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一から作る新しい学校、2020年に開校した「軽井沢風越学園」

2022年01月22日 ニュース

2020年春、一から作る新しい学校として、長野県の軽井沢に風越学園という学校が誕生しました。いったいどんな特徴を持っている学校なのでしょうか。

ともに「じっくり」「ゆったり」「たっぷり」まざって学ぶ新しい学校

風越学園にはクラスも決まった席もチャイムもありません。校則も定期テストもありません。
先生という呼び名もなく、大人も子どもも本人の望む名前で呼びます。ここでは子どもと大人は仲間です。
風越学園は、オルタナティブスクール(学校以外の学びの場)ではなく、学校教育法第一条に定められた私立の幼稚園(年少・年中・年長)と、義務教育学校(9学年)です。
浅間山を望む2万坪を超える広大な敷地の中で、年少から8年生まで260名が学んでいます。

軽井沢 風越学園 はこちら
https://kazakoshi.ed.jp/

約4割が軽井沢町内に在住、約1割が近隣の市に在住、約5割は首都圏や国内外から親子で移住してきているそうです。

朝は8時過ぎ、生徒たちが登校してきます。学級に代わる異年齢混合の「ホーム」ごとに集まり、その日の予定を確認します。
ここでは年少~2年生の「前期」と、3~8年生の「後期」のホームが合わせて10個あります。異年齢で混ざるのが日常となっています。

例えば、5,6年生の読書家の時間では面白い試みが

校舎1階の1/3近くは開放感あふれる吹き抜けのライブラリーになっています。絵本から図鑑まで約3万冊が並んでいます。

5,6年生の読書家の時間では、みんなが車座になって「どうして自分がその本を選んだのか、ペアで1分間トークしてみよう」と始まります。それぞれが質問しあったり表紙や書名からわいたイメージを語り合います。

人と関わり成長し、楽しい学校にしたい、と創設した本城慎之介理事長

近年は、既存の形にとらわれない新しい学校を作る試みが全国に広がっています。創設した本城慎之介さん(49)は、「楽天」の創業者の一人。本城さんはまず「学校って楽しい場所だ」と思ってほしいそうです。
学校を作ろうと思ったのは2002年ごろ。今も幸せで卒業しても幸せでその先の未来も幸せになってほしいと思っているそうです。

当初は中高一貫校を考えていたそう。でも、楽天を退職し、市立中学の校長となり、その後2009年に軽井沢に移住したら、そうではないと思えたとのことです。
当時、本城さんには2歳、4歳、6歳、7歳の子持ち。自然の中で一日活動する地元の「もりのようちえん ぴっぴ」のスタッフになり、これだ、と感じたそうです。

安心して失敗ができ、かかわりの中で成長していく。3歳から15歳までいて、それぞれが未来を創る自分を考える。保護者も教師も一緒に子どもたちの成長を喜べる。そんな学校があったら、と思ったそうです。

本城さん自身は北海道の小さな町で育ち、妻は阪神大震災を経験しているそうです。振り返ると、子育ての場所は東京じゃないな、と感じたそうです。

今自分はどこにいるのか、どこに向かおうとしているのか、自分と対話して社会と対話していく中で、色々なことが更新されていきます。自分の社会も未来を作るのは自分、と語っています。

開講して2年経ちましたが、いい意味で面倒くさい学校だそうです。手間暇をかけるから生きている実感が持てるそうです。

2022年1月16日(日) 朝日新聞朝刊  より出典・引用しています。

 

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