保育士試験
過去問題
令和5年度(後期)
教育原理 令和5年度(後期)
問1
次の文は、「日本国憲法」第26条の一部である。( A )・( B )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- ・ すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける( A )を有する。
- ・ すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる( B )を負ふ。
(組み合わせ)
A | B | |
1 | 資格 | 義務 |
2 | 資格 | 責務 |
3 | 特権 | 義務 |
4 | 権利 | 責務 |
5 | 権利 | 義務 |
正解は5
問2
次の文は、「幼稚園教育要領」の一部である。( A )~( C )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
( A )は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであり、( B )は、( C )に規定する目的及び目標を達成するため、幼児期の特性を踏まえ、環境を通して行うものであることを基本とする。
【語群】
- ア 乳幼児教育
- イ 幼稚園教育
- ウ 幼児期の教育
- エ 就学前教育
- オ 教育基本法
- カ 学校教育法
(組み合わせ)
A | B | C | |
1 | ア | イ | オ |
2 | ア | ウ | カ |
3 | ウ | ア | カ |
4 | ウ | イ | カ |
5 | エ | ウ | オ |
正解は4
「幼稚園教育要領」前文
幼児期の教育は,生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであり,幼稚園教育 は,学校教育法に規定する目的及び目標を達成するため,幼児期の特性を踏まえ,環境 を通して行うものであることを基本とする。
幼稚園教育要領より抜粋
第1章 総則
第1 幼稚園教育の基本
幼児期の教育は,生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであり,幼稚園教育は,学校教育法に規定する目的及び目標を達成するため,幼児期の特性を踏まえ,環境を通して行うものであることを基本とする。
幼児期の教育は,生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであり,幼稚園教育 は,学校教育法に規定する目的及び目標を達成するため,幼児期の特性を踏まえ,環境 を通して行うものであることを基本とする。
幼稚園教育要領より抜粋
第1章 総則
第1 幼稚園教育の基本
幼児期の教育は,生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであり,幼稚園教育は,学校教育法に規定する目的及び目標を達成するため,幼児期の特性を踏まえ,環境を通して行うものであることを基本とする。
問3
次のうち、「幼保連携型認定こども園教育・保育要領」第1章「総則」第2「教育及び保育の内容並びに子育ての支援等に関する全体的な計画等」の一部として、誤ったものの組み合わせを一つ選びなさい。
- A 「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を踏まえ教育及び保育の内容並びに子育ての支援等に関する全体的な計画を作成すること
- B 満3歳以上の園児の教育課程に係る教育週数は、特別の事情のある場合を除き、51週を下ってはならない
- C 1日の教育課程に係る教育時間は、8時間を標準とする。ただし、園児の心身の発達の程度や季節などに適切に配慮するものとする
- D 園長の方針の下に、園務分掌に基づき保育教諭等職員が適切に役割を分担しつつ、相互に連携しながら、教育及び保育の内容並びに子育ての支援等に関する全体的な計画や指導の改善を図るものとする
- E 教育及び保育の内容並びに子育ての支援等に関する全体的な計画に基づき組織的かつ計画的に各幼保連携型認定こども園の教育及び保育活動の質の向上を図っていくこと(以下「カリキュラム・マネジメント」という。)に努めるものとする
(組み合わせ)
1 | A | B |
2 | A | C |
3 | B | C |
4 | B | E |
5 | D | E |
正解は3
(3) 教育及び保育の内容並びに子育ての支援等に関する全体的な計画の作成上の基本的事項
イ 幼保連携型認定こども園の満3歳以上の園児の教育課程に係る教育週数は、特別の事 情のある場合を除き、39 週を下ってはならない。
ウ 幼保連携型認定こども園の1日の教育課程に係る教育時間は、4時間を標準とする。 ただし、園児の心身の発達の程度や季節などに適切に配慮するものとする。
イ 幼保連携型認定こども園の満3歳以上の園児の教育課程に係る教育週数は、特別の事 情のある場合を除き、39 週を下ってはならない。
ウ 幼保連携型認定こども園の1日の教育課程に係る教育時間は、4時間を標準とする。 ただし、園児の心身の発達の程度や季節などに適切に配慮するものとする。
問4
次のうち、プロジェクト・メソッドについての説明として、不適切な記述を一つ選びなさい。
1 | プロジェクト・メソッドは、デューイ(Dewey, J.)の後継者の一人であったキルパトリック(Kilpatrick, W.H.)によって提唱されたもので、問題解決学習の一種と考えられる。 |
2 | プロジェクト・メソッドでは、目標の設定→計画の立案→実践→反省・評価、という一連の学習活動を生徒自身が行うことになる。 |
3 | プロジェクト・メソッドは、学習内容を系統化し、学習者が各ステップを踏みながら、確実に目標に到達できるように計画された教授学習の方法である。 |
4 | プロジェクトとは、「社会的な環境の中で全精神を打ち込んで行われる目的の明確な活動」と定義されるものである。 |
5 | プロジェクト・メソッドでは、生徒の学習が生徒自身の自発的な活動として展開されることに力点がおかれる。 |
正解は3
1 適切です。
2 適切です。
3 不適切です。記述はスキナーのティーチングマシンについての説明です。
4 適切です。
5 適切です。
2 適切です。
3 不適切です。記述はスキナーのティーチングマシンについての説明です。
4 適切です。
5 適切です。
問5
次の文は、ある国の保育についての記述である。どこの国のものか、正しいものを一つ選びなさい。
この国において、「学びの物語Learning Stories」と呼ばれる、子ども一人一人にフィードバックされ、蓄積される保育記録が開発された。子どもそれぞれの変容を捉えるとともに、子どもが関心を持ち取り組もうとしていること、その過程で工夫したり考えたりしていることを学びの「構えdisposition」として捉えようとしている。
1 | ニュージーランド |
2 | イタリア |
3 | シンガポール |
4 | スウェーデン |
5 | イギリス |
正解は1
記述はテファリキの説明です。1996年にニュージーランドで導入された幼児教育のカリキュラムです。
問6
次の文は、ある法令に関する説明である。正しいものを一つ選びなさい。
1872(明治5)年の「学制」に代わる教育に関する基本法制として、1879(明治12)年9月に公布された。学区制を廃止し、町村を小学校の設置単位と位置付け、その行政事務を行うために町村に人民公選の学務委員を置くこととされた。また、小学校の最低就学期間を16か月とし、公立学校の教育課程を地域の実情に即して学務委員と教員が定めることとなった。しかし、この法令の施行後、教育現場に混乱が見られるなどしたため、翌年、全面的な改正が行われた。
1 | 学事奨励ニ関スル被仰出書 |
2 | 小学校令 |
3 | 教育ニ関スル勅語(教育勅語) |
4 | 教育令 |
5 | 教育基本法 |
正解は4
記述は教育令の説明です。教育令は優しすぎたため翌年、改正教育令が出されました。
問7
次の文にあてはまる人物として、正しいものを一つ選びなさい。
江戸時代初期の儒学者。日本における陽明学の祖とされ、「近江聖人」と呼ばれた。『翁問答(おきなもんどう)』を著す。その内容は、人が単に外的な規範に形式的に従うことをよしとせず、人の内面の道徳的可能性を信頼し、聖人の心を模範として自らの心を正しくすることこそが真の正しい行為と正しい生き方をもたらすと説いた。
1 | 中江 藤樹 |
2 | 伊藤 仁斎 |
3 | 緒方 洪庵 |
4 | 林 羅山 |
5 | 貝原 益軒 |
正解は1
記述は中江 藤樹(なかえ とうじゅ)の説明です。
「人生の目的は利得ではない、正直である、正義である」という名言があります。
「人生の目的は利得ではない、正直である、正義である」という名言があります。
問8
次の小学校における教師の指導のうち、潜在的カリキュラムとしてジェンダー・バイアスを助長する恐れのあるものとして、適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。
- A 道徳の授業で、性別にかかわらず協力し助け合うように指導した。
- B 誕生日のお祝いに、いつも女児には赤のカードを、男児には青のカードを渡している。
- C 体育の授業で、思春期には内分泌の働きによって生殖に関わる機能が成熟し、体形に性差が表れることを教えた。
- D 授業中に泣いている男児に対して、「男なのだから泣くのはやめなさい」と言って注意した。
- E いつもズボンを履いてくる女児に対して、「もっと女の子らしい服装をしましょう」と優しくアドバイスをした。
(組み合わせ)
1 | A | B | C |
2 | A | D | E |
3 | B | C | D |
4 | B | D | E |
5 | C | D | E |
正解は4
「ジェンダー・バイアス」とは、男らしさ、女らしさなどの男女の役割について固定的な観念を持つこと、それに基づく差別、偏見、行動等のことをいいます。
問9
次のうち、「新・放課後子ども総合プラン」(平成30年9月)についての記述として、不適切なものを一つ選びなさい。
1 | 共働き家庭等の「小1の壁」を打破するとともに、次世代を担う人材を育成するため、全ての児童(小学校に就学している児童をいう)が放課後等を安全・安心に過ごすことを専ら目的として、文部科学省から厚生労働省に移管して取り組んでいる事業である。 |
2 | 放課後児童クラブ及び放課後子供教室を一体的に又は連携して実施し、うち一体型の放課後児童クラブ及び放課後子供教室について、引き続き1万か所以上で実施することを目指している。 |
3 | 全ての児童(小学校に就学している児童をいう)の安全・安心な居場所づくりの観点から、小学校の余裕教室等の活用や、教育と福祉との連携方策等について検討しつつ、放課後児童クラブ及び放課後子供教室を計画的に整備等していくことが必要である。 |
4 | 放課後児童クラブについては、既に多様な運営主体により実施されているが、待機児童が数多く存在している地域を中心に、民間企業が実施主体としての役割をより一層担っていくことが考えられる。その際、地域のニーズに応じ、本来事業に加えて高付加価値型のサービス(塾、英会話、ピアノ、ダンス等)を提供することも考えられる。 |
5 | 放課後子供教室については、地域と学校が連携・協働して社会総掛かりで子どもの育ちを支える観点から、大学生・高校生や企業退職者、高齢者などの地域住民の一層の参画促進を図るとともに、子育て・教育支援に関わるNPO、習い事や学習塾等の民間教育事業者、スポーツ・文化・芸術団体などの地域人材の参画を促進していくことも望まれる。 |
正解は1
1 不適切です。「文部科学省から厚生労働省に移管して」という部分が誤りで、「文部科学省と厚生労働省が協力して」が適切です。
2 適切です。
3 適切です。
4 適切です。
5 適切です。
2 適切です。
3 適切です。
4 適切です。
5 適切です。
問10
次の文は、中央教育審議会答申「「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~」(令和3年1月)に関する記述である。適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- A 学校教育には、一人一人の児童生徒が、自分のよさや可能性を認識するとともに、あらゆる他者を価値のある存在として尊重し、多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会の創り手となることができるよう、その資質・能力を育成することが求められている。
- B 次代を切り拓く子供たちに求められる資質・能力として、文章の意味を正確に理解する読解力、教科等固有の見方・考え方を働かせて自分の頭で考えて表現する力、対話や協働を通じて知識やアイディアを共有し新しい解や納得解を生み出す力などが挙げられている。
- C 「みんなと同じことができる」「言われたことを言われたとおりにできる」というように、均質な労働者の育成が現代社会の要請として学校教育に求められている。
- D 「予測困難な時代」の中、目の前の事象から解決すべき課題を見いだし、主体的に考え、多様な立場の者が協働的に議論し、納得解を生み出すなどの資質・能力が求められている。
(組み合わせ)
A | B | C | D | |
1 | 〇 | 〇 | 〇 | × |
2 | 〇 | 〇 | × | 〇 |
3 | 〇 | × | 〇 | 〇 |
4 | × | 〇 | 〇 | × |
5 | × | × | 〇 | × |
正解は2
A、B、D適切です。
C不適切です。
我が国の教師は、子供たちの主体的な学びや、学級やグループの中での協働的な学びを展開することによって、自立した個人の育成に尽力してきた。
その一方で、我が国の経済発展を支えるために、「みんなと同じことができる」「言われたことを言われたとおりにできる」上質で均質な労働者の育成が高度経済成長期までの社会の要請として学校教育に求められてきた中で、「正解(知識)の暗記」の比重が大きくなり、「自ら課題を見つけ、それを解決する力」を育成するため、他者と協働し、自ら考え抜く学びが十分なされていないのではないかという指摘もある。
※ 「令和の日本型学校教育」の構築を目指して ~全ての子供たちの可能性を引き出す,個別最適な学びと, 協働的な学びの実現~(答申) 令和3年1月26日 中央教育審議会に記載
C不適切です。
我が国の教師は、子供たちの主体的な学びや、学級やグループの中での協働的な学びを展開することによって、自立した個人の育成に尽力してきた。
その一方で、我が国の経済発展を支えるために、「みんなと同じことができる」「言われたことを言われたとおりにできる」上質で均質な労働者の育成が高度経済成長期までの社会の要請として学校教育に求められてきた中で、「正解(知識)の暗記」の比重が大きくなり、「自ら課題を見つけ、それを解決する力」を育成するため、他者と協働し、自ら考え抜く学びが十分なされていないのではないかという指摘もある。
※ 「令和の日本型学校教育」の構築を目指して ~全ての子供たちの可能性を引き出す,個別最適な学びと, 協働的な学びの実現~(答申) 令和3年1月26日 中央教育審議会に記載
すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさ せる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。