注射針を刺す時のあのチクっとした痛み。この度、局所麻酔でその痛みを和らげようとする動きが小児科で広まっています。これによって子どもの恐怖心も和らぐかもしれません。
病院や注射嫌いの子どもをもっとな少なくしたい!
痛みへの恐怖のため、失神したり転倒したりする人もいる注射。これが原因で病院や注射が嫌いになる人もいます。
海外ではすでにクリームやパッチ式の麻酔薬が使われており、国内でも小児科や透析現場で使われ始めました。新型コロナワクチンの接種でも使用が検討されているようです。
子どもが注射の度に泣くのを見るのがつらい・・・
注射をすると分かって泣き叫ぶ子ども、それを押さえつける母親や看護師・・・見ていて辛いですね。
注射をするときの痛みや痛みに対する恐怖から、めまいやふらつき、失神などを起こす反応は「血管迷走神経反射」に繋がる恐れもあります。
カナダの研究では、注射の針にたいして、親の24%、子どもの63%が怖いと感じているそうです。またその恐怖が、予防接種を受けない選択に結びついてしまう傾向もあるようでした。
子ども専門の病院では、注射や採血に対する説明を、絵本や人形を使って説明し、不安を和らげる取り組みが進んでいます。局所麻酔もそのひとつです。
局所麻酔が効くまで1時間くらいかかってしまうが効果は抜群
局所麻酔は、初めて使った子どもが「痛くない!」と驚くこともあるそうです。月齢の低い子どもは注射を打たれていることに気付かないこともあるのだとか。効果はかなり高いといえます。
しかし、医師の提案にたいして、親の中には「これくらいは我慢させないといけない」と、断られることがしばしばあるそうです。
親の世代は「我慢して当たり前」だったからといって、子どもにも押し付けるのは、時代遅れなのかもしれません。
「子どもに恐怖心や痛みを感じさせることを軽く見ない方が良い」と、福岡市立こども病院の古野憲司医師は話しています。
現在は、小児医療や繰り返し針を刺さなければならない透析医療の分野で使われ始めているとのことです。
価格はクリームが1g190円、パッチが1枚350円。予防接種の中でも保険診療に当てはまらない接種に使用する場合は、全額が自己負担になることもあるので、よく医師と相談してくださいね。
2021年6月30日(水)朝日新聞朝刊より出典・引用しています。
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