保育士試験
過去問題
平成28年度(後期)
教育原理 平成28年度(後期)
次の文は、「日本国憲法」の一部である。誤ったものを一つ選びなさい。
1 | 思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。 |
2 | 学問の自由は、これを保障する。 |
3 | すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。 |
4 | すべて国民は、ひとしく、その能力に応じた教育を受ける機会を与えられなければならず、人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によって、教育上差別されない。 |
5 | すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。 |
「学校教育法」第21条には、「義務教育として行われる普通教育」の目標が10項目掲げられている。次の文は、その一部である。( A )・( B )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 一 学校内外における( A )を促進し、自主、自律及び協同の精神、規範意識、公正な判断力並びに公共の精神に基づき主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと。
- 二 学校内外における( B )を促進し、生命及び自然を尊重する精神並びに環境の保全に寄与する態度を養うこと。
(組み合わせ)
A | B | |
1 | ボランティア活動 | 道徳教育 |
2 | ボランティア活動 | 自然体験活動 |
3 | 社会的活動 | 自然体験活動 |
4 | 社会的活動 | 環境教育 |
5 | 道徳教育 | 環境教育 |
B 自然体験活動
「学校教育法」第21条一、二号参照。
次の文は、「幼稚園教育要領」第1章「総則」の第2「教育課程の編成」の一部である。( A )・( B )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
幼稚園は、( A )との連携を図りながら、この章の第1に示す幼稚園教育の基本に基づいて展開される幼稚園生活を通して、( B )の基礎を育成するよう学校教育法第23条に規定する幼稚園教育の目標の達成に努めなければならない。幼稚園は、このことにより、義務教育及びその後の教育の基礎を培うものとする。
(組み合わせ)
A | B | |
1 | 初等教育 | 生きる力 |
2 | 初等教育 | 確かな学力 |
3 | 家庭 | 知・徳・体 |
4 | 家庭 | 確かな学力 |
5 | 家庭 | 生きる力 |
B 生きる力
「幼稚園教育要領」第1章「総則」第2「教育課程の編成」参照。
次の文の著者として正しいものを一つ選びなさい。
そこで、活動的な仕事のさまざまな形態を学校に導入することに関して、留意すべき重大な事柄は、これらの形態を通して、学校の全精神が一新されるということである。学校は、将来営まれるべき、ある可能な生活と抽象的で、迂遠な関わりしかもたない学課を学ぶ場所ではなく、自らを生活と関連させ、子供が指導された生活を通じて学ぶ、子供の住みかになる機会をもつものとなる。学校は小型のコミュニティ、胚芽的社会になる機会をもつ。これが基本的事実であり、ここから継続的で、秩序ある教育の流れが生ずる。
1 | ロック(Locke, J.) |
2 | オーエン(Owen, R.) |
3 | デューイ(Dewey, J.) |
4 | パーカースト(Parkhurst, H.) |
5 | キルバトリック(Kilpatrick, W.H.) |
アメリカの哲学者であり、教育学者でもあります。プラグマティズムを大成したことで知られています。主著は「学校と社会」「民主主義と教育」などであり、哲学者としては、プラグマティズムを「実験主義」「道具主義」として大成させました。
※プラグマティズムとは、「理論や信念からではなく、行動の結果によって判断しよう」という思想です。
次の文の著者として正しいものを一つ選びなさい。
子供が日々幼稚園へ来てその日何をするかはあらかじめきめられません。幼稚園として、先ず用意して置けるものは誘導準備だけです。誘導以外のことは、子供が来てからのことであります。子供が来たらば、こういうふうに充実指導をしてやろうと考えて置きましても、幼児自らがどういう活動をするかを見なくてはどう充実してやるべきかわかりません。ただしどういう活動にはどういうふうな誘導を与えてやるかということは、個々の場合を離れて広く研究しておかれることですから、機会に応じて誘導保育案を実行していくことは、幼稚園の平生の心がけだと思うのであります。
1 | 松野クララ |
2 | 森有礼 |
3 | 倉橋惣三 |
4 | 城戸幡太郎 |
5 | 澤柳政太郎 |
誘導というキーワードから、倉橋惣三と判断ができます。
誘導保育とは、子供が持つ「自らの内に育つ力」を大切にし、子どもが自発的に自由に遊ぶ中で「自己充実」を目指すという教育方針です。周囲の大人が教え導くのは、その自己実現のために刺激を与え、環境を構築することです。大人が半ば強制的に子どもをコントロールすることではありません。
次のA~Cは、日本の教育についての記述である。これらを年代の古い順に並べた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- A 鈴木三重吉が『赤い鳥』を創刊した。
- B 東京女子師範学校附属幼稚園が創設された。
- C 「教育ニ関スル勅語」(教育勅語)が発布された。
(組み合わせ)
1 | A→B→C |
2 | A→C→B |
3 | B→A→C |
4 | B→C→A |
5 | C→A→B |
B 東京女子師範学校附属幼稚園が創設されたのは、1876(明治9)年です。
C 教育勅語が発布されたのは、1890(明治23)年です。
よってB→C→Aとなります。
次の文は、「いじめ防止対策推進法」の一部である。( A )・( B )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
学校及び学校の教職員は、基本理念にのっとり、当該学校に在籍する児童等の保護者、地域住民、児童相談所その他の関係者との連携を図りつつ、学校全体でいじめの( A )に取り組むとともに、当該学校に在籍する児童等がいじめを受けていると( B )ときは、適切かつ迅速にこれに対処する責務を有する。
(組み合わせ)
A | B | |
1 | 防止及び早期発見 | 情報提供があった |
2 | 防止及び早期発見 | 思われる |
3 | 防止及び早期発見 | 確証を得た |
4 | 根絶のための啓発 | 情報提供があった |
5 | 根絶のための啓発 | 思われる |
B 思われる
「いじめ防止対策推進法」第8条参照。
次の図は、文部科学省の「諸外国の教育統計」2015(平成27)年版に示された、ある国の学校系統図であり、下はその説明の一部である。どこの国のものか、正しいものを一つ選びなさい。
就学前教育:就学前教育は、幼稚園又は小学校付設の幼児学級・幼児部で行われ、2~5歳児を対象とする。
義務教育:義務教育は6~16歳の10年である。義務教育は年齢で規定されている。留年等により、義務教育終了時点の教育段階は一定ではない。
初等教育:初等教育は、小学校で5年間行われる。
1 | アメリカ |
2 | イギリス |
3 | ドイツ |
4 | フランス |
5 | フィンランド |
アメリカ:初等中等教育は12年間あります。
イギリス:中等教育は義務教育の5年間とシックスフォームの2年間の計7年間あります。
ドイツ:中等教育は「ハウプトシューレ」「実科学校」「ギムナジウム」などに分かれています。
フィンランド:初等教育と前期中等教育「総合制学校」後期中等教育「上級中等学校」「職業教育学校」に分かれています。
次の文は、「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進(報告)」(平成24年7月 文部科学省)の一部である。( A )・( B )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
インクルーシブ教育システムにおいては、( A )学ぶことを追求するとともに、個別の教育的ニーズのある幼児児童生徒に対して、自立と社会参加を見据えて、その時点で教育的ニーズに最も的確に応える指導を提供できる、多様で柔軟な仕組みを整備することが重要である。小・中学校における通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校といった、連続性のある「( B )」を用意しておくことが必要である。
(組み合わせ)
A | B | |
1 | 同じ場で共に | 多様な学びの場 |
2 | 同じ場で個別に | 多様な学びの場 |
3 | 適切な場で個別に | 多様な学びの場 |
4 | 同じ場で共に | 専門特化した環境 |
5 | 同じ場で個別に | 専門特化した環境 |
A 同じ場で共に
B 多様な学びの場
次の文は、ESD(Education for Sustainable Development)といわれる教育活動についての説明である。( A )・( B )にあてはまる語句の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。
現在、世界には、環境・貧困・人権・平和・開発といった様々な地球規模の課題があります。
ESDとは、地球に存在する人間を含めた命ある生物が、遠い未来までその営みを続けていくために、これらの課題を自らの問題として捉え、一人ひとりが自分にできることを考え、実践していくこと(think globally, act locally)を身につけ、課題解決につながる( A )を生み出し、( B )を創造していくことを目指す学習や活動です。
(組み合わせ)
A | B | |
1 | 価値観や行動 | 多様性を尊重する社会 |
2 | 成長戦略 | 高 度に経済発展した社会 |
3 | 秩序や社会システム | 高 度に経済発展した社会 |
4 | 成長戦略 | 持続可能な社会 |
5 | 価値観や行動 | 持続可能な社会 |
A 価値観や行動
B 持続可能な社会
2 〇適切です。 「日本国憲法」第23条参照。
3 〇適切です。 「日本国憲法」第25条参照。
4 ✕不適切です。 この記述は、教育基本法です。「教育基本法」第4条参照。
5 〇適切です。 「日本国憲法」第26条参照。