保育士試験
過去問題
令和1年度(後期)
保育実習理論 令和1年度(後期)
次の曲の伴奏部分として、A~Dにあてはまるものの正しい組み合わせを一つ選びなさい。
楽譜:著作権の関係により公表できません。
(組み合わせ)
A | B | C | D | |
1 | イ | エ | ア | ウ |
2 | イ | エ | イ | ウ |
3 | ウ | イ | エ | ア |
4 | エ | ア | ウ | イ |
5 | エ | ア | ウ | ウ |
次のA~Dを意味する音楽用語を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- A 少し強く
- B 甘くやわらかに
- C ゆるやかに
- D つねに
【語群】
- ア mf
- イ sempre
- ウ poco
- エ dolce
- オ dim.
- カ legato
- キ mp
- ク lento
(組み合わせ)
A | B | C | D | |
1 | ア | エ | イ | ウ |
2 | ア | エ | ク | イ |
3 | イ | オ | キ | ク |
4 | オ | イ | ク | カ |
5 | ク | ウ | ア | キ |
B-エ 「甘くやわらかに」を意味する音楽用語は、dolceです。
C-ク 「ゆるやかに」を意味する音楽用語は、lentoです。
D-イ 「つねに」を意味する音楽用語は、sempreです。
次のコードネームにあてはまる伴盤の位置として正しい組み合わせを一つ選びなさい。
(組み合わせ)
B | B♭m | F7 | Amaj7 | |
1 | ア | ウ | ア | ウ |
2 | ア | ウ | イ | ウ |
3 | イ | イ | ア | ア |
4 | イ | ウ | イ | イ |
5 | ウ | ア | ウ | ア |
B(ビー):ア ⑨⑫⓱(レ#・ファ#・シ) B(シ)を根音とし、長3度上のレ#、完全5度上のファ#で構成される長三和音です。鍵盤位置は第1転回形です。
B♭m(ビー・フラットマイナー):ウ ❹⑦⑪(シ♭・レ♭・ファ)B♭(シ♭)を根音とし、短3度上のレ♭、完全5度上のファで構成される短三和音です。鍵盤位置は基本形です。
F₇(エフ・セブン):イ ③⑨⓫(ラ・ミ♭・ファ) F(ファ)を根音とし、長3度上のラ、短7度上のミ♭で構成されるセブンスの和音。鍵盤位置は第1転回形です。
Amaj₇(エー・メジャー・セブン):ウ ⑭⓯⑲(ソ#・ラ・ド#) A(ラ)を根音とし、長3度上のド#、長7度上のソ#で構成される和音です。鍵盤位置は第3転回形です。
次の曲を5歳児クラスで歌ってみたところ最高音が歌いにくそうであった。そこで長2度下げて歌うことにした。その場合、下記のコードはどのように変えたらよいか、正しい組み合わせを一つ選びなさい。
楽譜:著作権の関係により公表できません。
(組み合わせ)
G | C | D7 | |
1 | F♯ | B | C♯7 |
2 | F♯ | B | C7 |
3 | F | B♭ | C♯7 |
4 | F | B | C7 |
5 | F | B♭ | C7 |
G(ソ)を長2度下げるためには、鍵盤図では、ソの鍵盤から左に3個移動(ソ→ファ♯→ファ)するためファとなり、コードはFとなる(①)同様にC(ド)を長2度下げると、鍵盤図では、左に3個移動(ド→シ→シ♭)するためシ♭となりコードはB♭となります(②)。また、D7(レ)を長2度下げると、鍵盤図では、左に3個移動(レ→ド♯→ド)するためドとなり、コードはC7となります(③)。
次のリズムは、ある曲の歌いはじめの部分である。それは次のうちのどれか、一つ選びなさい。
楽譜:著作権の関係により公表できません。
1 | 犬のおまわりさん(作詞:佐藤義美 作曲:大中恩) |
2 | さんぽ(作詞:中川李枝子 作曲:久石譲) |
3 | 一年生になったら(作詞:まど・みちお 作曲:山本直純) |
4 | 小鳥のうた(作詞:与田凖一 作曲:芥川也寸志) |
5 | 雪(文部省唱歌) |
次の文のうち、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- A 小林宗作は、日本にリトミックを普及させた。
- B 湯山昭は、「あめふりくまのこ」を作曲した。
- C 唱歌は、かつて音楽教科名でもあった。
- D 変ロ長調の調号は、フラットが3つである。
(組み合わせ)
A | B | C | D | |
1 | 〇 | 〇 | 〇 | × |
2 | 〇 | 〇 | × | 〇 |
3 | 〇 | × | × | 〇 |
4 | × | 〇 | × | 〇 |
5 | × | × | 〇 | × |
小林宗作は、子どもたちに自由で芸術的な音楽教育を受けさせることを志向し、トモエ学園を創設しました。日本ではじめてリトミックによる創造教育を実践し、学園出身者に黒柳徹子さんがいます。
B:〇
湯山昭は、日本の作曲家です。「あめふりくまのこ」のほか、「おはなしゆびさん」「山のワルツ」「おはながわらった」など多数の童謡を作曲しました。
C:〇
唱歌(しょうか)は歌をうたうことで、かつては旧制学校の音楽教科名でした。
D:×
変ロ長調の調号はフラットが2つあります。
次の文は、「保育所保育指針」第2章「保育の内容」3「3歳以上児の保育に関するねらい及び内容」(2)「ねらい及び内容」オ「表現」(ウ)「内容の取扱い」の一部である。( A )~( D )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
子どもの自己表現は( A )な形で行われることが多いので、保育士等はそのような表現を( B )し、子ども自身の表現しようとする( C )を受け止めて、子どもが生活の中で子どもらしい( D )な表現を楽しむことができるようにすること。
(組み合わせ)
A | B | C | D | |
1 | 自由 | 受容 | アイデア | 様々 |
2 | 素朴 | 受容 | 意欲 | 様々 |
3 | 自由 | 推奨 | 意欲 | 適切 |
4 | 素朴 | 推奨 | アイデア | 様々 |
5 | 素朴 | 推奨 | 意欲 | 適切 |
子どもの自己表現は(A 素朴)な形で行われることが多いので、保育士等はそのような表現を(B 受容)し、子ども自身の表現しようとする(C 意欲)を受け止めて、子どもが生活の中で子どもらしい(D 様々)な表現を楽しむことができるようにすること。
保育所保育指針より抜粋
第2章 保育の内容
3 3歳以上児の保育に関するねらい及び内容
(2) ねらい及び内容
オ 表現
(ウ) 内容の取扱い
① 豊かな感性は、身近な環境と十分に関わる中で美しいもの、優れたもの、心を動かす出来事などに出会い、そこから得た感動を他の子どもや保育士等と共有し、様々に表現することなどを通して養われるようにすること。その際、風の音や雨の音、身近にある草や花の形や色など自然の中にある音、形、色などに気付くようにすること。
② 子どもの自己表現は素朴な形で行われることが多いので、保育士等はそのような表現を受容し、子ども自身の表現しようとする意欲を受け止めて、子どもが生活の中で子どもらしい様々な表現を楽しむことができるようにすること。
③ 生活経験や発達に応じ、自ら様々な表現を楽しみ、表現する意欲を十分に発揮させることができるように、遊具や用具などを整えたり、様々な素材や表現の仕方に親しんだり、他の子どもの表現に触れられるよう配慮したりし、表現する過程を大切にして自己表現を楽しめるように工夫すること。
次の【Ⅰ群】の人物名と【Ⅱ群】の用語および【Ⅲ群】の用語の解説を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
【Ⅰ群】
ア ケロッグ(Kellogg, R.)
イ リュケ(Luquet, G.H.)
ウ ローエンフェルド(Lowenfeld, V.)
【Ⅱ群】
カ 視覚型と触覚型
キ 知的リアリズム
ク マンダラ
【Ⅲ群】
サ 子どもは見えたものではなく、知っていることを描く。
シ 個に応じた指導の必要性を、創造活動のタイプから説いた。
ス 世界各地の子どもの絵に見られる基本形である。
(組み合わせ)
Ⅰ群 | Ⅱ群 | Ⅲ群 | |
1 | ア | カ | ス |
2 | イ | カ | サ |
3 | イ | キ | サ |
4 | ウ | キ | シ |
5 | ウ | ク | シ |
ア.ケロッグは、錯画期に描かれたものを20の基本的スクリブルに分類しました。ケロッグによると、幼児期のマンダラは、すでに描画初期に円状のスクリブル(なぐりがき)に存在しているとし、幼児の描画はマンダラから図式画期へ進んでいくとしました。マンダラとは、丸や真四角を縦線と横線(十字)で分割したものや、丸を重ねた同心円や真四角を重ねた同心正方形も含めた構成線のことで、これは、世界各地の子どもの絵にみられる基本形です。
ウ.ローエンフェルド(ローウェンフェルト)は、子どもの造形的な創造活動の変化を精神的な発達との関連でとらえました。ローエンフェルドは、美術表現を「視覚型」と「触感型」という二つの型で区別することができるとし、個に応じた指導の必要性を創造活動のタイプから解きました。
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
H保育所のM保育士とJ保育士が、保育室の壁面装飾をするときの色使いについて、どんな色を選んで使うと、調和のとれた色の組み合わせで壁面が作れるかを話し合っています。
M:保育室の壁面を飾るとき、好きに色を選ぶと、うるさくバラバラな感じになることがありますね。
J:そうですね。色を選ぶときは、色相環で( A )を並べて組み合わせると、調和しやすく穏やかな印象となりますね。
M:元気で楽しい印象も入れたいときは、どうしたらよいですか。
J:それは、色相環で反対側の色を選んで並べると、目立った印象になります。
M:色相環の反対側の色とはそれぞれ( B )の関係ですね。
J:それぞれの色に白を混ぜたパステルカラーも、色の( C )は下がりますが、優しくまとまった印象の色構成をすることができます。
【設問】
( A )~( C )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
(組み合わせ)
A | B | C | |
1 | 同系色 | 補色 | 明度 |
2 | 反対色 | 寒色 | 明度 |
3 | 同系色 | 暖色 | 明度 |
4 | 反対色 | 寒色 | 彩度 |
5 | 同系色 | 補色 | 彩度 |
B. 補色とは、色相環の角度でほぼ正反対にある色のことです。
C. 彩度は、色の三要素(三属色)の一つで、色の鮮やかさの度合いのことです。
次の【Ⅰ群】の版技法の名称と、【Ⅱ群】の版技法の説明を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
【Ⅰ群】
- A スタンピング
- B ステンシル
- C マーブリング
【Ⅱ群】
- ア 木の皮や葉、凸凹のある壁などにトレーシングペーパーなどの薄紙をのせ、色鉛筆やクレヨンなどで擦り出していく転写技法。
- イ ある形を紙に型抜きし、その型の中に絵の具を刷り込む内塗りと、型の周りに絵の具を刷り込む外塗りの技法がある。
- ウ 段ボールや野菜の断面、木片やプラスチックのフタなど身の回りにあるものに絵の具をつけて、紙などに型押しをして楽しむ技法。
- エ 平らな容器に水を張り、墨汁または油性絵の具を油で薄めたものや、専用の絵の具などを水の表面に浮かして、水の上にできた模様を紙に写し取る技法。
- オ 紙をふたつ折りにして、開いた一方の折り目の近くに色をつけ、紙を閉じて手で強くこすって再び広げてみると、左右対称に不思議な形や色の模様ができる。
(組み合わせ)
A | B | C | |
1 | ア | オ | イ |
2 | ウ | ア | エ |
3 | ウ | イ | エ |
4 | エ | ア | ウ |
5 | エ | イ | オ |
A:ウ スタンピングの概念は幅広く、手形や足形をとることもスタンピングといいます。
B:イ ステンシルで絵の具を刷り込む場合はローラーやたんぽを用いるとよいです。
C:エ マーブリングは、水面の模様を紙に写し取ったあとに、その紙に新聞紙などを当てて余分な水分を吸い取ると模様が崩れにくく、きれいに仕上がります。
Ⅱ群アの技法名はフロッタージュ、オの技法名はデカルコマニーといいます。
次の文のうち、子どもが使う描画材に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- A パスは、油を使わずに顔料を練り固めたもので、子どもが淡い色の表現をしたいときに使うとよい。
- B コンテは、顔料と黒鉛などを練り固めたもので出来ていて、描いたところを指でこするとぼかしたような感じになる。
- C パステルは、顔料とのり状のもので練り固めてあり、網でこすって粉状にし、指につけ紙に描いたりすることができる。
- D クレヨンは、染料にロウを混ぜて固めたもので、水に溶かすと水彩絵の具のような表現になる。
(組み合わせ)
A | B | C | D | |
1 | 〇 | 〇 | 〇 | × |
2 | 〇 | × | × | 〇 |
3 | × | 〇 | 〇 | × |
4 | × | 〇 | × | 〇 |
5 | × | × | 〇 | 〇 |
油を使わずに、という記述が不適切です。パスは、顔料と油脂が主原料です。クレヨンより油分が多く、軟らかいので、面塗りや重ね塗りに適しています。
B.〇
コンテは、酸化鉄やカーボンブラック、酸化チタンなどの天然顔料を粉末状にしたものに、粘土やセルロースなどを加えて棒状にした後、焼成されているもので、粉っぽい粒子状の描線となります。デッサンを描くのに用いられています。
C.〇
パステルは、パスに似た画材で顔料を棒状に固めたものです。扱いやすいが、混色をしにくいという欠点があります。
D.×
水に溶かすと水彩絵の具のような表現になる、という記述が不適切です。一般的なクレヨンは、顔料とロウ(ワックス)でできている。ロウは油脂で、一般的なクレヨンは水に溶けないため水彩絵の具のような表現になりません。クレヨンを溶かす場合には、熱を加えることが一般的です。
タマゴの形に切った画用紙を折り曲げて「猫」の壁面装飾を作ろうとしています。次の1~5のうち、完成作品の形になるものを一つ選びなさい。
1 | |
2 | |
3 | |
4 | |
5 |
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
保育所に勤務しているR保育士は、最近、何人かの保護者から子どものきょうだい関係についての相談を受けた。例えば、下の子どもが生まれたことで、これまで食事を自分で食べていたのに親が食べさせないと食べなくなった話や、きょうだい間に強いライバル意識が生まれていざこざが増えたという話などであった。
そこで、来月の保護者会で、きょうだい関係によっておこる生活の変化や心の葛藤、またそれらを通して成長する子どもの姿を描いた絵本を保護者に紹介したいと考え、作品を集めることにした。
【設問】
次の絵本のうち、きょうだい関係を描いた作品にあてはまるものを○、あてはまらないものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- A 『ティッチ』パット・ハッチンス(作・画)石井桃子(訳)
- B 『ぼちぼち いこか』マイク=セイラー(作)ロバート=グロスマン(絵)今江祥智(訳)
- C 『ちょっとだけ』瀧村有子(作)鈴木永子(絵)
- D 『キャベツくん』長 新太(作)
(組み合わせ)
A | B | C | D | |
1 | 〇 | 〇 | × | 〇 |
2 | 〇 | 〇 | × | × |
3 | 〇 | × | 〇 | × |
4 | × | 〇 | × | 〇 |
5 | × | × | 〇 | × |
B:× 『ぼちぼち いこか』は主人公のかば君がいろいろな職業に挑戦しながらも、つぎつぎと失敗してしまう様子をユーモラスに描いた絵本です。日本語訳が関西弁という点も特徴的です。
C:〇 『ちょっとだけ』は、赤ちゃんがうまれてお姉ちゃんになったなっちゃんが主人公の絵本です。日々の生活のなかで、なっちゃんが少しずつ成長していく様子が描かれています。
D:× 『キャベツくん』は、おなかがすいたブタヤマさんと、ブタヤマさんに食べられそうになるキャベツくんのお話です。キャベツくんを食べた生き物の体の一部が、キャベツになってしまうというナンセンス絵本です。
次の文は、「保育所保育指針」の第1章及び第2章の一部である。文中の( )の中に「遊び」という言葉を入れたとき、正しい記述となるものを○、誤った記述となるものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- A 保育所は、その目的を達成するために、保育に関する専門性を有する職員が、家庭との緊密な連携の下に、子どもの状況や発達過程を踏まえ、保育所における( )を通して、養護及び教育を一体的に行うことを特性としている。
- B 子どもが自発的・意欲的に関われるような環境を構成し、子どもの主体的な活動や子ども相互の関わりを大切にすること。特に、乳幼児期にふさわしい体験が得られるように、生活や( )を通して総合的に保育すること。
- C 障害のある子どもの保育については、一人一人の子どもの発達過程や障害の状態を把握し、適切な環境の下で、障害のある子どもが他の子どもとの( )を通して共に成長できるよう、指導計画の中に位置付けること。
- D 幼児期において自然のもつ意味は大きく、自然の大きさ、美しさ、不思議さなどに直接触れる( )を通して、子どもの心が安らぎ、豊かな感情、好奇心、思考力、表現力の基礎が培われることを踏まえ、子どもが自然との関わりを深めることができるよう工夫すること。
(組み合わせ)
A | B | C | D | |
1 | 〇 | × | 〇 | × |
2 | 〇 | × | × | 〇 |
3 | × | 〇 | 〇 | × |
4 | × | 〇 | × | × |
5 | × | × | 〇 | 〇 |
B.〇 「子どもが自発的・意欲的に関われるような環境を構成し、子どもの主体的な活動や子ども相互の関わりを大切にすること。特に、乳幼児期にふさわしい体験が得られるように、生活や(遊び)を通して総合的に保育すること。」は、「指針1章」1「保育所保育に関する基本原則」(3)「保育の方法」オの文章です。
C.× 「障害のある子どもの保育については、一人一人の子どもの発達過程や障害の状態を把握し、適切な環境の下で、障害のある子どもが他の子どもとの(生活)を通して共に成長できるよう、指導計画の中に位置付けること。」は、「指針1章」3「保育の計画及び評価」(2)「指導計画の作成」キの文章です。
D.× 「幼児期において自然のもつ意味は大きく、自然の大きさ、美しさ、不思議さなどに直接触れる(体験)を通して、子どもの心が安らぎ、豊かな感情、好奇心、思考力、表現力の基礎が培われることを踏まえ、子どもが自然との関わりを深めることができるよう工夫すること。」は、「保育所保育指針」第2章「保育の内容」3「3歳以上児の保育に関するねらい及び内容」(2)「ねらい及び内容」ウ「環境」(ウ)「内容の取扱い」②の文章です。
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
保育所で実習を行っているKさんは、乳児クラスに配属された。実習生Kさんがおむつ替えをしていると、Lちゃんが泣き出して、とても時間がかかってしまった。しばらくたってS保育士がLちゃんのおむつ替えをしている様子を見ると、Lちゃんは機嫌よくしていた。実習生Kさんは、おむつ替えの仕方によって子どもの機嫌が変わることに気づき、おむつ替えをする際の留意点をまとめた。
【設問】
次の文のうち、乳児のおむつ替えをする際の留意点として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- A おむつ替えに必要なものは、保育士の手が届く所に準備する。
- B 身体に傷やあざなどがないかを確認する。
- C 目と目を合わさないようにおむつ替えをする。
- D おむつ交換中は、子どもの気が散ってしまうため、話しかけない。
(組み合わせ)
A | B | C | D | |
1 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
2 | 〇 | 〇 | × | × |
3 | 〇 | × | × | 〇 |
4 | × | × | 〇 | 〇 |
5 | × | × | 〇 | × |
おむつ替えに必要なものを保育士の手が届く所に準備することで、清潔で安全な子どもへの対応ができます。保育所保育指針には「清潔で安全な環境を整え、適切な援助や応答的な関わりを通して子どもの生理的欲求を満たしていく」とあります。(第1章「総則」2「養護に関する基本的事項」(2)ア(イ)③)。
B:〇
身体に傷やあざなどがないかを確認することは、子どもの健康における異常を把握する行為であり適切です。保育所保育指針には、「一人一人の子どもの平常の健康状態や発育及び発達状態を的確に把握し、異常を感じる場合は、速やかに適切に対応する」とあります(同①)。
C:×
目と目を合わさないようにおむつ替えをするのは、保育者の温かさや愛情を感じることが難しく、不適切です。保育所保育指針には、「乳児保育は、愛情豊かに、応答的に行われることが特に必要である」とあります(第2章「保育の内容」1「乳児保育にかかわるねらい及び内容」(1)「基本的事項」ア)。
D:×
選択肢Cの解説と同様である。おむつ交換中、子どもに話しかけない行為は、子どもが保育者の温かさや愛情を感じることが難しく、不適切です。
次の文のうち、「保育所保育指針」の第4章「子育て支援」2「保育所を利用している保護者に対する子育て支援」の一部として、( a )~( d )の下線部分が、正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
保護者の就労と子育ての(a 両立等)を支援するため、保護者の(b 多様化)した保育の需要に応じ、病児保育事業など多様な事業を実施する場合には、保護者の状況に配慮するとともに、子どもの(c 主体性)が尊重されるよう努め、子どもの生活の(d 特殊性)を考慮すること。
(組み合わせ)
a | b | c | d | |
1 | 〇 | 〇 | 〇 | × |
2 | 〇 | 〇 | × | 〇 |
3 | 〇 | 〇 | × | × |
4 | × | × | 〇 | 〇 |
5 | × | × | 〇 | × |
保護者の就労と子育ての(a 〇両立等)を支援するため、保護者の(b 〇多様化)した保育の需要に応じ、病児保育事業など多様な事業を実施する場合には、保護者の状況に配慮するとともに、子どもの(c ×主体性→〇福祉)が尊重されるよう努め、子どもの生活の(d ×特殊性→〇連続性)を考慮すること。
次の文は、「保育所保育指針」第1章「総則」4「幼児教育を行う施設として共有すべき事項」(2)「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」の一部である。( A )・( B )にあてはまる記述をア~エから選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- ・ 身近な環境に主体的に関わり様々な活動を楽しむ中で、しなければならないことを自覚し、( A )
- ・ 友達と様々な体験を重ねる中で、してよいことや悪いことが分かり、( B )
- ア 自分の力で行うために考えたり、工夫したりしながら、諦めずにやり遂げることで達成感を味わい、自信をもって行動するようになる。
- イ 相手の気持ちを考えて関わり、自分が役に立つ喜びを感じ、地域に親しみをもつようになる。
- ウ 自分の行動を振り返ったり、友達の気持ちに共感したりし、相手の立場に立って行動するようになる。
- エ 共通の目的の実現に向けて、考えたり、工夫したり、協力したりし、充実感をもってやり遂げるようになる。
(組み合わせ)
A | B | |
1 | ア | イ |
2 | ア | ウ |
3 | イ | ウ |
4 | イ | エ |
5 | ウ | エ |
記述は、「保育所保育指針」第1章「総則」4「幼児教育を行う施設として共有すべき事項」(2)「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」イ「自立心」の文章です。
B:ウ
記述は、同エ「道徳性・規範意識の芽生え」の文章です。
保育所保育指針より抜粋
第1章 総則
4 幼児教育を行う施設として共有すべき事項
(2) 幼児期の終わりまでに育ってほしい姿
次に示す「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」は、第2章に示すねらい及び内容に基づく保育活動全体を通して資質・能力が育まれている子どもの小学校就学時の具体的な姿であり、保育士等が指導を行う際に考慮するものである。
ア 健康な心と体
保育所の生活の中で、充実感をもって自分のやりたいことに向かって心と体を十分に働かせ、見通しをもって行動し、自ら健康で安全な生活をつくり出すようになる。
イ 自立心
身近な環境に主体的に関わり様々な活動を楽しむ中で、しなければならないことを自覚し、自分の力で行うために考えたり、工夫したりしながら、諦めずにやり遂げることで達成感を味わい、自信をもって行動するようになる。
ウ 協同性
友達と関わる中で、互いの思いや考えなどを共有し、共通の目的の実現に向けて、考えたり、工夫したり、協力したりし、充実感をもってやり遂げるようになる。
エ 道徳性・規範意識の芽生え
友達と様々な体験を重ねる中で、してよいことや悪いことが分かり、自分の行動を振り返ったり、友達の気持ちに共感したりし、相手の立場に立って行動するようになる。また、きまりを守る必要性が分かり、自分の気持ちを調整し、友達と折り合いを付けながら、きまりをつくったり、守ったりするようになる。
オ 社会生活との関わり
家族を大切にしようとする気持ちをもつとともに、地域の身近な人と触れ合う中で、人との様々な関わり方に気付き、相手の気持ちを考えて関わり、自分が役に立つ喜びを感じ、地域に親しみをもつようになる。また、保育所内外の様々な環境に関わる中で、遊びや生活に必要な情報を取り入れ、情報に基づき判断したり、情報を伝え合ったり、活用したりするなど、情報を役立てながら活動するようになるとともに、公共の施設を大切に利用するなどして、社会とのつながりなどを意識するようになる。
カ 思考力の芽生え
身近な事象に積極的に関わる中で、物の性質や仕組みなどを感じ取ったり、気付いたりし、考えたり、予想したり、工夫したりするなど、多様な関わりを楽しむようになる。また、友達の様々な考えに触れる中で、自分と異なる考えがあることに気付き、自ら判断したり、考え直したりするなど、新しい考えを生み出す喜びを味わいながら、自分の考えをよりよいものにするようになる。
キ 自然との関わり・生命尊重
自然に触れて感動する体験を通して、自然の変化などを感じ取り、好奇心や探究心をもって考え言葉などで表現しながら、身近な事象への関心が高まるとともに、自然への愛情や畏敬の念をもつようになる。また、身近な動植物に心を動かされる中で、生命の不思議さや尊さに気付き、身近な動植物への接し方を考え、命あるものとしていたわり、大切にする気持ちをもって関わるようになる。
ク 数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚
遊びや生活の中で、数量や図形、標識や文字などに親しむ体験を重ねたり、標識や文字の役割に気付いたりし、自らの必要感に基づきこれらを活用し、興味や関心、感覚をもつようになる。
ケ 言葉による伝え合い
保育士等や友達と心を通わせる中で、絵本や物語などに親しみながら、豊かな言葉や表現を身に付け、経験したことや考えたことなどを言葉で伝えたり、相手の話を注意して聞いたりし、言葉による伝え合いを楽しむようになる。
コ 豊かな感性と表現
心を動かす出来事などに触れ感性を働かせる中で、様々な素材の特徴や表現の仕方などに気付き、感じたことや考えたことを自分で表現したり、友達同士で表現する過程を楽しんだりし、表現する喜びを味わい、意欲をもつようになる。
次のA~Dのうち、「保育所保育指針」に記載されている「保育士等」に含まれる保育所職員として、あてはまるものを○、あてはまらないものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- A 施設長
- B 看護師
- C 調理員
- D 栄養士
(組み合わせ)
A | B | C | D | |
1 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
2 | 〇 | 〇 | × | × |
3 | 〇 | × | 〇 | 〇 |
4 | × | 〇 | × | 〇 |
5 | × | × | × | × |
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
母子生活支援施設で実習をしているPさん(21 歳、女性)は、実習指導を担当する職員からQさん(20 歳、女性)とWちゃん(1歳6か月、男児)の母子の自立支援計画の作成をするよう指示された。
Qさんは外国で生まれ育ち、3年前に就労目的で日本にやってきた。職場で日本人の男性と知り合い、結婚し、Wちゃんを出産したが、その直後から夫はQさんに対して暴力を振るうようになった。そのため、QさんはWちゃんを連れて逃げだし、DV被害者を対象としたシェルターに保護された。その後、現在の母子生活支援施設に入所して1か月が経った。Qさんは日本語での日常会話や簡単な読み書きしかできない。Wちゃんは元気に施設の近くにある保育所に通っており、新しい生活に慣れてきた。しかしQさんは、身近に相談できる友人がいないため、将来の生活に対して漠然と不安を感じている。Wちゃんのためには夫のもとに戻った方がよいのではないかと考えたり、怖いので戻りたくないと考えたり、混乱している状況である。また、現在のところ、夫との離婚は考えていない。
【設問】
次のうち、Pさんが作成する自立支援計画の1か月以内の取り組みの内容として、最も適切な記述を一つ選びなさい。
1 | 本人の意向を尊重し、夫との関係修復を目標とする。 |
2 | 養育の負担を減らすため、Wちゃんを児童養護施設に措置し、Qさんは日本語の修得を目指す。 |
3 | DVによるQさんの心理的被害への治療に取り組む。 |
4 | Wちゃんに適切な養育環境を提供するため、里親委託を目指す。 |
5 | 夫との関係を断ち切るために、Qさんと夫との離婚調停を進める。 |
2:× Qさんは、Wちゃんの児童養護施設入所や、自身の日本語修得を望んでいません。「保育所保育指針」第4章「子育て支援」1「保育所における子育て支援に関する基本的事項」(1)「保育所の特性を生かした子育て支援」アの記述に、「保護者に対する子育て支援を行う際には、各地域や家庭の実態等を踏まえるとともに、保護者の気持ちを受け止め、相互の信頼関係を基本に、保護者の自己決定を尊重すること」とあるように、Qさんの気持ちを受け止め、尊重する事が大切です。
3:〇 Qさんは、夫のもとに戻った方がよいのではないかと考えたり、混乱しています。DVによる心理的被害への治療に取り組むことは、Qさんが落ち着きを取り戻し、Qさん自身の答えを出すことにつながります。Qさんの気持ちを尊重した対応である為、適切です。
4:× QさんはWちゃんの里親委託を望んでいません。
5:× Qさんは、夫との離婚を考えていません。
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
T保育士は、児童養護施設で勤めはじめて2か月の新任である。T保育士が担当するM君(9歳)は、N君(7歳)に対して怒鳴って言うことをきかせようとしたり、N君の持ち物を壊したりすることが多くある。T保育士はその都度、注意するが、M君は全く素直に応じることがなく、反発する。ある時、こうした反抗的な態度に対してT保育士はとても腹を立て、声を荒げた。その様子を見ていた主任保育士はT保育士に対するスーパービジョンの際、「専門職としてあなた自身が自らの感情を自覚し理解する必要があるのではないか」と述べた。
【設問】
次のうち、主任保育士の発言が示唆している内容を、バイスティックの7原則にあてはめた場合の最も適切なものを一つ選びなさい。
1 | 個別化 |
2 | 受容 |
3 | 意図的な感情の表出 |
4 | 統制された情緒的関与 |
5 | 自己決定 |
個別化は、似た内容であってもまったく同様の問題は存在しないという考え方で、一人ひとりの子どもをよく見ることを意味する。
2:×
受容は、子どもを理解し、受け止めることを意味する。
3:×
意図的な感情の表出は、子どもが様々な感情を表現できるようになるための保育士のかかわりを意味する。
4:〇
統制された情緒的関与は、保育士が自身の感情を自覚し理解したうえで、子どもの感情に適切にな対応をすることを意味する。事例に当てはまり、適切である。
5:×
自己決定は、子どものことに関する子ども自身の決定を尊重することである。
A:イ (ソシレ)旋律は「シラソ」なのでシとソを含むイ(ソシレ)を選択します。
B:エ (ド・ミド・ソド)旋律は「ミラソミ」。拍頭ミとソを含むエ(ドミソ)を選択します。
C:イ (ソシレ)旋律は「レレソソ」なのでイ(ソシレ)を選択します。
D:ウ (レファ#ド)旋律の音はラです。ウ「レファ#ド」に旋律音ラが重なると、「レファ#ラド」となり、これはト長調の属七和音の響きとなります。アは「ラドミ」なので旋律音を含むが、ト長調の主要三和音ではないので、ここでは選択しません。