保育士試験
過去問題
令和1年度(後期)
教育原理 令和1年度(後期)
次の文は、「教育基本法」第 11 条の一部である。( A )・( B )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
幼児期の教育は、生涯にわたる( A )の基礎を培う重要なものであることにかんがみ、国及び地方公共団体は、幼児の( B )に資する良好な環境の整備その他適当な方法によって、その振興に努めなければならない。
(組み合わせ)
A | B | |
1 | 人格形成 | のびやかな発達 |
2 | 人格形成 | 望ましい発育 |
3 | 人格形成 | 健やかな成長 |
4 | 資質・能力形成 | のびやかな発達 |
5 | 資質・能力形成 | 健やかな成長 |
次の文は、「学校教育法」第 24 条の一部である。( A )・( B )にあてはまる数字及び語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
幼稚園においては、第( A )条に規定する目的を実現するための教育を行うほか、幼児期の教育に関する各般の問題につき、保護者及び地域住民その他の関係者からの相談に応じ、必要な( B )及び助言を行うなど、家庭及び地域における幼児期の教育の支援に努めるものとする。
(組み合わせ)
A | B | |
1 | 9 | 子育て支援 |
2 | 9 | 情報の提供 |
3 | 22 | 子育て支援 |
4 | 22 | 情報の提供 |
5 | 22 | 対応 |
幼稚園においては、第(A 22)条に規定する目的を実現するための教育を行うほか、幼児期の教育に関する各般の問題につき、保護者及び地域住民その他の関係者からの相談に応じ、必要な(B 情報の提供)及び助言を行うなど、家庭及び地域における幼児期の教育の支援に努めるものとする。
学校教育法より抜粋
第三章 幼稚園
第二十二条 幼稚園は、義務教育及びその後の教育の基礎を培うものとして、幼児を保育し、幼児の健やかな成長のために適当な環境を与えて、その心身の発達を助長することを目的とする。
第二十四条 幼稚園においては、第二十二条に規定する目的を実現するための教育を行うほか、幼児期の教育に関する各般の問題につき、保護者及び地域住民その他の関係者からの相談に応じ、必要な情報の提供及び助言を行うなど、家庭及び地域における幼児期の教育の支援に努めるものとする。
次のA~Dのうち、「学校教育法」第 23 条の一部として正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- A 生活を明るく豊かにする音楽、美術、文芸その他の芸術について基礎的な理解と技能を養うこと。
- B 日常の会話や、絵本、童話等に親しむことを通じて、言葉の使い方を正しく導くとともに、相手の話を理解しようとする態度を養うこと。
- C 身近な社会生活、生命及び自然に対する興味を養い、それらに対する正しい理解と態度及び思考力の芽生えを養うこと。
- D 健康、安全で幸福な生活のために必要な習慣を養うとともに、運動を通じて体力を養い、心身の調和的発達を図ること。
(組み合わせ)
1 | A B |
2 | A D |
3 | B C |
4 | B D |
5 | C D |
選択肢の文章は「学校教育法」第21条第九号。
音楽、身体表現、造形については、豊かな感性と表現力の芽生えを養うこととされており、「技能を養う」という記述はない。
B.〇
「学校教育法」第23条第四号。
C.〇
「学校教育法」第23条第三号。
D.×
選択肢の文章は「学校教育法」第21条第八号。
健康については、基本的な習慣を養うことや身体諸機能の調和的発達を図ることと記されており、「運動を通じて体力を養う」という記述はない。
学校教育法より抜粋
第三章 幼稚園
第二十一条 義務教育として行われる普通教育は、教育基本法(平成十八年法律第百二十号)第五条第二項に規定する目的を実現するため、次に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。
八 健康、安全で幸福な生活のために必要な習慣を養うとともに、運動を通じて体力を養い、心身の調和的発達を図ること。
九 生活を明るく豊かにする音楽、美術、文芸その他の芸術について基礎的な理解と技能を養うこと。
第二十三条 幼稚園における教育は、前条に規定する目的を実現するため、次に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。
三 身近な社会生活、生命及び自然に対する興味を養い、それらに対する正しい理解と態度及び思考力の芽生えを養うこと。
四 日常の会話や、絵本、童話等に親しむことを通じて、言葉の使い方を正しく導くとともに、相手の話を理解しようとする態度を養うこと。
次の文の著者として、正しいものを一つ選びなさい。
政府はシュタンツにある尼僧達の使用している建物を私の住居に指定してくれた。しかし、この建物は私が到着した時には、まだ完成していなかったし、また、多数の子供達を収容する孤児院に適するようには作られていなかった。(中略)
この子供達の大部分の入所当時の悲惨な有様というものは、人間の性情を全く無視したための当然の結果であった。(中略)怠惰な不活発さ、精神的素質や肉体的技能の訓練不足、これがどの子供にも見られる一般的な傾向であった。ABCを知っている子どもは十人に一人もいなかった。ましてや、その外の学校教育とか、教育的陶冶方法についてはいうだけ野暮であった。
1 | フレーベル(Fröbel, F.W.) |
2 | トマス・モア(More, T.) |
3 | ピアジェ(Piaget, J.) |
4 | エレン・ケイ(Key, E.) |
5 | ペスタロッチ(Pestalozzi, J.H.) |
1. フルーベルはドイツの教育者であり、世界初の幼稚園設立者です。ペスタロッチの元で学び、遊びを重視する教育を提唱しました。また彼は、子どもの遊びを育むための道具として、恩物を開設しました。
2. トマス・モアはイギリスの法律家・政治家・思想家。反逆罪に問われ処刑されたが、のちにカトリック教会の殉教者として認められました。『ユートピア』を著しました。
3. ピアジェはスイスの心理学者。認知の発達理論を提唱しました。
4. エレン・ケイはスウェーデンの教育学者です。児童中心主義を提唱し、『児童の世紀』を著しました。
5. ペスタロッチは、スイスの教育者です。スイスのシュタンツに孤児院を開設するも半年で閉鎖しました。その後も多くの貧民のために学校を設立しました。
次の【Ⅰ群】の記述と、【Ⅱ群】の人物を結び付けた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
【Ⅰ群】
- A 『脱学校の社会』(1977 年)で、学校制度を通じて「教えられ、学ばされる」ことにより、「自ら学ぶ」など、学習していく動機を持てなくなる様子を「学校化」として批判的に分析した。
- B 『被抑圧者の教育学』(1979 年)で、学校を通じて子どもに知識が一方的に授けられる様子を「銀行型教育」と批判し、これに代わって教育では「対話」が重視されるべきだとした。
【Ⅱ群】
- ア イリイチ(Illich, I.)
- イ フレイレ(Freire, P.)
- ウ フレネ(Freinet, C.)
(組み合わせ)
A | B | |
1 | ア | イ |
2 | ア | ウ |
3 | イ | ア |
4 | イ | ウ |
5 | ウ | イ |
イリイチはオーストラリア生まれの思想家、哲学者、社会評論家であります。もともとはカトリックの司教として活動していたが還俗し、思想家として活躍しました。学校制度を批判し、『脱学校の社会』を著しました。また他の著書に『シャドゥ・ワーク』『ジェンダー』などがあります。
B-イ
フレイレはブラジルの教育者、哲学者です。貧しい農村の人々に識字教育を行いました。代表的な著者として『被抑圧者の教育学』があります。
ウ.
フレネはフランスの教育者です。子どもの自発的な発想や学習を尊重し、「自由作文」「学校印刷所」「学校間通信」などの作成を推奨しました。また、子どもの学習の個別化を進め、子どもが各自の進度によって学習を進めていくことにしました。その経緯として、教室を子ども達一人ひとりがマイペースで活動する仕事場(アトリエ)と呼びました。著者に『手仕事を学校へ』があります。
次の【Ⅰ群】の記述と、【Ⅱ群】の人物を結び付けた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
【Ⅰ群】
- A 文化の継承として知識をそのまま受け容れて身に付けることが大切であると主張したが、そのためには機械的に知識を覚えさせるのではなく、学習者の認知構造に意味のある変化をもたらすように教えなくてはならないとした。
- B 行動主義心理学の立場で、刺激を与えれば反応が生起するという理論(S‒R 理論)をもとにプログラム学習を構想した。
【Ⅱ群】
- ア オーズベル(Ausubel, D.P.)
- イ ブルーナー(Bruner, J.S.)
- ウ スキナー(Skinner, B.F.)
(組み合わせ)
A | B | |
1 | ア | イ |
2 | ア | ウ |
3 | イ | ア |
4 | イ | ウ |
5 | ウ | イ |
オーズベル(オースベル)はアメリカの心理学者です。学ばせたい知識を学習者が事前に整理したり対象づけたりするために、知識の概略を先行して提供する先行オーガナイザーというシステムを開発しました。また、【Ⅰ群】の文章にある有意味受容学習を提唱しました。
B-ウ
スキナーはアメリカの心理学者です。①スモールステップ ②積極的反応 ③即時フィードバック ④自己ペース ⑤学習者検証、の5つの学習原理によって構成されるプログラム学習を構想しました。
イ.
ブルーナーはアメリカの心理学者です。発見学習を提唱し、この学習を用いれば、どの発達段階の子どもでも知的性格を保ちながら効果的に教えることができるとしました。
次のア~ウの図は、日本の教育制度を示したものである。年代を古い順に並べた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
(組み合わせ)
1 | ア→イ→ウ |
2 | ア→ウ→イ |
3 | イ→ア→ウ |
4 | イ→ウ→ア |
5 | ウ→イ→ア |
ア. 平成27年に施行された子ども・子育て支援新制度以降の教育制度。
イ. 明治33~40年ごろの教育制度。
ウ. 昭和24~47年ごろの教育制度
次の文は、中央教育審議会答申「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について」(平成 28 年)の一部である。( A )・( B )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
2030 年とその先の社会の在り方を見据えながら、学校教育を通じて子供たちに育てたい姿を描くとすれば、以下のような在り方が考えられる。
- ・ 社会的・職業的に自立した人間として、我が国や郷土が育んできた伝統や文化に立脚した広い視野を持ち、理想を実現しようとする高い志や意欲を持って、主体的に学びに向かい、必要な情報を判断し、自ら知識を深めて個性や能力を伸ばし、人生を切り拓ひらいていくことができること。
- ・ ( A )を通じて、自分の考えを根拠とともに伝えるとともに、他者の考えを理解し、自分の考えを広げ深めたり、集団としての考えを発展させたり、他者への思いやりを持って多様な人々と協働したりしていくことができること。
- ・ ( B )の中でも、感性を豊かに働かせながら、よりよい人生や社会の在り方を考え、試行錯誤しながら問題を発見・解決し、新たな価値を創造していくとともに、新たな問題の発見・解決につなげていくことができること。
(組み合わせ)
A | B | |
1 | 発表や主張 | 変化の激しい社会 |
2 | 発表や主張 | 知識基盤社会 |
3 | 対話や議論 | 変化の激しい社会 |
4 | 対話や議論 | 情報化社会 |
5 | 対話や議論 | 知識基盤社会 |
2030 年とその先の社会の在り方を見据えながら、学校教育を通じて子供たちに育てたい姿を描くとすれば、以下のような在り方が考えられます。
・ 社会的・職業的に自立した人間として、我が国や郷土が育んできた伝統や文化に立脚した広い視野を持ち、理想を実現しようとする高い志や意欲を持って、主体的に学びに向かい、必要な情報を判断し、自ら知識を深めて個性や能力を伸ばし、人生を切り拓ひらいていくことができること。
・ (A 対話や議論)を通じて、自分の考えを根拠とともに伝えるとともに、他者の考えを理解し、自分の考えを広げ深めたり、集団としての考えを発展させたり、他者への思いやりを持って多様な人々と協働したりしていくことができること。
・ (B 変化の激しい社会)の中でも、感性を豊かに働かせながら、よりよい人生や社会の在り方を考え、試行錯誤しながら問題を発見・解決し、新たな価値を創造していくとともに、新たな問題の発見・解決につなげていくことができること。
です。
次の文は、「幼稚園教育要領」(平成 29 年告示)第1章 第1「幼稚園教育の基本」の一部である。( A )・( B )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
教師は、幼児との信頼関係を十分に築き、幼児が( A )に主体的に関わり、環境との関わり方や意味に気付き、これらを取り込もうとして、( B )したり、考えたりするようになる幼児期の教育における見方・考え方を生かし、幼児と共によりよい教育環境を創造するように努めるものとする。
(組み合わせ)
A | B | |
1 | 身近な環境 | 試行錯誤 |
2 | 身近な環境 | 表現 |
3 | 身近な環境 | 判断 |
4 | 活動 | 判断 |
5 | 活動 | 試行錯誤 |
教師は、幼児との信頼関係を十分に築き、幼児が(A 身近な環境)に主体的に関わり、環境との関わり方や意味に気付き、これらを取り込もうとして、(B 試行錯誤)したり、考えたりするようになる幼児期の教育における見方・考え方を生かし、幼児と共によりよい教育環境を創造するように努めるものとする。
幼稚園教育要領より抜粋
第1章 総 則
第1 幼稚園教育の基本
幼児期の教育は,生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであり,幼稚園教育は,学校教育法に規定する目的及び目標を達成するため,幼児期の特性を踏まえ,環境を通して行うものであることを基本とする。
このため教師は,幼児との信頼関係を十分に築き,幼児が身近な環境に主体的に関わり,環境との関わり方や意味に気付き,これらを取り込もうとして,試行錯誤したり,考えたりするようになる幼児期の教育における見方・考え方を生かし,幼児と共によりよい教育環境を創造するように努めるものとする。これらを踏まえ,次に示す事項を重視して教育を行わなければならない。
次のA~Cのうち、「特別支援教育の推進について(通知)」(平成 19 年 文部科学省)の一部として、下線部分が正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- A 特別支援教育は、これまでの特殊教育の対象の障害だけでなく、知的な遅れのない発達障害も含めて、特別な支援を必要とする幼児児童生徒が在籍する全ての学校において実施されるものである。
- B 特別支援教育は、障害のある幼児児童生徒への教育にとどまらず、障害の有無やその他の個々の違いを認識しつつ様々な人々が生き生きと活躍できる共生社会の形成の基礎となるものであり、我が国の現在及び将来の社会にとって重要な意味を持っている。
- C 特別な支援が必要と考えられる幼児児童生徒については、担任一人が責任をもって保護者の理解を得ることができるよう慎重に説明を行い、学校や家庭で必要な支援や配慮について、保護者と連携して検討を進めること。
(組み合わせ)
A | B | C | |
1 | 〇 | 〇 | 〇 |
2 | 〇 | 〇 | × |
3 | 〇 | × | 〇 |
4 | × | 〇 | × |
5 | × | × | 〇 |
A.〇
B.〇
C.× 「担任一人が責任をもって」ではなく、正しくは「特別支援教育コーディネーター等と検討を行った上で」となります。
幼児期の教育は、生涯にわたる(A 人格形成)の基礎を培う重要なものであることにかんがみ、国及び地方公共団体は、幼児の(B 健やかな成長)に資する良好な環境の整備その他適当な方法によって、その振興に努めなければならない。
教育基本法より抜粋
第二章 教育の実施に関する基本
第十一条 幼児期の教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであることにかんがみ、国及び地方公共団体は、幼児の健やかな成長に資する良好な環境の整備その他適当な方法によって、その振興に努めなければならない。