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保育士試験
過去問題
令和3年度(前期)

保育の心理学 令和3年度(前期)

問1

次の文はエインズワース(Ainsworth, M.D.S.)のアタッチメント(愛着)に関する記述である。A~Dの記述にあてはまる用語を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 子どもが初めて訪れる部屋に親子を案内し、親と分離させたり、見知らぬ人と対面させたり、親と再会させることによって、子どもの反応を組織的に観察する実験法である。
  2. B 親との分離に際し、泣くなどの混乱を示すということがほとんどない。
  3. C 親との分離に際し、多少の泣きや混乱を示すが、親との再会時には積極的に身体接触を求め、すぐに落ちつく。
  4. D 親との分離に際し、非常に強い不安や混乱を示し、親との再会時には、親に強く身体接触を求めるが、その一方で親に対して強い怒りを示す。

 

【語群】
  • ア IWM(インターナル・ワーキング・モデル)
  • イ SSP(ストレンジ・シチュエーション法)
  • ウ Cタイプ(アンビバレント型)
  • エ Aタイプ(回避型)
  • オ Bタイプ(安定型)

 

(組み合わせ)
A B C D
1
2
3
4
5
正解は4
A…イ
SSP(ストレンジ・シチュエーション法)についての記述です。愛着の個人差を測る方法です。

B…エ 
Aタイプ(回避型)についての記述です。
見知らぬところに連れてこられても、母親が出て行っても、変わらず一人遊びを続けたりして母親を無視している場合回避型とされます。

C…オ 
Bタイプ(安定型)についての記述です。安定した愛着を持っている場合、母親がいなくなると泣いて不安を表します。しかし戻ってくるとすぐに安心して遊び出す場合は安定型とされます。

D…ウ 
Cタイプ (アンビバレント型)についての記述です。
母親が一緒にいる時は安心して遊んでいますが、母親が部屋を出て行ってまた戻ってきた際に、愛着行動のみならず敵意や攻撃をします。母親に対して十分な信頼がない場合アンビバレント型とされます。
問2

次の幼児と保育士の園庭におけるやりとりを記述した【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】

2~5歳児の子どもたちが砂場でそれぞれ遊んでいた。保育士が来ると、ある子どもが皿に型抜きをした砂を盛って「ハンバーグ」と言って差し出した。すると保育士は「わぁ、おいしそー」と言って、食べる真似をしたが、それがあまりにも上手で本当に食べてしまったようにも見えた。これに対して、子どもたちは次のような反応を示した。

 

2歳児: 保育士の様子をジーっと見つめた後、型抜きをした砂を食べられるものだと思ったのか、自
分も一緒になって本当に食べようとした。

 

3歳児: 保育士の様子を不思議そうに見つめた後、少し気持ちが混乱したかのように「おいしい?」
と聞いてきた。

 

4歳児: 「それ食べたら病気になるよ!」「早く口から出してー!」と焦った様子で保育士に伝えた。

 

5歳児: ちょっと驚いた様子をみせたが、冗談だと理解したのか「じゃあ、今度はこれも食べてー」と、次々、型抜きをした砂ハンバークを持ってきて、「僕も食べるよー。なーんてね、嘘だよー」と言った。

【設問】

次のA~Dのうち、上記の事例の説明として適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

 

  1. A 子どもの反応として、大まかには「信じ込み」から「疑い」そして「笑い」へという発達変化がみられる。
  2. B 不可思議な出来事に対して、「疑い」の気持ちを持ちつつも、同時に「信じる」心もあわせ持っている。
  3. C 虚構の世界と現実の世界の境界を揺れ動きながら、世界に対するものの見方や考え方を経験していく。
  4. D ごっこ遊びの中で、子どもは虚構を虚構として認識することで、怖いものや不思議を楽しむようになる。  

 

(組み合わせ)
A B C D
1
2 × ×
3 × ×
4 × × ×
5 × ×
正解は1
A…適切です。 

B…適切です。

C…適切です。 

D…適切です。 

AからDは全て正しい説明です。
問3

次の文は、子どもの言語発達に関する記述である。適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 子どもは、時には「ワンワン」を犬だけでなく、ねこ、うま、うし、などのあらゆる四つ足動物に使ったり、大人の男性を「パパ」といったりするように、語を大人の語の適用範囲よりも広く使う。これを語の過大般用/語彙拡張(over-extention)という。
  2. B 子どもは、時には自分のコップだけを「コップ」というなど、特定の文脈だけに限定された語の使用をする。これを語の過小般用/語彙縮小(over-restriction)という。
  3. C 子どもが早期に獲得する語彙 50 語の中では、人や物のような目に見える具体物を表す名詞よりも、動きを表す動詞の方が獲得しやすい。
  4. D 語彙爆発/語彙噴出(vocabulary spurt)とは、これまで少しずつ増えていた子どもの語彙が、ある時期に急増する現象をいう。

 

(組み合わせ)
A B C D
1
2 ×
3 ×
4 ×
5 × ×
正解は2
A…適切です。 
語の過大般用/語彙拡張とは、車でもバスでも電車でも全て「ブーブー」と表現することで、語彙が増えてくる時期(1歳6ヶ月)まで目立ち、それ以降は減少します。

B…適切です。 
語の過小般用/語彙縮小は大人の言葉の適応範囲よりも狭い範囲の意味で使うことを指します。

C…不適切です。 
子どもが早期に覚える語彙は名詞が多いといわれています。

D…適切です。
問4

次の( A )~( D )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

ヒトにおいては、発達の過程の中で遺伝と環境の問題は、( A )が発達を規定していると捉えられている。また、近代の高度産業社会の成立とともに、世代が新たになるにつれて、様々な発達が低年齢化したり、集団や地域差が生じるという( B )が指摘された。( B )には2つの側面がみられる。一つは、発達速度や発達水準の差を異なる世代間の相違とする( C )であり、①身長・体重の伸び、②第二次性徴発現の低年齢化などがあげられる。もう一つは、発達速度や発達水準の差を同世代間の集団差、地域差とする( D )であり、①都市部の青少年は、それ以外の郡部の青少年に比較して身長が高い、②都市部の児童は、それ以外の郡部の児童よりも性成熟が低年齢化している、などがあげられる。

【語群】
  • ア 環境      
  • イ 遺伝と環境の相互作用  
  • ウ 発達普遍現象  
  • エ 発達加速現象
  • オ 年間加速現象
  • カ 発達勾配現象

 

(組み合わせ)

 

A B C D
1
2
3
4
5

 

正解は4
A…イ
ヒトの発達において親から受け継いだ遺伝子と、生まれ育った環境が互いに影響し合うという相互作用説が有力と考えられています。

B…エ 
近年身体的側面の加速現象が特に著しくなっています。 

C…オ 
精神的、身体的に発達速度が早くなる現象を指します。

D…カ 
地域、集団での発達差を示すものを「発達勾配現象」といいます。
問5

次の文は、ピアジェ(Piaget, J.)の発生的認識論に関する記述である。( A )~( D )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

ピアジェの発生的認識論では、2~7歳の子どもは( A )にあたる。この時期は( B )と
( C )とに分けて考えられている。この説によれば( B )では、子どもは2頭のゾウを見て、
そこから共通性を取り出しゾウというひとまとまりである類として捉えることは難しく、「ゾウの花
子」「ゾウの太郎」というようにそれぞれ個として考える。( C )では、カテゴリーを伴う思考が
できるようになり、徐々に複数の知覚情報によって理解できるようになる。例えば、大きさだけで理
解していたことが、大きさと重さの2つから考えられるようになり、「大きいけれど軽い」などの判
断が可能になる。しかし、その一方で、この時期の子どもの判断は見かけにより左右され、また他人
の視点にたって物事を捉えて行動することが難しいことなどをピアジェは( D )と名づけた。

【語群】
  • ア 具体的操作期  
  • イ 前操作期   
  • ウ 感覚的思考  
  • エ 前概念的思考
  • オ 直観的思考  
  • カ 論理的思考  
  • キ 自己中心性  
  • ク 利己主義

 

(組み合わせ)
A B C D
1
2
3
4
5

 

正解は5
A…イ 
2~7歳の保育園や幼稚園に通う子が多い時期を指します。
「操作」とは、情報を正しく処理することです。
この段階 の人間は情報処理が未熟なため、「前操作」といいます。
前操作期の特徴は「自己中心性」と「中心化」です。

B…エ 
前概念的思考は2歳から4歳ごろの段階で、行為表象から概念表象への移行段階であり、象徴的遊びや描画によって強化されます。

C…オ 
直感的思考は4歳から7歳ごろの段階で、言語が発達して概念化が進み、個と類の識別も可能になります。しかし判断はまだ見掛けに左右されてしまいます。

D…キ 
自己中心性とは、自分以外の視点を持っていないことで「自分が楽しければ、相手も楽しい」「自分が悲しければ、相手も悲しい」と判断することです。
問6

次の文は、幼児の学びの過程に関する記述である。(a)~(d)の下線部分を説明するものとして、【説明欄】から選択した場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。

幼児期においても、子どもは様々な工夫をしながら、すでに計算のやり方を発見しているのである。
例えば、(a)おはじき2個と3個を合わせるのであれば、指を2本立て、次に指を3本立て、改めて(b)指を数え直すと5になることを見い出す。そのうちに、はじめの2本は立てずに後の3本を立て、(c)「1、2」と口で言って、3本の指を立てる時点で「3、4、5」と口で言うこともするようになる。さらに(d)「3に5を足す」といった場合に、「5に3を足す」というように、順序を逆に行うと楽だということも発見する。

【説明欄】
  1. ア 「対象を数える順序は数に無関係である」ことは順序不変の原則という。
  2. イ 「数詞をいつも同じ順序で唱える」ことは安定した順序の原則という。
  3. ウ 「付与された最後の数詞が対象の集合の数を示す」ことは基数の原則という。
  4. エ 「数える対象のそれぞれに、ただ一つの数詞を割り当てる」ことは一対一対応の原則という。 

 

(組み合わせ)
a b c d
1
2
3
4
5
正解は5
a…エ 
一対一対応の原則とは、1つ1つ指差しして数えることです。

b…ウ   
基数の原則とは、数えた最後に言った数がその量だということです。 

c…イ 
安定した順序の原則とは、「いーち、にー、さーん…」と数唱することです。

d…ア 
順序不変の原則とは、どこから数えても量は一緒だということです。
問7

次の文のうち、「保育所保育指針」第2章「保育の内容」1「乳児保育に関わるねらい及び内容」の一部として、正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 子どもからの働きかけを踏まえた、応答的な触れ合いや言葉がけによって、欲求が満たされ、安定感をもって過ごす。
  2. B 保育士は、子どもの反応を引き出し、関心を方向づけ、保育士からの働きかけを受け止める力を育てるようにすると、子どもは身近な環境に親しみをしめすようになる。
  3. C 生活の中でも、遊びの中でも、保育士等が主導し、たくさんの経験を重ねることで、後の子どもの主体性の芽生えを育む。
  4. D 保育士等による語りかけや歌いかけ、発声や喃語等への応答を通じて、言葉の理解や発語の意欲が育つ。

 

(組み合わせ)
A B C D
1 × ×
2 × ×
3 × ×
4 ×
5 × ×
正解は3
A …適切です。記述の通りです。

B …不適切です。保育士が子どもの関心を方向づけるのではなく、子どもが探索意欲を満たして自由に遊べるように環境を整える必要があります。

C …不適切です。保育士が主導するのではなく、乳児保育は愛情豊かに応答的に行われることが必要です。

D…適切です。記述の通りです。


保育所保育指針より抜粋

第2章 保育の内容
1 乳児保育に関わるねらい及び内容

(1) 基本的事項
ア 乳児期の発達については、視覚、聴覚などの感覚や、座る、はう、歩くなどの運動機能が著しく発達し、特定の大人との応答的な関わりを通じて、情緒的な 絆が形成されるといった特徴がある。これらの発達の特徴を踏まえて、乳児保育は、愛情豊かに、応答的に行われることが特に必要である。

イ 身近な人と気持ちが通じ合う
(イ) 内容
① 子どもからの働きかけを踏まえた、応答的な触れ合いや言葉がけによって、欲求が満たされ、安定感をもって過ごす。

④ 保育士等による語りかけや歌いかけ、発声や 喃語等への応答を通じて、言葉の理解や発語の意欲が育つ。

ウ 身近なものと関わり感性が育つ
(ウ) 内容の取扱い
① 玩具などは、音質、形、色、大きさなど子どもの発達状態に応じて適切なものを選び、その時々の子どもの興味や関心を踏まえるなど、遊びを通して感覚の発達が促されるものとなるように工夫すること。なお、安全な環境の下で、子どもが探索意欲を満たして自由に遊べるよう、身の回りのものについては、常に十分な点検を行うこと。
問8

次のうち、観察法についての記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 観察法は、構造化の程度によって構造化観察、半構造化観察、非構造化観察の3種類に分類される。
  2. B 観察者が存在することによる影響をできるだけ避けようとする場合、傍観的観察を行う。
  3. C 参与観察は、人の生活の場で対象となる人たちと関わりながら、観察することをいう。
  4. D 現場に解決すべき課題があると気づいたとき、当事者たちの生活や社会をよくするために観察し、実践研究を進めていくことをアクションリサーチという。

 

(組み合わせ)
A B C D
1 ×
2 × ×
3 × ×
4 ×
5 × × ×
正解は4
A…不適切です。 
面接法に関する記述です。構造化面接、半構造化面接、非構造化面接の3種類に分類されます。

B…適切です。 
傍観的観察 手や口を出さずに、ただそばで見ていたり、眺めていたりすることです。

C…適切です。 
参与観察は、調査者自身が調査対象である社会や集団に加わり、長期にわたって生活を共にしながら観察し、資料を収集する方法です。

D…適切です。 
アクションリサーチは、集団力学の創始者レビンが提唱した研究法です。
問9

次のうち、「保育所保育指針」第4章「子育て支援」(2)「保護者の状況に配慮した個別の支援」に照らして、子どもの障害や発達上の課題への対応として適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 他の子どもや保護者に対しては、保育所としての方針や取り組み等について丁寧に説明するとともに、必要に応じて障害に対する正しい知識や認識ができるように配慮する。
  2. B かかりつけ医や保健センター等との連携をはじめ、児童発達支援センター等の専門機関からの助言を受けたりするなど、状況に応じて関係機関と協力しながら支援していくことが重要である。
  3. C 保育所では、子どもへの援助に関する計画や記録を個別に作成して進め、一方、保護者支援は外部専門機関に託するなど、分けて考えるのが基本である。
  4. D 就学に際しては、保護者の意向よりもこれまでの保育所生活を踏まえ、小学校や特別支援学校等への交渉を図ることが求められる。

    (組み合わせ)
    A B C D
    1 ×
    2 × ×
    3 × ×
    4 ×
    5 × × ×
正解は2
A…適切です。 
記述通りです。

B…適切です。 
記述通りです。

C…不適切です。 
保護者支援は外部専門機関に託すのではなく、市町村や関係機関と連携しながら保護者への個別支援を行うことが必要です。

D…不適切です。 
就学に関しては、本人や保護者の意見を尊重し、市町村教育委員会、学校等が教育的ニーズと必要な支援について合意形成を図っていくことが重要です。


保育所保育指針より抜粋

第4章 子育て支援
2 保育所を利用している保護者に対する子育て支援
(2) 保護者の状況に配慮した個別の支援

ア 保護者の就労と子育ての両立等を支援するため、保護者の多様化した保育の需要に応じ、病児保育事業など多様な事業を実施する場合には、保護者の状況に配慮するとともに、子どもの福祉が尊重されるよう努め、子どもの生活の連続性を考慮すること。

イ 子どもに障害や発達上の課題が見られる場合には、市町村や関係機関と連携及び協力を図りつつ、保護者に対する個別の支援を行うよう努めること。

ウ 外国籍家庭など、特別な配慮を必要とする家庭の場合には、状況等に応じて個別の支援を行うよう努めること。
問10

次の文は、学童期以降の仲間関係に関する記述である。( A )~( E )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

小学生の中・高学年に形成される( A )の高い仲間集団は( B )と呼ばれる。( B )は、一緒に同じ活動に熱中することで得られる一体感や充実感を活力源とする集団である。一方、中学生頃の女児にしばしばみられる( C )は、お互いの感覚が同じであり「分かり合っている」ことを確認し、誇示する仲間集団である。( C )が( B )と異なるのは、単に同じ活動を共に行うだけでなく、共通の趣味や話題を核とした密接な関わりをもつ点にある。だが、どちらも( D )な性質をもつことは共通した特徴である。
しかし、現代では、遊び場の減少や( E )の進行、ゲームなどの遊び方の変化により、こうした仲間集団のあり方が変化しているといわれる。

【語群】
  • ア 凝集性  
  • イ ギャング・グループ  
  • ウ 拡散性  
  • エ チャム・グループ
  • オ 親和的  
  • カ ピア・グループ  
  • キ 少子化  
  • ク 排他的  
  • ケ 高齢化

 

(組み合わせ)
A B C D E
1
2
3
4
5
正解は1
A…ア 
凝集性 ギャング・グループの特徴の1つに、仲間同士の結びつきの強さ(凝集性)が見られます。

B…イ 
ギャング・グループ 小学校中学年から高学年に、遊びを中心にして8人程度の集団からなり、極めて閉鎖性が高いグループのことです。

C…エ 
チャムグループ 中学生(思春期)の仲間集団のことであり、特に女子に見られます。

D…ク 
思春期初期の女子に多く見られ、同質であることを過剰なほど求めるがゆえに異質な面は些細なものでも排除しようとする排他性が強い特徴があります。

E…キ 
少子化により同年代の仲間と切磋琢磨して健やかに育つ環境や、乳幼児と触れ合って育つ環境までも奪われつつあります。
問11

次のA~Dのうち、エリクソン(Erikson, E.H.)の発達理論に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 生涯は8つの段階に区分され、各段階はその時期に達成されるべき発達課題をもち、それを乗り越えることにより次の段階に進むという過程をたどる。
  2. B 学童期から青年期にあたる第4段階と第5段階では、「自主性 対 罪悪感」、「同一性 対 同一性の混乱」の危機がある。
  3. C 青年期はアイデンティティを模索する時期であり、モラトリアムの時期としている。
  4. D アイデンティティとは、自己の連続性と斉一性についての感覚であり、「自分とは何か」についての答えである。

 

(組み合わせ)
A B C D
1 × ×
2 ×
3 × ×
4 ×
5 × ×
正解は2
A…適切です。
 
B…不適切です。 
学童期は「勤勉対劣等感」です。「自主性対罪悪感」は第3段階の幼児期後期です。

C…適切です。 

D…適切です。
問12

次のA~Dのうち、幼児と周囲の大人との関係に関する記述として、「保育所保育指針」に照らして考えた場合、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 保育所の生活において地域の人たちと積極的に関わる体験をもつことは、人と関わる力を育てる
    上で大切である。
  2. B 子どもが地域の人々との交流を通して、人間は一人だけで孤立して生きているのではなく、周囲
    の人たちと支え合って生きていることを実感することが大切である。
  3. C 近年は、家庭においても地域においても人間関係が希薄化し、子どもたちの人と関わる力が弱
    まってきている。
  4. D 保育士は、親や祖父母などの家族のことを話題にすることで、子どもが家族の愛情に気付き、家
    族を大切にしようとする気持ちをもつように働きかけることが必要である。

 

(組み合わせ)
A B C D
1
2 ×
3 ×
4 × × ×
5 × × × ×

 

正解は1
「保育所保育指針」参照。

A〜Dは幼児と周囲の大人との関係に関する記述として適切です。
問13

次のA~Dのうち、子育てを取り巻く社会的状況に関する記述として、適切な組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 「保育所等関連状況取りまとめ(平成 31 年4月1日)」(令和元年 厚生労働省)において、保育所等待機児童数の状況を年齢別にみると0歳児の利用率が上昇傾向にあり、待機児童数は特に0歳児に多い。
  2. B 「育児と介護のダブルケアの実態に関する調査」(平成 28 年 内閣府)によると、子育てと親の介護を同時に担うダブルケアを行う者は 30 歳~ 40 歳代が多く、男女ともにダブルケアを行う者全体の約8割を占める。
  3. C ひとり親家庭になる原因の一つである離婚に関して、「平成 29 年(2017)人口動態統計の年間推計」(厚生労働省)によると、日本の年間婚姻件数と離婚件数の割合は、ほぼ4:1である。
  4. D 「統計が語る平成のあゆみ」(平成 31 年 総務省)および「平成 30 年版男女共同参画白書概要」(平成 30 年 内閣府)によると、女性の社会進出に伴い、女性の労働力人口比率のM字型曲線は少しずつ緩やかになり、共働き世帯は増加している。

 

(組み合わせ)
1 A B
2 A C
3 B C
4 B D
5 C D

 

正解は4
A…不適切です。 
待機児童数が多いのは1・2歳児です。

B…適切です。 
記述の通りです。

C…不適切です。
年間婚姻件数と離婚件数の割合は、ほぼ3:1でした。

D…適切です。 
記述の通りです。
問14

次のA~Dのうち、子育て支援に関する記述として、「保育所保育指針」に照らして適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 保護者に対する子育て支援を適切に行うためには、自らの役割や専門性の範囲を踏まえると同時に、関係機関の役割や機能を理解して、各機関との連携を意識することが重要である。
  2. B 「受容」とは、保護者の不適切な態度や要求を応諾することである。
  3. C 人見知りや自己主張など、一見否定的に見える子どもの姿にも発達的意義があることを保護者に
    伝えることで、保護者の子ども理解が深まり、子どもへの関わりの質の向上につながる。
  4. D 保護者の子育てを自ら実践する力を向上させるために、保育士は一定の水準を定め、すべての保
    護者をその水準に押し上げるよう支援することが求められる。

 

(組み合わせ)
A B C D
1 ×
2 ×
3 × ×
4 × ×
5 × × ×

 

正解は3
A…適切です。 
記述の通りです。

B…不適切です。
「受容」とは保護者の不適切な態度や要求を応諾することではなく、そのような行動をとった保護者の背景を汲み取ることです。

C…適切です。 
記述の通りです。

D…不適切です。
保護者の状況や親子関係、家庭生活等に配慮した個別の支援が求められます。
問15

次のA~Dのうち、幼児期の子ども同士で生じる「いざこざ」に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 幼児期の子どもは、相手の思いや意図を理解したり、同じイメージやルールの理解を共有したり、自分の情動をコントロールするといったことがまだ十分には身についていないため、いざこざが生じることが多い。
  2. B 幼児期のいざこざには、たまたま相手の身体が触れて、自分の作っていた積み木が崩れてしまうなど、偶発的な理由から生じるものはない。
  3. C いざこざに対する方略として、自分の権利を主張したり、交渉したり、保育士に「○○ちゃんがとった」と訴え、権威のある者に解決を依存することもある。
  4. D 3歳後半頃になると、いざこざの体験を重ねることを通して人間関係が深まり、友達や周囲の人の気持ちに触れて、相手の気持ちに共感したり、相手の視点から自分の行動を振り返ったりして、考えながら行動する姿がみられるようになる。

 

(組み合わせ)
A B C D
1
2 ×
3 × ×
4 × × ×
5 × × × ×

 

 

正解は3
A…適切です。 
記述の通りです。

B…不適切です。
幼児期のいざこざの原因として偶発的な理由から生じることが多いです。

C…適切です。 
記述の通りです。

D…不適切です。 
3歳後半はまだ他人の立場にや立って考えることが難しい時期です。相手の気持ちに共感できるのは4〜5歳過ぎからです。
問16

次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】

ある保育所で5歳児クラスの男児4人は、砂場で高い山を作ろうとして、山の近くの砂をかき集める、バケツに砂を入れて渡す、バケツを受け取って砂をかけるなどしている。その様子を見て、同じクラスのP君が「僕も入れて」と言いながらやって来た。男児4人は「ねぇ、P君は仲間だったっけ?」「最初から(砂山作りに)いなかったよねぇ」などと言い始めた。仲間に入りたいP君は「僕は力持ちだからたくさん砂を運べるよ」と訴えると、男児のうち一人が「そうだ、P君は力持ちなんだよね」と認め、他の男児も「そっか、P君が入ればパワーアップだ」と答え、4人は納得してP君を砂山作りの仲間に入れることにした。

 

【設問】

この事例と、最も関連性の低い用語を一つ選びなさい。

 

 

1 帰属意識
2 協同性
3 自己主張
4 自他比較
5 社会的参照

 

正解は5
1「帰属意識」はある集団に属しているという意識や感覚であり、関連性があります。

2「協同性」は友達と関わる中で、互いの思いや考えなどを共有し、共通の目的の実現に向けて、考えたり工夫したり協力したりすることなので、関連性があります。

3「自己主張」は、自分の考えや意見、欲求を他人に伝えることなので、関連があります。

4「自他比較」は自分と他人を比べることなので、関連があります。

5「社会的参照」は問題解決場面や、行動選択場面において、自分だけは意思決定や行動選択がしにくい時、周りの人の表情や態度、反応をみて行動を決定する行動のことを意味します。よって最も関連性が低いです。
問17

次の文は、ブロンフェンブレンナー(Bronfenbrenner, U.)の生態学的システム論に関する記述である。A~Dの記述に該当する用語を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 子どもが直接所属している家庭、保育所、幼稚園などをいう。
  2. B 子どもが属している家庭と保育所の関係、あるいは家庭と地域の関係などをいう。
  3. C 親の職業や社会福祉サービスなどをいう。
  4. D 日本文化や制度、法律、宗教などをいう。
【語群】
  • ア クロノシステム   
  • イ メゾシステム   
  • ウ マクロシステム
  • エ マイクロシステム  
  • オ エクソシステム

 

(組み合わせ)
A B C D
1
2
3
4
5
正解は4
A…エ 
マイクロシステムとは、子どもが直接関わる場所を指します。

B…イ 
メゾシステムとは、子どもを取り巻く環境同士の関係を指します。

C…オ 
エクソシステムとは、本人とは直接関わらないが、間接的に本人に影響を与える周りの環境を指します。

D…ウ 
マクロシステムとはマイクロシステム、メゾシステム、エクソシステムを包括する大きな背景を指します。

アのクロノシステムとは、4つのシステム全てに影響を与える時間軸のことを指します。
問18

次の【図】は、「平成 27 年度 第8回高齢者の生活と意識に関する国際比較調査結果」(内閣府)における、「別居している子供を持つ高齢者が、別居している子供と会ったり、電話等で連絡をとったりしている頻度」について示したものである。
以下の【設問】に答えなさい。
(備考)60 歳以上の男女を対象に、別居している自分の子供との接触頻度について尋ねた調査である。

 

 

【設問】

次のA~Dのうち、【図】を説明する文として適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

 

  1. A 各国の「全体」では、「ほとんど毎日」と「週に1回以上」を合わせた割合は、アメリカ、ドイツ、スウェーデンでは6割を超えるが、日本はおおよそ5割である。
  2. B 各国の「全体」では、日本、ドイツ、スウェーデンでは「週に1回以上」の割合が最も高く、次いで日本とスウェーデンでは「月に1~2回」の割合が高くなっている。
  3. C 「男性」に着目すると、日本とドイツの男性は、「ほとんど毎日」と「週に1回以上」を合わせた割合が5割を下回っている。
  4. D 性別で比較すると、4か国とも「ほとんど毎日」の割合は男性より女性で高く、特にアメリカとドイツでは女性の割合が男性よりも 10%以上高い。

 

 

(組み合わせ)
A B C D
1 × ×
2 × ×
3 × ×
4 ×
5 × ×

 

正解は3
A…適切です。 
記述通りです。

B…不適切です。 
日本では「月に1〜2回」が2番目に多くなっているが、スウェーデンでは「ほとんど毎日」が2番目に多くなっています。

C…不適切です。 
日本では「ほとんど毎日」と「週1回以上」を合わせた割合は5割を下回る(46.4%)が、ドイツは5割を超える(53.5%)結果となっています。

D…適切です。 
記述通りです。
問19

次のA~Dのうち、選択性緘黙症に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 特定の場所(例えば保育所)で話すことが困難な選択性緘黙症の子どもでも、時にその保育所でよく話す時期がある。
  2. B 選択性緘黙症の子どもの多くは、学業上の問題や対人コミュニケーション上の問題を持っていない。
  3. C 選択性緘黙症の子どもは、ほとんどいつも他の不安症(例えば社交恐怖)をも有する。
  4. D 選択性緘黙症の発症は、通常5歳未満である。

 

 

(組み合わせ)
A B C D
1 ×
2 × ×
3 ×
4 × ×
5 × × ×

 

正解は4
A…不適切です。 
「選択性緘黙」とは、言語能力は正常であるのに、選択された特定の場面や人に対して、話すことができないという小児期特有の状態をいいます。

B…不適切です。 
選択性緘黙の障害は、授業中に発言できなかったり、対人的コミュニケーションを妨げるものとなります。

C…適切です。 

D…適切です。
問20

次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】


ある 26 歳の保護者から保育士に次のような相談があった。「数か月前のある日、会社に遅刻した際に上司から注意を受けたが、それ以来たびたび息苦しさを感じるようになった。会社だけでなく、家でも、通勤途中の電車の中でも急に呼吸ができないような感じに襲われ、これがあまりにも度重なるため、『いつかまた突然同じ症状が出現するのではないか』と考えるだけで不安でたまらない。」

 

【設問】

この事例で最も疑われる精神医学的問題を一つ選びなさい。

 

1 統合失調症
2 自閉スペクトラム症
3 うつ病
4 パニック障害
5 疼痛性障害

 

正解は4
この事例はパニック障害の記述です。

パニック障害は、パニック発作から始まります。はじめはパニック発作だけですが、発作をくりかえすうちに、発作のない時に予期不安や広場恐怖といった症状が現れるようになります。

「パニック発作」→ 繰り返される予期しないパニック発作です。

「予期不安」→「今度こそ死んでしまうのでは」「次に発作が起きたら気がおかしくなってしまう」といった不安が消えなくなることです。

「広場恐怖」→発作が起きた時、そこから逃れられないのではないか、助けが得られないのではないか、恥をかくのではないか、と思える苦手な場所ができて、その場所や状況を避けるようになることです。

これらを3大症状と言います。
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