保育士試験
過去問題
令和5年度(前期)
社会的養護 令和5年度(前期)
問1
次のうち、「児童の権利に関する条約」(国連)に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- A この条約において児童とは、20 歳未満のすべての者をいう。
- B 児童に関するすべての措置を取るにあたっては、児童の最善の利益が主として考慮される。
- C 父母の一方または双方から分離されている児童が、定期的に父母のいずれとも人的な関係および直接の接触を維持する権利を尊重する。
- D 児童が自身に影響を及ぼすすべての事項について自由に自己の意見を表明する権利を確保する。
(組み合わせ)
A | B | C | D | |
1 | 〇 | 〇 | 〇 | × |
2 | 〇 | 〇 | × | × |
3 | 〇 | × | × | × |
4 | × | 〇 | 〇 | 〇 |
5 | × | × | 〇 | 〇 |
正解は4
問2
次のうち、小規模住居型児童養育事業(ファミリーホーム)に関する記述として、適切なものを一つ選びなさい。
- 1 この事業は、家庭養護として養育者が親権者となり、委託児童を養育する取り組みである。
- 2 この事業の対象児童は、「児童福祉法」における「要支援児童」である。
- 3 この事業は、第一種社会福祉事業である。
- 4 この事業は、5人または6人の児童を養育者の家庭において養育を行う取り組みである。
- 5 この事業において委託児童の養育を担う養育者は、保育士資格を有していなければならない。
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
正解は4
1 不適切です 養育者はあくまで委託児童を養育するのであり、親権者にはなりません。
2 不適切です。小規模住居型児童養育事業の対象児童は、「児童福祉法」における「要保護児童」です。
3 不適切です。小規模住居型児童養育事業は、第二種社会福祉事業です。
4 適切です。
5 不適切です。小規模住居型児童養育事業の養育者になれる条件として、保育士資格が必ず必要という規定はありません。
2 不適切です。小規模住居型児童養育事業の対象児童は、「児童福祉法」における「要保護児童」です。
3 不適切です。小規模住居型児童養育事業は、第二種社会福祉事業です。
4 適切です。
5 不適切です。小規模住居型児童養育事業の養育者になれる条件として、保育士資格が必ず必要という規定はありません。
問3
次の文は、「児童養護施設運営指針」(平成 24 年3月 厚生労働省)の一部である。( A )~( C )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
子どもの入所理由の背景は単純ではなく、複雑・重層化している。ひとつの虐待の背景をみても、経済的困難、両親の不仲、精神疾患、( A )など多くの要因が絡み合っている。そのため、入所に至った直接の要因が改善されても、別の課題が明らかになることも多い。
こうしたことを踏まえ、子どもの背景を十分に把握した上で、必要な( B )も含めて養育を行っていくとともに、( C )も丁寧に行う必要がある。
(組み合わせ)
A | B | C | |
1 | 危機管理能力 | 心のケア | 家庭環境の調整 |
2 | 危機管理能力 | 教育的指導 | 里親委託への移行 |
3 | 養育能力の欠如 | 心のケア | 里親委託への移行 |
4 | 養育能力の欠如 | 教育的指導 | 里親委託への移行 |
5 | 養育能力の欠如 | 心のケア | 家庭環境の調整 |
正解は5
A 養育能力の欠如
B 心のケア
C 家庭環境の調整
B 心のケア
C 家庭環境の調整
問4
次のうち、里親支援専門相談員(里親支援ソーシャルワーカー)に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- A 児童養護施設や乳児院に配置され、里親の支援に関わる職員である。
- B 里親の新規開拓や里親委託の推進等を役割としている。
- C 業務内容の範囲は里親委託までであり、委託後の里親支援については、児童相談所が担う。
- D 資格要件は、保育士資格取得者でなければならないと定められている。
(組み合わせ)
A | B | C | D | |
1 | 〇 | 〇 | 〇 | × |
2 | 〇 | 〇 | × | × |
3 | 〇 | × | 〇 | × |
4 | × | 〇 | × | 〇 |
5 | × | × | 〇 | 〇 |
正解は2
A 適切です。
B 適切です。
C 不適切です。里親支援専門相談員の業務内容は、①所属施設の児童の里親委託の推進、②退所児童のアフターケアとしての里親支援、③地域支援としての里親支援となっています。
D 不適切です。里親支援専門相談員の資格条件として、保育士資格取得者でなければならないという規定はありません。
B 適切です。
C 不適切です。里親支援専門相談員の業務内容は、①所属施設の児童の里親委託の推進、②退所児童のアフターケアとしての里親支援、③地域支援としての里親支援となっています。
D 不適切です。里親支援専門相談員の資格条件として、保育士資格取得者でなければならないという規定はありません。
問5
次のうち、「社会的養育の推進に向けて」(令和4年 厚生労働省)に示された「家庭と同様の養育環境」として、正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- A 里親
- B 養子縁組
- C 地域小規模児童養護施設(グループホーム)
- D 小規模グループケア(分園型)
(組み合わせ)
A | B | C | D | |
1 | 〇 | 〇 | 〇 | × |
2 | 〇 | 〇 | × | × |
3 | 〇 | × | 〇 | × |
4 | × | 〇 | × | 〇 |
5 | × | × | 〇 | × |
正解は2
A 適切です。
B 適切です。
C 不適切です。地域小規模児童養護施設(グループホーム)は、良好な家庭的環境です。
D 不適切です。小規模グループケア(分園型)は、良好な家庭的環境です。
B 適切です。
C 不適切です。地域小規模児童養護施設(グループホーム)は、良好な家庭的環境です。
D 不適切です。小規模グループケア(分園型)は、良好な家庭的環境です。
問6
次のうち、「児童養護施設運営指針」(平成 24 年3月 厚生労働省)に基づく養育・支援に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- A 子ども自身が自分たちの生活について主体的に考えて、自主的に改善していくことができるような活動(施設内の子ども会、ミーティング等)を行うことができるよう支援する。
- B 子どもが孤独を感じることがないよう、できるだけ中学生以上においても2人以上の相部屋とする。
- C 子どもが基本的な信頼感を獲得し、良好な人間関係を築くために、職員と子どもが個別的にふれあう時間を確保する。
- D 成長の記録(アルバム)が整理され、成長の過程を振り返ることができるようにする。
(組み合わせ)
A | B | C | D | |
1 | 〇 | × | 〇 | 〇 |
2 | 〇 | × | × | 〇 |
3 | × | 〇 | 〇 | × |
4 | × | 〇 | × | 〇 |
5 | × | × | 〇 | × |
正解は1
A 適切です。
B 不適切です。中学生以上は個室が望ましいとされています。相部屋であっても個人の空間を確保する必要があります。
C 適切です。
D 適切です。
B 不適切です。中学生以上は個室が望ましいとされています。相部屋であっても個人の空間を確保する必要があります。
C 適切です。
D 適切です。
問7
次のうち、社会的養護に関わる相談援助の専門用語に関する記述として、適切なものの組み合わせを一つ選びなさい。
- A ソーシャル・アクションとは、制度やサービスの改善を目指して行政や市民等に働きかけることをいう。
- B スーパービジョンとは、異なる分野の専門職と協働して問題解決を図ることをいう。
- C ネットワーキングとは、家族や社会資源等が連携して支援体制を構築していくことをいう。
- D ケースワークとは、入浴の援助や食事場面での援助等、日常生活における支援のことをいう。
(組み合わせ)
1 | A | B |
2 | A | C |
3 | A | D |
4 | B | C |
5 | C | D |
正解は2
A 適切です。
B 不適切です。スーパービジョンとは、スーパーバイジーがスーパーバイザーに指導、教育をしてもらうことです。対人援助者監督指導とも呼ばれます。
C 適切です。
D 不適切です。ケースワークとは困りごとや問題を抱えている人の相談を受けることです。
B 不適切です。スーパービジョンとは、スーパーバイジーがスーパーバイザーに指導、教育をしてもらうことです。対人援助者監督指導とも呼ばれます。
C 適切です。
D 不適切です。ケースワークとは困りごとや問題を抱えている人の相談を受けることです。
問8
次のうち、社会的養護関係施設における第三者評価事業に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- A 職員の参画による評価結果の分析・検討する場を設け実行する。
- B 施設の利用者を対象とした調査を実施するよう努める。
- C 毎年第三者評価を受けなければならない。
- D 第三者評価の基準は施設が独自に決める。
(組み合わせ)
A | B | C | D | |
1 | 〇 | 〇 | 〇 | × |
2 | 〇 | 〇 | × | × |
3 | 〇 | × | × | × |
4 | × | 〇 | 〇 | 〇 |
5 | × | × | 〇 | 〇 |
正解は3
A 適切です。
B 不適切です。施設の事業者や利用者は対象にならず、公正・中立な第三者機関が専門的かつ客観的な立場から評価します。
C 不適切です。第三者評価は3か年度毎に1回以上受審し、その結果の公表をしなければなりません。毎年行わなければならないのは、自己評価です。
D 不適切です。第三者評価は施設が独自に決めるものではなく、全てのサービスに共通する項目(共通評価項目)と、サービスの種別によって異なる個別評価項目に分かれます。個別評価項目は県独自のものとなっております。
B 不適切です。施設の事業者や利用者は対象にならず、公正・中立な第三者機関が専門的かつ客観的な立場から評価します。
C 不適切です。第三者評価は3か年度毎に1回以上受審し、その結果の公表をしなければなりません。毎年行わなければならないのは、自己評価です。
D 不適切です。第三者評価は施設が独自に決めるものではなく、全てのサービスに共通する項目(共通評価項目)と、サービスの種別によって異なる個別評価項目に分かれます。個別評価項目は県独自のものとなっております。
問9
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
Uちゃん(小学3年生、女児)は、母親と二人でK母子生活支援施設に入所している。Uちゃんの母親は、最近就職した。まだ仕事に慣れない様子で、疲れている様子がその表情にも見られた。ある日、施設内の学習室にUちゃんが来て、「お母さんがイライラしてすぐに怒る。一緒にいると喧嘩になるからこっちに来た。本当はみてもらいたい宿題だってあるのに」とH母子支援員に言った。
【設問】
次のうち、H母子支援員のとるべき対応として、最も不適切なものを一つ選びなさい。
- 1 「宿題をみるのが私でも良いのであれば、一緒にやろうか」とUちゃんに話す。
- 2 Uちゃんの母親を学習室に呼び、Uちゃんの宿題をみるよう指導する。
- 3 Uちゃんが母親に言い返したり喧嘩をしたりせずに学習室に来たことをほめ、Uちゃんの話を聴く。
- 4 「お母さんは、新しい仕事に行くようになって疲れがたまっているのかもしれないね」とUちゃんに話す。
- 5 Uちゃんの母親に、職場の様子や体調、精神的なストレスの様子について話を聴く。
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
正解は2
1 適切です。
2 不適切です。新しい仕事に慣れて落ち着くまで、Uちゃんと母親の話を聞き、強要をせずケアを行うようにします。
3 適切です。
4 適切です。
5 適切です。
2 不適切です。新しい仕事に慣れて落ち着くまで、Uちゃんと母親の話を聞き、強要をせずケアを行うようにします。
3 適切です。
4 適切です。
5 適切です。
問10
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
S児童養護施設のグループホーム(地域小規模児童養護施設)に勤務している新人のL保育士は、中学生のY君(14 歳、男児)を担当している。Y君は、学校以外のほとんどの時間は自室で過ごし、他児とも関わろうとしない。L保育士はY君と話をしようと声掛けするが「お前に話すことなんてない」と返答され、Y君へどのような支援を行えば良いか悩んでいる。
【設問】
次のうち、L保育士がY君の支援を検討するために行うものとして、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- A L保育士が自らの関わりについて日誌を通して振り返る。
- B 基幹的職員にスーパービジョンを依頼する。
- C Y君の通う学校の先生と連絡をとり、Y君の学校での様子を聴く。
- D 今まで Y 君を担当した職員から、入所までの経緯やこれまでの関わりに関する情報を得る。
(組み合わせ)
A | B | C | D | |
1 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
2 | 〇 | 〇 | 〇 | × |
3 | 〇 | 〇 | × | × |
4 | 〇 | × | 〇 | × |
5 | × | 〇 | × | 〇 |
正解は1
A 適切です。
B 適切です。
C 適切です。
D 適切です。
B 適切です。
C 適切です。
D 適切です。
B 適切です。
C 適切です。
D 適切です。