保育士養成校、短大、専門学校など、保育士養成教育施設や機関ではカリキュラムの中に保育実習があります。
保育士資格を取るために、必ず行わなければいけないカリキュラムの一つで、実際に保育園や幼稚園、認定こども園などの保育施設で、実際に保育業務に参加するのです。
こちらでは保育実習の目的や内容についてご紹介しましょう。
保育実習をする目的
厚生労働省「保育士養成所における保育実習実施基準について」では「保育実習は、その修得した教科全体を知識・技能を基礎とし、これらを総合的に実践的なする応用力を養うため、児童に対する理解を通じて保育の理論と実践の関係について習熟させることを目的とする」と記述されています。
つまり実際に保育士として保育現場で体験をしてみるということです。
保育実習を通じて、必要なスキルや知識を実践的に学び、保育士として必要なコミュニケーション能力、子どもたちとの関わり方、保護者とのやりとりなどを身に付けます。
また、保育実習は実際の保育現場での経験を通じて、保育士になる前に自分が保育士に向いているかどうかを確認することができる機会でもあります。
保育実習を通じて、自分が保育士になりたいと思えるか、保育に向いているかを自己判断することも可能なのです。
保育実習の種類
保育実習の種類は以下の4種類があります。
保育士資格試験で出題される知識を実際の保育現場で先輩保育士がどのように活かしているか実際に体験して今後に活かせる内容です。
見学実習・観察実習
保育園で子どもたちと保育士さんの関わりを観察するだけの実習。
就職活動中の施設見学と同様にスーツで先輩保育士の様子を確認していきます。自分が働いていることをイメージしながら観察するのです。
参加実習
実際の保育の場で、保育士さんの補助などを行う実習。
子どもたちからすると「あたらしい先生がきた」という感覚なので、興味津々に集まってくれるでしょう。
子どもたちに負けずに積極的に接していくことが大切です。
先輩保育士の指示のもと、相談したりアドバイスを受けたりして実習していきます。
部分実習・部分保育
1日のうち時間を区切って、先輩保育士さんのように実習生が自分で考え、子どもたちに関わる実習。
自分で考えて日案や指導案を作り、それを元に保育を行うので、自分自身の課題や問題点が見えてきます。
子どもたちの前にたち、声掛けをするので、保育に関するレパートリーを事前に考えておく必要があるでしょう。
責任実習・全日保育・完全実習
実習生が1日中クラス担任のように過ごす実習で、自分で目標や計画を立て、保育活動を行う実習。
部分実習のように限られた時間だけでなく、登園に始まり、給食や着替え、排せつ、午睡(お昼寝)、降園準備などの一連の流れを経験します。
実際に保育士として働きだしたらどのような一日を過ごすことになるかがわかるでしょう。
保育実習で得たいこと
保育実習では、自分自身の成長だけでなく、子どもたちにとっても貢献することができます。
子どもたちにとっては、保育実習性という新しい人との出会い・経験を通して、社会性やコミュニケーション能力を身につけることができます。
保育実習を通して、自己の成長とともに、子どもたちへの貢献を考え、保育士としての自覚を深めることが大切です。
先輩保育士の指導のもと、子どもたちに対して適切な関わり方を学びます。
保育実習を通じて、保育の現場や保育士としての職務内容をより深く理解し、自分が保育士として働くことに向いているかどうかを見極めることも重要です。
そして、保育実習で得た知識や経験を、将来の保育士としての仕事に活かしていく意識を持つことが大切になります。