2019年3月20日 朝日新聞朝刊より
待ちに待った液体ミルクの販売が解禁されました。深夜や外出時、災害時に大変便利です。しかし一方である表示に母親たちがモヤモヤしています。
あえて「母乳は赤ちゃんにとって最良の栄養です」と表示させている
消費者庁は、パッケージに「母乳が最良であることを記載しなければならない」としています。ただ、子育てをする母親にとって、そんなことはあたりまえ。できる限り母乳で育てたいと皆努力しています。
WHO-世界保健機構は
生後6か月までは母乳のみで育てることを推奨しています。母乳には赤ちゃんの免疫力を高める物質が含まれていますし、母親の母体の回復にも有効なホルモンが分泌されます。
楽だから、とミルクに頼りすぎるのではなく、母乳を与えられるときは与えましょう、ということです。
傷づく母親だってたくさんいる
ただ、母乳をあげたくてもあげられない事情のある母親もたくさんいます。厚生労働省が調査したところ、母乳が出ない母親は約10%、母乳が足りない母親は約20%。全体の約30%の母親はミルクを頼らなければ育児ができない状況なのです。
また、仕事に復帰した、母親が薬を服用、きょうだいの世話、赤ちゃん自身が入院中、外出先など、完母(完全母乳)を貫けない状況にある母親もたくさんいます。「母親を傷つける表示だ」と物議をかもしているのです。
他に周知できる方法があるのでは?
液体ミルクという便利なものにこのような表示があると、母親たちは「育児は楽するな、手間暇かけてこそいい母親」と言われているようで非常に嫌な気分になるのではないでしょうか。
母親学級で教えたり、母子手帳に記載したリと、他に周知させる方法はいくらでもあります。
液体ミルクの裏面に記載するなどの配慮も検討したら良いのではとも感じますね。
2019年3月20日 朝日新聞朝刊より