保育園では絵本に接する機会をとても大切にしています。ご家庭でもそうでしょう。
親子で絵本に親しむ時間はとてもかけがえのないものですし、園でもお昼寝前に必ず読む、というところは多いようです。
子どもがぐすってしまって落ち着きを取り戻したいときに、膝の上にのせて絵本を読んであげたら、落ち着きを取り戻す・・・こんな話を良く聞きますね。信頼できる大人との絵本の世界に浸る経験は情緒の安定と成長にとても良いとされています。
※2023年9月29日 朝日新聞朝刊より
大人気の2人の絵本作家に聞いてみた!
ここでは、絵本作家の柏葉幸子さんと柴田ケイコさんに以下の質問をして答えてもらいました。
①最初から子どもが読むことを意識してお話を考えていますか?
②目標とする児童書は何?憧れの作家を教えて下さい。
③大人におすすめしたい絵本を教えてください。
④児童文学者や絵本作家を目指す子どもたちにメッセージをお願いします。
柏葉幸子さんの場合
①もちろん難しくなり過ぎないように、とは考えますが、子どもの目線に合わせて自分を下げることはありません。それでは自分が面白くないからです。自分がおもしろがってかけて、読む人も楽しんでほしい、と思っています。
②佐藤さとる先生の「だれも知らない小さな国」が好き。高校生の頃に読んだのですが、日本を舞台としたファンタジーがとても素敵でした。
「いいものさえ書いていればいつまでも売れ続ける」と先生はおっしゃっていました。
③今年の7月に黒柳徹子さん原案の「トットちゃんの15粒のだいず」という絵本を出しました。長引くウクライナ戦争、日本だって絶対に安全とは言えません。この本をきっかけに考えてくれたら。
④私は薬剤師の勉強のかたわら、成り行きで児童文学作家になりました。とにかく好きなことを続けていれば何とかなるようですよ。
柴田ケイコさんの場合・・・
①まずは子どもを中心に考えています。幼い頃は読んでもらうのがメインなので、わかりやすい文章の組み立てを意識しています。ストーリー展開は大人でも楽しめるようにしていますが、狙うよりも後から付いてくる感じです。
②長新太先生(ナンセンス絵本の第一人者)と馬場のぼる先生(漫画家兼絵本作家)。長さんは子どもをリスペクトしている姿勢が伝わってきてとても尊敬しています。馬場さんはキャラクター設定が細かい。奥深く考えているところがすごいなと感じます。
③「歯いしゃのチュー先生」(ウイリアム・スタイグ文・絵、うつみまお訳)は動物を擬人化してシュールな場面があって面白いです。「きもち」(谷川俊太郎文・長新太絵)は大人にも子どもにもいろいろな気持ちがある、ということを教えてくれます。
④絵本作りはアイデアです。頭を柔らかくしましょう。自分はどんな分野に興味があり、どんなジャンルの絵が好きなのか、まずは見極めてみましょう。