保育士試験
過去問題
令和5年度(後期)
保育実習理論 令和5年度(後期)
次の曲の伴奏部分として、A~Dにあてはまるものの正しい組み合わせを一つ選びなさい。
著作権の関係により公表できません。
(組み合わせ)
A | B | C | D | |
1 | ア | エ | ウ | イ |
2 | イ | エ | ア | ウ |
3 | ウ | イ | エ | ア |
4 | エ | ア | エ | イ |
5 | エ | イ | ア | ウ |
次のA~Dの音楽用語の意味を【語群】から選んだ場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A mp
B D.C.
C cresc.
D cantabile
【語群】
- ア とても弱く
- イ おわり
- ウ だんだん遅く
- エ やわらかく
- オ 歌うように
- カ もとの速さで
- キ 少し弱く
- ク だんだん強く
- ケ はじめに戻る
- コ 音の間を切れ目なくつなぐ
(組み合わせ)
A | B | C | D | |
1 | ア | イ | カ | コ |
2 | ア | ウ | ク | エ |
3 | エ | ケ | カ | オ |
4 | キ | イ | ウ | コ |
5 | キ | ケ | ク | オ |
B D.C. はじめに戻る
C cresc. だんだん強く
D cantabile 歌うように
次の楽譜からマイナーコード(短三和音)を抽出した正しい組み合わせを一つ選びなさい。
(組み合わせ)
A | B | C | |
1 | ア | イ | エ |
2 | ア | ウ | エ |
3 | ア | エ | オ |
4 | イ | ウ | オ |
5 | イ | エ | カ |
次の曲を5歳児クラスで歌ってみたところ、最低音が歌いにくそうであった。そこで短3度上げて歌うことにした。その場合、A、B、Cの音は、鍵盤の①~⑳のどこを弾くか、正しい組み合わせを一つ選びなさい。
(組み合わせ)
A | B | C | |
1 | ⑥ | ⑪ | ⑬ |
2 | ⑥ | ⑪ | ⑭ |
3 | ⑦ | ⑫ | ⑮ |
4 | ⑧ | ⑫ | ⑮ |
5 | ⑧ | ⑬ | ⑯ |
次のリズムは、ある曲の歌い始めの部分である。それは次のうちのどれか、一つ選びなさい。
著作権の関係により公表できません。
1 | 赤とんぼ(作詞:三木露風 作曲:山田耕筰) |
2 | たき火(作詞:巽聖歌 作曲:渡辺茂) |
3 | しゃぼん玉(作詞:野口雨情 作曲:中山晋平) |
4 | 浜辺の歌(作詞:林古溪 作曲:成田為三) |
5 | まっかな秋(作詞:薩摩忠 作曲:小林秀雄) |
タッタタターーー タッタタターーー
まっかだなーーー まっかだなーーー
次の楽譜は、ある曲の歌い始めの4小節である。これに関するA~Dのうち、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
著作権の関係により公表できません。
A この曲は、豆まきの様子を歌ったものである。
B この曲の作曲者は、滝廉太郎である。
C この曲は、明治時代に作曲された。
D この曲は、4分の4拍子、8小節からなる。
(組み合わせ)
A | B | C | D | |
1 | 〇 | 〇 | × | × |
2 | 〇 | × | 〇 | 〇 |
3 | × | 〇 | 〇 | × |
4 | × | 〇 | × | 〇 |
5 | × | × | 〇 | × |
「豆まき」ではなく「お正月」
B ○ 適切です。
C ○ 適切です。
D✖️
4分の4拍子ではあるが、8小節ではない
次の文は、「保育所保育指針」第2章「保育の内容」2「1歳以上3歳未満児の保育に関わるねらい及び内容」オ「表現」(ウ)「内容の取扱い」の一部である。( A )~( C )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- ・ 子どもの表現は、遊びや生活の様々な場面で( A )されているものであることから、それらを積極的に受け止め、様々な( B )の仕方や感性を豊かにする経験となるようにすること。
- ・ 子どもが試行錯誤しながら様々な( B )を楽しむことや、自分の力でやり遂げる( C )などに気付くよう、温かく見守るとともに、適切に援助を行うようにすること。
(組み合わせ)
A | B | C | |
1 | 表現 | 表出 | 満足感 |
2 | 表現 | 表出 | 充実感 |
3 | 表現 | 表出 | 達成感 |
4 | 表出 | 表現 | 達成感 |
5 | 表出 | 表現 | 充実感 |
・子どもが試行錯誤しながら様々な表現を楽しむことや、自分の力でやり遂げる充実感などに気付くよう、温かく見守るとともに、適切に援助を行うようにすること。
保育所保育指針より抜粋
第2章 保育の内容
2 1歳以上3歳未満児の保育に関わるねらい及び内容
(2) ねらい及び内容
オ 表現
(ウ) 内容の取扱い
上記の取扱いに当たっては、次の事項に留意する必要がある。
① 子どもの表現は、遊びや生活の様々な場面で表出されているものであることから、それらを積極的に受け止め、様々な表現の仕方や感性を豊かにする経験となるようにすること。
② 子どもが試行錯誤しながら様々な表現を楽しむことや、自分の力でやり遂げる充実感などに気付くよう、温かく見守るとともに、適切に援助を行うようにすること。
③ 様々な感情の表現等を通じて、子どもが自分の感情や気持ちに気付くようになる時期であることに鑑み、受容的な関わりの中で自信をもって表現をすることや、諦めずに続けた後の達成感等を感じられるような経験が蓄積されるようにすること。
④ 身近な自然や身の回りの事物に関わる中で、発見や心が動く経験が得られるよう、諸感覚を働かせることを楽しむ遊びや素材を用意するなど保育の環境を整えること。
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
学生のLさんは、保育所で実習を行うことになった。Lさんは、事前に幼児の造形に関する発達理論を学習することで、実習を通して幼児の発達をより深く理解することができるのではないかと考えた。
【設問】
次のうち、造形に関する発達理論として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- A ローエンフェルド(Lowenfeld, V.)は、子どもの描画の発達として自己表現の最初の段階(なぐりがきの段階)、再現の最初の試み(様式化前の段階)、形態概念の成立(様式化の段階)、写実的傾向の芽生え(ギャング・エイジ)等の段階があるとした。
- B ピアジェ(Piaget, J.)は、命のないものに生命や意思があると考える心理作用について、未成熟な子どもは、心の中の出来事と外界の出来事とがきちんと区別できているからだと考えた。
- C ケロッグ(Kellogg, R.)は、子どもの描く初期のスクリブルを分類した。
(組み合わせ)
A | B | C | |
1 | 〇 | 〇 | × |
2 | 〇 | × | 〇 |
3 | 〇 | × | × |
4 | × | 〇 | 〇 |
5 | × | × | 〇 |
B✖️
未成熟な子どもは、心の中の出来事と外界の出来事とが区別できていないからだと考えた。
C ○ 適切です。
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
運動会を翌週に控えたS保育所でN保育士(以下、N)とR保育士(以下、R)が、看板の文字と背景の色について話し合っています。
- N:来週の運動会の看板は、目立つようにしたいですね。
- R:そうですね。それなら看板に使う色の彩度にも気をつけたいですね。
- N:彩度とはなんですか。
- R:彩度とは、色の三属性の一つで、色みの強さや、( A )さの度合いのことをいいます。同じ色相・明度であっても、彩度が( )、より( A )に見える、ということになります。
- N:どんな色にも彩度はありますか。
- R:白・灰・黒には彩度がありません。わずかでも彩度を持った色は( C )といいます。また彩度は、周りの色の彩度によって変化して感じられます。
- N:そうなんですね。運動会の看板の色は彩度も考えて見やすいものをつくりたいですね。
【設問】
( A )~( C )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
(組み合わせ)
A | B | C | |
1 | きれい | 高ければ | 有彩色 |
2 | 鮮やか | 高ければ | 有彩色 |
3 | きれい | 低ければ | 純色 |
4 | 鮮やか | 高ければ | 純色 |
5 | 鮮やか | 低ければ | 有彩色 |
同じ色相・明度であっても、彩度が高ければ、より鮮やかに見えます。
白・灰・黒には彩度がなく、わずかでも彩度を持った色は有彩色といいます。
次のうち、はさみの説明や使い方のアドバイスとして、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- A はさみには、右手用・左手用という区別はない。
- B はさみは、刃元より刃先の方が厚紙などを容易に切ることができる。
- C 円形を切り抜くときには、持っている紙を動かして切ると切りやすい。
- D はさみを友達に渡すときには、安全のために柄を相手に向けて渡すようにする。
(組み合わせ)
A | B | C | D | |
1 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
2 | 〇 | 〇 | × | 〇 |
3 | 〇 | × | 〇 | × |
4 | × | × | 〇 | 〇 |
5 | × | × | × | × |
はさみには、右手用・左手用という区別はあります。
B ✖️
はさみは、刃先より刃元の方が厚紙などを容易に切ることができます。
C ○ 適切です。
D ○ 適切です。
次のうち、フィンガーペインティングに関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- A フィンガーペインティングの技法は、太古から洞窟壁画などに用いられてきた。
- B 洗濯のりにポスターカラーなどの色材を混ぜて、フィンガーペインティング用の絵の具を作ることができる。
- C フィンガーペインティングを行った直後に、描かれた画面に紙をのせて版画のように写し取ることができる。
- D フィンガーペインティングの活動では、絵の具の感触を楽しむことができる。
(組み合わせ)
A | B | C | D | |
1 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
2 | 〇 | 〇 | × | 〇 |
3 | 〇 | × | 〇 | 〇 |
4 | × | 〇 | 〇 | 〇 |
5 | × | 〇 | × | × |
B ○ 適切です。
C ○ 適切です。
D ○ 適切です。
M保育所では、室内飾りを切り紙で作ろうと準備している。図1のように紙を折り、はさみを入れて開くと図2のような形状になる飾りを作る場合、切り込み線の入れ方として、図3の1~5のうち、正しいものを一つ選びなさい。(紙などを実際に折ったり切ったりしないで考えること。)
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
次の文は、「保育所保育指針」第1章「総則」4「幼児教育を行う施設として共有すべき事項」(2)「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」ク「数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚」の一部である。( A )~( C )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
遊びや( A )の中で、数量や図形、標識や文字などに親しむ体験を重ねたり、標識や文字の( B )に気付いたりし、自らの( C )に基づきこれらを活用し、興味や関心、感覚をもつようになる。
(組み合わせ)
A | B | C | |
1 | 生活 | 性質 | 必要感 |
2 | 学び | 役割 | 意思 |
3 | 学び | 性質 | 意思 |
4 | 生活 | 役割 | 必要感 |
5 | 学び | 性質 | 必要感 |
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
保育所の新任のP保育士は、施設長から、「子どもの遊びを支える環境についてというテーマで、来週、保育所内で保育カンファレンスを行います」と伝えられました。
【設問】
次のうち、保育カンファレンス当日のP保育士の行動や態度として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- A 新任のため、保育所内の環境についてよく理解していないので、発言は控える。
- B 他の保育士の意見より、施設長や主任などの意見を尊重する。
- C 自分の考えと異なる保育士の意見にも耳を傾ける。
- D 看護師、調理員、栄養士等とは職務内容が異なるので、それぞれが担う業務に対しての意見は控える。
(組み合わせ)
A | B | C | D | |
1 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
2 | 〇 | 〇 | × | × |
3 | 〇 | × | 〇 | 〇 |
4 | × | 〇 | × | × |
5 | × | × | 〇 | × |
保育カンファレンスの目的とは、参加者全員の意識が変わり、人間関係が向上されることです。
経験や立場の違う参加者からさまざまな意見が出ることが大切になります。
B ✖️
施設長や主任の意見だけでなく、他の保育士の意見を尊重します。
C ○ 適切です。
D ✖️
保育の質を高めていくために様々な意見の中からどれを実践していくかを関係者同士で意見を出し合う必要があります。
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
保育所の5歳児クラスを担当しているR保育士は、子どもの動線に配慮した園庭や遊具の配置などを検討するために、子どもの動線を記録することとした。
【設問】
次のうち、動線の記録と園庭や遊具の配置などの対応として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- A 動線を記録してみると、園庭で広い空間を使って「色鬼(色つき鬼)」などルールのある遊びに熱中している活発な子どものグループがあることがわかった。しばしばこの動線が、3歳未満児クラスが砂場で遊んでいる空間と交差していた。そこで、3歳未満児クラスの担当保育士と話し合い、園庭の使い方の共通理解をはかることとした。
- B 動線を記録してみると、虫取りが好きな子どものグループがあり、垣根や裏庭の花壇の周辺を回遊するように遊んでいることがわかった。そこで、子どもの自然な活動の流れが崩れないように、その動線上の安全点検をすることとした。
- C 動線を記録してみると、保育室のままごとコーナーで遊んでいる子どもが「散歩に行こう」と園庭に出ていくことがあるとわかった。そこで、特定の場所でじっくり遊べるように、ままごとコーナーから園庭に簡単に出られないように、活動を分ける仕切りを置くこととした。
(組み合わせ)
A | B | C | |
1 | 〇 | 〇 | 〇 |
2 | 〇 | 〇 | × |
3 | 〇 | × | 〇 |
4 | × | × | 〇 |
5 | × | × | × |
B ○ 適切です。
C ×不適切です。
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
実習生Kさんは、保育所で保育実習を行っている。3歳児クラスで、絵本『おむすびころりん』の読み聞かせをすることになり、指導計画を作成することになった。
【設問】
次のうち、指導計画の「ねらい及び内容」として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- A 『おむすびころりん』の物語を楽しむ。
- B 「おむすびころりん すっとんとん」など、心地よい言葉のリズムを味わう。
- C 絵本の中に出てくる言葉のやりとりを保育者(実習生)や友達と楽しむ。
- D 絵本の読み聞かせが終わるまでは、動かずにきちんと座って話を聞かせる。
(組み合わせ)
A | B | C | D | |
1 | 〇 | 〇 | 〇 | × |
2 | 〇 | 〇 | × | 〇 |
3 | 〇 | × | × | 〇 |
4 | × | 〇 | 〇 | × |
5 | × | × | × | × |
B ○ 適切です。
C ○ 適切です。
D✖️不適切です。
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
保育所で5歳児クラスを担当するQ保育士は、近隣の小学校との連絡会に参加し、小学校との連携
の取り組みについてまとめた。
【設問】
次のうち、小学校との連携に関する取り組みとして、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- A 保育所児童保育要録は子どもの生年月日などの個人情報が含まれているため、「個人情報の保護に関する法律」に照らして適切に運用するものであり、配偶者からの暴力の被害者と子どもというように特別の事情がある場合だけでなく、子どもの育ちを支えるための資料を小学校へ送付する場合においては必ず保護者から同意を得て、小学校に送付するという共通理解をはかった。
- B 「保育所保育指針」に新しく取り入れられた「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」は、幼児教育の考え方であり、小学校の教員からは共通理解されにくいので、あえて触れないようにした。
- C 保小連携の一環として、交流の機会を増やせるように、小学校と保育所の年間行事の内容を情報交換し、担当者間で話し合いを行うようにした。
(組み合わせ)
A | B | C | |
1 | 〇 | 〇 | × |
2 | 〇 | × | 〇 |
3 | × | 〇 | × |
4 | × | × | 〇 |
5 | × | × | × |
本人の同意が必要となるが、保育所児童保育要録については、例外的に同意が不要となる場合を
定めた同法第23条第1項第1号(法令に基づく場合)に該当するため、第三者提供について本人
(保護者)の同意は不要であること。と記載されている。
B✖️
幼児教育の考え方は、子どもが小学校に上がっていくのに小学校との連携が大切になるため、共通理解は必要です。
C ○ 適切です。
次の文は、「保育所保育指針」第1章「総則」1「保育所保育に関する基本原則」の一部である。( )に「生活」という言葉を入れた場合に、正しい記述になるものを○、誤った記述になるものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- A 保育所は、子どもが生涯にわたる人間形成にとって極めて重要な時期に、その( )時間の大半を過ごす場である。
- B 子ども相互の関係づくりや互いに尊重する心を大切にし、集団における( )を効果あるものにするよう援助すること。
- C 子ども自らが環境に関わり、自発的に( )し、様々な経験を積んでいくことができるよう配慮すること。
- D 一人一人の子どもの状況や家庭及び地域社会での( )の実態を把握するとともに、子どもが安心感と信頼感をもって活動できるよう、子どもの主体としての思いや願いを受け止めること。
(組み合わせ)
A | B | C | D | |
1 | 〇 | 〇 | × | × |
2 | 〇 | × | 〇 | × |
3 | 〇 | × | × | 〇 |
4 | × | 〇 | 〇 | × |
5 | × | 〇 | × | 〇 |
B✖️
「活動」が正しいです。
C✖️
「活動」が正しいです。
D ○ 適切です。
保育所保育指針より抜粋
第1章 総則
(2) 保育の目標
ア 保育所は、子どもが生涯にわたる人間形成にとって極めて重要な時期に、その生活時間の大半を過ごす場である。このため、保育所の保育は、子どもが現在を最も良く生き、望ましい未来をつくり出す力の基礎を培うために、次の目標を目指して行わなければならない。
(3) 保育の方法
ア 一人一人の子どもの状況や家庭及び地域社会での生活の実態を把握するとともに、子どもが安心感と信頼感をもって活動できるよう、子どもの主体としての思いや願いを受け止めること。
エ 子ども相互の関係づくりや互いに尊重する心を大切にし、集団における活動を効果あるものにするよう援助すること。
(4) 保育の環境
ア 子ども自らが環境に関わり、自発的に活動し、様々な経験を積んでいくことができるよう配慮すること。
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
母親の不適切な養育によりS乳児院に入所したKちゃん(1歳)。S乳児院で実習しているY実習生がKちゃんと遊んでいたところ、面会で訪れていたKちゃんの母親とW実習指導者がKちゃんのところに来た。その時、W実習指導者が電話対応のために、席を外した。母親がKちゃんを抱っこしようとすると、Kちゃんは泣きだした。それを見た母親は、「私だと泣いちゃいますね。一緒に暮らしていないから、私が母親だっていうのもわからないのかもしれない」と言い、寂しそうな表情を浮かべた。Y実習生は、その日に振り返りの機会を設けてもらい、このエピソードについてW実習指導者に報告した。
【設問】
次のうち、W実習指導者がY実習生にとるべき対応として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- A 「Kちゃんが泣きだした段階で、母親から引き離してあなたが抱っこすべきでしたね」と伝える。
- B 「母親がKちゃんに対して不適切な養育をしていたことで入所させたのだから、母親はもっとKちゃんの気持ちを考えて行動すべきですね」と話す。
- C 「母親のその時の気持ちについてはどのように感じましたか」と尋ねる。
- D 「少しずつ母子の関係形成ができるよう、支援することが大事ですね」と伝える。
(組み合わせ)
A | B | C | D | |
1 | 〇 | 〇 | 〇 | × |
2 | 〇 | 〇 | × | 〇 |
3 | × | 〇 | × | 〇 |
4 | × | × | 〇 | 〇 |
5 | × | × | 〇 | × |
B✖️不適切です。
C ○ 適切です。
D ○ 適切です。
次のうち、「児童養護施設運営ハンドブック」(平成26年 厚生労働省)に示された実習生受入れに関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- A 施設実習は、子どもを養育した経験のない実習生にとって具体的な援助技術の学びの場であると同時に実践の場である。
- B 実習生にとって最も大切なことは、子どもたちがおかれている現実にどれだけ寄り添い、子どもたちの心の機微にどれだけ触れることができるかである。
- C 個人情報保護の観点から、実習生には子どもたちの生い立ちに関する情報は一切伝えてはならない。
- D 実習生の育成は、実習指導を通し将来の児童養護施設職員の育成につながり、そのことが人材確保に大きな役割を果たすことを意識して丁寧な指導をすることが必要である。
(組み合わせ)
A | B | C | D | |
1 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
2 | 〇 | 〇 | × | 〇 |
3 | 〇 | × | 〇 | × |
4 | × | 〇 | 〇 | × |
5 | × | × | × | 〇 |
B ○ 適切です。
C✖️不適切です。
D ○ 適切です。