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需要が増え続けている母乳バンク。課題は?

2019年08月17日 ニュース

高齢出産での早産や不妊治療による多胎妊娠が増え続けている現代、体重1500g未満で生まれる赤ちゃんは増え続けています。
このようなケースでは母乳が出にくかったり出ないお母さんもいます。
また病気の治療による影響で母乳を与えられないお母さんもいます。
そんな赤ちゃんでも、他者から提供された母乳-ドナーミルクを安心して無料で飲んでもらおうという取り組みが「母乳バンク」です。

母乳バンク設立の経緯

日本で初めて母乳バンクができたのは2014年。昭和大学 江東豊洲病院に設立されました。同時に一般社団法人「日本母乳バンク協会」も設立されました。
海外では約50カ国に600施設もあり、カナダやアメリカでは毎年2~3カ所づつ新設されています。しかし5年たった今でも日本ではこの一か所にとどまっています。
ドナーミルクは家庭の経済事情に左右されることなく必要な赤ちゃんに平等に提供されるように無料としています。
現在、年間4,000~5,000人の赤ちゃんがドナーミルクを必要としている、と言われています。

早産の赤ちゃんには人工乳を与える病院が多い

病院では早産の赤ちゃんには人工乳-いわゆる粉ミルクを与えるところが多いです。しかし、消化吸収器官が未発達な赤ちゃんこそ、母乳が適しているとのこと。
理由は次の5つ。①消化吸収が穏やか、②乳頭分解酵素が活性化、③未熟児網膜症や壊死性腸炎(えしせいちょうえん)などの病気を防ぐ、④神経系の発達を促す。⑤免疫物質の摂取

満期産の赤ちゃんであれば、妊娠週数や出生体重も正常範囲なので、粉ミルクでも胃腸にあまり影響がないかもしれません。しかし早産の赤ちゃんは同じようにはいきません。
一般的に早産で生まれた赤ちゃんのお母さんの母乳には、神経系の発達を促すDHAやタンパク質が含まれているとのこと。
赤ちゃんのために母親の体内で作り出される母乳は、何にも勝る最適な栄養素であることは言うまでもありません。

最大の課題は費用の確保

最大の課題はやはり費用の問題です。ドナーミルクの低温殺菌装置や冷凍保存装置などの設備費に約500万円、細菌検査などの人件費に年間約400万円かかります。これだけの費用を賄うのは簡単なことではありません。開設したい医療機関があっても、費用面から見送らなくてはならない現実もあるようです。

母乳バンクへの登録の順序

母乳バンクの登録は以下の順序で行われます。
①提供希望者の血液検査や問診を行う→②母乳の細菌検査→③62.5℃で低温殺菌→④再び母乳の細菌検査→⑤マイナス30℃で冷凍保存。

ただし、ドナーミルクの保存期間は最長で3ヵ月。常に新しいドナーミルクが必要です。いつでも安心して提供できるようになるといいですね。

2019年7月31日(水)朝日新聞より

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