく変わった今、脳の活動に関して研究している東北大学加齢医学研究所の所長である川島隆太教授は、これらが社会に与える影響を危惧しています。さて、どんな問題点があるあのでしょうか。

対面では皆と脳の周波数が同期するが、オンラインでは全く合わない!

人間同士は無意識に「相手の気持ちを思いやりながら行動する」ということをしています。では、オンラインと対面ではどんな違いがるのでしょうか。

川島教授は、東北大学の学生を5人1組にして学部の勉強や趣味について、対面とオンラインとで会話をしてもらい、脳活動を比較する実験を行いました。この実験では、東北大学と日立ハイテクによる脳科学ベンチャー「NeU」で開発した脳活動センサーを使いました。

お互いが良いコミュニケーションをとれている時は、お互いの脳活動がシンクロしており、揺らぎが同期する、という現象が起きました。
対面で相手の顔を見ながら会話をしているときは、5人の脳の反応の周波数は同期していたとのことです。

しかしオンラインでの会話では同期が一切見られなかったそうです。

オンラインで会話しても脳の同期が見られない、ということは・・・?

脳の活動が同期していないということは、ずばりオンラインは脳にとってコミュニケーションとなっていないことを意味しています。
要するに、情報は伝達しているけれども、感情は共有していない、ということを意味します。相手とは心が繋がっていないのです。

このコミュニケーション方法が多用され続ければ、「人とは関わっている、けれども孤独である」という矛盾した状況が起こってくるのではないか、と推測される、と川島教授は語っています。

感情が共有されない理由1・・・視線

心理学の世界でも、コミュニケーションの場面で視線が合うと共感が得やすいとされています。オンラインではカメラを見て話せば視線は合います。しかし、PCやスマホでは、カメラの位置と画面の位置は微妙に離れています。このわずかなズレが大きな違和感となっているとのことです。

感情が共有されない理由2・・・音声と画面のズレ

オンラインだと、どうしても音声と画面がずれてしまいます。脳にとっては、紙芝居と音声がずれた状態で行われているように感じてしまうそうです。

割り込み「スイッチング」も集中力を低下させる

SNSの利用が増え、仕事中や勉強中に並行して利用することが多くなりました。これは、メインの作業に時々割り込みが入ることになります。スイッチがあちらこちらに入ったりする「スイッチング」が増えれば増えるほど注意能力は下がります。
原因は解明されていませんが、医学的にはうつ状態になりやすいと言われているそうです。

表情が読みにくいマスクは子どもの心の発達に影響が及ぶことが懸念される

最も心配なのは子どもへの影響だ、と川島教授は語っています。

仙台市から提供を受けた市内の小中高に通う7万人分の学力と生活習慣についてデータ分析すると、長引くコロナ禍で子どもの自尊心や自己肯定感が急速に下がっていたそうです。
子どもは発達期に自己肯定感が低いと、希望をもって将来を見通すことができにくくなることが分かっています。

オンラインツールは大変便利ですが、一日も早く対面のコミュニケーションが取れる社会に戻さないと、子どもの心の発達に影響が及ぶのではないかと、川島教授は強い危機感を持っているそうです。

今は対面で会話をしてもマスク越し。表情が乏しくなったり、感情が読み取りにくくなったりしています。このように、コミュニケーションが苦手な子どもたちが将来社会で中心的な存在となった時、コミュニケーションに難を持った人が増えているのではないか、と心配です。それを「彼らはコロナ世代だから」と否定的な意味合いを込めて呼ばれてしまうのでは、と心配しているとのことです。

家庭や保育園では、対面のコミュニケーションを意識的に多くして、子どもと接してあげたいものですね。

2022年2月3日(木) 朝日新聞朝刊より出典・引用しています。

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