前回に引き続き保育士試験で一番最初の試験科目
【保育の心理学】について、
問6から問10について、回答と解説をしていきます。
保育の心理学では発達心理学の分野の中でも、特に初期の発達の愛着形成の障害をめぐる分野は頻出です。
問6 次の文は、子どもの心の病気に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 小さな子どものパニック障害は、パニック発作だけでなく、かんしゃくや逃避などの形をとる場合もある。
B 選択性緘黙(場面緘黙)は、話す能力はあるのに、場面によってわざと話さないことである。
C 子どものうつ症状は、イライラ・怒りっぽさ・過眠・過食といった形で表出されることが多い。
D 子どものストレスは、身体症状に現れやすい。
(組み合わせ)
A B C D
1 ○ ○ × ○
2 ○ × ○ ○
3 ○ × ○ ×
4 × ○ ○ ×
5 × × ○ ○
回答は2
解説
A 〇 その通りです
B × 「わざと話さない」は誤りです。選択性緘黙(場面緘黙)は親しいひとの前では普通に話せても学校やあまり知らない人の前では話せなくなる状態をいいます。多くは3〜8歳の間で発症します。
C 〇 その通りです。その他の症状として学校へ行きたがらない・頭痛や腹痛・学業成績の低下等の特徴があります。
D 〇 その通りです。身体・心や行動にも現れます。
問7 次の文は、保育所保育における養護と教育に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 保育所における保育は、養護及び教育を一体的に行うことをその特性とする。
B 養護は、子どもの状況に応じて保育士が適切に行うものであり、教育は、子どもの自発的、主体的な活動を保育士が援助するものである。
C 養護と教育の間には、明確な境界がある。
D 一般に、子どもの年齢が低い方が養護の比重が大きく、年齢が上がるにつれ、教育の比重が増えてくる。
(組み合わせ)
A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ○
3 ○ × × ○
4 ○ × × ×
5 × × ○ ○
回答は2
解説
A 〇 その通りです。保育所保育において養護と教育の一体的に展開されるものです。
B 〇 その通りです。保育における養護とは、子どもの生命の保持及び情緒の安定を図るために保育士等が行う援助や関わりであり、「教育」とはこどもが健やかに成長し、その活動が豊かに展開されるための発達の援助です。
C × 区分があるものではなく一体のものとして見通すことが求められます。
D 〇 その通りです。子どもの年齢や発達によっ. て、それぞれの比重は異なります。
問8 次の文は、保育所や幼稚園等と小学校との連携・接続に関する記述である。( A )〜( C )にあてはまる語句 【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
保育所や幼稚園等と小学校とが連携し、幼児期から児童期にかけて、子どもの発達や学びの( A )を保障するために、幼児期に( B )カリキュラムが、小学校では( C )カリキュラムが計画・実践されることが増加してきた。
【語群】
ア 効率化 イ 連続性 ウ アプローチ エ コア オ スタート
(組み合わせ)
A B C
1 ア ウ エ
2 ア エ オ
3 イ ウ エ
4 イ ウ オ
5 イ オ ウ
回答は4
解説
A イ 連続性
幼児期の教育と小学校教育の円滑な接続の在り方について(報告)によると、
第1章 幼小接続の現状と課題のポイントとして子どもの発達や学びの連続性を保障するため、幼児期の教育(幼稚園、保育所、認定こども園における教育)と児童期の教育(小学校における教育)が円滑に接続し、体系的な教育が組織的に行われることは極めて重要である。としています。
B ウ アプローチ
アプローチカリキュラムとは、幼児期にふさわしい生活を通してこの時期ならではの資質・能力を育み、小学校の生活や学びにつながるように工夫されたカリキュラムです。
C オ スタート
小学校に入学した児童がスムーズに学校生活へ適応していけるように編成した第1学年入学当初のカリキュラムです。
問9 次の文は、保育記録に関する記述である。( A )〜( D )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
従来の( A )記録や週日案型記録に加えて、近年、保育マップ型記録や ( B ) が注目されている。( B )は、文章と( C )などを併用することが多く、特に( D )の子ども同士のやりとりが盛んな遊びを継続的に記録しやすい。
【語群】
ア 日誌型 イ ドキュメンテーション ウ 保育要録 エ 写真 オ 指導案 カ 乳児期 キ 幼児期後期
(組み合わせ)
A B C D
1 ア イ エ カ
2 ア イ エ キ
3 ア ウ オ キ
4 イ ウ エ カ
5 イ ウ オ キ
回答は2
解説
A ア 日誌型
B イ ドキュメンテーション
C エ 写真
D キ 幼児期後期
問 10 次の文は、発達上の問題に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 心身の発達状況に部分的な偏りや全般的な遅れなどがある場合を、非定型発達と呼ぶことがある。
B 発達上の問題は、一般的に発達の遅れと発達の偏りの視点から評価される。
C 生活年齢における一般的な発達状態にある場合、発達検査での発達指数はおよそ1となる。
D 発達検査は、必ず検査者が直接子どもを観察して評価しなければならない。
(組み合わせ)
A B C D
1 × ○ ○ ×
2 × × ○ ×
3 × × × ○
4 ○ ○ × ○
5 ○ ○ × ×
回答は5
解説
A 〇 その通りです。
B 〇 その通りです。
C × 発達年齢と実際の年齢が同じ場合発達指数の値は100前後です。
D × 直接観察するものだけでなく、保護者など養育者に質問しその報告をもとにして評価を行うものがあり、テスト法としては乳幼児精神発達診断法や新版K式発達検査などがあります。
いかがでしたか?
発達障害の問題も頻出してますね。見直すと良いでしょう。
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