よく「太ってる人は子どもの頃から太っている」と言われますが、学童期や成人後に肥満の人は、幼児期から肥満であったことが多いという研究結果が出ています。
幼児期から肥満に気を付けていないと、大人になってから生活習慣病にかかるリスクが高くことを示しています。
5,6歳頃に肥満の子は要注意
産まれてからハイハイ期まで、赤ちゃんは自分で動き回れないため、ころころと太っています。ハイハイ時期になると一気に活動量が増し、活発になります。
一般的に幼児は6歳頃が一番体脂肪率が低いとされ、成人に近づくにつれて増えていきます。
体重も身長も爆発的に増え、ぐんぐん成長していきます。
太っている大人→子どもの頃から太っていたケースが多い
5歳で肥満だった子どもが12才になった時、同じく肥満だっと割合は59%にものぼるという研究結果があります。
幼児期の肥満は学童期だけでなく大人の肥満にもつながるリスクがあるということをです。
幼児期から肥満の子どもがいたら、正しく介入し、肥満を防ぐ生活習慣を身に付けさせる必要があります。
家族も一緒に巻き込むことになりますが、幼児一人だけでは生活習慣は変えることは難しく、家族の協力が不可欠。家族全員が肥満という家もありますので、家族全体をサポートしていかなければならないケースも多いでしょう。
母子手帳の身体発育曲線とほぼ平行なら問題ない
幼児の身長と体重のバランスが標準かどうかは、母子手帳にある身体発育曲線を参考にします。身体の発達は個人差が大きいため、大きい小さいは問題ではありません。
注目すべきは標準曲線とほぼ平行になっているかどうか。大きく外れてしまっていて、体重の増加だけが著しい場合は肥満のリスクが高いです。
生活習慣を見直すことを考えなくてはなりません。
普段から以下に気を付けよう
幼児は大人と違って身長も伸びています。ですから体重を減らす、という考えではなく、体重の増え方をなだらかにする、と考えます。
●夜9時までに就寝、睡眠時間は10時間確保を目標
●1日2時間以上テレビ・スマホを見ない
●ジュースや清涼飲料水は日常的に飲まない
●早食いは肥満の元
●ながら食べは肥満の元
●1日3食食べ、おやつはそれでも足りない栄養素を摂る
●1日1時間以上楽しく体を動かす。
食事だけ、運動だけではなく、運動と食事の両方からアプローチする必要があります。
2020年2月16日(日)朝日新聞朝刊より出典